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第4章 深まる絆
第21話 お金
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◆Side アイリス◆
次の日、いつもより早くシメイが現れた。
シメイが早く来るのは、大抵私に話しがあるときだ。
「アイリス、おはよう。」
「おはよう、シメイ。」
私はそう言って、シメイの胸に頭を擦り付けた。
「アイリス、ちょっと話したいことがあるんだけど良い?」
「良いわよ。」
やっぱり、そうだった。
「えーと……。今回は、買う人が諦めたけど、アイリスの良さを皆が知ったから、今後も買いたいという人も現れると思うんだ。」
「そうね……。でも、今回のようにその人と合わない振りをすれば良いんじゃない。」
「そうだね。でも、凄い上手い人とかはそうはいかないと思う。あ、アイリスはそう人の所なら行っても良い?」
「良い訳ないでしょ!」
私はシメイの側にいたいのに、何てことを言うんだろう。
「ごめん。僕もアイリスに側にいて欲しいよ。今でも、できれば一緒に暮らしたいくらいだ。」
「……。」
そう言われると、ちょっと嬉しい。
「でも、今アイリスはクラブの馬だから、売られる可能性はある。だから、できれば、僕の所有にしたいんだ。アイリスを物のように言って、申し訳ないんだけど。」
「それは、仕方ないわ。シメイのものになるなら、それが一番良いと思う。早く、そうしましょうよ。」
「ただ、問題があって……。」
「何?」
「アイリスを買い取るお金が出せるかどうか……。」
それは困った。
私も何とかしたいが、お金なんて……。あ、そうだ!
「私もお金持っているわよ。」
「え!どこに?」
「そ、それは……。」
しまった。
アイテムボックスは使えないから、出せないんだ。
一応、取り出そうとしてみたが、無理みたいだ。
私は、そのことをシメイに伝えた。
「そうなんだ……。」
「ごめんね。」
「いや。取り出せたとしても、使えない気がするしね。」
「そうなの?」
「アイリスがいた世界とこっちの世界では、使ってるお金は違うと思うよ。まあ、コウカ……あ、金属でできたお金のことね、それならもしかしたら買い取ってもらえるかも知れないけど。」
私が持っているのは確か金属でできたものだから、取り出す意味はありそうだ。
でも、魔法使えないし……。
あ、確か馬女神様はこっちでも魔力が豊富な所があるって言ってたはずだ。
「やってみる価値はあるかも知れないわ。シメイは、どこか魔力が高い場所を知らない?」
◆Side 紫明◆
須崎先輩の話しで、アイリスを買い取る方向で考えて始めた。
お金の問題はあるけど、それが一番だろう。
僕は、そのことをアイリスに伝えた。
凄く上手い人と所なら行っても良いかとか余計なことを聞いて、アイリスを怒らせてしまったけど、アイリスが僕と一緒にいることを強く希望しているのがわかって凄く嬉しかった。
お金の問題は、アイリスに言うのもどうかとも思ったのだが、ちゃんと伝えた方が良いと思い伝えることにした。
「私もお金持っているわよ。」
それを伝えると、アイリスはそんなことを言った。
「え!どこに?」
「そ、それは……。」
驚いて聞くと、どうやら空間魔法でアイテムボックスにしまってあるという。
アイテムボックスって、ラノベとかでは定番だな。
僕はそんなにラノベ読む方ではないけど、それくらいは知っていた。
「そうなんだ……。」
「ごめんね。」
「いや。取り出せたとしても、使えない気がするしね。」
「そうなの?」
「アイリスがいた世界とこっちの世界では、使ってるお金は違うと思うよ。まあ、硬貨……あ、金属でできたお金のことね、それならもしかしたら買い取ってもらえるかも知れないけど。」
外国の硬貨とか集める人もいるし、デザイン次第では売れるかも知れない。
あと、原材料が何かにもよると思う。
ゲームとかだとミスリルとか有名だが、まさかそんな物で硬貨を作ってはいないだろう。
「やってみる価値はあるかも知れないわ。シメイは、どこか魔力が高い場所を知らない?」
僕が異世界の硬貨について考えていたら、アイリスがそう聞いて来た。
「魔力が高い場所?」
この世界には、そんな場所があるのだろうか?
