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第一話 クズ勇者、改心する
その一
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オレは混乱していた。
つい数秒前、オレは魔族の総司令官となったマルタに首を斬られた――はずである。
なのに、オレは生きている。それだけでない。ココは――マルタに解雇を言い渡した、あの酒場だ。
いったい、何が起きている?
ドッと、笑い声が耳に入る。見渡すと、全員がマルタを見て笑っていた。
勇者パーティのメンバー、女魔導士のニグレアと治癒士ロゼルも笑っている。無口な騎士、クローゼでさえ、口角が微かに上がっていた。そうだ、間違いない。あの時と同じだ。つまり、これって――
『死に戻り』というやつか?
そんな言葉を何度か耳にしたことがある。一度死んだ人間が過去に戻り、人生をやりなおせるらしい。
もちろん、そんなのはおとぎ話の中のことだと思っていた。だけど、今起きている事象を表現するのに、それ以上の適切な言葉なんて見つからない――
「グエル、必ず魔王を倒してね。それじゃ」
別れの言葉を伝えたマルタが立ち去ろうとする。
たしか、オレはあの時――『ハ、ハ、ハ! あたり前だろ? オレを誰だと思っている? 勇者グエル様だぞ!』と他のヤツラと一緒に大笑いしていたはずだ。
だけど、そんな気分にはとてもなれない。あの時とは違う。何もかも、オレは知ってしまったのだから。
自分がこのあと、破滅することを――
そして、クビにしたマルタが『闇堕ち』して、人類を滅ぼしたことも――
オレはまた、同じ苦しみを味わうことになるのか?
――――――――いや、まだ間に合う!
「マルタ、待て!」
オレはそう叫んでいた。酒場全体の雰囲気が一変する。
あれだけ大笑いしていたヤツらが全員、怪訝な表情をしてオレを見ていた。なぜ、そんな『役立たず』を引き留めたのか――と。
オレもなぜそんなことを言ってしまったのか、よくわからない。だけど今、マルタを呼び止めなければならない。なぜかそういう思いがして、そんな言葉が出てきた。
でも、それで何がしたいんだ?
コイツは――マルタは数年後、人類を裏切り、滅亡させる。それだけのチカラを持つことになるのだ。
どうして、運び屋だったマルタがそんなチカラを持つことになったのか?
今からでは確認することもできない。
ただひとつ言えることは――マルタが生きていれば、オレは破滅し、人類は滅亡する――ということだ。しかし、今はまだコイツにそれだけのチカラはない。容易く殺せるだろう。
なら、今のうちにマルタを殺せば、厄災は断ち切れる――はず。そんな心境に達したオレは、マルタに近づく。そして、『神剣クサナギ』を抜いた。
その様子を見ていた輩がどよめきだす。
「ね、ねえ。いくら無能だからって、まさか殺すつもりじゃないよね?」
ニグレアが震える声でそうたずねてきた。
殺すつもり?
そうだ、コイツを――マルタを殺さなければならない。オレの――人類の破滅を回避するために。
「グ、グエル? 冗談でしょ?」
恐怖の表情でマルタがオレを見ている。これまでの扱いから、いつか勇者パーティを追放されるかもしれない――ということは、コイツもきっと想像していただろう。しかし、まさか殺されるとまでは思ってもいなかったに違いない。当然だ、オレだって前の人生を歩んでいなければ、そんなことなど考えもしなかったのだから――
いや、待て。落ち着け。
たしかに今、マルタを始末すれば、コイツのために破滅する危機は回避できる。しかしそれでは、オレが仲間殺しの罪人になってしまうじゃないか!
将来の厄災を取り除いたんだと主張しても、それを証明する手段はない――オレは逮捕され、殺人者として残りの人生を牢獄の中で暮らすことになる。
それじゃ結局、オレは破滅だ! じゃあ、どうすればイイ?
そうだよ。何もマルタを殺す必要はない。前の人生では役立たずと思っていたから、コイツをクビにした。だが、今のオレはコイツが人類を滅亡させるほどの能力を秘めていると知っている。
そうとなれば、マルタとは良い関係を持ち続けるのが得策だ。そしてコイツの能力を利用すれば、オレの人生は安泰なのではないのか!?
