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結婚が降りかかってきました
17 自分の主は自分だけ
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飛竜の編隊は美しいVの字型で飛んで来た。
一斉に横に滑って滑空して、訓練場に降り立つ。
王立の竜騎士は全部で21対。
つまり今は19頭が大空を舞っている。
規律正しい飛竜は、リーダーをトップに四列でそこに並んだ。
青銅竜、褐色竜、黒竜、緑竜と、大きさ順にきっちりと並んでいる。
余計な羽搏きもざわめきもせずに、訓練の終了を待っている。
凄いや。
感動したルカに。
何故か自慢げなマデウス。
やがて竜達に挨拶されてご満悦なルカ。
フェルベーツ家という、いわば憧れのご本尊の子息の登場に浮き足立つ騎士達。
そしていざ実物を見て、その見てくれの可憐さにわらわらと取り囲んでデレるマッチョの壁。
何気にそれを見て、アルカイックスマイルがピシリと綻びるマデウス。
……うん。カオスだ。
マルロは背後で俯瞰しながら、苦笑いを浮かべていた。
飛竜は飛んだ後は水浴びをする。
その世話は相棒の仕事だ。
念話で、お痒いところはございませんかぁ?
と、抜けの無い世話をするためだ。
成長で剥がれた皮を残したり、傷やボロボロな皮は飛ぶ為には危険だからこの作業は外せない。
もちろんその後のクリームも欠かせない。
挨拶の後、仲良く水場に向かう竜達を見送って、
さて、とルカは腰に手を当てた。
「とても楽しかった。ありがとう。
さぁ、僕のピアスを外してくれる?」
「これから食事迄がデートコースなんだが」
「いや、僕はそろそろ時間切れなんだ。
コレを外して僕のを返して。」
瑠璃色の目が真っ直ぐマデウスを射る。
ふぅ、と溜め息をつきながら、マデウスの頭の中は高速で動いていた。
「無理だよ。わかってるだろう?
こんなチャンスを棒に振る奴はいない。
俺は君に惹かれてる。俺にしておけ。
大事にするから。」
ルカのふっくらした唇が、きゅっと真一文字に結ばれた。
見開いた目が、紅く反射する。
きっと上げた顎が今までの柔らかさを捨てて、マデウスを睨みつけた。
「なんでそんなに取り込もうとするの?フェルベーツが反乱でも起こすって疑ってるの?"深魔の森"から出て来る魔物の処理でいっぱいいっぱいなのに。そんなありもしない影に怯えて、僕を縛りつけようって言うの⁉︎」
ちっちぇ奴。
口元が嘲けるように上がった。
ストロベリーキャンドルの髪が振り上げられ、燃えているようだ。
「無理だ。僕の主は僕だ。
誰にも縛られない。それを返して。」
マデウスの耳を指差したが、マデウスは黙って身動きしない。
ふぅ…ん。
この程度の飾りをとれないと思ってる訳か。
ちょっと馬鹿にしてるよねぇ。
ルカは左手をリプルの実を掴むように軽く握り込んだ。
その中に風を起こす。
手の中に青白い空気がくるくると回り出す。
その空気の球を胸元に持っていきながら、ルカはもう一度口を開いた。
「コレを外して。
僕は紐付きにならない。」
その射る様な目を生温く見返して、マデウスは微笑む。
「俺を脅しても無駄だ。俺を攻撃すれば、周りも無事ではいられない。おとなしく俺のモノになれ。」
その余裕の顔をルカは笑いとばした。
「あんたを攻撃って!あはは。
なんて自意識過剰野郎なんだよっ!
