【R18】嫌いで仕方のない相手なのに惚れ薬をかぶりました

AMふとん

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5話

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 ベッドに転がると、ひどく胸の奥がきゅんとする。

『き、きもち、い、い……!』
『そりゃ、よかったな……!!』

 ミエルは、きゅっと口元を閉ざした。今は必死で声をもらさぬようにとしているのに、あのときは勝手に口が言葉を紡いでいた。イースに抱きしめられ、ミエルからは彼の顔は見えなかった。ただ荒い息づかいと動く指にびくびくと体が興奮して、勝手にももに液がつたう。あんなの初めてだった。
 今も硬い彼の指を思い出してたまらない。

「ど、どこに、入ってたの、かしら……」

 寝返って、天井を見上げた。本日は休暇だ。第一部隊では、一週間に一度の休息日が設けられている。こんな風に、朝からだらりとしていることなんて、ミエルにとってはありえないことなのだが。
 どうしても、彼の声や、仕草を思い起こしてたまらなかった。「……う」 考えれば考えるほど、濡れていく気がする。確認しようか。瞳を腕で隠して、ミエルは唸った。覚悟をきめて、そっと自身のそこへ指を伸ばした。恐る恐る、服の隙間に手を伸ばした。ちょん、と触る。「うう……っ!」 やっぱりそうだった。

 あのときのイースの動きを思い出した。

「ぐり、ぐりと……」

 したことはない。したことはないけど。

 彼のことを考えながら、瞳をつむって動かしたら、きっと。
 気持ちいいに決まっているけど。

「そ、そんなこと、できるわけがないわ!」

 おもいっきり、枕を投げ飛ばした。



 こうして、朝から悶々とした気持ちを抱えているのはミエルだけではない。イースも目の下に隈をこさえて、食堂にて朝食を入れたトレーを抱えてふらついていた。『そ、そこは、だめ、イース、イース、イース……ッ!』 ミエルは無意識であったが、幾度も彼を甘い声で呼んでいた。思い出すたびにビキビキする。苛立っているのか、ときめているのか、自分でもわけがわからない。

 そして彼は更にミエルよりも悲惨だった。同室にはグリュンがいる。もちろん、彼は親友なので普段はなんのこともないが、このときばかりは辛かった。一人でいたすことができない。せめて自身を慰め、おさめることができたらいいのだが、記憶の中でうっとりとしたミエルの姿ばかりを思い出してたまらない。キスしたい。


 そう悶々としていた彼らが食堂で出会い、互いに舌打ちをし、珍しくも並んでテーブルを隣にし、サンドイッチをかぶりつくのは仕方のないことだった。眉をつりあげ、黙々と朝食を食していく。コーンスープを飲み込み、ダンッとカップを置いたのは恐らく同時だ。

「おいミエル。今日は休暇だ。あとに響かせたくもない。さっさと日課を終わらせとくぞ」
「もちろんよ。間抜けなあなたの姿を存分に見てあげる。私の部屋でいいわね」
「そうだな。それならすぐに終われるか。周りの目を気にするのも面倒だ」
「はやく終わらせときましょ」


 もちろん、これはフラグである。


「んっ、はあ、んっ……ちゅ、あう、イース……」
「声、我慢、させんな……」

 初めはソファーに座ってキスをする程度だったのに、気づいたらミエルを押し倒していた。イースは彼女の腕を縫い止めて、幾度もキスを繰り返した。すっかりとろとろになっている。一度味をしめてしまったのだ。もちろんこれで終わらせられるわけがない。休日でもしっかりと締めている皮の胸当ての留め具を、器用にも彼はパチリと片手で外した。

「あっ……!」
「お前、意外とでかい胸してんだな……」

 ミエルは羞恥に視線を外した。これは彼女の恥の一つだ。だが、そんなものイースにとってどうでもいい。彼女の首元に小さくキスを繰り返して、そっと服の内側から手のひらを滑り込ませた。「や、やめ……っ」 すぐさまミエルは首を振ったが、「暴れんなよ」と耳元で囁かれた声がびっくりするほど優しかったから、うっかり彼の手を許してしまった。下着越しに、ミエルの豊満な乳房をイースの大きな手のひらが優しく撫でた。ぞくぞくする。

