なんでもいい

榊 海獺(さかき らっこ)

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THANK YOU FOR THE MUSIC

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 2023年春。bonobosが解散する。


 
 僕がbonobosと出逢ったのは、辻凡人さんがきっかけだった。
 2012年。当時付き合っていた彼女のバイト先で有線放送が流れていた。そこで流れていたのがbonobosではなく、suzumokuの蛹だった。

 家に帰るや否や、YouTubeでsuzumokuのMVを片っ端から閲覧。特にモダンタイムスという曲に衝撃を受けた。そのMVはバンドスタイルで撮影されており、ベースとドラムにサポートメンバーを招いて撮影されていた。そう。その時のドラマーがbonobosに所属していた辻凡人さんだった。
 suzumokuのライブにもサポートとして参加されていた辻さん。真面目な人@ぼくらの文楽の映像の辻さんが特に好きだった。
 当時の僕は、サポートメンバーに興味を持ったことはあまりなかった。B'zのシェーンくらいか。となると、日本人は辻さんとハルーポッターが初めてだ。そこで辻さんのことを調べて辿り着いたのがbonobosだった。
 しかしながら、当時あまり聞き馴染みのない音楽に、その魅力があまりピンときていなかった。そのままYouTubeの画面を落としてしまった。

 そこから数年後。ふと辻さんのことを思い出しbonobosを検索。このことがきっかけでbonobosにどっぷりハマることとなる。
 まず衝撃を受けたのが、辻さんが脱退していた。そして、bonobosがとんでもないことになっていた。オリジナルメンバーの蔡忠浩(蔡さん)、森本夏子(なっちゃん)に加え、新たに小池龍平(龍平さん)、田中佑司(佑司さん)、梅本浩亘(梅さん)の3名が加入。音楽性も一気にシティポップ寄りに。
 ドストライクだった。新体制でのTHANK YOU FOR THE MUSIC(Nui!)を一曲聴いた時点で完全に虜になった。

 すぐさまインターネットでCDショップの在庫を検索し、日比谷のシャンテに走ったものだ。今思うと懐かしい。
 完全にハマったbonobos。すると不思議なことに、昔ハマらなかった曲達も全てが好きになった。

 ちなみに、初めて行ったライブは、2019年のBillboard TOKYOだった。自分への誕生日プレゼントとして席を取った。
 初めてのBillboard TOKYOだった。席は入り口入って階段を数段降りた通路側の席。大きなビール片手に開演を待つ。SEが鳴る。登壇を今か今かと待つ。すぐ横の通路を何人かの人達が降りていく。bonobosだった。大袈裟じゃなしに、手を伸ばせば届くんじゃないかくらいのところを、あのbonobosが。今まで感じたことのない興奮がそこにあった。
 ライブはというと、想像を遥かに超えて素晴らしかった。個人的にbonobosの音楽には魔法が掛かっていると思っている。特に夜の街を眺めながら聴くと効果は倍増する。ライブ終盤。彼らの後ろを覆っていたカーテンが開き、六本木の夜景が露わになった。それは、もう最高以外の言葉が見つからなかった。

 そこからは、年に一度くらいのペースで足を運んでいた。そして2022年。bonobosが2023年3月での解散を発表した。驚きもさることながら、なぜ年に一度のペースでしか観に行かなかったのか。自分を責めた。そして、残りのライブは可能な限り行こうと心に決めた。

 人生で初めてアーティストのファンクラブにも入った。2022年7月6日。僕の誕生日に。ライブのチケット先行予約の為に。見逃す訳にはいかないのだ。そして、5つのライブに参戦した。どれもこれも最高のライブだった。
 クラウドファンディングにも参加した。これも人生初めてだ。

 bonobosは僕に沢山の初めてをくれた。Billboard TOKYOも 代官山UNITもLIQUID ROOMも新宿文化センターもcotton clubもそして日比谷野外音楽堂も。全部bonobosが初めてだった。
(未だに全部bonobosでしか行ったことないです。)
 このご時世で旅行に行けなかった分、bonobosには沢山の場所に連れていってもらった。沢山の素敵な光景を見せてもらった。この感動も、この感謝も一生ものだと思っている。間違いなく、僕の人生で1番好きなバンドはbonobosだ。




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