カクヨムで収益化を狙っているけど、どうやらダメかもしれない

三文士

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僕はネット友達が少ない

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 1ヶ月に1度お小遣いをくれる(10円ちょっと)アルファポリスさんへのせめてものご奉公。

 たまには何か書かねばなるまい。


 僕はネット友達が少ない。断っておくがリアルでは多い方だ。負け惜しみでも妄想でもない。こんな世の中になる前は年末年始やGWなどに誘いが重なり過ぎて発狂しかけたほどだ。

 別に自分が人から好かれる自慢をするわけでも何でもない。昔の僕は付き合いが良かった。というだけの話。結局人間なんてそんなものだ。どれだけ集まりに顔を出し、迷惑をかけず丁度いいタイミングではけられるか。それに尽きる。だが昨今のこの状況ではそのスキルも無用の長物と化す。

 相手が友達かどうかなんて結局共有した時間でしか測ることができない。

 だから僕はネット友達が少ない。ネットでは孤独でありたいと思うし繋がりや共有なんてモノにネットの世界まで追いかけて来て欲しくない。

 とは言えこの世界も結局は人が住む処。避けていても自然と繋がりは生まれてしまう。



 カクヨムでいつだったかのコンテストに本気で応募した時があった。かなり頑張って書いていたし姑息に周知する手法を使い、僕の作品としては珍しくレビューが多くついた。内容もあえて分かりやすくした。ひねりを加えず癖を出さずとっつき易い作品に仕上げた。

 結果として多くのネット友達が出来た。お互いの作品を読んだり、ちょっとした自主企画なんかにも精力的に参加した。

 タイミングが良かったのか当時は20人前後のグループに2つほど所属しつつ、その輪とは別に個で繋がっている人が何人かいた。今まで一匹狼でやってきた僕からするとまるで別世界だった。

 今回はそのうちのグループAについて話す。

 元々Aは個人的に仲良くなった人からの紹介で入ったグループだった。

 いきなりTwitterのチャットグループに招待されて数日してから聞いたこともないようなアプリをダウンロードさせられそこのチャットルームに入れさせられた。正直「めんどくせーい」といきなり思っていたが、紹介してくれた人とは繋がっていたかったし、他のお仲間ともコンテストが終わるまで精々友達付き合いをしないとなと思い、よくわからないチャットに参加し続けた。

 正直なところTwitterのチャットグループと何が違うんだ?という疑問しかなかった。こちとらアプリを増やしたくない派の人間なのだ。わけの分からないマイナーなアプリのチャットルームに入れられても、効率が悪いとしか思えなかった。

 チャットの内容はと言えばシュールで頓知の効いた芸風で有名なあの芸人が面白いだのyoutubeのリンクを貼るから見てだのそんなことや、お題を出してそれを書き上げて互いに褒め合うとか他愛のない会話だった。

 それ自体は悪くない。

 グループにはボスと裏ボスが存在し絶対的な権力を奮っていた。

 ボスは中身がオジサンの美少女アイコンで何故かグループの皆からはしきりに美少女扱いされていた。こういう界隈ではよくあることなのだろうが慣れない人間からすると若干気持ち悪かった。しかし彼自体は人畜無害で言動も穏和な人だったから嫌いではなかった。むしろ彼をしきりに美少女扱いさせ、妙な空気感を作り続けている裏ボスが嫌いだった。

 裏ボスが嫌いな理由はもう一つあり、僕がグループに入った時に紹介してくれた人に対して「勝手に人をグループに入れるな」とか「選定は基本自分がやる」とか「今回はしょうがないけど次回から規制する」とか全員が見てるチャットでブチ切れだした。まあ創立者の1人だしルールがあったなら仕方ないが、何も知らず入って来た人間の目の前でその会話を敢えて展開する辺り傲慢というか、デリカシーがない。なら自分は入らなきゃ良かったなと思わざる得ないし、そんなグループで今後楽しめるわけが無い。

 僕はこの最初の出逢いで裏ボスがとっても嫌いになった。

 更に輪をかけたエピソードがある。

 裏ボスはとにかく普段から鼻につく態度をとってきた。

 Twitterで相互になったので何となくツイートを見に行くと「新参の作品読んだけどアレルギーが出た。句読点が」とか「やっぱり選定はこちらでやらないと質が落ちる」とかそんなことを呟いていて、まさか自分のことでもあるまいとは思ったが良い気分がしなかった。

 グループ内でも話しかけてこないし空気扱いされた。

 別に気にしなかったがムカついたのはその後だった。

 コンテストの一次選考結果が発表され運が良いことに僕の作品が残った。グループAでも半分くらいの人が選考通過していた。

 発表後の裏ボスは上機嫌で「いや凄い!このグループヤバい!こんなに通過者がいるなんて最強wwwやっぱり俺の目に狂いはなかった!」とか連日連夜呟きまくり。

 グループチャットでもいきなり僕に絡んでくるようになり、露骨過ぎて余計に嫌いになった。手のひらがスクリューパイルドドライバーなのかコイツ?と思ったほどだ。

「書籍化出ちゃうww?ここから書籍化出ちゃう!ww」

 選考通過でみんな浮かれていた時期もあったから誰も何も言わなかったけど、今振り返ると相当ウザイテンションだった。字面だけであそこまで不快感を漂わせるなんてある種の才能である。

 そこからのチャットは裏ボスの自分が好きな芸人の動画を見ろという宗教じみた勧誘と根拠のない今後のコンテストの流れの予想が連日続いた。根拠もないし的外れな意見ばかりなくせにアホみたいに長い文章が投下されるので何度かiPhoneの画面に吐きそうになった。呪いの言葉を。

 予想はグループから3人くらい最終選考に残る!と言い切っていた。理由は覚えていない。

 
 結果は全員落ちた。僕も含めて。

 その後の裏ボスのテンションの下降具合は面白いほどで、例え誕生日にディズニーランドに行った帰りに家族全員が怪獣に踏み潰されてもあんな落差は生まれないだろうなと思えるほどだった。

 正直こんな面白い事あるかなとゲラゲラ笑いながらチャットを眺めていたが自然と会話が減っていき、気がついたらその変なアプリでのルームは閉鎖になっていた。

 Twitterのチャットルームは生きていたが時折り誰かが書籍化した報告にくるだけで一時期のお祭り感は無くなりボスも裏ボスも全然出現しなくなった。

 そしていつか、誰もそこで発言しなくなった。

 もしかすると裏ボスがあのチャットルームから更に篩にかけて自分好みのメンバーだけで新しい世界を構築した可能性がある。一度に10人以上の人間が途端に無口になることなんてそう無い。

 彼は今日もどこかで誰かを美少女扱いしながら、あの大炎上した芸人の動画を人に薦めているのだろうか。

 今になって思えば、やっぱり人付き合いなんてリアルだけで充分だ。ネットでは孤独でいたいと心から願う。
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