8 / 34
第一部
第8話 マレの舞姫
しおりを挟む
その日、バステトは、マレの伝統的な衣装とシャムシールを身に着けて、お昼時の生徒が多く集まる中庭に現れた。
その、あまりにも煽情的な姿に、誰もが目を留める。
体全体を覆う一枚布の薄衣に隠れているとはいえ、その下は、胸と腰を覆うわずかな布のみだ。
飾りのついた薄衣が翻るたびに、その下の躍動感あふれる肢体が見え隠れする。
そして、マレの伝統的な曲刀、シャムシールをその手に携える。
精緻な細工が施され、宝石のあしらわれたその曲刀は、あどけなさの残る少女の姿とはあまりにも不釣り合いだった。
しかし、そのアンバランスさは、彼女の内包する美を引き立て、絶妙な形で調和されていた。
ただ、そこにあるだけ。
それなのに、誰もが目を離せなかった。
バステトは中庭に立ち、その手につけた小さな金属の輪を束ねた楽器、シストルムを、シャン、と響かせた。
静寂が落ちる。
バステトは声を上げる。
「ルーク、呼んで!」
「バステトが、舞う!」
無視できるものなど、誰もいなかった。
◇◇◇◇◇◇
ルークに助けられて、抱き締められた瞬間、バステトは、自分の気持ちに気づいてしまった。
ルークは、ひどいことばっかり言っていたけれど、行動はいつもバステトを気づかっていた。
いつもバステトをかまって、本当は忙しいのに、時間を作ってくれていた。
お昼も一人にならないように、いつも側にいた。
体を張ってバステトを助けてくれた。
甘い声で、『黒猫』と呼ばれるのが、ほんとは心地よかった。
ルークは、マレの言葉でしか『黒猫』と呼ばない。
それは、いつしかルークとバステトにしか解らない、特別な呼び名になっていた。
でも、そんな風にバステトを依存させた一方で、ルークは、バステトを周囲から引き離して孤立させた。
依存と孤立。
その二つは、見えないループのようなもの。
抜け出せない輪になって、人を縛り付けるものだ。
ルークは、バステトを従わせたかっただけなのだろう。
あの時、ルークが囁いた甘い言葉は、全てバステトを依存させるための罠だ。
わかってるのに、それでもいいから嬉しいと思ってしまった自分が悔しい。
バステトの気持ちとルークの気持ちは、あまりにも違いすぎる。
このままここにいたら、バステトはきっとルークに逆らえなくなってしまう。
心地よい依存に溺れさせられて、簡単にマレを売ってしまうかもしれない。
そんなバステトが、この国に残っていいはずがなかった。
バステトは、婚約破棄して、この国を去る。それでいい。
ただ、最後に知ってほしかった。
想いを吐き出して、ひどいルークに全部ぶつけたい。
バステトの想いを思い知るがいい。
頭をぶつけて怪我をしたルークは、記憶を失ってしまったらしい。
そんなルークにそれを告げてどうにかなるわけじゃない。
でも、そんなの知るものか。
マレに、こんな気持ちを持って帰りたくなかった。
この国に、全てを、置いていくのだ。
バステトの実らない、淡い初恋のすべてを。
◇◇◇◇◇◇
ルークが記憶を失って、1週間がたっていた。
結局、あの令嬢での暇潰しは、エルマーが緊急案件を持って駆け込んできて、実現されなかった。残念だという気も起きずに捨て置くことにして、そのままだ。彼女は相も変わらず部屋にやってくることを繰り返している。
普通の生活に支障がない程度には、ものごとを覚えているし、ふとした拍子に色々なことを思い出すこともあった。
記憶が戻るのも時間の問題に思えた。
ただ、頭に霞がかかったようなその状態は、非常にもどかしく、イライラする。
「なんだか、騒がしいようだけれど」
苛立ちを抑えつつ、ベッドの上で一人本を読んでいたルークは、遠くから聞こえてくるざわめきにふと顔を上げた。
「ええ、外に人が集まっているようです」
今までなかったことに、興味を覚える。
例の子爵令嬢は、毎日ルークの部屋にやってくる。
今日も微笑みながら、寝室の花瓶に花を生ける。
甘い香りがうるさい。
今はメイドは下がっており、彼女と二人きりだ。
「今日は、何か行事でもあるのかな。窓をあけてくれないかい?」
