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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く
その二十四
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「フィル! 大丈夫か!」
「ええ、なんとか――」
フィルの顔色が悪い。ずーっとロゼルに回復魔法をかけ続けていたのだろう。もう少し遅かったら彼女も危なかった。
「もう、大丈夫だ。フィルは休んでくれ」
「はい、お願いします」フィルが言うと、そのまま倒れてしまう。
サリアとミリアに彼女の看病を頼み、オレはロゼルを助ける方法を神書にたずねる。
『解――魔力が体内から発生しないようにします』
やはりそうか。それで、その方法は――
『解――消魔薬を服用します』
頭の中に、消魔薬の材料が浮かぶ。
「しまった! 薬を作るのに材料が必要だったんだ」
考えれば当たり前だったのだが、それを忘れていた。材料がなければ作れない。
「なにが必要なの?」とマルタがたずねてきた。
オレはダメもとで、材料を全て言ってみる。
「大丈夫! 全部持っているよ」
「ホントかよ。マルタ、やっぱりオマエはスゴいなあ!」
ほめるとマルタは真っ赤な顔をしてよろこんだ。
材料を受け取り、さっそく神書の指示通りの製法で消魔剤を作る。あとは、どうやって飲ませるかだが――やっぱり、あの方法しかないよなあ――
オレは消魔薬を口に含むと、ロゼルに口移しで飲ませる。セリアとミリアがなんか色めき立っていたが、無視した。オレだって男相手にやりたくなかったが、緊急事態だから仕方ないだろ!
数分後、ロゼルの顔色に生気が戻る。ふう、なんとかなった――
「次は妾の番だな? グエルよ。早く妾のカラダを取りすのじゃ」と、リッチがワクワクしながらこっちを見ている。
もちろん、スケルトンなので、表情はわからないのだが、なんかそんな感じがする。
「――あ、忘れてた」
やべえ。そういえば、そうだ。
「なに? 今、なんて言った?」とリッチが聞き返したので、「もちろん、忘れてない――といったんだ」と誤魔化す。
「そうか、それなら良い。さっそく始めるがよい」
なんか気が進まないが、約束したことだし、やらないとオレは永遠の苦しみを味わうことになる。仕方ないので、神書に「アンデットを生き返らせる方法」とたずねてみた。
『解なし』
――えっ? オレは焦る。解なし――ってなんだよ。
いや、質問の仕方が悪かったのかも知れない。
「検索――スケルトンを生前の姿に戻す方法」
『解なし』
オレは顔面蒼白となった。
ちょっと待て。神書でもわからないことがあるのか?
「どうした? 早よせい」とリッチが急かす。
ヤバい――本当にヤバいぞ。
「まさか、できないと申さないよな? できなければわかっておろうな?」
「だ、大丈夫だって――ちょっと、時間がかかっているだけだ」とウソをつく。
ワクワクした顔をこちらに向けるリッチと対象的に、オレは焦燥感がつのる。どうすれば、人間のカラダに戻せる?
ん? 待てよ――オレは「ハッ!」とする。
そうだ、別に戻る必要なない。人間のカラダを作ればイイじゃないか!
オレは再び神書にたずねる。
「検索――人間の肉体を作る方法」
なんか、めちゃくちゃな質問だが――
『解――方法としていくつかあります。例として、生殖活動――』
ま、まあ――たしかにその通りだが、今回は使えない。
「他には?」
『解――生成魔法によって肉体を疑似的に製造する方法があります』
「生成魔法?」初めて聞く魔法だが――それって?
『解――同等の素材を使用して、想像した品に作り替える魔法』
ほう、そんな魔法があるのか――
「どうした? まだなのか? 本当は、方法が見つからないのではないのか?」とリッチのカラダが震え始めた。
「そ、そんなことはない。生成魔法でカラダを作る」
苦し紛れにそう応えてしまった――
「せいせいまほう?」とリッチが確認してきた。
完全に疑った声だ。本当に大丈夫なのかぁ? 神書さんよぉ?
