Baseball Side Story

榊 海獺(さかき らっこ)

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ヨルカンタラ

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 アリスメンディ・アルカンタラ。2022年に日本ハムファイターズ(以下、日ハム)にやってきた助っ人外国人選手だ。
 助っ人外国人選手には珍しく、内外野どこでも熟せるユーティリティ性を兼ね備えた選手だった。

 入団当初は長打力よりも打率を買われて入団した選手だった。(ような気がする。)スイッチヒッターだったし。(スイッチヒッター=相手の投手に合わせて右打と左打ちを使い分ける選手。)
 しかしながら、蓋を開けてみたら真逆で、パンチ力のあるバッティングを武器に存在感を示し始めた。開幕から徐々にホームランを打ち始め、結果的にシーズンが終わる頃には14本ものホームランを放った。そんなホームランの中で、僕には忘れられないホームランがある。

 あれは忘れもしない交流戦のヤクルトスワローズ戦。明治神宮寺球場。僕は会社の後輩に背中を押され、コアラのマーチとの激闘を繰り広げた巨人対楽天戦以来の野球観戦に行くことにしていた。定時で仕事を切り上げ神宮球場へ。
 球場に着くと既に試合は2回表。急いでチケットを確認して、外野席の中段辺りの席に腰を下ろす。スコアボードを観ると既に2-0。慌ててスマートフォンでスコアを確認すると、淺間が2ベースヒットを放ち、その後松本剛が2ランホームランを打ったそうな。心の中で小さくガッツポーズをして、その後の試合を眺めた。

 2回裏。日ハムの先発投手の伊藤がフォアボールでランナーを出し、タイムリーツーベースで1点返される。
 その後はヤクルトに逆転され、追加点で離され。松本剛のタイムリーで差を縮めたものの、再度離され、9回表の時点で2点差で負けていた。さて、ここからがアルカンタラ劇場である。
 ヤクルトはクローザーとして絶対的地位を築いていたマクガフがマウンドへ。若干諦めムードも漂い始めたレフトスタンド。まず、その澱んだムードに光を当てたのが万波だった。ソロホームランを放つ。そして、ネクストバッターはアルカンタラ。諦めムードを切り裂くような二者連続ホームラン。一気に同点に。
 その後の打者は凡退したものの、9回裏のヤクルトの攻撃を石川直が0に抑えた。申告敬遠を上手く使いながら。そして、10回表。この試合の決着が付く。
 清宮がフォアボールで出塁し、代走に中島が送られる。何なく盗塁を成功させ、続く松本剛もヒットで繋ぐ。ノーアウト1、3塁。
 ここでヤクルト投手の木澤がワイルドピッチ。勝ち越しに成功する。そして、万波がタイムリーツーベースでもう1点追加。勝負もついたかと安堵感を抱き始めたそんな時だった。
 アルカンタラの二打席連続ホームラン(ツーランホームラン)。ヤクルトの息の根を止めた。
 10回裏にルーキーの北山が1点取られたものの、ヤクルトの反撃もそこまで。最終スコア6-9で日ハムが勝利を収めた。

 個人的にこの日1番の衝撃はアルカンタラだった。二打席連続ホームラン。インパクトが強かろう。MVPをあげたい。
 前々から何となく気付いていたのだけれど、アルカンタラはナイターゲームの終盤に滅法強かった。勝手に「ヨル(夜)カンタラ」と呼んでいたくらい。試合終盤に打席に立つと、期待感が凄かった。
 2023年を以て、日ハムを退団したヨルカンタラ。今はオアハカ・ウォーリアーズというチームに居るらしい。今でもヨルカンタラなのだろうか。実に気になるところだ。
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