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24、黒い悪霊からの逃亡
第258話 エリンを捕らえる黒いもの
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「罪人の墓場だ!侵入者を捕らえよとの命令だ!」
城の周囲の兵たちが声を掛け合い、人を集めて墓場に向かってくる。
森から城を見上げると、切り立った崖がそびえ、その上に城が建っている。
城は崖の上に立ち、その昔は、城の垣根の一部を開けて罪人は落とされ、命を落としていた。
周囲にぐるりと見回りの道が作られて、所々にかがり火がたいてある。
そのかがり火と別に、薪の明かりがずらりとこちらへ走ってくるのが見えた。
兵が墓場に乗り込み集まったところで、木の上から見ていたエリンが腕を大きく引いた。
地に守護精霊を止めていた石に突き立てた針が次々と引き抜かれ、そして駆けつけた兵が足下の精霊避けの香を焚いていた小さな香炉に気づかず倒す。
「こっちだ!急げ!」
バタバタと罪人の墓場に兵たちが駆けつけた瞬間、守護精霊が地から湧き上がって彼らに襲いかかる。
『 オ、オ、オ、……オオオオオ……』
「 ひ! 」
「うわああああああ!!」
兵は思わず剣を抜き、金物の剣を振り回す。
守護精霊たちはますます怒り、その場は騒然となって兵は精霊と戦う羽目になってしまった。
それを見届けて、エリンが枝の上で周囲を見回す。
兵たちと離れて、3人の兵が灯りも持たず黒い息を吐きながらリリスたちの方向を追うのが見えた。
「あれは……様子がおかしい。」
エリンが木から木へ飛び移り、地に降りてあとを追う。
だが、なぜか男たちの足が思った以上に早い。
異常だ。
生きているのか死んでいるのかもわからない。
「足止めせねば…」
ひとまず、足を狙う。
エリンが指で後ろに束ねた金色の髪をすくと、指の間に数本の髪が残った。
その髪は次の瞬間、ピンと張って針へと変わる。
エリンは立ち止まり、それを彼らの足めがけて投げようと手を上げた。
が、その手を、背後から何かがやわりと握る感覚にとらわれた。
体中が、ゾッと体温を奪われるような寒気に息をのむ。
しまった!魔物か?!つけられた?!
『 ク、ク、ク、 ジャマ、ヲ、スルナ 』
頭が揺さぶられるような、地の底から響くような声が耳元で響く。
「 くぁっ 」
生まれて初めて恐怖におののき、小さな悲鳴が喉から漏れた。
耳から浸食されるような、そんな恐怖にたまらず首から提げた小さなボトルを取り出し、木のフタを歯で噛んで蓋を取り中身を背後に振りかける。
それは、地の神殿から与えられる破魔の砂。
強力な、すべての魔を退ける、地の神殿にある池の底の砂を乾燥して詰めたものだ。
飲めば強力な毒にもなる。
『 ギャッ!ナ、ナンダ?! ヒ、ヒ、ギャアア!グオオ……ウオヴヲアア…… 』
キラキラと、その場が神殿の中のような清浄さに包まれ、その場の草花が一気に勢いを増して草丈を伸ばし、花を咲かせ、そして傍らの木は枝葉を伸ばす。
あの、黒いもやの塊が、思わず手を引き、もがき苦しんで大きく、そして小さくなってのたうち回る。
エリンが歯を食いしばり、動かない足を無理矢理動かす。
重い、まるで足が鉛になったようだ。
前方へと転がり、そしてもやへと手の中の針を投げた。
「く……、はあはあ、はあはあ、なんだ?あの、突き当たりの?
確かに、封印したと……なぜ、地上まで……」
やっと、声が出た。
苦しむ黒いもやは、しかし消える気配が無い。
身体が硬く動かない。
恐怖にすくんでいる、この自分が?!
こんな事は初めてで、頭がパニックを起こす。
四つん這いで、足を引きずるように逃げて息をつく。
こういう時、……そうだ、こういう悪霊に襲われたら触媒を探せと聞いた。
魔物は何かに捕らわれて、それから離れることは出来ないと。
だから、触媒を使って移動するのだと。
何か、触媒があるはずだ! あの、魔物の、何か生前の持ち物のような……
これを放置しては、こいつの仲間を増やすことになる。
すさまじい怨霊だ、これは。
こうして近くにいるだけでゾッとする。
地下では仲間がいたからこそ、恐怖は抑えられた。
今は、誰もいない。
『 ウウ…下賤ノみすりるゴトキガ、無礼ナコトヲ……
オ前モ我ガ物ニシテクレル! 』
「くっ!」
腰の袋から小さなボールを取り、ベルトに取り付けた石の板に擦って投げつける。
バーーンッ!!
バーーンッ!!