 イースはミエルをソファーに押し倒したまま、彼女の胸を持ち上げるようにゆっくりと触り続けた。初めは小さな声を跳ね上げさせる彼女であったが、次第に顔を真っ赤にして震えている。直接触ってみると、必死に口元を押さえてまるで懇願するように瞳をうるませながらイースを見ている。死ぬほど可愛い。「んな目で、みんな……」 ぞくぞくするのはこちらだ。

「すぐ、舐めてやっから」
「え? どういう、ひっ――――!」

 服を持ち上げ、ずらされた下着の隙間から覗くそれを、ちろりと赤い舌でイースは舐めた。温かい彼の舌が、ぬっとりとミエルの頂を包んでいる。

「や、ひッ……イース、やめ、だ、だめ……ん、んんッ……!!」

 舐められ続ける間にも、どんどん服が脱がされていく。もちろん、抵抗しようとすればできたのに、ミエル自身も彼の動きを手伝っている結果は無意識だ。すっかり上半身は脱がされ、ズボンだってずらされて、びしょびしょの下着が情けなくひっかかっているだけだ。胸をいじる反対の手で、イースは彼女の鋭敏な場所をぬるぬると触っている。悲鳴をあげるなと言われるほうが無理だ。

 ここまでくると、さすがのミエルでも、彼のそれが大きく膨らんでいることに気がついた。男性のそれなど、まともに目にしたことも意識したこともなかったが、ミエルの視線に気づき、イースは静かに彼女から距離を置いた。よだれのついた口元を腕で拭いながら、ミエルにまたがった状態で上半身を脱いだ。訓練で幾度も目にしているはずなのに、鍛えられた彼の体を直視するのは気が引けた。彼は魔術を得意とするが、もちろん剣の腕だって人並み以上だ。

 ズボンまで脱いだ彼のそれを見て、膨らんだ下着から取り出した、反り返った彼のものを見て、ミエルはごくりと唾を飲み込んだ。

「……おい」
「え、あ、え……」
「触れよ」
「え、あの」

 イースはまさか彼女が処女とは知らない。互いの局部を見つめ合う奇妙な状況に眉をひそめた。そういうものなのだろうか、とミエルは震える手で彼のそれを、つんと指の先でさわった。硬い。「触れってってんだろ……」 熱い息を吐き出す彼に後押しされ、ゆっくりと握った。びくびくしている。少々の知識ならある。あまり強くしすぎてはいけないのだと聞く。けれども、少しの刺激も必要なのだと。彼の指示の通りに上下にこすり、先走りの液がぷつりとこぼれ、ミエルの手を流れていく。怖い。けれども、息を荒くさせるイースが、ひどく可愛らしかった。「もう、いい」

 だから、再度ソファに押し倒されたときには、もっとしたいと思っていたのに。

 濡れそぼったミエルの膣の入り口にイースの硬く反り返ったそれがぴたりとあてがわれたときは、ぞくりと胸が震え上がった。けれどもそれは一瞬だ。「だめ! イース、それだけは、だめ……!!」 先程までの、口先だけの否定ではない。イースは赤い瞳を大きく見開いた。すぐさま、舌を打った。けれどもそれはひどく自嘲的なものだ。

「まあ、当たり前か。俺とお前が、するわけねえな……」

 ただそれはミエルが初めてであり、誰もそこに受け入れたことがないからの抵抗であるが、彼がそれを知るわけがない。ひどく美しい彼女だ。誰の手にもつけられることなく、彼女の初めてを全て彼自身が荒らしていることなど、まさか思うわけがない。

「しょうがねえな」

 イースはひょいと彼女を持ち上げ反転させた。この間の資料室とまるで似たような状況だが、ソファの上で膝立ちにさせられ、彼女の股の間に、すぐさま彼の熱を置いた。「ひっ……」「いれねえよ。……それともこれも嫌か?」 少しばかり悲しげな声に聞こえたのは、気の所為だろうか。ミエルは静かに首を振った。彼女からは見えはしないが、イースは静かに口元に笑みをのせた。

 彼が動くたびに、ミエルの膣にイースのペニスがこすりつく。

「ん、ん、んん……」
「しっかり、しめとけ……っ!」

 経験などしたことはない。なのにこれではまるで同じことのようだ。ミエルの膣からこぼれた愛液が、べとべとにイースのペニスを濡らしていく。ぱちゅぱちゅと、大きな水音が響いていた。ミエルはただ、普段の無骨な彼女では信じられないくらいの喘ぎ声を繰り返した。声を上げるたびに、イースのそれは硬く、ミエルの鋭敏な箇所をこすりあった。


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