「ルーク様。それよりも……。あの、そろそろお体が辛くはありませんか? 最近、イライラなさっているようですし」
ミケーネは、カーテンを引いて陽の光を遮った。
そして、肩からショールを落とし、襟元のボタンを外していく。
「君とはそういう関係だったってこと?」
彼女は、髪飾りを外し、結っていた髪をほどいていく。
「はい、ルーク様は幾度も私をご寝所に召して下さいました」
胸元をはだけ、下ろした髪をゆらし、艶めいた仕草で、微笑みを浮かべる。
「ふーん。こっちに来なよ」
ルークが、ベッドに座り手を伸ばすと、彼女は、ゆっくりと歩み寄る。
そして。
あと一歩の距離に近づいたとき、手に持った髪飾りをルークの首元に素早く突きつけた。
それは、髪飾りに模したナイフだった。
しかし、ルークの首に刺さる前に、ナイフはルークの手刀によって叩き落された。
ミケーネは動じず、更にルークの懐に飛び込み、肘を入れようとする。
ルークはするりと躱して、背後から彼女を床に組み伏せた。
「なぜっ!? 油断していたのに!」
「いやあ、なんかさー。君、一緒にいてつまんないんだよね。僕は、君みたいな子選ばないと思うんだけど。それなのに、ここまで近づかせるって、そういうことなのかなって」
バタバタと人の足音が聞こえ、部屋の外が騒がしい。
側近の大男エルマーをはじめとした数人の近衛が、部屋に飛び込んできた。
「ルーク様! バステト様が!……これは!?」
「あー。エルマーだっけ? ちょっと遅いんじゃないの? これ、縛って尋問しといて。舌をかませないようにね。自白剤を先に飲ませるのもいいかもしれない」
床に組み伏せられたミケーネに近衛の一人が慌てて、走り寄った。
「さて、説明してくれる? これ、どういうこと? 君、何か知ってるんだよね」
エルマーは、その発言に眉を顰める。
「えー。ご指示通り、マレの隣国キーランからの間者を泳がせてたんっすけど、何か不備が?」
ルークは、顔をしかめる。
さっきから、ルークの心臓は、強く脈打っている。
何かが、彼の奥深くを揺り動かしていた。
「僕、記憶喪失なんだけど、わかるように言ってくれる? 指示って?」
「……記憶を失った振りをされてたんじゃないんすか?」
ルークは眉をひそめた。
なんだそれは。
「ねえ、エルマー。さっきから、すごく頭が痛いんだけど。バステトって…うっ」
その名を口にした途端痛みがひどくなる。
エルマーは、思い出したように慌てて、言いつのった。
「マレから留学されている、ルーク様の最愛のご婚約者様っすよ。今、円形劇場に学生たちが押しかけて大変な騒ぎになってます。それで、姫様が、ルーク様をお呼びになってます。これから舞を舞うからと」
ルークは、考えることもせず、反射的に部屋を飛び出した。
◇◇◇◇◇◇
その円形劇場は、ケイリッヒ王国の建国の歴史ともかかわる重要文化財で、今でも学園のイベントで使用されることがあった。
古い石造りのそれは、すり鉢状に中央に向けて低くなり、中央に位置する舞台だけは、新しく大理石が敷かれていた。
その舞台の上に、バステトは、一人、佇む。
集まった生徒たちは、遠巻きにその姿に魅入っていた。
ルークはまだ来ない。
いや、来る。
バステトが舞えば、絶対に出てくる。
マレの舞姫を無視できるものなどいようはずがない。
バステトは、頭を低く、低く下げた。
見つめる誰もが息をのむ中、そのままの姿勢で、手と足首、腰につけたシストルムを鳴らした。
円形劇場に、シャン、と高い、鈴のような音が響き渡った。
シャン、シャン、と続けてリズムをとる。
バステトは、慣れ親しんだ音に、高揚感に、顔を上げる。
そして、高まったリズムとともに、地を蹴り、彼女の舞は始まった。
長い、彼女の体全体を覆っていた領巾は、バステトの舞に合わせて、舞台のあちこちを舞い踊った。
踊りの強弱に合わせて、シストルムの清涼な音が、円形劇場を満たす。
リズムの中で、流れ、止まり、躍動し、弾ける。
誰も目を離せなかった。
やがて、人々の間から、ささやき声が漏れる。
「マレの舞姫」
「たしか、女神の名前だって」
そこには、確かに女神がいた。
マレの至宝ともいわれる、かの国の舞姫が目の前にいることを、もはや誰も疑わなかった。
