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髪を伸ばしてください
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「髪を伸ばしてください。」
顔写真等を使わずアバターを使い、ゲーム感覚で出来るマッチングアプリをしていた頃、マッチングした1人の女性にそう言われた。
もう一度言う。顔写真を使わないマッチングアプリでだ。
似合うかどうかも分からずにだ。
ただ単に、彼女は長髪の男性が好きだったのだろう。(そういうことにしておいてくれ。)
その時、僕はちょうど”髪を切ろう!”というタイミングだった。
前髪が目とメガネの間に入ってきたりして、凄い邪魔だった。
「髪を伸ばしてください。」
正直迷ったけれど、暫く髪を伸ばしてみることにした。あれは8月の初め頃だった。
暑い中、汗だくになりながら生活をした。
職場では、作業をする時に邪魔なので、ヘアバンドやヘアピンをしていた。
「なんかサッカー選手みたいだな!」
「髪型だけ菅田将暉!!」
なんて上司に揶揄われたりもした。
それでも、僕は髪を伸ばし続けた。
約4ヶ月間。
ただ伸ばすだけでは、清潔感が著しく損なわれてしまうので、徹底的にケアをしてみた。まず、髪が絡まってごわつくことで、抜け毛に繋がるのではないか?と思った僕は、シャンプーとトリートメントを変え、髪が絡みにくくした。そして、お風呂上がりは洗い流さないトリートメントをつけて、ドライヤーで乾かす。ここまで全てパンテーン。さて、問題はスタイリングだ。
ワックスやジェル、バームなど色々試した結果、辿り着いたのはヘアオイルを使った濡れ髪のスタイリングだった。メンズで濡れ髪スタイリングというと、パーマが掛かっていることがベースのものが多く、あまり参考になりそうなものがなかったので、女性Youtuberの人を参考にした。いざ、スタイリングをしてみると、なんとまぁ奇跡的にいい感じに仕上がった。
そして、いよいよマッチングアプリの人との対面の日。当然のことながら僕も相手の顔や身形を知らない。ドキドキしながら、待ち合わせ場所へ向かった。そこに居たのは、とても可愛らしい女性だった。黒髪ショートカットで、少しスポーティーな感じの女性だった。1日一緒に居て分かったこと。彼女のイメージしていた髪の長い男性というのは、髪を結べるくらい長い男性だった。僕は初期の三井寿くらいの長さだった為、全然足りていなかった。
ちなみに、僕らが恋愛の関係になることは無かった。趣味が合いすぎた僕らは友達という関係で歩き出した。
12月も中旬から後半に差し掛り、僕は漸く髪を切った。10cm以上は切ったのではないだろうか。冬の風で揺れる切り立ての短い髪に、どこか恥ずかしいような、照れ臭いような気持ちになった。
顔写真等を使わずアバターを使い、ゲーム感覚で出来るマッチングアプリをしていた頃、マッチングした1人の女性にそう言われた。
もう一度言う。顔写真を使わないマッチングアプリでだ。
似合うかどうかも分からずにだ。
ただ単に、彼女は長髪の男性が好きだったのだろう。(そういうことにしておいてくれ。)
その時、僕はちょうど”髪を切ろう!”というタイミングだった。
前髪が目とメガネの間に入ってきたりして、凄い邪魔だった。
「髪を伸ばしてください。」
正直迷ったけれど、暫く髪を伸ばしてみることにした。あれは8月の初め頃だった。
暑い中、汗だくになりながら生活をした。
職場では、作業をする時に邪魔なので、ヘアバンドやヘアピンをしていた。
「なんかサッカー選手みたいだな!」
「髪型だけ菅田将暉!!」
なんて上司に揶揄われたりもした。
それでも、僕は髪を伸ばし続けた。
約4ヶ月間。
ただ伸ばすだけでは、清潔感が著しく損なわれてしまうので、徹底的にケアをしてみた。まず、髪が絡まってごわつくことで、抜け毛に繋がるのではないか?と思った僕は、シャンプーとトリートメントを変え、髪が絡みにくくした。そして、お風呂上がりは洗い流さないトリートメントをつけて、ドライヤーで乾かす。ここまで全てパンテーン。さて、問題はスタイリングだ。
ワックスやジェル、バームなど色々試した結果、辿り着いたのはヘアオイルを使った濡れ髪のスタイリングだった。メンズで濡れ髪スタイリングというと、パーマが掛かっていることがベースのものが多く、あまり参考になりそうなものがなかったので、女性Youtuberの人を参考にした。いざ、スタイリングをしてみると、なんとまぁ奇跡的にいい感じに仕上がった。
そして、いよいよマッチングアプリの人との対面の日。当然のことながら僕も相手の顔や身形を知らない。ドキドキしながら、待ち合わせ場所へ向かった。そこに居たのは、とても可愛らしい女性だった。黒髪ショートカットで、少しスポーティーな感じの女性だった。1日一緒に居て分かったこと。彼女のイメージしていた髪の長い男性というのは、髪を結べるくらい長い男性だった。僕は初期の三井寿くらいの長さだった為、全然足りていなかった。
ちなみに、僕らが恋愛の関係になることは無かった。趣味が合いすぎた僕らは友達という関係で歩き出した。
12月も中旬から後半に差し掛り、僕は漸く髪を切った。10cm以上は切ったのではないだろうか。冬の風で揺れる切り立ての短い髪に、どこか恥ずかしいような、照れ臭いような気持ちになった。
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