Baseball Side Story

榊 海獺(さかき らっこ)

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クリスマス会

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 プロ野球もシーズンを終え、気がつけば12月に突入していた。
「クリスマス会やるからおいでよ。」
 また監督に手招きで呼ばれ、何かと思ったらそんなことだった。監督は手招きが趣味なのか。(やめい。やめい。失礼なやつだ。)

 監督は浅草でとんかつ屋を営んでいた。(今も営業中です。)そこで秘密裏に行われていたクリスマス会。僕もその秘密結社の基地のようなところに足を踏み入れることになった。
 クリスマス会ではプレゼント交換会があった。確か一人予算500~1,000くらいだったんじゃないかと思う。良く分からなかったので、プレゼントの準備は全て母に任せた。

 当日、母からプレゼントの紙袋を受け取り監督のとんかつ屋へ。ちなみにプレゼントの中身がなんだったのかは未だに知らない。多分母も覚えてないと思う。
 実を言うと僕はあんまり乗り気じゃなかった。というのも、僕は後輩とは仲がそこそこ良かったんじゃないかとは思うが、先輩はあんまり好きじゃなかった。なんか偉そうだし。(どの口が言うてんねんw)
 重い足取りをなんとか進めてお店の前へ。おかしい。シャッターが閉まっている。日程を間違えたんだろうか。そんな不安に駆られていたら、同級生何人かがやってきた。
「何やってんだよ。入れよ。」
 そう言ってシャッターを持ち上げたら、結構な人数がそこに集まっていた。いや、秘密結社感よ。もしくはあれか。ダヴィンチコード的な。伝わるかなぁ。伝わんないだろうなぁ。

 肝心のクリスマス会はというと、テーブルの上には沢山のジュースと監督お手製の揚げ物のオードブルやサラダ等が並べられていた。乾杯の合図とともに揚げ物にがっつく。(胃もたれと無縁の時代が懐かしい。) とんかつにエビフライ、クリームコロッケにからあげと、どれも美味しくて美味しくて。その中でもキスフライが絶品。(今も営業してるので是非一度食べてみて欲しい。)
 沢山あった揚げ物はあっという間になくなった。食べ盛りの小学生だ。そんなものか。そして、いよいよプレゼント交換会。みんなで輪になり、隣の人に渡していく。それを何回かやったところでストップが掛かった。この時に手元にあったプレゼントが自分の物となる。といっても、全て包装紙で包まれている為、その時点では中身は分からない。
「早く開けようよー。」
 あちらこちらからそんな声が飛ぶ。まぁ焦るでない。

 誰かの合図で一斉に包装をビリビリと開け始めた。僕もゆっくりと包装を開いていく。
 僕の貰ったプレゼントはポケモンのフィギュアとサイコロ状のポケモンの属性が書かれた何かだった。(組み立てる系の。) それが何なのかは知らなかったのだが、友達の家に置いてあったのを見てずっと気になっていたし、寧ろ欲しかった。
 素直に嬉しかったのだが、顔に出すのは少し恥ずかしかったので、静かに鞄にしまった。

 クリスマス会が終わり、家に向かって歩き出す。冷たい空気に覆われた空から、幾つか星がぶら下がっていた。まるでクリスマスツリーのオーナメントのように。そんな空を背に僕は家路を急いだ。家に帰ったら早速組み立てるのだ。この時の僕の瞳は星よりも輝いていたんじゃないかと思う。クリスマス会に誘ってくれた監督には感謝感謝だ。




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