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寂しがり屋達のOne Night Carnival(前編)
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僕が中学生の頃、足繁く通っていた近所の児童館で空前のバンドブームが訪れた。
事の発端は、異動でやってきた先生が元バンドマンだったことだった。
そのことを知り、いち早く飛びついた大塚は、児童館の音楽室で埃を被っていたギターを引っ張り出してきて、先生に教えを乞いた。
「一緒にやろうよ。」
何度か大塚に誘われたが、僕は頑なに断った。
そう。僕はドラマー志望だったのだ。
当時の僕はB'zに首ったけだった。そして、稲葉さんでも松本さんでもなく、サポートドラマーのシェーン・ガラースの大ファンだった。
大塚が執拗く誘ってくるので、ある時そのことを告白してみた。
「俺ドラム叩きたいんだよ。」
「早く言ってよ。あれ。音楽室になかったっけ?」
「え。あるの。」
「多分あるよ。」
あった。音楽室倉庫の片隅で、燻んだ透明のビニールを被っていた。
「いや、これじゃ分からんて。」
大塚と僕は腹を抱えて笑った。
すぐに先生を呼び組み立ててもらう。
「うーん。これは壊れてるね。」
「えー。やっぱり?」
「これは修理がいるな。ちょっと時間もらえるかな。」
当時の児童館の財源がどこにどれだけあったのかは知らないが、半年後くらいにドラムは戻ってきた。しかしながら、その頃には既に僕らの音楽は、別々の方向へ歩き始めていた。
ドラムが修理へ旅立ってまもなく、児童館では中高生を対象とした、初心者ギター教室が始まった。しかしながら、当時児童館に来ていた中高生はギターどころか、音楽にほとんど興味がなかった。
そこで駆り出されたのが僕だった。
「ドラムが返ってくるまで、ギター弾こう。」
先生の熱心な説得と、嬉しそうな楽しそうな表情に降伏する形でギターを弾くことになった。先生の私物のリッケンバッカーとPROCOのRAT(ディストーションエフェクター)を、児童館にあったYAMAHAのトランジスタアンプに繋ぐという、なんとも贅沢な初心者ギター教室。
※リッケンバッカーは定価で30万を超えるギターです。
ちなみに、このギター教室で教わったのは、コードでもドレミファソラシドでもなく、ひたすらライトバンドだった。
「エレキギターっぽいことがしたい。」
という僕のわがままの末だ。今思うと面白くてしかたない。
ひたすら、オジー・オズボーンのクレイジートレインの、ギターソロにあるライトハンドのフレーズを繰り返し弾いた。
それから2週間弱。児童館にあったアコースティックギターで狂ったようにライトハンドを弾いた。当時の僕は、ギターが面白くて仕方がなかった。
そうこうしていると、ある欲望がじわりじわりとやって来る。
「そろそろ、自分のギターが欲しいな。」
1人で両親を説得する勇気のなかった僕は、児童館に母を呼び、先生と一緒に説得する作戦に出た。
事の発端は、異動でやってきた先生が元バンドマンだったことだった。
そのことを知り、いち早く飛びついた大塚は、児童館の音楽室で埃を被っていたギターを引っ張り出してきて、先生に教えを乞いた。
「一緒にやろうよ。」
何度か大塚に誘われたが、僕は頑なに断った。
そう。僕はドラマー志望だったのだ。
当時の僕はB'zに首ったけだった。そして、稲葉さんでも松本さんでもなく、サポートドラマーのシェーン・ガラースの大ファンだった。
大塚が執拗く誘ってくるので、ある時そのことを告白してみた。
「俺ドラム叩きたいんだよ。」
「早く言ってよ。あれ。音楽室になかったっけ?」
「え。あるの。」
「多分あるよ。」
あった。音楽室倉庫の片隅で、燻んだ透明のビニールを被っていた。
「いや、これじゃ分からんて。」
大塚と僕は腹を抱えて笑った。
すぐに先生を呼び組み立ててもらう。
「うーん。これは壊れてるね。」
「えー。やっぱり?」
「これは修理がいるな。ちょっと時間もらえるかな。」
当時の児童館の財源がどこにどれだけあったのかは知らないが、半年後くらいにドラムは戻ってきた。しかしながら、その頃には既に僕らの音楽は、別々の方向へ歩き始めていた。
ドラムが修理へ旅立ってまもなく、児童館では中高生を対象とした、初心者ギター教室が始まった。しかしながら、当時児童館に来ていた中高生はギターどころか、音楽にほとんど興味がなかった。
そこで駆り出されたのが僕だった。
「ドラムが返ってくるまで、ギター弾こう。」
先生の熱心な説得と、嬉しそうな楽しそうな表情に降伏する形でギターを弾くことになった。先生の私物のリッケンバッカーとPROCOのRAT(ディストーションエフェクター)を、児童館にあったYAMAHAのトランジスタアンプに繋ぐという、なんとも贅沢な初心者ギター教室。
※リッケンバッカーは定価で30万を超えるギターです。
ちなみに、このギター教室で教わったのは、コードでもドレミファソラシドでもなく、ひたすらライトバンドだった。
「エレキギターっぽいことがしたい。」
という僕のわがままの末だ。今思うと面白くてしかたない。
ひたすら、オジー・オズボーンのクレイジートレインの、ギターソロにあるライトハンドのフレーズを繰り返し弾いた。
それから2週間弱。児童館にあったアコースティックギターで狂ったようにライトハンドを弾いた。当時の僕は、ギターが面白くて仕方がなかった。
そうこうしていると、ある欲望がじわりじわりとやって来る。
「そろそろ、自分のギターが欲しいな。」
1人で両親を説得する勇気のなかった僕は、児童館に母を呼び、先生と一緒に説得する作戦に出た。
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