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25、青の巫子の目覚め
第270話 メイスの目覚めと姫の決意
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少女が消えて、火が消える。
皆がほうっと息をつく。 その時
「 ん、 んーーー、 はぁ ぁ 」
メイスが大きく息をつき、ゆっくりと目を見開く。
2,3度瞬きして部屋をぐるりと見回していると、次第に表情に生気が戻ってゆく。
「メイス…… 」
カナンがふと、名を呼んだ。
メイスの胸が、大きく膨らむ。
彼が、呼吸さえも止めていたのかと不思議に見つめる。
メイスはふうと一息はいて、皆を向いて驚いた様子で目を見開いた。
沢山の人が、集まって自分に視線が集中している。
声を久しぶりに出すようなそぶりで、息の付くタイミングがつかめずゴホゴホと咳をする。
「こほっ、コホン、 あ、あー、 か、 かー、 く、 こ、んな……、
こんなに沢山、いかがされましたか?」
声の調子を整え、言葉を並べて、ビックリした様子で、身を起こす。
カナンが飛びつき、ギュッと彼を抱きしめた。
「ど、どうしたの?ああ、懐かしい。え、と、カナン 」
「うう、うう、良かった、良かった。」
カナンは涙を流して、メイスの顔を見る。
「えっと、どのくらいたったのかな?私の手……あれ?まだ、子供なんだ。」
ニッコリ笑うメイスは、以前のような暗いおびえたような表情は無く、ただ素直に優しく穏やかな顔で微笑んでいる。
カナンがそれをまじまじ見て、両手でほっぺをパンッと挟み、ぐいっと押さえた。
「いった!うぶぅ、ちょ、かなぅ 」
「メイス!!ほんとにメイス?!あの、うじうじメイス??!!」
「ひっど、 そうだよぉ、うぶ、カナン、手ぇ離し……」
ぐりぐりほっぺを両手で挟んでこねくり回すカナンに、周囲の人間たちがハッと我に返った。
「カナン殿!こちらは火の巫子殿ですぞ!お控えなされま……」
「おい!一体どこに行ってたんだ?え?!どこで何してた?」
「あれは誰?さっきのほら、なんか格が違う感じの少女は!」
「お前どうなってたんだ?死んでないよな!」
「異世界ってどうなってんだ?!どこいたんだよう?」
グロスを押しのけ、ガルシアもレナファンもその他大勢もドッとメイスに質問攻めする。
「 お待ちなさい! えーい! 下がれ!
こちらをどなたと心得る!火の巫子でいらっしゃる!
控えよ!!」
カナンをぐいと引っぺがし、メイスの前にルシリア姫が割り込んで全員を押し返した。
「お、押すなって!わああ!!」
「 姫! わあああっ!」
「姫様?!お、おおおおお!」
みんな、ドスンと尻餅ついて見上げる。
姫が、楚々と涙をふいて、ホホッと笑い、口に手を当てほくそ笑んだ。
「よろしくって?」
みんな尻餅付いたまま、こっくりと頷く。
「えーと、一体何だってんだ?ルシリア、お前も王家……
いや、ちょっと待て、なんださっきの王家の端くれって?
父上が聞いたら即崩御だぞ?」
兄のガルシアも尻餅ついたまま、がらりと変わった妹をボー然と見上げる。
「うるさいわ、兄様。『王家の端くれ』は兄様の口癖じゃない。
とにかく!私は誓ったのよ!聞いたでしょ?!
私、この子をお守りするの、よろしくて?」
「よろしくない」
ガルシアが、その場にあぐらを掻いて座る。
妹姫はパンッと涙をふいたハンカチを広げると、きれいにたたんでポケットに直し、ニイッと笑った。
「あら、お兄様。よろしいのよ、私くらいの者が守らなきゃ守れないわ。
この子がしてきたこと、ご存じでしょう?
でも、この子は生まれ変わったのよ。
この子は火の巫子なの。私が殺させないわ。」
「誰に殺されるかわかってんのかね、お前には。」
「もちろんよ、さっきの巫子様見て、誰にもわかるんじゃなくって?
この私にも涙を流させるのよ?ただ、そこにいて、話されるだけで。
人心はうつろいやすいって、兄様昔から言うじゃない?