コレはこうすんだ‼︎」
「ルカ様っ!」
マルロの声より早く。
ルカはその空気の球で左耳を包み込んだ。
じゅぐぁぁぁぁぁっ…
肉を弾く音がして、手の中が青白く光る。
手の中でマデウスの魔道具が稲光りをあげてパシャッパシャと何度か喚いた。
指の間から鮮血がしゅっしゅっと弾ける。
棒立ちになるマデウスに、口の端を上げたまま。
ルカは自らの耳たぶを削り落としていた。
一斉に横に滑って滑空して、訓練場に降り立つ。
王立の竜騎士は全部で21対。
つまり今は19頭が大空を舞っている。
規律正しい飛竜は、リーダーをトップに四列でそこに並んだ。
青銅竜、褐色竜、黒竜、緑竜と、大きさ順にきっちりと並んでいる。
余計な羽搏きもざわめきもせずに、訓練の終了を待っている。
凄いや。
感動したルカに。
何故か自慢げなマデウス。
やがて竜達に挨拶されてご満悦なルカ。
フェルベーツ家という、いわば憧れのご本尊の子息の登場に浮き足立つ騎士達。
そしていざ実物を見て、その見てくれの可憐さにわらわらと取り囲んでデレるマッチョの壁。
何気にそれを見て、アルカイックスマイルがピシリと綻びるマデウス。
……うん。カオスだ。
マルロは背後で俯瞰しながら、苦笑いを浮かべていた。
飛竜は飛んだ後は水浴びをする。
その世話は相棒の仕事だ。
念話で、お痒いところはございませんかぁ?
と、抜けの無い世話をするためだ。
成長で剥がれた皮を残したり、傷やボロボロな皮は飛ぶ為には危険だからこの作業は外せない。
もちろんその後のクリームも欠かせない。
挨拶の後、仲良く水場に向かう竜達を見送って、
さて、とルカは腰に手を当てた。
「とても楽しかった。ありがとう。
さぁ、僕のピアスを外してくれる?」
「これから食事迄がデートコースなんだが」
「いや、僕はそろそろ時間切れなんだ。
コレを外して僕のを返して。」
瑠璃色の目が真っ直ぐマデウスを射る。
ふぅ、と溜め息をつきながら、マデウスの頭の中は高速で動いていた。
「無理だよ。わかってるだろう?
こんなチャンスを棒に振る奴はいない。
俺は君に惹かれてる。俺にしておけ。
大事にするから。」
ルカのふっくらした唇が、きゅっと真一文字に結ばれた。
見開いた目が、紅く反射する。
きっと上げた顎が今までの柔らかさを捨てて、マデウスを睨みつけた。
「なんでそんなに取り込もうとするの?フェルベーツが反乱でも起こすって疑ってるの?"深魔の森"から出て来る魔物の処理でいっぱいいっぱいなのに。そんなありもしない影に怯えて、僕を縛りつけようって言うの⁉︎」
ちっちぇ奴。
口元が嘲けるように上がった。
ストロベリーキャンドルの髪が振り上げられ、燃えているようだ。
「無理だ。僕の主は僕だ。
誰にも縛られない。それを返して。」
マデウスの耳を指差したが、マデウスは黙って身動きしない。
ふぅ…ん。
この程度の飾りをとれないと思ってる訳か。
ちょっと馬鹿にしてるよねぇ。
ルカは左手をリプルの実を掴むように軽く握り込んだ。
その中に風を起こす。
手の中に青白い空気がくるくると回り出す。
その空気の球を胸元に持っていきながら、ルカはもう一度口を開いた。
「コレを外して。
僕は紐付きにならない。」
その射る様な目を生温く見返して、マデウスは微笑む。
「俺を脅しても無駄だ。俺を攻撃すれば、周りも無事ではいられない。おとなしく俺のモノになれ。」
その余裕の顔をルカは笑いとばした。
「あんたを攻撃って!あはは。
なんて自意識過剰野郎なんだよっ!
コレはこうすんだ‼︎」
「ルカ様っ!」
マルロの声より早く。
ルカはその空気の球で左耳を包み込んだ。
じゅぐぁぁぁぁぁっ…
肉を弾く音がして、手の中が青白く光る。
手の中でマデウスの魔道具が稲光りをあげてパシャッパシャと何度か喚いた。
指の間から鮮血がしゅっしゅっと弾ける。
棒立ちになるマデウスに、口の端を上げたまま。
ルカは自らの耳たぶを削り落としていた。
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