勇者のオレと魔族を従えるほどの錬金術士が組むのだ。もはや怖いものはない!
おおっ! これこそ、最高の選択ではないか!
そういう結論に達し、オレは手にしていたクサナギを床に落とした。
マルタだけでなく、ココにいた誰もが(なにが起きている?)という顔をしている。
そして、次に何をするつもりなのか、黙って見ていた。
そうだ、オレのやることは――そのまま両ひざを床に付けたオレは、土下座の姿勢になる。
「マルタ、オマエをクビにすると言ったことを取り下げさせてくれ! そして、今までひどい扱いをしてきたこともゆるしてくれ!」
オレは、そう謝罪した。
「ちょ、ちょっと、グエル。な、なにを――」
突然の心変わりに、マルタは慌てている。まあ、そうだろう。だが、オレに迷いはない。
「いきなり、理不尽な解雇を言いつけられ、怒っているのはわかっている。だけど、どうか冷静になって、パーティに残ってくれ!」
店の中がざわついた。それまで、役立たずの運び屋が解雇されるところを面白がって見ていたヤツらが呆然としている。
(コイツ――気が狂ったのか?)そんなふうに思われたのかもしれない。いや、実際、そうだった。なにせ、オレはこの『役立たず』が人類を滅ぼす場面を目の当たりにしてきたんだ。正気でいられるはずはない。
しかし、これでイイ。今までマルタに加えていた仕打ちを謝罪する。なんとかして、ゆるしてもらわなければならない。
それで破滅を回避できるうえに、人類を滅ぼすほどの錬金術士を仲間に引き込めるのだ。土下座くらいしてやる。奴隷だった頃は、這いつくばって、主人の靴をナメさせられていた。
この程度の屈辱、なんでもない!
「この通りだ。どうか、パーティに残ると言ってくれ」
オレが床に頭を押し付けると、マルタは「わかったから、頭を上げて!」と言った。
「ゆるしてくれるのか?」
「ゆるす! ゆるすから! 早く立ち上がって!」
よし! これで、ひとまず直近の問題は回避できたぞ!
つい数秒前、オレは魔族の総司令官となったマルタに首を斬られた――はずである。
なのに、オレは生きている。それだけでない。ココは――マルタに解雇を言い渡した、あの酒場だ。
いったい、何が起きている?
ドッと、笑い声が耳に入る。見渡すと、全員がマルタを見て笑っていた。
勇者パーティのメンバー、女魔導士のニグレアと治癒士ロゼルも笑っている。無口な騎士、クローゼでさえ、口角が微かに上がっていた。そうだ、間違いない。あの時と同じだ。つまり、これって――
『死に戻り』というやつか?
そんな言葉を何度か耳にしたことがある。一度死んだ人間が過去に戻り、人生をやりなおせるらしい。
もちろん、そんなのはおとぎ話の中のことだと思っていた。だけど、今起きている事象を表現するのに、それ以上の適切な言葉なんて見つからない――
「グエル、必ず魔王を倒してね。それじゃ」
別れの言葉を伝えたマルタが立ち去ろうとする。
たしか、オレはあの時――『ハ、ハ、ハ! あたり前だろ? オレを誰だと思っている? 勇者グエル様だぞ!』と他のヤツラと一緒に大笑いしていたはずだ。
だけど、そんな気分にはとてもなれない。あの時とは違う。何もかも、オレは知ってしまったのだから。
自分がこのあと、破滅することを――
そして、クビにしたマルタが『闇堕ち』して、人類を滅ぼしたことも――
オレはまた、同じ苦しみを味わうことになるのか?
――――――――いや、まだ間に合う!
「マルタ、待て!」
オレはそう叫んでいた。酒場全体の雰囲気が一変する。
あれだけ大笑いしていたヤツらが全員、怪訝な表情をしてオレを見ていた。なぜ、そんな『役立たず』を引き留めたのか――と。
オレもなぜそんなことを言ってしまったのか、よくわからない。だけど今、マルタを呼び止めなければならない。なぜかそういう思いがして、そんな言葉が出てきた。
でも、それで何がしたいんだ?
