速達配達人 ポストアタッカー 新1 〜ポストアタッカー狩り〜

LLX

文字の大きさ
13 / 56

第13話 下界は言えねえこと多すぎるんだわ

しおりを挟む
中途採用、1日金曜初出勤。
必要かどうかわからないけど、久しぶりにナイフベルト付けて家を出る。
サトミの武器は刃物ばかりだ。
腰のナイフベルトには両脇に4本ずつショートの投げナイフ、後ろに回ってベルトには横向きにサバイバルナイフ1本。そして、背には日本刀。
昔作戦に出る時は手足にも付けてたけど、必要かはあとで決めよう。
投げナイフ用のスローイングナイフは手持ちが少なくなった、買える所わかるかな?
もう必要ないだろうと思って、そのままだった。


郵便局に着くと、ゲートでキャミーが待っていてくれた。
パスを貰い、ベンを馬繋場に入れて、事務所のドア認証に登録する。
とりあえず局長に挨拶だ。

局長はスーツをビシッと着込んだ、黒人の美人系おばさんだと思ったら、男性だって??
はーー初めて外の世界を見たら、色んな人種が増えていた。

「期待の新人さん、お願いね!まあ!思った以上にカッコいいわ。
うふふ、15才?可愛いわねえ。」

「可愛いはノーサンキューっす」

「あらやだ、ホホホ」

愛想いいけど、握手する手をなかなか離してくれない。
ニッコリ笑ってぐいぐい手を引き合った。

朝礼っていつもは無いらしいけど、新入りって事で広いバックヤードのフロアに集まって貰う。
町には爺さん婆さん多いのに、こんなとこに若い奴らいたんだなー
キャミーに引っ張られ、前に出ると紹介された。

「えー、こちらポストアタッカーの新入り、サトミ・ブラッドリーさんでーーーす!
サトミ君でよろしく~!
15歳なので、まだ賭け事、アルコールは誘わないで下さーい。
軍出てすぐなので、世の中のこと色々教えてあげてね?よろしく~。」

「ちわ、よろしくー」 

うっかり敬礼してしまった。
んー、こう言う場面で何言うのかなー、わかんないや。

「え、15って?ダンクより若いじゃん。」

「ふうん……お子様だ~、マジ?現状で?アタッカーに入るの?」

「ちょっと~まずくない?」

ヒソヒソ色んな声が聞こえる。まあ、ヤバイ時にこんなガキが入ったら不安だろうな。
俺はワクワクしてるんだけどっ!

仕分け担当の女の子が、ハイと手を上げた。

「ねえねえ、その……背中の棒は?な~に?」

「あ?ああ、んーーー、シッポかな。」

日本刀なんて言ったって、知らねえだろ。

「シッポ??」

「ねえねえ、ナイフ??銃は??」

「あーーー、銃はなー、銃か~」どこ行っても質問は同じだなー

「銃は~まあ気が向いたら~っつー事で」

「「「  えええええ~~~  」」」

はっはっは~、どこ行っても反応同じだ~~面白え~~

「はい!時間でーす!お開き!本日もがんばって働こーーーー!!」

「おーー」

一同、モヤッとした顔で、みんな自分の部署に戻る。

「と、まあ、この部署、みんな変な奴しか入らないって思ってるから気にしないで。
それじゃ一回りしよっか。」

サトミが入るポストエキスプレスは、午前中指定が多いので朝はメチャクチャ忙しいらしい。
紹介は昼からとなった。

局は意外と広いが、所々に避難用の盾にできる鉄板が壁に仕込んで避難場所がある。
戦中も壊れちゃ直しで使っていたので、所々修理や増築の名残があった。

「武器、どうする?
銃の支給も出来るけど、みんな自分の銃を持ってるわ。
強盗は複数人で来ることが多いから、ショットガン持ってる人が多いわよ。
うちのリーダーは、アサルトライフルって言うの?
もう1人はハンドガンしか持ってないわ。逃げるの専門ですって。
弾とかの消耗品はこちらで準備出来るから。」

「あー、俺はナイフでオール対応オッケーなんだけど、そうだなあ……
武器ってのは、ある物の応用は出来るけど、自分で考えろって言われると浮かばねえや。」

「ナイフでねえ……ねえ、軍ではどんな事してたの?聞いていい?」

「そりゃあ……言えねえなあ。悪いけど。」

言えねえな~、殲滅部隊って軍の掃除屋っつーか、殺し屋だもんさ。
ニッコリ笑って殺し屋っつっても信じないだろ。
下界は言えねえこと多すぎるなあ。マジ、こういうのストレスじゃん。

