結婚したい男と、結婚させたい奴等と、結婚したくない僕。の話

たまとら

文字の大きさ
13 / 47
結婚が降りかかってきました

13 やっちまった事の後始末

しおりを挟む


朝日が目に染みる。
マルロが優しく回復魔法を掛けてくれたから、擦って腫れた瞼がすっきりした。

昨夜はぐだぐだだった。

父様に連行されたルカとマルロは、正座で洗いざらい吐かされた。

『処女を捨てるぞー‼︎』
というところで涙ぐみ。

マデウスと三階に行った所で結界した。

父様の涙が止まらない…。

恥ずかしさと居た堪れなさにもじもじしていたら、水分を飛ばして塩揉みされた胡瓜のような父様が、

はあぁ… と、息を吐いた。

「で、どうするんだ。マデウス様と結婚するのか?」

「へあっ!」
項垂れた気持ちが吹っ飛んだ。

「無理‼︎ 無いです! 絶対ナッシング‼︎」

結婚が嫌だから突っ走ったのに、結果自分の首締めちゃったってどゆこと⁉︎

「だが、お前の…」

左耳を指差され、へにょりとなる。
アクアマリンの色が入ったピアス。
マデウス様の色だ。
これでもかっていうぐらいに主張されている。

「わざわざ交換したんだろう…」

声が小さい!

「違うから!なんかの付与で自分のだと思い込んでたんだから!」

とりあえずコレを外そうと手をつけたら
バチッ‼︎
と、弾かれた。


つけてる当人なのにっ!

~~誰が触っても。
どんな魔道具を押し付けても。

弾かれる。

なんで!

……王家にはお前らごときじゃ太刀打ち出来ない魔道具ありますぜ。って、こと?


考えたら、僕のピアス。
防護の付与を付けてたのに。
なんで、外されたんだろう…。

顔に出てたのか、マルロがへろっと言った。
「いやぁ。中から外から互いの体液まみれだったから。同一視されて発動しなかっなのかなぁ?」

だから、空気読めっ!

「た、体液…、中から外から…」

父様はソファに崩れた。
そのまま石になっている。

レフリーストップを出す様に、秘書官のバザルトがお茶のカートを脇に寄せた。
石地蔵をチラ見して、はぁと息を吐く。

「ルカ様。今日の所はそろそろ…」



はーい。


と逃げ出したけれども、もう心はぐちゃぐちゃで。

自分で突っ走ってやらかしちゃったから、いい訳も出来ず。
ルカは自己嫌悪に陥った。

だいたい。
噂にものぼらない王弟が酒場に居るってどうよ。
あんな格好でいるなんて思わないじゃん。
身体弱くてどっかに篭ってるって聞いた事あるし。

あれ、ぜったい影を引き連れて裏で暗躍してる奴だよね。
腹黒確定な奴だよね。


結局は、あんな股裂地獄をあじわったのに。
結婚から逃げるどころか、自分から両足揃えて飛び込んだ結果になったわけで。

ルカは珍しくぐずぐず悩んで朝を迎えた。
おかげで朝日が目に染みる。


マルロがふわふわパンケーキをオーダーしてくれたので、ナッツを砕いたソースで食べた。
フルーツも頂く。
食べたら気分は浮上してくるわけで。

そう、何時迄もぐだぐだしててもしょうがないし。
やらかしたのは、挽回すれば良いわけで。


どんまい‼︎
今日も頑張ろう!

「無駄にポジティブな所。良いと思います」

マルロのサムズアップに、どことなくイラっとした。



そういうわけで、デートだ。
身支度だ。
いつマデウスが来ても良いように身支度する。

冒険者で来るか、王弟で来るか…。
悩んだが、こちとらがっつり貴族を前面に出す事にした。

何が合っても逃げれるように、基本は乗馬服だ。

飲み込んだ侍従達が、磨き上げる。
髪はその苺のような色を押し出すように、片側を結い上げて、残りを艶やかに流した。

ジャケットはラピスラズリのように濃い紫色のある鮮やかな青色だ。
ザナドスパイダーの吐く糸で織り上げた物で、艶も着心地も防御力も、お値段もばっちりなところに。
がっつりと魔石を刺繍と縫い込んでいる。

キュロットはスパンタの皮で、特に膝を厚めにして。
ブーツはこの艶でムリングの上位種の物だとわかるはずだ。

この戦闘服を見下せる商人は王都にいない。
見るからにお値段と手間のかかった、貴族の為の服だし。

さぁ、こい!

マデウスからの先触れをルカは心待ちした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

【完結】王弟殿下の欲しいもの

325号室の住人
BL
王弟殿下には、欲しいものがある。 それは…… ☆全3話 完結しました

遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。

月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」 幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。 「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」 何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。 「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」 そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。 僕、殿下に嫌われちゃったの? 実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。

どこにでもあるBL小説の悪役になったけど、BLする気なかったのにBLになった。

了承
BL
どこにでもある内容のビー小説に入った20歳フリーターがいつのまにかBLしてしまった短編です。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...