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第24話 生き残った女
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そこはロンドの郊外、町からは遠く離れ、戦時中に放棄されたボロボロの空き屋がポツンと建っていた。
荷台の機銃に毛布を掛けたトラックが、アジトのバラックに戻って行く。
荷台に突っ伏して泣いていた民族服の女は、男の死体を横目に見ると頭から血を流してキッと顔を上げた。
荷台を降りて、バラックを出て歩き始める。
「どこへ行くの!」
運転席の作業服の女が降りて声を上げる。
「もう沢山よ!誰殺したってあの人は戻ってこない!」
「どこ行く気?裏切るの?!」
「あんたのせいであの子は捕まってしまったわ!あんたのせいよ!
あたしはこんな事、最初から反対だった!
あのままじゃ殺される、私が行かなきゃ……」
民族服の女が、腰のポーチから隠し持っていた小さな銃を取った。
撃鉄を引いて、振り向くと同時に女に向ける。
だがその時、女も彼女に銃を向けていた。
「結局あんたはっ!!」
パンパンパンッ!
パンパンパンパンッ!
銃声が辺りに乾いた音を立て、やがて硝煙の臭いを風が吹き抜けさらって行く。
「ああ……」車を盾にする作業服の女が、大きくため息を付いた。
「あんたの子供なんて、どうでもいいのよ。
5人殺されたわ、だから、5人殺すの。ただ、それだけよ。」
冷たく言い放って、視線の先で倒れた民族衣装の女から目をそらす。
銃をホルスターに戻し、歩み寄って女の足を持ち、ズルズル血のあとを付けけながらバラックに引っ張った。
中には酒瓶が転がり、タバコの吸い殻が散乱している。
女は振り向き、車に行くと荷台に上がった。
死んだ男のナイフの刺さった顔にキスして、頭を撫でた。
「敵は取るわ。」
敵を取らねばならない人がドンドン増えて行く。
唇を噛んで立ち上がり、荷台のあおりを倒して男の身体を引きずり、荷台から降ろした。
バラックの床に、死体を2人並べてガソリンをまく。
「先に行って、みんなと酒盛りでもやってて、あたしも行くから。」
ドアを出て、タバコを1本くわえて火を付け、一息吸う。
そして、そのタバコを室内へ投げ入れた。
音を立てて燃え上がり、女は車の所へ行く。
「これで6人やられた……何人でもいいわ、殺さないと気が済まない。
死ぬまであいつら殺し続けるわ、死ぬまでね。」
燃え上がるバラックを見ながら、車に乗り込みエンジンをかける。
「やり方を変えなきゃ。男が必要だわ、兵隊上がりの男が。
その前に弾の補給よ。もう一度あの武器商人に連絡取らなきゃ。」
女は1人になった寂しさに胸元の服を握りしめながら、身軽になった事で奇妙なほど気持ちが軽くなった気がする。
死んだ女はことあるごとに意見して、子供のことを考えていた。
「もう、沢山だったのはこっちかもしれないわ。」
ククッと笑いながら、頬を涙が伝う。
高く登った太陽が、ひどくまぶしく感じていた。
サトミ達は事件のあとデリーに急ぎ、遅れに遅れた荷物を受け渡しした。
「もうちょっと休んでいけば?大変だったんでしょ?」
「いや、めっちゃ遅れてるから。3局周りの当番待ってるし。」
ふうんと、ピンクのツナギの荷物係の女の子がサトミを見る。
歩み寄って、手を出した。
「あんた新入り?よろしく、あたしミクシー。可愛いじゃん?いくつ?」
「よろしく、サトミ・ブラッドリーだ。15才、可愛いは余計だ。」
握手しながら、目を見開いた。
「じゅうごおおおお???これ、児童労働引っかかんないの?」
ダンクがサインして馬に荷物を載せながら首を振る。
「知らねえ。だいたいこいつ、少年兵上がりだし、問題ないんじゃねえの?」
「ふうん、そっか。あっ、サトミ君、ほら、差し入れもらったからあげる!
