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真中満のホームランボール
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野球少年達には誰しも一度は憧れるものがある。それは「試合を観に行って、ホームランボールをキャッチする。」ことだ。今日はそんなお話。
「ちょっと来い。」
野球の練習に打ち込んでいたある日、またまた監督に呼ばれた。ニヤニヤしていたから、何かまた悪巧みでもしてるんじゃないか。僕はそのくらいに思っていた。(監督を何だと思ってん。)
付いて行くと、監督はポケットから何やら2枚の紙切れを取り出した。
「これやるから行ってこい。」
差し出されたのはヤクルトスワローズの観戦チケットだった。
「親父と行ってこい。」
監督はそういうとニッコリと笑った。
僕の所属していたチームの監督は、実のところ元ヤクルトスワローズの選手だった。と言っても、僕が監督の存在を知った時点で、監督は監督であり、監督以外の何者でも無かったから、そりゃあもう監督は監督で監督が、、、。まぁその時点では、浅草で営んでいるとんかつ屋さんがメインの仕事だったのだが。(個人的に一番好きなとんかつは監督の揚げるとんかつです。一番好きなメニューはビーフシチュー。とんかつどこ行ってん。w)
さて、いざ当日。場所は明治神宮球場。実のところ東京ドーム以外は行ったことが無かったので、初の東京ドーム以外の球場だった。
天気は曇り空。(だった気がする。)屋外の球場で雨がパラついてなくて本当に良かったと思った。試合開始よりずっと早く球場に到着し、練習風景を眺める。何人かの選手が順番にバッティング練習をしている。小気味良い音が等間隔で聞こえてくる。場内アナウンスでは打球に注意するよう呼びかけをしていた。そんな時だった。
”カーン”
一際高いインパクト音と共に打球が僕の方へ。何となく眺めていたら、その違和感に気付く。あれ。これこっち来てない。
慌ててグローブを嵌めた親父が手を伸ばすと、何ともまぁホームランボールが取れてしまった。(バッティング練習のだけれど。)
親父と共に喜んでいたら、直ぐに係員の人が飛んできた。
「あの。お怪我はありませんか。」
「大丈夫です。」
親父はナイスキャッチしたボールを係員の人に見せる。
「良かったです。では、ボールをお預かりします。」
「え。」
「練習中のボールは回収することになっております。」
この時初めて知ったのだが、バッティング練習でのホームランボールは返さなければいけなかったようだ。なんだか味気ない気はしたけれども規則なら仕方がない。そのままボールを係員の人に渡す。
なんだか心にポッカリ穴が空いたような気がした。手元からボールが無くなってしまい、残ったのは「練習中のホームランボールを取った」という記憶だけ。誰に話しても信じてはくれないだろう。
後日、お礼も兼ねて監督の元へ。一応練習中のホームランボールを取ったこと、そのまま返却した為手元には何も残っていないことを伝えた。
「お前な。あんなもん隠しときゃバレないから大丈夫なんだよ。」
「えー。」
元選手の言葉は説得力が違う。いや、それ先言うといてや。
「ちょっと来い。」
野球の練習に打ち込んでいたある日、またまた監督に呼ばれた。ニヤニヤしていたから、何かまた悪巧みでもしてるんじゃないか。僕はそのくらいに思っていた。(監督を何だと思ってん。)
付いて行くと、監督はポケットから何やら2枚の紙切れを取り出した。
「これやるから行ってこい。」
差し出されたのはヤクルトスワローズの観戦チケットだった。
「親父と行ってこい。」
監督はそういうとニッコリと笑った。
僕の所属していたチームの監督は、実のところ元ヤクルトスワローズの選手だった。と言っても、僕が監督の存在を知った時点で、監督は監督であり、監督以外の何者でも無かったから、そりゃあもう監督は監督で監督が、、、。まぁその時点では、浅草で営んでいるとんかつ屋さんがメインの仕事だったのだが。(個人的に一番好きなとんかつは監督の揚げるとんかつです。一番好きなメニューはビーフシチュー。とんかつどこ行ってん。w)
さて、いざ当日。場所は明治神宮球場。実のところ東京ドーム以外は行ったことが無かったので、初の東京ドーム以外の球場だった。
天気は曇り空。(だった気がする。)屋外の球場で雨がパラついてなくて本当に良かったと思った。試合開始よりずっと早く球場に到着し、練習風景を眺める。何人かの選手が順番にバッティング練習をしている。小気味良い音が等間隔で聞こえてくる。場内アナウンスでは打球に注意するよう呼びかけをしていた。そんな時だった。
”カーン”
一際高いインパクト音と共に打球が僕の方へ。何となく眺めていたら、その違和感に気付く。あれ。これこっち来てない。
慌ててグローブを嵌めた親父が手を伸ばすと、何ともまぁホームランボールが取れてしまった。(バッティング練習のだけれど。)
親父と共に喜んでいたら、直ぐに係員の人が飛んできた。
「あの。お怪我はありませんか。」
「大丈夫です。」
親父はナイスキャッチしたボールを係員の人に見せる。
「良かったです。では、ボールをお預かりします。」
「え。」
「練習中のボールは回収することになっております。」
この時初めて知ったのだが、バッティング練習でのホームランボールは返さなければいけなかったようだ。なんだか味気ない気はしたけれども規則なら仕方がない。そのままボールを係員の人に渡す。
なんだか心にポッカリ穴が空いたような気がした。手元からボールが無くなってしまい、残ったのは「練習中のホームランボールを取った」という記憶だけ。誰に話しても信じてはくれないだろう。
後日、お礼も兼ねて監督の元へ。一応練習中のホームランボールを取ったこと、そのまま返却した為手元には何も残っていないことを伝えた。
「お前な。あんなもん隠しときゃバレないから大丈夫なんだよ。」
「えー。」
元選手の言葉は説得力が違う。いや、それ先言うといてや。
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