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爆弾処理班

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恋愛シュミレーションゲームをインストールしてみた。え。何?って。恋愛シュミレーションゲームをインストールしてみた。だから、何?恋愛シュミレーションゲームをインストールしてみた。
大事なことなので三回言ってみました。大事なことなんでしょうか。笑

僕は自他共に認める恋愛不適合者だ。前にも書いたが、マッチングアプリをやっても出逢いなどすっからかんだった。そもそも、メッセージが続かないのだ。仕方がないだろう。
しかしながら、このままでは生涯孤独一直線なので、何を思ったか、今後の対処法を学ぶべく、恋愛シュミレーションゲームなるものをインストールしてみた。我ながらとんでもない発想である。仕組みは簡単である。LINEのような画面でメッセージが届くので、そこにメッセージを返す。メッセージは自分で打ち込むのではなく、3つの候補から選んで送信する形だ。3択の内、一つが地雷となっており、それを選んだ時点でGAME OVERというものだ。言葉一つ間違えただけで、全てが終わってしまうと言うのはなんとも酷な話である。爆弾処理班か。

やってみて分かったこと。まず、返信の選択肢がスーパーチャラい。最初の2、3通目までしか安パイがない。”とりあえず、シタい”みたいなのしかない。デートの選択肢なんか家しかない。これは無理である。それでもせっかくインストールしたのだから、辛抱強く使ってみた。最初は安パイすら選べず終了していたのだが、何度か繰り返していくうちに、なんとなく分かってきた。僕はやはり恋愛不適合者だった。もう全然上手くいかないんだもの。笑

しかしながら、これはリアルな恋愛と違って、これはやり直しが利く。ダメになったら、同じ相手と出逢い直せる。何度もやり直し、傾向を学び対策し、リトライする。これを繰り返して、なんとかゴールに辿り着くことが出来た。まぁゴールと言っても、自撮り写真を模した謎の画像が送られてくるだけなんだけどね。結局、僕はほぼ全てのパターンを試した。それほどまでに僕はダメダメだった。こりゃリアルな恋愛なんて無理だぁ。そんなことを悟った、32歳の秋でした。





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