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ライトファールゾーンのぬるま湯
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さて、肝心の少年野球の方はというと、全然上達しなかった。
僕の所属していたチームはかなりの大所帯。Aチーム、Bチーム、Cチームと3チームを形成しても、まだ選手が余るくらいだった。その中での競争に勝てるほど、僕は情熱を持ち合わせていなかった。何しろ「高橋由伸」が好きと言うだけで始めたのだ。「別に楽しければいい。」そのくらいにしか思ってなかった。
そもそもうちのチームは何故こうも大所帯なのか。うちのチームは地元では負け知らずで、東京都大会常連の強豪チームだった。あまりに強すぎて新聞に載ったこともあるくらい。その中に「楽しければいい」の奴が入ったところで高が知れている。
そんなこんなで、当然のことながらレギュラーチームには交わることが出来ず、ライトファールゾーンで基礎練習をする組に配属。キャッチボールをしたり、乗用車のタイヤをロープで腰に結んで走る、タイヤ引きをしたりしていた。僕はなんとなくそれで満足していた。ふざけてタイヤを二つ結んで走ったりして楽しんでいた。
基本的に基礎練習組には初心者が配属される。僕より歳が下の言わば後輩達が沢山居た。練習後にお菓子を分け合って食べていたりもして、そこそこ仲が良かった。楽しかった。
しかしながら、そんな日々もひょんなことで終わりを迎える。タイヤ引きが楽しくて夢中になってやっていたら、めちゃくちゃ足が速くなってしまった。レギュラー組に勝るとも劣らないくらい。そのことが監督にバレてしまった。
「お前ちょっとこっち来い。」
打撃に関しては全然練習をしていなかったのであれだが、守備に関してはキャッチボールで誰が一番高くフライを投げられるかを競ったりしてふざけていたせいで、肩も強くなってしまっていた。捕る方もフライを難なく捕れるくらいにはなっていた。ライトファールゾーンのぬるま湯から上がる日が来てしまった。後輩達の寂しそうな顔を背中にB軍へ。まぁ後輩達とはその後C軍で再会を果たすことになるのだが、それはまた別の機会にでも話そうと思う。
こうしてB軍に加わった僕は、これから始まるレギュラー争いの為に打撃練習をしなければならない。そんなことを考えながら家族でお好み焼き屋でもんじゃをつついていた。帰り際に父が会計を済ませる。会計が終わりお店を後にしようたした時だった。
「これよかったらどうぞ。」
店員さんから何やら紙の束を渡されていた。
「お父何貰ったの?」
「これだよ。」
父の手には大量のバッティングセンター無料券が握られていた。
「1日1ゲーム無料で出来るみたいだな。明日から行くか。」
「うん。」
この日を境に平日バッティングセンターに通う日々が始まった。井口モデルを抱えて。
僕の所属していたチームはかなりの大所帯。Aチーム、Bチーム、Cチームと3チームを形成しても、まだ選手が余るくらいだった。その中での競争に勝てるほど、僕は情熱を持ち合わせていなかった。何しろ「高橋由伸」が好きと言うだけで始めたのだ。「別に楽しければいい。」そのくらいにしか思ってなかった。
そもそもうちのチームは何故こうも大所帯なのか。うちのチームは地元では負け知らずで、東京都大会常連の強豪チームだった。あまりに強すぎて新聞に載ったこともあるくらい。その中に「楽しければいい」の奴が入ったところで高が知れている。
そんなこんなで、当然のことながらレギュラーチームには交わることが出来ず、ライトファールゾーンで基礎練習をする組に配属。キャッチボールをしたり、乗用車のタイヤをロープで腰に結んで走る、タイヤ引きをしたりしていた。僕はなんとなくそれで満足していた。ふざけてタイヤを二つ結んで走ったりして楽しんでいた。
基本的に基礎練習組には初心者が配属される。僕より歳が下の言わば後輩達が沢山居た。練習後にお菓子を分け合って食べていたりもして、そこそこ仲が良かった。楽しかった。
しかしながら、そんな日々もひょんなことで終わりを迎える。タイヤ引きが楽しくて夢中になってやっていたら、めちゃくちゃ足が速くなってしまった。レギュラー組に勝るとも劣らないくらい。そのことが監督にバレてしまった。
「お前ちょっとこっち来い。」
打撃に関しては全然練習をしていなかったのであれだが、守備に関してはキャッチボールで誰が一番高くフライを投げられるかを競ったりしてふざけていたせいで、肩も強くなってしまっていた。捕る方もフライを難なく捕れるくらいにはなっていた。ライトファールゾーンのぬるま湯から上がる日が来てしまった。後輩達の寂しそうな顔を背中にB軍へ。まぁ後輩達とはその後C軍で再会を果たすことになるのだが、それはまた別の機会にでも話そうと思う。
こうしてB軍に加わった僕は、これから始まるレギュラー争いの為に打撃練習をしなければならない。そんなことを考えながら家族でお好み焼き屋でもんじゃをつついていた。帰り際に父が会計を済ませる。会計が終わりお店を後にしようたした時だった。
「これよかったらどうぞ。」
店員さんから何やら紙の束を渡されていた。
「お父何貰ったの?」
「これだよ。」
父の手には大量のバッティングセンター無料券が握られていた。
「1日1ゲーム無料で出来るみたいだな。明日から行くか。」
「うん。」
この日を境に平日バッティングセンターに通う日々が始まった。井口モデルを抱えて。
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