だったら、誰に疎まれるか一目瞭然よ。
この子が本城へ行くのなら、私はお供しますわ。」
スッと兄に、足を引いて優雅にお辞儀する。
それは、一時の気まぐれでは無く、元々覚悟の上で決めていたことのように見えた。
ガルシアがアゴをさすり、微妙に表情を変える。
「ふうん……まあ、お前は好きにしろ。」
「え?!御館様!よろしいので?」
「良い、俺は元々こいつに何も課さない。何も期待はしていなかった。
でも、期待することにした。で?」
ガルシアが、メイスの方を見る。
「さて、お前に話を聞かねばなるまい。
あらためて聞こう、お前は何者か?」
メイスがベッドの端まで来て座り、片手しか無い手で胸に手を当て目を閉じる。
一同が、しんとして言葉を待つ。
しばらく考えてのち、メイスがやっと顔を上げた。
皆がほうっと息をつく。 その時
「 ん、 んーーー、 はぁ ぁ 」
メイスが大きく息をつき、ゆっくりと目を見開く。
2,3度瞬きして部屋をぐるりと見回していると、次第に表情に生気が戻ってゆく。
「メイス…… 」
カナンがふと、名を呼んだ。
メイスの胸が、大きく膨らむ。
彼が、呼吸さえも止めていたのかと不思議に見つめる。
メイスはふうと一息はいて、皆を向いて驚いた様子で目を見開いた。
沢山の人が、集まって自分に視線が集中している。
声を久しぶりに出すようなそぶりで、息の付くタイミングがつかめずゴホゴホと咳をする。
「こほっ、コホン、 あ、あー、 か、 かー、 く、 こ、んな……、
こんなに沢山、いかがされましたか?」
声の調子を整え、言葉を並べて、ビックリした様子で、身を起こす。
カナンが飛びつき、ギュッと彼を抱きしめた。
「ど、どうしたの?ああ、懐かしい。え、と、カナン 」
「うう、うう、良かった、良かった。」
カナンは涙を流して、メイスの顔を見る。
「えっと、どのくらいたったのかな?私の手……あれ?まだ、子供なんだ。」
ニッコリ笑うメイスは、以前のような暗いおびえたような表情は無く、ただ素直に優しく穏やかな顔で微笑んでいる。
カナンがそれをまじまじ見て、両手でほっぺをパンッと挟み、ぐいっと押さえた。
「いった!うぶぅ、ちょ、かなぅ 」
「メイス!!ほんとにメイス?!あの、うじうじメイス??!!」
「ひっど、 そうだよぉ、うぶ、カナン、手ぇ離し……」
ぐりぐりほっぺを両手で挟んでこねくり回すカナンに、周囲の人間たちがハッと我に返った。
「カナン殿!こちらは火の巫子殿ですぞ!お控えなされま……」
「おい!一体どこに行ってたんだ?え?!どこで何してた?」
「あれは誰?さっきのほら、なんか格が違う感じの少女は!」
「お前どうなってたんだ?死んでないよな!」
「異世界ってどうなってんだ?!どこいたんだよう?」
グロスを押しのけ、ガルシアもレナファンもその他大勢もドッとメイスに質問攻めする。
「 お待ちなさい! えーい! 下がれ!
こちらをどなたと心得る!火の巫子でいらっしゃる!
控えよ!!」
カナンをぐいと引っぺがし、メイスの前にルシリア姫が割り込んで全員を押し返した。
「お、押すなって!わああ!!」
「 姫! わあああっ!」
「姫様?!お、おおおおお!」
みんな、ドスンと尻餅ついて見上げる。
姫が、楚々と涙をふいて、ホホッと笑い、口に手を当てほくそ笑んだ。
「よろしくって?」
みんな尻餅付いたまま、こっくりと頷く。
「えーと、一体何だってんだ?ルシリア、お前も王家……
いや、ちょっと待て、なんださっきの王家の端くれって?
父上が聞いたら即崩御だぞ?」
兄のガルシアも尻餅ついたまま、がらりと変わった妹をボー然と見上げる。
「うるさいわ、兄様。『王家の端くれ』は兄様の口癖じゃない。
とにかく!私は誓ったのよ!聞いたでしょ?!
私、この子をお守りするの、よろしくて?」
「よろしくない」
ガルシアが、その場にあぐらを掻いて座る。
妹姫はパンッと涙をふいたハンカチを広げると、きれいにたたんでポケットに直し、ニイッと笑った。
「あら、お兄様。よろしいのよ、私くらいの者が守らなきゃ守れないわ。
この子がしてきたこと、ご存じでしょう?
でも、この子は生まれ変わったのよ。
この子は火の巫子なの。私が殺させないわ。」
「誰に殺されるかわかってんのかね、お前には。」
「もちろんよ、さっきの巫子様見て、誰にもわかるんじゃなくって?
この私にも涙を流させるのよ?ただ、そこにいて、話されるだけで。
人心はうつろいやすいって、兄様昔から言うじゃない?
だったら、誰に疎まれるか一目瞭然よ。
この子が本城へ行くのなら、私はお供しますわ。」
スッと兄に、足を引いて優雅にお辞儀する。
それは、一時の気まぐれでは無く、元々覚悟の上で決めていたことのように見えた。
ガルシアがアゴをさすり、微妙に表情を変える。
「ふうん……まあ、お前は好きにしろ。」
「え?!御館様!よろしいので?」
「良い、俺は元々こいつに何も課さない。何も期待はしていなかった。
でも、期待することにした。で?」
ガルシアが、メイスの方を見る。
「さて、お前に話を聞かねばなるまい。
あらためて聞こう、お前は何者か?」
メイスがベッドの端まで来て座り、片手しか無い手で胸に手を当て目を閉じる。
一同が、しんとして言葉を待つ。
しばらく考えてのち、メイスがやっと顔を上げた。
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