その、あまりにも煽情的な姿に、誰もが目を留める。
体全体を覆う一枚布の薄衣に隠れているとはいえ、その下は、胸と腰を覆うわずかな布のみだ。
飾りのついた薄衣が翻るたびに、その下の躍動感あふれる肢体が見え隠れする。
そして、マレの伝統的な曲刀、シャムシールをその手に携える。
精緻な細工が施され、宝石のあしらわれたその曲刀は、あどけなさの残る少女の姿とはあまりにも不釣り合いだった。
しかし、そのアンバランスさは、彼女の内包する美を引き立て、絶妙な形で調和されていた。
ただ、そこにあるだけ。
それなのに、誰もが目を離せなかった。
バステトは中庭に立ち、その手につけた小さな金属の輪を束ねた楽器、シストルムを、シャン、と響かせた。
静寂が落ちる。
バステトは声を上げる。
「ルーク、呼んで!」
「バステトが、舞う!」
無視できるものなど、誰もいなかった。
◇◇◇◇◇◇
ルークに助けられて、抱き締められた瞬間、バステトは、自分の気持ちに気づいてしまった。
ルークは、ひどいことばっかり言っていたけれど、行動はいつもバステトを気づかっていた。
いつもバステトをかまって、本当は忙しいのに、時間を作ってくれていた。
お昼も一人にならないように、いつも側にいた。
体を張ってバステトを助けてくれた。
甘い声で、『黒猫』と呼ばれるのが、ほんとは心地よかった。
ルークは、マレの言葉でしか『黒猫』と呼ばない。
それは、いつしかルークとバステトにしか解らない、特別な呼び名になっていた。
でも、そんな風にバステトを依存させた一方で、ルークは、バステトを周囲から引き離して孤立させた。
依存と孤立。
その二つは、見えないループのようなもの。
抜け出せない輪になって、人を縛り付けるものだ。
ルークは、バステトを従わせたかっただけなのだろう。
あの時、ルークが囁いた甘い言葉は、全てバステトを依存させるための罠だ。
わかってるのに、それでもいいから嬉しいと思ってしまった自分が悔しい。
バステトの気持ちとルークの気持ちは、あまりにも違いすぎる。
このままここにいたら、バステトはきっとルークに逆らえなくなってしまう。
心地よい依存に溺れさせられて、簡単にマレを売ってしまうかもしれない。
そんなバステトが、この国に残っていいはずがなかった。
バステトは、婚約破棄して、この国を去る。それでいい。
ただ、最後に知ってほしかった。
想いを吐き出して、ひどいルークに全部ぶつけたい。
バステトの想いを思い知るがいい。
頭をぶつけて怪我をしたルークは、記憶を失ってしまったらしい。
そんなルークにそれを告げてどうにかなるわけじゃない。
でも、そんなの知るものか。
マレに、こんな気持ちを持って帰りたくなかった。
この国に、全てを、置いていくのだ。
バステトの実らない、淡い初恋のすべてを。
◇◇◇◇◇◇
ルークが記憶を失って、1週間がたっていた。
結局、あの令嬢での暇潰しは、エルマーが緊急案件を持って駆け込んできて、実現されなかった。残念だという気も起きずに捨て置くことにして、そのままだ。彼女は相も変わらず部屋にやってくることを繰り返している。
普通の生活に支障がない程度には、ものごとを覚えているし、ふとした拍子に色々なことを思い出すこともあった。
記憶が戻るのも時間の問題に思えた。
ただ、頭に霞がかかったようなその状態は、非常にもどかしく、イライラする。
「なんだか、騒がしいようだけれど」
苛立ちを抑えつつ、ベッドの上で一人本を読んでいたルークは、遠くから聞こえてくるざわめきにふと顔を上げた。
「ええ、外に人が集まっているようです」
今までなかったことに、興味を覚える。
例の子爵令嬢は、毎日ルークの部屋にやってくる。
今日も微笑みながら、寝室の花瓶に花を生ける。
甘い香りがうるさい。
今はメイドは下がっており、彼女と二人きりだ。
「今日は、何か行事でもあるのかな。窓をあけてくれないかい?」
「ルーク様。それよりも……。あの、そろそろお体が辛くはありませんか? 最近、イライラなさっているようですし」
ミケーネは、カーテンを引いて陽の光を遮った。
そして、肩からショールを落とし、襟元のボタンを外していく。
