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一章
セカの街の新人冒険者10
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「取り敢えずビールを買っていけばいいかな」
食べ物は心配するなと言っていたので宴会用に飲み物を買って農園に向かう。手ぶらで良いと言っていたけど流石にそれは申し訳ない。
「おっ丁度良いときにきたな。ぼちぼち始めようかと思ってたんだ。飲み物はそこの氷水が入ったタライに突っ込んどけ!」
農園に着くとおやっさんが大きい鉄板の前で火の調整をしていた。様になり過ぎていて農園の主にはとても見えない。その他にも網焼き用の場所や、なにかを焼いている釜等があり近くには沢山の肉と野菜。ワクワクが止まらない。
「こんなもんだろ。よしっ、そろそろ始めるぞ!全員飲み物は持ったか!」
俺も慌ててビールをコップに注ぐ。
「今日はゴートの昇級祝いだ。全員思う存分食えよ!ゴート、せっかくだから何か一言話せ」
おやっさんの急な振りに驚きながらも有りのままの気持ちを伝える。
「今日は従業員って訳でもないのにこんな凄いお祝いをありがとう!これからもよろしくお願いします!」
よろしくなー!若いって良いなあおい!水くせえぞー。皆騒ぐのが大好きなだけだから気にすんなー。それは酷くねえか?
従業員の皆のがやが凄い。
「後は飲み食いしながらだな。それでは…乾杯っ!」
近くの従業員と乾杯をしてビールを飲む。うまい。味自体はなんの変哲もないただのビールだが俺には凄く美味しく感じた。そして何故か、不思議と少し泣きそうになる。
「成長期なんだから肉食え肉!」
あっという間に皿の上が肉だらけになった。肉を盛った男の従業員が野菜も食べさせてあげなさいよと女性の従業員に怒られている。
思わず腹を抱えながら、声を上げて笑ってしまった。少し涙も出てるかもしれない。こんなに笑ったのはいつぶりだろか。
「あれ?」
周りが少し静かになったような気がして顔をあげる。
結構な人数がこちらを向いていて驚いた。その様子にこっちも困惑していると、おやっさんがやって来た。
「ゴート!飯食ってるか!」
「おやっさん。一杯食べてます。どれも美味しいです!」
「そうかそうか、それは良かった。まだまだ有るからな」
ビール片手におやっさんも楽しそうだ。
この街に来て一ヶ月下級冒険者になれたし、嬉しい事を一緒に喜んでくれる人もできた。美味しい物を食べたり好きな装備を揃えることだってしている。
冒険者としてはまだまだこれからだけど、少しは自分の人生を拓き歩みはじめることが出来た気がする。
皆が笑い時に騒ぎながら集う光景。
今この瞬間は一生忘れられないものになる。何となくだけどそう強く感じた。
食べ物は心配するなと言っていたので宴会用に飲み物を買って農園に向かう。手ぶらで良いと言っていたけど流石にそれは申し訳ない。
「おっ丁度良いときにきたな。ぼちぼち始めようかと思ってたんだ。飲み物はそこの氷水が入ったタライに突っ込んどけ!」
農園に着くとおやっさんが大きい鉄板の前で火の調整をしていた。様になり過ぎていて農園の主にはとても見えない。その他にも網焼き用の場所や、なにかを焼いている釜等があり近くには沢山の肉と野菜。ワクワクが止まらない。
「こんなもんだろ。よしっ、そろそろ始めるぞ!全員飲み物は持ったか!」
俺も慌ててビールをコップに注ぐ。
「今日はゴートの昇級祝いだ。全員思う存分食えよ!ゴート、せっかくだから何か一言話せ」
おやっさんの急な振りに驚きながらも有りのままの気持ちを伝える。
「今日は従業員って訳でもないのにこんな凄いお祝いをありがとう!これからもよろしくお願いします!」
よろしくなー!若いって良いなあおい!水くせえぞー。皆騒ぐのが大好きなだけだから気にすんなー。それは酷くねえか?
従業員の皆のがやが凄い。
「後は飲み食いしながらだな。それでは…乾杯っ!」
近くの従業員と乾杯をしてビールを飲む。うまい。味自体はなんの変哲もないただのビールだが俺には凄く美味しく感じた。そして何故か、不思議と少し泣きそうになる。
「成長期なんだから肉食え肉!」
あっという間に皿の上が肉だらけになった。肉を盛った男の従業員が野菜も食べさせてあげなさいよと女性の従業員に怒られている。
思わず腹を抱えながら、声を上げて笑ってしまった。少し涙も出てるかもしれない。こんなに笑ったのはいつぶりだろか。
「あれ?」
周りが少し静かになったような気がして顔をあげる。
結構な人数がこちらを向いていて驚いた。その様子にこっちも困惑していると、おやっさんがやって来た。
「ゴート!飯食ってるか!」
「おやっさん。一杯食べてます。どれも美味しいです!」
「そうかそうか、それは良かった。まだまだ有るからな」
ビール片手におやっさんも楽しそうだ。
この街に来て一ヶ月下級冒険者になれたし、嬉しい事を一緒に喜んでくれる人もできた。美味しい物を食べたり好きな装備を揃えることだってしている。
冒険者としてはまだまだこれからだけど、少しは自分の人生を拓き歩みはじめることが出来た気がする。
皆が笑い時に騒ぎながら集う光景。
今この瞬間は一生忘れられないものになる。何となくだけどそう強く感じた。
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