キャミーがチラリとサトミを見て、立ち止まった。
どこか、彼女の顔には、少年兵ってかわいそう~があふれていた。

「君は、どう見ても少年兵だもんね。
まあ、こんなに少年兵いるって事もショックだけどさ、うちにも一人、元少年兵いるの。
話が合うといいね、いい奴だから、きっと友達にもすぐなれるわ。」

「ふうん、それ、さっき誰かが言った俺よりちょっと上の人?」

「そうよ。終戦間際に、脱走して隠れてたとこ保護したの。
うちはそう言う人間多いから。まあ、すねにボロボロ傷だらけの奴ばっかよ。
ね、君も戦争忘れろっての無理だろうけどさ、もっと明るいとこ知るのも大事だと思うの。
少年兵なんて、可哀想な子供の集まりじゃ無い?
よく頑張って生き残ったわ、表彰状よ!
この仕事、やって損は無いって、きっと思うようになるわ。断言出来る。
だから……これからこの国を背負う若人よ、来てくれてほんとありがとう!」

なぜか、キュッと締まった顔で、笑ってバンと肩を叩かれた。

いや、待て、俺に可哀想なんて言ったら、同じ部隊の奴らぶっ飛ぶだろ。
息止めて即死だろ。
うーん、でも、まあ可愛そうと言えば可哀想なのかもしれねえ。
いや!俺ってきっと可哀想~~そういうことにする。

「うん、お姉ちゃん。俺、頑張るよ」

モジモジして、子供らしくしてみる。
ポッとキャミーの顔が赤くなった。

やだ、この子可愛い~

「悩みがあったら何でも相談して!!」

このシチュエーションで、このモジモジ正解だったのか?
この女真っ赤になったぞ??
ま、いいや、性的に襲われたら切って逃げよう。
もしかしたらこの女、男かも知れねえし。新人類、怖え……
普通の、一般人の中に入っていけるか心配だったけど、がんばってみようぜ、俺!

「わかった!よろしく、先輩」

廊下の真ん中で、2人握手を交わす。
2人の両脇を、郵便物入れた麻袋を代車に載せて忙しそうに人が行き交う。

「新人!邪魔だっつーの!!」

つなぎの女の子にドスンとケツで押され、2人で笑って先を進んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

烏の王と宵の花嫁

水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。 唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。 その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。 ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。 死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。 ※初出2024年7月

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

後宮なりきり夫婦録

石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」 「はあ……?」 雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。 あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。 空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。 かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。 影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。 サイトより転載になります。

明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を

花籠しずく
キャラ文芸
 ――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。  月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。  帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。 「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」  これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。 ※R-15っぽいゆるい性描写があります。

ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」

masuta
キャラ文芸
恋と友情、そして命を懸けた決断。青春は止まらない。 世界を股にかける財閥の御曹司・嘉位は、U-15日本代表として世界一を経験した天才投手。 しかし、ある理由で野球を捨て、超エリート進学校・和井田学園へ進学する。 入学式の日、偶然ぶつかった少女・香織。 彼女は、嘉位にとって“絶対的替えの効かない、唯一無二の存在”だった。 香織は、八重の親友。 そして八重は、時に未来を暗示する不思議な夢を見る少女。 その夢が、やがて物語を大きく動かしていく。 ゴールデンウィーク、八重の見た夢は、未曾有の大災害を告げていた。 偶然か、必然か……命を守るために立ち上がる。 「誰も欠けさせない」という信念を胸に走り続ける。 やがて災害を未然に防ぎ、再びグラウンドへと導く。 その中で、恋もまた静かに進んでいく。 「ずっと、君が好きだった」告白の言葉が、災害と勝負を越えた心を震わせる。 それぞれの想いが交錯し、群像劇は加速する。 一人ひとりが主人公。人生に脇役はいない。 現代ファンタジーとリアルが交錯する青春群像劇。 本作は小説家になろう、オリジナル作品のフルリメイク版です。

徒野先輩の怪異語り

佐倉みづき
キャラ文芸
「助けて、知らない駅にいる――」 きさらぎ駅に迷い込み行方不明となった幼馴染みを探す未那は、我が物顔で民俗学予備研究室に陣取る院生・徒野荒野を訪ねる。 あらゆる怪談や怪奇現象を蒐集、研究する彼の助手にされた未那は徒野と共に様々な怪異に行き当たることに…… 「いつの世も、怪異を作り出すのは人間なんだ」

あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜

鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。

処理中です...