火薬が破裂して、辺りに煙が立ち上った。
だが、物理的な攻撃など意味が無いのか、もやは変わらずうごめいている。
エリンは恐怖に捕らわれ、立てぬまま身体を引きずって、地面に伸びる草を掻いた。
城の周囲の兵たちが声を掛け合い、人を集めて墓場に向かってくる。
森から城を見上げると、切り立った崖がそびえ、その上に城が建っている。
城は崖の上に立ち、その昔は、城の垣根の一部を開けて罪人は落とされ、命を落としていた。
周囲にぐるりと見回りの道が作られて、所々にかがり火がたいてある。
そのかがり火と別に、薪の明かりがずらりとこちらへ走ってくるのが見えた。
兵が墓場に乗り込み集まったところで、木の上から見ていたエリンが腕を大きく引いた。
地に守護精霊を止めていた石に突き立てた針が次々と引き抜かれ、そして駆けつけた兵が足下の精霊避けの香を焚いていた小さな香炉に気づかず倒す。
「こっちだ!急げ!」
バタバタと罪人の墓場に兵たちが駆けつけた瞬間、守護精霊が地から湧き上がって彼らに襲いかかる。
『 オ、オ、オ、……オオオオオ……』
「 ひ! 」
「うわああああああ!!」
兵は思わず剣を抜き、金物の剣を振り回す。
守護精霊たちはますます怒り、その場は騒然となって兵は精霊と戦う羽目になってしまった。
それを見届けて、エリンが枝の上で周囲を見回す。
兵たちと離れて、3人の兵が灯りも持たず黒い息を吐きながらリリスたちの方向を追うのが見えた。
「あれは……様子がおかしい。」
エリンが木から木へ飛び移り、地に降りてあとを追う。
だが、なぜか男たちの足が思った以上に早い。
異常だ。
生きているのか死んでいるのかもわからない。
「足止めせねば…」
ひとまず、足を狙う。
エリンが指で後ろに束ねた金色の髪をすくと、指の間に数本の髪が残った。
その髪は次の瞬間、ピンと張って針へと変わる。
エリンは立ち止まり、それを彼らの足めがけて投げようと手を上げた。
が、その手を、背後から何かがやわりと握る感覚にとらわれた。
体中が、ゾッと体温を奪われるような寒気に息をのむ。
しまった!魔物か?!つけられた?!
『 ク、ク、ク、 ジャマ、ヲ、スルナ 』
頭が揺さぶられるような、地の底から響くような声が耳元で響く。
「 くぁっ 」
生まれて初めて恐怖におののき、小さな悲鳴が喉から漏れた。
耳から浸食されるような、そんな恐怖にたまらず首から提げた小さなボトルを取り出し、木のフタを歯で噛んで蓋を取り中身を背後に振りかける。
それは、地の神殿から与えられる破魔の砂。
強力な、すべての魔を退ける、地の神殿にある池の底の砂を乾燥して詰めたものだ。
飲めば強力な毒にもなる。
『 ギャッ!ナ、ナンダ?! ヒ、ヒ、ギャアア!グオオ……ウオヴヲアア…… 』
キラキラと、その場が神殿の中のような清浄さに包まれ、その場の草花が一気に勢いを増して草丈を伸ばし、花を咲かせ、そして傍らの木は枝葉を伸ばす。
あの、黒いもやの塊が、思わず手を引き、もがき苦しんで大きく、そして小さくなってのたうち回る。
エリンが歯を食いしばり、動かない足を無理矢理動かす。
重い、まるで足が鉛になったようだ。
前方へと転がり、そしてもやへと手の中の針を投げた。
「く……、はあはあ、はあはあ、なんだ?あの、突き当たりの?
確かに、封印したと……なぜ、地上まで……」
やっと、声が出た。
苦しむ黒いもやは、しかし消える気配が無い。
身体が硬く動かない。
恐怖にすくんでいる、この自分が?!
こんな事は初めてで、頭がパニックを起こす。
四つん這いで、足を引きずるように逃げて息をつく。
こういう時、……そうだ、こういう悪霊に襲われたら触媒を探せと聞いた。
魔物は何かに捕らわれて、それから離れることは出来ないと。
だから、触媒を使って移動するのだと。
何か、触媒があるはずだ! あの、魔物の、何か生前の持ち物のような……
これを放置しては、こいつの仲間を増やすことになる。
すさまじい怨霊だ、これは。
こうして近くにいるだけでゾッとする。
地下では仲間がいたからこそ、恐怖は抑えられた。
今は、誰もいない。
『 ウウ…下賤ノみすりるゴトキガ、無礼ナコトヲ……
オ前モ我ガ物ニシテクレル! 』
「くっ!」
腰の袋から小さなボールを取り、ベルトに取り付けた石の板に擦って投げつける。
バーーンッ!!
バーーンッ!!
火薬が破裂して、辺りに煙が立ち上った。
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