なんでもいい

榊 海獺(さかき らっこ)

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サトラレ

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僕が中学生の頃、『サトラレ』というドラマが放送された。(原作は漫画らしい。)
皆さんはご存知だろうか。
主人公の思ったことが、話さずして周囲の人に伝わってしまうというものだった。
特定の人にではなく、誰にでも伝わってしまうのだ。
日頃の頭の中で繰り広げられる、あ~んなのとや、こ~んなことも全部伝わってしまう。なかなか生き辛いものである。

ここで一つカミングアウトをしようと思う。
何を隠そう、僕は最近まで自分のことを”サトラレ”だと思って生きてきた。(今でも時々思ってしまうことがある。)
自分が思ったことが、全て筒抜けで誰にでも伝わってしまう。そう思って生きてきた。
心の中で失言をした際は、心の中で訂正を入れ、謝罪までする。
側から見れば、嘘みたいな話しに思えるだろうが、当時そのドラマを観た際に、自分が”サトラレ”であると思い込んでしまったことで、日常的に”サトラレ”が染み付いてしまった。
正直、あのドラマを観なければ別の自分になっていたと思う。

じゃあ、”サトラレ”だと思い込むことで、具体的にどんな影響があるのか。
簡単な話だ。会話が上手く出来なくなる。
会話をしてる最中でも、心の中で絶えず行われる”サトラレ対策会議”。誤解を招かぬようにするにはどうしたらいいのか。もしも誤解を生んでしまうような発言をしてしまった際はどうしたらいいのか。絶えず繰り返される禅問答。心の中でそう言うことを繰り返していくと、段々とどれを声に出して発したのかが分からなくなる。
ポケモンで言う、混乱状態だ。
(ポケモンじゃなくても混乱するだろう。)
その結果、上手く会話が出来なくなる。

実を言うと、僕は学生時代に軽い対人恐怖症を患っていた。そのキッカケになったのもこのことからだった。
しかしながら、この”サトラレ”も最近になって落ち着いてきた。言いたいことがはっきり言えるようになってきた。というよりも、気が付いたら口に出してしまっている。アルコールとは恐ろしいものだ。
そのことで僕を避けたり、嫌いになった人間も居るだろう。まぁいい。
ぶっちゃけた話し、嫌われる奴には嫌われる。それは仕方ないことなのだ。

ほぼ間違いなく居ないとは思うが、もしも僕と同じように自分を”サトラレ”だと思ってる人が居たら、一刻も早く気付いて欲しい。
気を使いすぎている君は、”サトラレ”ではない。”サトル”スペシャリストなのだ。
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