超甘くて歯が溶けそうなんで、誰も食わないんだ。」
「マジイイイ??!!もらうーーー!!」
目をキラッキラさせて、サトミが手を出す。
ミクシーが手近な袋に白い焼き菓子をいっぱい詰めて渡す。
甘いクッキーに、甘いクリームがたっぷり挟まった上に外にシュガーコーティングした激甘クッキーだ。
「お姉ちゃん、ありがとうっ!!」
サービスに、超可愛い系でお礼を言っておいた。
1個口に入れると、甘みが脳の芯まで突き抜ける。
「くーーー、めっちゃうめえ!」
「うふっ、かわい!甘いの好きなんだ~、またなんかもらったら取っといたげる。」
「うんっ!サンキュー!」
「可愛いもんかよ。行くぞ~、エジソン!起きろ、帰るぞ!」
目の据わったダンクが馬を引いていく。
奥でぐったり横になって、忘れられそうになっていたエジソンが、慌てて走ってきた。
そうして帰りはスムーズに走り、無事に帰って3局分を当番のリッターに頼む。
土曜なので局は午後から休みで当番しか残っていない。
ダンクもエジソンも、荷受け場の仕分け台の上に上半身バッタリ倒れた。
「つーかーれーたーーー」
朝っぱらから色んな事がありすぎて、ダンクはなんだか通常の3倍くらい疲れた。
「明日休みで助かった、マジで俺は死ぬ」
「俺、明日このお菓子の店探しにデリー行こうかな」
「は~~??お前の身体はいったいどうなってんだよ?!」
サトミは激甘クッキーをバリバリ食べながら、ホクホクしている。
ゲンナリした顔で、ダンクは事務所に戻っていった。
エジソンは、ズルズル起き上がって、はいっと手を上げる。
なんだか、最後の力っぽい。
「サトミー、刀の構造見たいんだけど~」
「あー、いいぜ。ここで分解して見せるけど、危ないからさわんなよ。」
「はい!ちょ、ちょっと待って、メジャーと、カメラ……」
仕分け台の上で、刀を分解して見せる。
色々サイズを測って、柄の装飾を写真に撮る。
「凄い、凄い、すべてが美しい、その、鞘って、大きいね。なんかもう一本入ってるみたいだ。」
刀の鞘は大きめで長く、下に留め具があるので何か仕掛けがあるように見える。
サトミがプフッと笑ったので、エジソンがキョトンとした。
「持ってみたら駄目?」
「だめ、あんたは隙だらけのようで隙が無い。めざといから駄目。」
「えー、まるで秘密があるようだ。」
「キシシシシ」
エジソンは、わかったと無理強いはしない。
やがて計測が終わると、サトミは器用に刀を素早く組み立て、鞘に戻してまた背負った。
「ありがとう、刀のこと、少しわかった気がするよ。
僕は軽率だった、謝罪するよ。それじゃ、今日はお世話になりました。
あ、そうだ。サトミ、日本刀には名前が付いてるんだろう?
君の刀、名前はなんていうの?君の刀さばきは美しい。僕はファンになったよ。」
サトミが苦笑する。
ファンになったなんて、はじめて言われた。
「こいつの名、鰐切の雪雷って言うんだよ。
ワニキリが作るおっさんの銘、銘ってのはブランドかな。
セツライがこの刀の名前。
Cut the crocodileが銘で、Snow thunderが名前。」
ヒュウッ!エジソンが、粋な口笛を吹いてパンと手を叩く。
「いい!いいね!僕はそのセツライを美しいまま改良することを誓うよ。じゃ!」
手を上げて自分の部屋へ戻って行く。
「サトミ!事務所来い!ガイドが話があるってよ!」
ガーーーン!!!まだいたのかよ!真面目だろ!さっさと帰れ!
ヤバい。俺は説教を覚悟した。
荷台の機銃に毛布を掛けたトラックが、アジトのバラックに戻って行く。
荷台に突っ伏して泣いていた民族服の女は、男の死体を横目に見ると頭から血を流してキッと顔を上げた。
荷台を降りて、バラックを出て歩き始める。
「どこへ行くの!」
運転席の作業服の女が降りて声を上げる。
「もう沢山よ!誰殺したってあの人は戻ってこない!」
「どこ行く気?裏切るの?!」
「あんたのせいであの子は捕まってしまったわ!あんたのせいよ!
あたしはこんな事、最初から反対だった!
あのままじゃ殺される、私が行かなきゃ……」
民族服の女が、腰のポーチから隠し持っていた小さな銃を取った。
撃鉄を引いて、振り向くと同時に女に向ける。
だがその時、女も彼女に銃を向けていた。
「結局あんたはっ!!」
パンパンパンッ!
パンパンパンパンッ!