アイリスに聞いたところによると、この世界でも魔力の高いは場所は存在するらしい。
だが、そんな場所は見当がつかない。
そもそも、魔力って何なのだろうか?
僕は、ふと大学時代の友人のことを思い出した。
彼の名前は、箕島……下の名前は忘れてしまった。
向こうは、僕のことを『紫明』と呼んでいたけど。
彼は、ミステリー好きで、ラノベも良く読んでいた。
彼とは同じゲームをやっていたことが切っ掛けで仲良くなった。
リアルでの興味の対象は全く違うのだが、なぜか気が合ったのだ。
彼は頭も良く、一流企業に就職した。
だから、卒業以来会ってはいない。
電話番号は知っているが、今も同じとは限らない。
しかし、一応その夜、電話してみた。
「もしもし。」
あ、出た。この声は恐らく彼だ。
「箕島?紫明だけど。」
「紫明?随分、久しぶりだな。元気か?」
「うん。そっちは?」
僕達は暫く、お互いの近況とかについて話しをした。
「それで、今日は急にどうしたんだ?」
「ちょっと、相談したいことがあるんだけど、時間大丈夫か?」
「大丈夫だけど、いきなりだな。」
「申し訳ない。」
「それで、何だ?」
「箕島、魔力ってわかる?」
「え?」
僕はどうやって切り出すか考えていなかったので、いきなりそう聞いてしまった。
さすがに、彼も驚いただろう。
僕は、詳細は曖昧にしつつ、魔力の高い場所を探していることを伝えた。
「……ということなんだけど……。」
「面白そうだな。何か隠している感じだが、言えないことなのか?」
「言えなくはないけど、長くなるし。それに、そもそも信じてもらえるかどうか。」
「まあ、聞いてからだな。電話ではなんだし、今度会って話そうか。」
「わかった。」
それから、僕達は合う日時と場所決めた。
僕は仕事柄土日が休みでないので、会える日は1ヶ月近く先のゴールデンウィークになったが、仕方がないだろう。
次の日、いつもより早くシメイが現れた。
シメイが早く来るのは、大抵私に話しがあるときだ。
「アイリス、おはよう。」
「おはよう、シメイ。」
私はそう言って、シメイの胸に頭を擦り付けた。
「アイリス、ちょっと話したいことがあるんだけど良い?」
「良いわよ。」
やっぱり、そうだった。
「えーと……。今回は、買う人が諦めたけど、アイリスの良さを皆が知ったから、今後も買いたいという人も現れると思うんだ。」
「そうね……。でも、今回のようにその人と合わない振りをすれば良いんじゃない。」
「そうだね。でも、凄い上手い人とかはそうはいかないと思う。あ、アイリスはそう人の所なら行っても良い?」
「良い訳ないでしょ!」
私はシメイの側にいたいのに、何てことを言うんだろう。
「ごめん。僕もアイリスに側にいて欲しいよ。今でも、できれば一緒に暮らしたいくらいだ。」
「……。」
そう言われると、ちょっと嬉しい。
「でも、今アイリスはクラブの馬だから、売られる可能性はある。だから、できれば、僕の所有にしたいんだ。アイリスを物のように言って、申し訳ないんだけど。」
「それは、仕方ないわ。シメイのものになるなら、それが一番良いと思う。早く、そうしましょうよ。」
「ただ、問題があって……。」
「何?」
「アイリスを買い取るお金が出せるかどうか……。」
それは困った。
私も何とかしたいが、お金なんて……。あ、そうだ!
