Baseball Side Story

榊 海獺(さかき らっこ)

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漫画からプレイボール

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 少年野球を引退して、僕はスポーツや習い事をしていない小学生に戻った。
 いざ戻ってみると、それはそれは水を得た魚のように満喫していた。漫画雑誌(まぁコロコロコミックだよね。)を買って、漫画を読んで、最近のホビー情報をチェックして。気になるホビーがあると、近所のおもちゃ屋に買いに行って、友達と遊んで。ベイブレードとかビーダマンとか遊戯王カードとかね。デュエル・マスターズってカードゲームもあったか。少年野球をしていた頃は、触れられなかった物たちが、一気に身近にやって来た感じがして、なかなか楽しかった。

 そんなことを毎月のようにしていたある日、毎月欠かさずチェックし、なんならそれが楽しみでコロコロコミックを買ってるんじゃないかくらい好きな漫画に気付く。その漫画のタイトルは「ドラベース」。
 「ドラベース」はむぎわらしんたろう氏作の野球漫画だった。「ドラ」はドラえもんで、「ベース」野球のベースのこと。(だったんじゃないかと思う。) 人と猫型ロボットとが入り混じって野球をする漫画。現実世界の野球と違うのは、各チーム1試合に3つ決められた秘密道具を使える点だ。ドラえもん要素。勝負の決め所で使用し、勝利を近づける。
 元々藤子不二雄作品が好きだったのと、野球が好きだったのとで、いつのまにかどハマりしていた。特に猫型ロボットのくせに帰国子女設定のエーモンド、帰ってきたグリエもん、そしてぶかぶかユニフォームのチビえもんが好きだった。(チビえもんがね、泣かせるのなんの。)
 この作品が好きだったのにはもう二つほど理由があった。
 まず一つ目は、草野球チームの為、みんな普通に働いていたという点。魚屋に釣り船屋、修理工に保育士などなど。各々のキャラクター背景が描かれており、親近感が湧いた。
 そして二つ目は、ライバルチームの選手名。1番のライバルであるシロえもん率いる荒川ファイターズは、選手名が荒川に架かる橋の名前で構成されており、北海道のチームは北海道にある地名が選手名になっていたりする。JR山手線の駅名を選手名にしたチームもあったか。こうした命名コンセプトの面白さに惹かれたところも大きかった。(無駄に変な知識付いたしね。笑)

 「ドラベース」にハマってからはちゃんと単行本も買い、定期的に読み返していた。そうすると、とある感情に襲われる。
「野球やりたいな。」
 一先ず、近所の児童館で野球をしてみることにした。(室内です。) 
 野球は1人では出来ないので、仲間を集める。自分より年下の男子が何人か集まった。流石に児童館の遊戯室で行う為、6人も集まれば試合が出来てしまう。(投手兼二塁手、一塁手、三塁手。捕手は壁。) 丁度いい人数だった。
 さて、問題は道具だ。野球のボールを模したゴムボールを試合球とする為、素手でもなんとかなるが、そこはリアリティを追求したい。といっても皆んなグラブは持っていない。僕以外は完全に未経験者だったのだ。まぁ無いなら作ればいい。笑。
 たまたま、工作の本に新聞紙で作るグラブが載っていたので即採用。バットは新聞紙をまるめときゃいいだろう。と。
 皆んなで作って、いざプレイボール。皆んな仲良くふざけながらやる野球。それもそれでなかなか楽しかった。まさかこの中から後の高校球児が誕生するなんて、思ってもいなかったけど。
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