銃声が辺りに乾いた音を立て、やがて硝煙の臭いを風が吹き抜けさらって行く。
「ああ……」車を盾にする作業服の女が、大きくため息を付いた。
「あんたの子供なんて、どうでもいいのよ。
5人殺されたわ、だから、5人殺すの。ただ、それだけよ。」
冷たく言い放って、視線の先で倒れた民族衣装の女から目をそらす。
銃をホルスターに戻し、歩み寄って女の足を持ち、ズルズル血のあとを付けけながらバラックに引っ張った。
中には酒瓶が転がり、タバコの吸い殻が散乱している。
女は振り向き、車に行くと荷台に上がった。
死んだ男のナイフの刺さった顔にキスして、頭を撫でた。
「敵は取るわ。」
敵を取らねばならない人がドンドン増えて行く。
唇を噛んで立ち上がり、荷台のあおりを倒して男の身体を引きずり、荷台から降ろした。
バラックの床に、死体を2人並べてガソリンをまく。
「先に行って、みんなと酒盛りでもやってて、あたしも行くから。」
ドアを出て、タバコを1本くわえて火を付け、一息吸う。
そして、そのタバコを室内へ投げ入れた。
音を立てて燃え上がり、女は車の所へ行く。
「これで6人やられた……何人でもいいわ、殺さないと気が済まない。
死ぬまであいつら殺し続けるわ、死ぬまでね。」
燃え上がるバラックを見ながら、車に乗り込みエンジンをかける。
「やり方を変えなきゃ。男が必要だわ、兵隊上がりの男が。
その前に弾の補給よ。もう一度あの武器商人に連絡取らなきゃ。」
女は1人になった寂しさに胸元の服を握りしめながら、身軽になった事で奇妙なほど気持ちが軽くなった気がする。
死んだ女はことあるごとに意見して、子供のことを考えていた。
「もう、沢山だったのはこっちかもしれないわ。」
ククッと笑いながら、頬を涙が伝う。
高く登った太陽が、ひどくまぶしく感じていた。
サトミ達は事件のあとデリーに急ぎ、遅れに遅れた荷物を受け渡しした。
「もうちょっと休んでいけば?大変だったんでしょ?」
「いや、めっちゃ遅れてるから。3局周りの当番待ってるし。」
ふうんと、ピンクのツナギの荷物係の女の子がサトミを見る。
歩み寄って、手を出した。
「あんた新入り?よろしく、あたしミクシー。可愛いじゃん?いくつ?」
「よろしく、サトミ・ブラッドリーだ。15才、可愛いは余計だ。」
握手しながら、目を見開いた。
「じゅうごおおおお???これ、児童労働引っかかんないの?」
ダンクがサインして馬に荷物を載せながら首を振る。
「知らねえ。だいたいこいつ、少年兵上がりだし、問題ないんじゃねえの?」
「ふうん、そっか。あっ、サトミ君、ほら、差し入れもらったからあげる!
超甘くて歯が溶けそうなんで、誰も食わないんだ。」
「マジイイイ??!!もらうーーー!!」
目をキラッキラさせて、サトミが手を出す。
ミクシーが手近な袋に白い焼き菓子をいっぱい詰めて渡す。
甘いクッキーに、甘いクリームがたっぷり挟まった上に外にシュガーコーティングした激甘クッキーだ。
「お姉ちゃん、ありがとうっ!!」
サービスに、超可愛い系でお礼を言っておいた。
1個口に入れると、甘みが脳の芯まで突き抜ける。
「くーーー、めっちゃうめえ!」
「うふっ、かわい!甘いの好きなんだ~、またなんかもらったら取っといたげる。」
「うんっ!サンキュー!」
「可愛いもんかよ。行くぞ~、エジソン!起きろ、帰るぞ!」
目の据わったダンクが馬を引いていく。
奥でぐったり横になって、忘れられそうになっていたエジソンが、慌てて走ってきた。
そうして帰りはスムーズに走り、無事に帰って3局分を当番のリッターに頼む。
土曜なので局は午後から休みで当番しか残っていない。
ダンクもエジソンも、荷受け場の仕分け台の上に上半身バッタリ倒れた。
「つーかーれーたーーー」
朝っぱらから色んな事がありすぎて、ダンクはなんだか通常の3倍くらい疲れた。
「明日休みで助かった、マジで俺は死ぬ」
「俺、明日このお菓子の店探しにデリー行こうかな」
「は~~??お前の身体はいったいどうなってんだよ?!」
サトミは激甘クッキーをバリバリ食べながら、ホクホクしている。
ゲンナリした顔で、ダンクは事務所に戻っていった。
エジソンは、ズルズル起き上がって、はいっと手を上げる。
なんだか、最後の力っぽい。
「サトミー、刀の構造見たいんだけど~」
「あー、いいぜ。ここで分解して見せるけど、危ないからさわんなよ。」
「はい!ちょ、ちょっと待って、メジャーと、カメラ……」
仕分け台の上で、刀を分解して見せる。
色々サイズを測って、柄の装飾を写真に撮る。
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刀の鞘は大きめで長く、下に留め具があるので何か仕掛けがあるように見える。
サトミがプフッと笑ったので、エジソンがキョトンとした。
「持ってみたら駄目?」
「だめ、あんたは隙だらけのようで隙が無い。めざといから駄目。」
「えー、まるで秘密があるようだ。」
「キシシシシ」
エジソンは、わかったと無理強いはしない。
やがて計測が終わると、サトミは器用に刀を素早く組み立て、鞘に戻してまた背負った。
「ありがとう、刀のこと、少しわかった気がするよ。
僕は軽率だった、謝罪するよ。それじゃ、今日はお世話になりました。
あ、そうだ。サトミ、日本刀には名前が付いてるんだろう?
君の刀、名前はなんていうの?君の刀さばきは美しい。僕はファンになったよ。」
サトミが苦笑する。
ファンになったなんて、はじめて言われた。
「こいつの名、鰐切の雪雷って言うんだよ。
ワニキリが作るおっさんの銘、銘ってのはブランドかな。
セツライがこの刀の名前。
Cut the crocodileが銘で、Snow thunderが名前。」
ヒュウッ!エジソンが、粋な口笛を吹いてパンと手を叩く。
「いい!いいね!僕はそのセツライを美しいまま改良することを誓うよ。じゃ!」
手を上げて自分の部屋へ戻って行く。
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