「君とはそういう関係だったってこと?」
彼女は、髪飾りを外し、結っていた髪をほどいていく。
「はい、ルーク様は幾度も私をご寝所に召して下さいました」
胸元をはだけ、下ろした髪をゆらし、艶めいた仕草で、微笑みを浮かべる。
「ふーん。こっちに来なよ」
ルークが、ベッドに座り手を伸ばすと、彼女は、ゆっくりと歩み寄る。
そして。
あと一歩の距離に近づいたとき、手に持った髪飾りをルークの首元に素早く突きつけた。
それは、髪飾りに模したナイフだった。
しかし、ルークの首に刺さる前に、ナイフはルークの手刀によって叩き落された。
ミケーネは動じず、更にルークの懐に飛び込み、肘を入れようとする。
ルークはするりと躱して、背後から彼女を床に組み伏せた。
「なぜっ!? 油断していたのに!」
「いやあ、なんかさー。君、一緒にいてつまんないんだよね。僕は、君みたいな子選ばないと思うんだけど。それなのに、ここまで近づかせるって、そういうことなのかなって」
バタバタと人の足音が聞こえ、部屋の外が騒がしい。
側近の大男エルマーをはじめとした数人の近衛が、部屋に飛び込んできた。
「ルーク様! バステト様が!……これは!?」
「あー。エルマーだっけ? ちょっと遅いんじゃないの? これ、縛って尋問しといて。舌をかませないようにね。自白剤を先に飲ませるのもいいかもしれない」
床に組み伏せられたミケーネに近衛の一人が慌てて、走り寄った。
「さて、説明してくれる? これ、どういうこと? 君、何か知ってるんだよね」
エルマーは、その発言に眉を顰める。
「えー。ご指示通り、マレの隣国キーランからの間者を泳がせてたんっすけど、何か不備が?」
ルークは、顔をしかめる。
さっきから、ルークの心臓は、強く脈打っている。
何かが、彼の奥深くを揺り動かしていた。
「僕、記憶喪失なんだけど、わかるように言ってくれる? 指示って?」
「……記憶を失った振りをされてたんじゃないんすか?」
ルークは眉をひそめた。
なんだそれは。
「ねえ、エルマー。さっきから、すごく頭が痛いんだけど。バステトって…うっ」
その名を口にした途端痛みがひどくなる。
エルマーは、思い出したように慌てて、言いつのった。
「マレから留学されている、ルーク様の最愛のご婚約者様っすよ。今、円形劇場に学生たちが押しかけて大変な騒ぎになってます。それで、姫様が、ルーク様をお呼びになってます。これから舞を舞うからと」
ルークは、考えることもせず、反射的に部屋を飛び出した。
◇◇◇◇◇◇
その円形劇場は、ケイリッヒ王国の建国の歴史ともかかわる重要文化財で、今でも学園のイベントで使用されることがあった。
古い石造りのそれは、すり鉢状に中央に向けて低くなり、中央に位置する舞台だけは、新しく大理石が敷かれていた。
その舞台の上に、バステトは、一人、佇む。
集まった生徒たちは、遠巻きにその姿に魅入っていた。
ルークはまだ来ない。
いや、来る。
バステトが舞えば、絶対に出てくる。
マレの舞姫を無視できるものなどいようはずがない。
バステトは、頭を低く、低く下げた。
見つめる誰もが息をのむ中、そのままの姿勢で、手と足首、腰につけたシストルムを鳴らした。
円形劇場に、シャン、と高い、鈴のような音が響き渡った。
シャン、シャン、と続けてリズムをとる。
バステトは、慣れ親しんだ音に、高揚感に、顔を上げる。
そして、高まったリズムとともに、地を蹴り、彼女の舞は始まった。
長い、彼女の体全体を覆っていた領巾は、バステトの舞に合わせて、舞台のあちこちを舞い踊った。
踊りの強弱に合わせて、シストルムの清涼な音が、円形劇場を満たす。
リズムの中で、流れ、止まり、躍動し、弾ける。
誰も目を離せなかった。
やがて、人々の間から、ささやき声が漏れる。
「マレの舞姫」
「たしか、女神の名前だって」
そこには、確かに女神がいた。
マレの至宝ともいわれる、かの国の舞姫が目の前にいることを、もはや誰も疑わなかった。
27
あなたにおすすめの小説
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