「私もお金持っているわよ。」
「え!どこに?」
「そ、それは……。」
しまった。
アイテムボックスは使えないから、出せないんだ。
一応、取り出そうとしてみたが、無理みたいだ。
私は、そのことをシメイに伝えた。
「そうなんだ……。」
「ごめんね。」
「いや。取り出せたとしても、使えない気がするしね。」
「そうなの?」
「アイリスがいた世界とこっちの世界では、使ってるお金は違うと思うよ。まあ、コウカ……あ、金属でできたお金のことね、それならもしかしたら買い取ってもらえるかも知れないけど。」
私が持っているのは確か金属でできたものだから、取り出す意味はありそうだ。
でも、魔法使えないし……。
あ、確か馬女神様はこっちでも魔力が豊富な所があるって言ってたはずだ。
「やってみる価値はあるかも知れないわ。シメイは、どこか魔力が高い場所を知らない?」
◆Side 紫明◆
須崎先輩の話しで、アイリスを買い取る方向で考えて始めた。
お金の問題はあるけど、それが一番だろう。
僕は、そのことをアイリスに伝えた。
凄く上手い人と所なら行っても良いかとか余計なことを聞いて、アイリスを怒らせてしまったけど、アイリスが僕と一緒にいることを強く希望しているのがわかって凄く嬉しかった。
お金の問題は、アイリスに言うのもどうかとも思ったのだが、ちゃんと伝えた方が良いと思い伝えることにした。
「私もお金持っているわよ。」
それを伝えると、アイリスはそんなことを言った。
「え!どこに?」
「そ、それは……。」
驚いて聞くと、どうやら空間魔法でアイテムボックスにしまってあるという。
アイテムボックスって、ラノベとかでは定番だな。
僕はそんなにラノベ読む方ではないけど、それくらいは知っていた。
「そうなんだ……。」
「ごめんね。」
「いや。取り出せたとしても、使えない気がするしね。」
「そうなの?」
「アイリスがいた世界とこっちの世界では、使ってるお金は違うと思うよ。まあ、硬貨……あ、金属でできたお金のことね、それならもしかしたら買い取ってもらえるかも知れないけど。」
外国の硬貨とか集める人もいるし、デザイン次第では売れるかも知れない。
あと、原材料が何かにもよると思う。
ゲームとかだとミスリルとか有名だが、まさかそんな物で硬貨を作ってはいないだろう。
「やってみる価値はあるかも知れないわ。シメイは、どこか魔力が高い場所を知らない?」
僕が異世界の硬貨について考えていたら、アイリスがそう聞いて来た。
「魔力が高い場所?」
この世界には、そんな場所があるのだろうか?
アイリスに聞いたところによると、この世界でも魔力の高いは場所は存在するらしい。
だが、そんな場所は見当がつかない。
そもそも、魔力って何なのだろうか?
僕は、ふと大学時代の友人のことを思い出した。
彼の名前は、箕島……下の名前は忘れてしまった。
向こうは、僕のことを『紫明』と呼んでいたけど。
彼は、ミステリー好きで、ラノベも良く読んでいた。
彼とは同じゲームをやっていたことが切っ掛けで仲良くなった。
リアルでの興味の対象は全く違うのだが、なぜか気が合ったのだ。
彼は頭も良く、一流企業に就職した。
だから、卒業以来会ってはいない。
電話番号は知っているが、今も同じとは限らない。
しかし、一応その夜、電話してみた。
「もしもし。」
あ、出た。この声は恐らく彼だ。
「箕島?紫明だけど。」
「紫明?随分、久しぶりだな。元気か?」
「うん。そっちは?」
僕達は暫く、お互いの近況とかについて話しをした。
「それで、今日は急にどうしたんだ?」
「ちょっと、相談したいことがあるんだけど、時間大丈夫か?」
「大丈夫だけど、いきなりだな。」
「申し訳ない。」
「それで、何だ?」
「箕島、魔力ってわかる?」
「え?」
僕はどうやって切り出すか考えていなかったので、いきなりそう聞いてしまった。
さすがに、彼も驚いただろう。
僕は、詳細は曖昧にしつつ、魔力の高い場所を探していることを伝えた。
「……ということなんだけど……。」
「面白そうだな。何か隠している感じだが、言えないことなのか?」
「言えなくはないけど、長くなるし。それに、そもそも信じてもらえるかどうか。」
「まあ、聞いてからだな。電話ではなんだし、今度会って話そうか。」
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それから、僕達は合う日時と場所決めた。
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