王様の苦難

佐々木猫八

文字の大きさ
5 / 7

お忍びで黒剣士

しおりを挟む
金魚が逃げた。

ではない。

「さがせぇええええ、陛下を!我らが女神をさがせぇええええ!!」
「草の根、いや、細胞まで引き裂いてでも探すのだ!!!」
「へいかー、出てきてくださいぃいいウォルフリドへいかぁあーー」

そんな家臣たちの叫び声は聞こえない。
俺は今、ついにボイコットという名の冒険の旅へと繰り出していた。
髪の色は漆黒、瞳の色も漆黒、服装も漆黒のぴったりした生地に’動きやすい服装のものにしている。
軽めの漆黒のマントを羽織り、腰には先祖代々伝わるニホン刀という剣をベルトに挿している。

漆黒の剣士

どこからどう見ても普段のウォルフリドの面影のない新人冒険者である。
・・・なぜが街人からは遠巻きに見られているけれど。
目が輝いて俺を見る、まるで街中で有名人にでも出会ったような感じに見えるのは気の所為だろうか?
でも、いつものような感じ(謁見の間)には国民もおかしな様子を魅せていないので、俺だとバレていないはずなのだ。
うん、自信を持とう、こういうのは堂々としていればいいのだと王太子教育のお忍び術にも書いてあった間違いない。

この格好で行く場所は決まっている、冒険者の集う場所、冒険者ギルドだ。

ウォルフリドは王太子時代にはお忍びでよく遊びに街へ出かけていた。
なので街の構造はだいたい把握している。
勿論、冒険者ギルドの場所も知っている。
けれど中に入ったことはない。
入ろうとするといつもどこからか騎士団長がやってきて「ここは危ないのであります!御身が危険なのであります!」と言って入れてくれなかった。
王太子として遜色のない剣の腕を叩き込まれていた俺ですら危険だと言う猛者の集う場所、それが冒険者ギルド。
ウォルフリドにとって男の子の憧れ簿場所なのだ。

王様になって何故かレベルアップしたお忍び術で騎士団長を撒きに撒いて、今日ようやくこの場所に入ることができるのだ。

期待に胸がはずむ。

によによが止まらない。

いかん、ファーストコンタクトは印象が大事だ。
猛者の皆さんに好印象を抱いてもらい、教えを請うのだから笑顔は大切・・・
でも、俺のイメージ的にクールな黒の新人剣士と設定して形から入ってきたからにこやかなのも如何なものか?

冒険者ギルドの前で、美しい漆黒の少年が佇んでいると、衛兵に連絡が行くの、もう間近。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

苗床になった元騎士

鵜飼かいゆ
BL
引退した元騎士の老人が触手に寄生されて若返って苗床になるラブラブハッピーエンド話です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...