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25、青の巫子の目覚め
第273話 青と赤の邂逅
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目覚めたばかりのメイス…新しい青の巫子マリナ・ルーは、黄泉での時間が長すぎて、現世での状況に戸惑っていた。
死者の国での生活は、死者としての暮らしで、先代は酒ばかり。
メイス自身は黄泉の川の水を飲み、時々食べることを忘れそうだと川の畔の花を食べていた。
ただし何を食べても味は無く、腹が減らず、ただのどを潤すために飲む。
身体の生理的な欲求が何も無く、だからといって不満も不安も浮かばず、ただ時間を忘れ、集中して修行が続けられる。
まるで、東洋で言えば仙人のような暮らしだった。
「現世はなんて身体が重いんでしょう。
ご不浄があることもすっかり忘れていました。」
感覚が一気にすべて戻ってきた混乱で、トイレも忘れ、自分の身に何があっているのか思い出せず、危うく下着を汚すところだった。
現世は飲み食いしたら、出さねばならない。
自分がどうしていたかなんて、もう遙か昔で思い出せない。
食事を出されて口に入れた瞬間、熱いスープに驚いて思わず悲鳴を上げた。
「一体、どのくらい向こうの時間は過ぎたんです?
こちらと時間の流れがまるで違うじゃないですか?」
カナンが風呂で湯浴みさせながら問いかける。
良い案配の湯を熱いというので、水がぬるくなったくらいに入れていると、今度は寒いと言い出す。
熱いと寒いの調節が、上手く行かない。
「ああ、なんだか生きてるって感じします。」
ブルブル震えながら感動しているので、カナンが笑い出した。
「あんなに自信ないって言ってたのに、ほんとにメイスですか?
あちらでどんな暮らしを?」
「はぁ、メイスって呼ばれるのも新鮮です。
向こうでは弟子としか呼んで貰えなくて。
とにかく、おい!弟子!しか覚えてません。
そうですね、巫子の修行の他に、黄泉で亡者の案内とか他国の亡者に他国の話し聞いたり。
川の水を汲むと酒になったり水になったりするので、先代のお酒を準備するのが意外と大変だったり。
亡者ばかりじゃ無くて、時に黄泉住まいの精霊や高位の霊気を持った方もいらっしゃるので、延々と説教されたり。
もうここにずっと住んでもいいやと思わせるような、意外と楽しい黄泉の暮らしでしたよ。
体感……100年?200年?くらいいたような。いや、もっとかな?
すでにあちらの方が馴染んでいるので、気が向いたらまた行ってしまうかもしれません。」
「ええ?!お願いですから、こちらにいて下さい。
みんな、あなたをお待ちしていたのですよ。」
「大丈夫ですよ。ほら、ちゃんと私の足は地に着いてます。
早く旅に出ないとですね。
早く出ないと。早く、
早く、リリスに会わないと……
きっと今の私なら、きっと、彼の力になれると……
やっと 」
ゆったりと、少し深いたらいのような桶に腰まで湯を入れて、心地よいハーブの香りに包まれ浸かっていると、気持ちよくて眠くなる。
すうっと魂が抜けるような感じがして、次の瞬間、見たこともない家にいた。
あれ?大丈夫って言いながら、抜けて来ちゃった。
でも、黄泉じゃないよ?
ここ ??
ここ、どこだろう? おや?
見回すと、ベッドに誰かが横たわっている。
見ただけでわかる。弱った生気がゆらゆらと輝いている。
とても、とても疲れているんだね。泥のように、
スッとすべるように手を伸ばし、ベッドに近づきのぞき込む。
自然に、自分の顔がほころんだ。
遠い昔会った、忘れることも無い赤い、赤い燃えるような髪の少年が眠っている。
ああ、僕は、君のことだけは,忘れない、僕の半身。
ああ、やっと、やっと君に追いついたよ。
リリス、会いたかった。
そっと、透けた手を額に当てる。
どうしたんだろう、随分弱ってる。
君は、ずっと、ずっと、いつも戦っている。自分の運命と。
心配で見ていると、瞼がゆっくりと開き、懐かしい色違いの瞳がこちらを向いた。
「ああ、 修行が終わったのですね。」
リリスが、驚きもせずニッコリ笑う。
『 リリス 』
声が揺らいで部屋中に響く。
返す言葉の波動をリリスが浴びて、目を閉じると大きく息をついた。
「ああ、なんて気持ちがいい……」
リリスとマリナが手を合わせる。
泥のように疲れたリリスの身体に力が満ちる。
青の巫子とは、何なのだろう。まるで、大きな力の源のようで……
マリナの身体が、透けて行く。
『 会いに、 行くよ 』
「うん、待ってるから」
『 僕を、マリナって、呼んで 』
「そう、名を継いだんだね。青の巫子は名を継ぐのか。
うふふ、可愛い名前だね、マリナ。」
マリナが微笑み返すと消えて行く。
「 うふふ、 」
リリスが、ギュッと布団を握って、バッとめくった。
「そうだ!みんなに知らせなきゃ!この時代の青の巫子のこと!きっと、ビックリするかな?」
明るい顔でリリスがベッドから飛び起きる。
クスクス笑いながら、ベッドを降りると身体が軽い事にビックリする。
「凄いですね、まるで青の巫子は効果の凄い栄養剤のようですよ?」
寝衣をポイポイ脱いで、手早く服に着替える。
よし!とかけ声を上げ、元気に部屋を飛び出した。
死者の国での生活は、死者としての暮らしで、先代は酒ばかり。
メイス自身は黄泉の川の水を飲み、時々食べることを忘れそうだと川の畔の花を食べていた。
ただし何を食べても味は無く、腹が減らず、ただのどを潤すために飲む。
身体の生理的な欲求が何も無く、だからといって不満も不安も浮かばず、ただ時間を忘れ、集中して修行が続けられる。
まるで、東洋で言えば仙人のような暮らしだった。
「現世はなんて身体が重いんでしょう。
ご不浄があることもすっかり忘れていました。」
感覚が一気にすべて戻ってきた混乱で、トイレも忘れ、自分の身に何があっているのか思い出せず、危うく下着を汚すところだった。
現世は飲み食いしたら、出さねばならない。
自分がどうしていたかなんて、もう遙か昔で思い出せない。
食事を出されて口に入れた瞬間、熱いスープに驚いて思わず悲鳴を上げた。
「一体、どのくらい向こうの時間は過ぎたんです?
