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第一章 出会い
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しおりを挟むやっと魔の一週間が終わった~。今日から大会までの一週間はチーム練だ!! ゼンさんに呼ばれた三人の方が、辛かっただろうけど、俺にとっても辛かった。主に筋肉痛が……
一週間ずっとやってたのは筋トレ……それと半球型のバランスボードの上でひたすらオーバー、アンダーの直上。あとはスクワット。本当に難しかったし、家でテレビを見ながら乗ってるだけでも結構違かった。
何が違かったかというと、最終日にサーブカットとスパイクカットを軽くやらせて貰った。その時に、いつもより自分の身体が思うように動いてくれたのと、トシさんのスパイクの勢いをころす時に、ギリギリまでしゃがんでも膝やお尻をつかず、だいぶバランス感覚が良くなった気がする。
一週間でこんなに結果が出るなら、これからずっと続けようかな。なんか慣れてくると楽しいし。
「一週間ぶりの凛くんや~。それと今まであんな雑なブロックして、本当にすまんかった!! これからはチームと凛くんの為に跳ぶで!!」
「ゼルさんに先越された~。凛~、俺もうサボらない!! 凛のキツさ知ったし……少しでも楽になるように、プラス勝てるように頑張るよ~」
え……ゼルさんはなんとなく分かったけど……シズお前、サボってたのか!!というかそんなに両側から締め付けられたら、俺がいくら鍛えたとしても流石に痛いぞ。
「凛さん、俺止めれるやつは止めにいきます!! それでも後ろにいったら、その時はカバー頼むっす!!」
うん、山田のが正解。その言葉は、俺にとって頼られてる証拠だから、嬉しくないわけがない。
「うん、山田も怖がらずに跳べよ!!」
「げっ……凛さん知ってたんすか」
いや、お前分かりやすいからな。多分みんな知ってると思うぞ。
俺はデカイの二人をズルズルと引きずって、ネット張りに向かい、いつの間にか来ていた向井さんとトシさんによって、二人は俺から離されて、ついでに山田も連れて行かれた。
「凛!! りーん!! ちょいちょい」
なんだ先生も来てたのか。それよりどうしたんだ? いつもの堂々とした感じが全然ないけど。
「佐良さん、俺の事なんか言ってた? 本気でやってねぇのか!! とか、息子を勧誘したならそれなりに結果だせ!! とか……」
俺には何も言ってなかったけど……というかそれ、自分で墓穴掘ってるぞ。俺が母さんに言ったらどうするんだ。
「言ってなかったけど、今のやつ言ったら先生心折れちゃう??」
「折れちゃう!! 俺の繊細な心折れちゃうから!! だからぜーったいに言うなよ!? いや、言わないで下さい!! トシと向井に任せきりにしないで真面目に指導しますから!!」
トシさん達に任せきりだったんかい!! 俺に努力を無駄にするなとか言っといて、自分が生徒の努力無駄にしてただろうが!!
「んじゃちゃんとやってよ。正直インハイは勝てる気しないし、寧ろ予選突破できるのか怪しいですよね。春高目指してんだから、真面目にやらないと春高はそんな甘くないですからね」
「はい。おっしゃる通りです。すみませんでした」
そう言って先生は俺に向かって土下座するが、正直やめてほしい。みんな見てるし、俺がなんか悪いみたいじゃんか。
「凛くん、その監督擬きは無視していいよ。練習始めるからおいで」
「あ、向井さんの方も話が終わったんですね。分かりました!!」
俺は先生をその場に放置して、練習へと向かった。
少しすると、先生は人が変わったように真剣になってくれて、アドバイスや指摘が細かくなり、言ってる事も曖昧ではなく、だいぶ分かりやすくなった。
おーー!! なんかちゃんと監督っぽい!!
「凛、今失礼な事考えなかったか?」
「はい、考えてました。すみません」
「素直でよろしい!! が、絶対に佐良さんには言うなよ?」
この人どんだけ母さんの事怖いんだよ。
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