「ええ、なんとか――」
フィルの顔色が悪い。ずーっとロゼルに回復魔法をかけ続けていたのだろう。もう少し遅かったら彼女も危なかった。
「もう、大丈夫だ。フィルは休んでくれ」
「はい、お願いします」フィルが言うと、そのまま倒れてしまう。
サリアとミリアに彼女の看病を頼み、オレはロゼルを助ける方法を神書にたずねる。
『解――魔力が体内から発生しないようにします』
やはりそうか。それで、その方法は――
『解――消魔薬を服用します』
頭の中に、消魔薬の材料が浮かぶ。
「しまった! 薬を作るのに材料が必要だったんだ」
考えれば当たり前だったのだが、それを忘れていた。材料がなければ作れない。
「なにが必要なの?」とマルタがたずねてきた。
オレはダメもとで、材料を全て言ってみる。
「大丈夫! 全部持っているよ」
「ホントかよ。マルタ、やっぱりオマエはスゴいなあ!」
ほめるとマルタは真っ赤な顔をしてよろこんだ。
材料を受け取り、さっそく神書の指示通りの製法で消魔剤を作る。あとは、どうやって飲ませるかだが――やっぱり、あの方法しかないよなあ――
オレは消魔薬を口に含むと、ロゼルに口移しで飲ませる。セリアとミリアがなんか色めき立っていたが、無視した。オレだって男相手にやりたくなかったが、緊急事態だから仕方ないだろ!
数分後、ロゼルの顔色に生気が戻る。ふう、なんとかなった――
「次は妾の番だな? グエルよ。早く妾のカラダを取りすのじゃ」と、リッチがワクワクしながらこっちを見ている。
もちろん、スケルトンなので、表情はわからないのだが、なんかそんな感じがする。
「――あ、忘れてた」
やべえ。そういえば、そうだ。
「なに? 今、なんて言った?」とリッチが聞き返したので、「もちろん、忘れてない――といったんだ」と誤魔化す。
「そうか、それなら良い。さっそく始めるがよい」
なんか気が進まないが、約束したことだし、やらないとオレは永遠の苦しみを味わうことになる。仕方ないので、神書に「アンデットを生き返らせる方法」とたずねてみた。
『解なし』
――えっ? オレは焦る。解なし――ってなんだよ。
いや、質問の仕方が悪かったのかも知れない。
「検索――スケルトンを生前の姿に戻す方法」
『解なし』
オレは顔面蒼白となった。
ちょっと待て。神書でもわからないことがあるのか?
「どうした? 早よせい」とリッチが急かす。
ヤバい――本当にヤバいぞ。
「まさか、できないと申さないよな? できなければわかっておろうな?」
「だ、大丈夫だって――ちょっと、時間がかかっているだけだ」とウソをつく。
ワクワクした顔をこちらに向けるリッチと対象的に、オレは焦燥感がつのる。どうすれば、人間のカラダに戻せる?
ん? 待てよ――オレは「ハッ!」とする。
そうだ、別に戻る必要なない。人間のカラダを作ればイイじゃないか!
オレは再び神書にたずねる。
「検索――人間の肉体を作る方法」
なんか、めちゃくちゃな質問だが――
『解――方法としていくつかあります。例として、生殖活動――』
ま、まあ――たしかにその通りだが、今回は使えない。
「他には?」
『解――生成魔法によって肉体を疑似的に製造する方法があります』
「生成魔法?」初めて聞く魔法だが――それって?
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ほう、そんな魔法があるのか――
「どうした? まだなのか? 本当は、方法が見つからないのではないのか?」とリッチのカラダが震え始めた。
「そ、そんなことはない。生成魔法でカラダを作る」
苦し紛れにそう応えてしまった――
「せいせいまほう?」とリッチが確認してきた。
完全に疑った声だ。本当に大丈夫なのかぁ? 神書さんよぉ?
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