こちらと時間の流れがまるで違うじゃないですか?」
カナンが風呂で湯浴みさせながら問いかける。
良い案配の湯を熱いというので、水がぬるくなったくらいに入れていると、今度は寒いと言い出す。
熱いと寒いの調節が、上手く行かない。
「ああ、なんだか生きてるって感じします。」
ブルブル震えながら感動しているので、カナンが笑い出した。
「あんなに自信ないって言ってたのに、ほんとにメイスですか?
あちらでどんな暮らしを?」
「はぁ、メイスって呼ばれるのも新鮮です。
向こうでは弟子としか呼んで貰えなくて。
とにかく、おい!弟子!しか覚えてません。
そうですね、巫子の修行の他に、黄泉で亡者の案内とか他国の亡者に他国の話し聞いたり。
川の水を汲むと酒になったり水になったりするので、先代のお酒を準備するのが意外と大変だったり。
亡者ばかりじゃ無くて、時に黄泉住まいの精霊や高位の霊気を持った方もいらっしゃるので、延々と説教されたり。
もうここにずっと住んでもいいやと思わせるような、意外と楽しい黄泉の暮らしでしたよ。
体感……100年?200年?くらいいたような。いや、もっとかな?
すでにあちらの方が馴染んでいるので、気が向いたらまた行ってしまうかもしれません。」
「ええ?!お願いですから、こちらにいて下さい。
みんな、あなたをお待ちしていたのですよ。」
「大丈夫ですよ。ほら、ちゃんと私の足は地に着いてます。
早く旅に出ないとですね。
早く出ないと。早く、
早く、リリスに会わないと……
きっと今の私なら、きっと、彼の力になれると……
やっと 」
ゆったりと、少し深いたらいのような桶に腰まで湯を入れて、心地よいハーブの香りに包まれ浸かっていると、気持ちよくて眠くなる。
すうっと魂が抜けるような感じがして、次の瞬間、見たこともない家にいた。
あれ?大丈夫って言いながら、抜けて来ちゃった。
でも、黄泉じゃないよ?
ここ ??
ここ、どこだろう? おや?
見回すと、ベッドに誰かが横たわっている。
見ただけでわかる。弱った生気がゆらゆらと輝いている。
とても、とても疲れているんだね。泥のように、
スッとすべるように手を伸ばし、ベッドに近づきのぞき込む。
自然に、自分の顔がほころんだ。
遠い昔会った、忘れることも無い赤い、赤い燃えるような髪の少年が眠っている。
ああ、僕は、君のことだけは,忘れない、僕の半身。
ああ、やっと、やっと君に追いついたよ。
リリス、会いたかった。
そっと、透けた手を額に当てる。
どうしたんだろう、随分弱ってる。
君は、ずっと、ずっと、いつも戦っている。自分の運命と。
心配で見ていると、瞼がゆっくりと開き、懐かしい色違いの瞳がこちらを向いた。
「ああ、 修行が終わったのですね。」
リリスが、驚きもせずニッコリ笑う。
『 リリス 』
声が揺らいで部屋中に響く。
返す言葉の波動をリリスが浴びて、目を閉じると大きく息をついた。
「ああ、なんて気持ちがいい……」
リリスとマリナが手を合わせる。
泥のように疲れたリリスの身体に力が満ちる。
青の巫子とは、何なのだろう。まるで、大きな力の源のようで……
マリナの身体が、透けて行く。
『 会いに、 行くよ 』
「うん、待ってるから」
『 僕を、マリナって、呼んで 』
「そう、名を継いだんだね。青の巫子は名を継ぐのか。
うふふ、可愛い名前だね、マリナ。」
マリナが微笑み返すと消えて行く。
「 うふふ、 」
リリスが、ギュッと布団を握って、バッとめくった。
「そうだ!みんなに知らせなきゃ!この時代の青の巫子のこと!きっと、ビックリするかな?」
明るい顔でリリスがベッドから飛び起きる。
クスクス笑いながら、ベッドを降りると身体が軽い事にビックリする。
「凄いですね、まるで青の巫子は効果の凄い栄養剤のようですよ?」
寝衣をポイポイ脱いで、手早く服に着替える。
よし!とかけ声を上げ、元気に部屋を飛び出した。
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