コイツは――マルタは数年後、人類を裏切り、滅亡させる。それだけのチカラを持つことになるのだ。
どうして、運び屋だったマルタがそんなチカラを持つことになったのか?
今からでは確認することもできない。
ただひとつ言えることは――マルタが生きていれば、オレは破滅し、人類は滅亡する――ということだ。しかし、今はまだコイツにそれだけのチカラはない。容易く殺せるだろう。
なら、今のうちにマルタを殺せば、厄災は断ち切れる――はず。そんな心境に達したオレは、マルタに近づく。そして、『神剣クサナギ』を抜いた。
その様子を見ていた輩がどよめきだす。
「ね、ねえ。いくら無能だからって、まさか殺すつもりじゃないよね?」
ニグレアが震える声でそうたずねてきた。
殺すつもり?
そうだ、コイツを――マルタを殺さなければならない。オレの――人類の破滅を回避するために。
「グ、グエル? 冗談でしょ?」
恐怖の表情でマルタがオレを見ている。これまでの扱いから、いつか勇者パーティを追放されるかもしれない――ということは、コイツもきっと想像していただろう。しかし、まさか殺されるとまでは思ってもいなかったに違いない。当然だ、オレだって前の人生を歩んでいなければ、そんなことなど考えもしなかったのだから――
いや、待て。落ち着け。
たしかに今、マルタを始末すれば、コイツのために破滅する危機は回避できる。しかしそれでは、オレが仲間殺しの罪人になってしまうじゃないか!
将来の厄災を取り除いたんだと主張しても、それを証明する手段はない――オレは逮捕され、殺人者として残りの人生を牢獄の中で暮らすことになる。
それじゃ結局、オレは破滅だ! じゃあ、どうすればイイ?
そうだよ。何もマルタを殺す必要はない。前の人生では役立たずと思っていたから、コイツをクビにした。だが、今のオレはコイツが人類を滅亡させるほどの能力を秘めていると知っている。
そうとなれば、マルタとは良い関係を持ち続けるのが得策だ。そしてコイツの能力を利用すれば、オレの人生は安泰なのではないのか!?
勇者のオレと魔族を従えるほどの錬金術士が組むのだ。もはや怖いものはない!
おおっ! これこそ、最高の選択ではないか!
そういう結論に達し、オレは手にしていたクサナギを床に落とした。
マルタだけでなく、ココにいた誰もが(なにが起きている?)という顔をしている。
そして、次に何をするつもりなのか、黙って見ていた。
そうだ、オレのやることは――そのまま両ひざを床に付けたオレは、土下座の姿勢になる。
「マルタ、オマエをクビにすると言ったことを取り下げさせてくれ! そして、今までひどい扱いをしてきたこともゆるしてくれ!」
オレは、そう謝罪した。
「ちょ、ちょっと、グエル。な、なにを――」
突然の心変わりに、マルタは慌てている。まあ、そうだろう。だが、オレに迷いはない。
「いきなり、理不尽な解雇を言いつけられ、怒っているのはわかっている。だけど、どうか冷静になって、パーティに残ってくれ!」
店の中がざわついた。それまで、役立たずの運び屋が解雇されるところを面白がって見ていたヤツらが呆然としている。
(コイツ――気が狂ったのか?)そんなふうに思われたのかもしれない。いや、実際、そうだった。なにせ、オレはこの『役立たず』が人類を滅ぼす場面を目の当たりにしてきたんだ。正気でいられるはずはない。
しかし、これでイイ。今までマルタに加えていた仕打ちを謝罪する。なんとかして、ゆるしてもらわなければならない。
それで破滅を回避できるうえに、人類を滅ぼすほどの錬金術士を仲間に引き込めるのだ。土下座くらいしてやる。奴隷だった頃は、這いつくばって、主人の靴をナメさせられていた。
この程度の屈辱、なんでもない!
「この通りだ。どうか、パーティに残ると言ってくれ」
オレが床に頭を押し付けると、マルタは「わかったから、頭を上げて!」と言った。
「ゆるしてくれるのか?」
「ゆるす! ゆるすから! 早く立ち上がって!」
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