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一章
3、ひらひら★
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初めてパン屋を手伝った日、1日が目まぐるしく動いてあっという間に1日が終わった。
「ありがとうございました!」
顔の筋肉が悲鳴を上げていたけれど、精一杯の笑顔で最後のお客さんを見送る。
店主のバートンさんが店の入口にクローズの板を掛ける。
「お疲れ様セドリック」
「お疲れ様です」
朝あれだけあったパンは売れてほぼ無くなっていた。
「今日はいつもより売れた気がするよ」
「ふふふ、計算が楽しみですね。それじゃあ俺、掃除始めますね」
案外出来た接客に気持ちが高揚してか疲れているけれど体はまだまだ動けた。
「よろしくー」
俺は隅々まで棚や床の掃き掃除を行い、特に汚れている部分は雑巾で水拭きした。
一通り言われた通りの掃除が終わると手を洗ってバートンさんに報告しに行く。
「バートンさん、掃除終わったので後でチェックお願いします」
「はーい。⋯セドリック、やっぱり今日の売上は何時もより良いよ」
「そうなんですか?良かったですねー」
頑張った甲斐がある。
「⋯セドリック、君明日も来てくれない?むしろ暫く、新作パンが出来上がるまでの間だけでもお願い出来ないかな?」
「えっと、構わないといえば構わないのですが⋯他の依頼もあるので確約しにくいです」
「他の依頼って?」
「⋯俺、いつも草むしりの依頼ばかり受けてて、今日はいつも行ってたお屋敷の依頼が無かったからたまたまあったここの依頼を受けたんです」
「そうかー、うーん⋯なら、一週間、一週間だけ来てくれないかな?この通り!」
バートンさんから拝まれてしまい、俺は一週間だけなら、と継続の依頼を受けた。
正式にはバートンさんが俺への指名依頼を発注するという形を取るので明日の朝冒険者ギルドに行けば良い。
「じゃあ、明日からよろしくね!あっこのパン余りだけど持って帰って食べてみて」
「ありがとうございます。頂きます」
俺はバートンさんからパンを受け取ると軽く会釈をして店を出た。
その日の夕食でゾッファにパン屋での事を話、パンのおっそわけをした。
「仕事の幅が広がったのはいいんじゃね。草むしりだけじゃなくて色々すれば経験にもなるしな」
「でも1週間も草むしりをしなかったらと思うと⋯心配だなぁ」
「今日は別の冒険者が行ったんだろ?1週間くらい平気だって、屋敷には庭師もいるとこならそう気にすることねーよ」
「そっかー」
俺は貰ったパンをもそもそ食べながら月の丘亭のシチューを口に入れた。
相性は抜群だった。
「ま、俺はお前が街の仕事をするのは大賛成だからどんどんそういう依頼を引き受けたらいいと思うぜ」
ゾッファは最後の一切れを食べるとコップの水を飲み干した。
翌朝ーーー
いつもより大分早く冒険者ギルドへとやってきた。
まだ冒険者で来ている人はまばらだ。
受けないけれど、気になるのでライさんの依頼をチェックしてみる。
「⋯ないなぁ⋯草むしりの仕事が気に入った冒険者の人がいるのかも⋯」
掲示板の前をウロウロしていたら、ミーナさんに呼ばれた。
「おはようセドリック君」
「おはようございますミーナさん」
「今日はセドリック君へ短期の指名依頼が来てるわよ」
「パン屋のバートンさんですよね。期間は1週間」
「あら、もう知ってたのね。なら話が早いわ、受ける?受けない?」
「受けます、受けるんですけど⋯お屋敷の草むしりも気になってて⋯」
「あー草むしりの方は一度依頼を保留にするそうよ。前受けた冒険者がやらかしてね⋯詳しくは言えないけど。ほとぼりが冷めたらまた再開するんじゃないかしら?」
「そうですか!」
何処となくほっとした。
何故だが分からないけれど。
「じゃ、パン屋の依頼はオーケーって事で。セドリック君みたいに街の依頼を受けてくれる冒険者がいて助かるの。ここの冒険者は大抵はダンジョン攻略の人ばかりだから街でのギルドの評判が良くないの。セドリック君には期待してるから、頑張ってね!」
「⋯は、はい」
用紙を受け取ると俺はパン屋へと向かった。
朝早い時間帯だから職人街にひと気が無いかと思っていたら、どの店も忙しそうに支度していて賑わっていた。
「おはようございます」
「ああ、パン屋の!おはよう。後で買いに行くから!」
「はい、お待ちしてます!」
「あら、パン屋の子じゃないかい。今日もお手伝いかい?買いに行くからねー」
パン屋までの道中、多くの人に声を掛けられた。
なんとなく心がほっこりした気がする。
パン屋に着くとドアを開ける。
「おはようございます、バートンさん」
「ああ!おはようセドリック。今日も頼むね!」
「はい!」
「あ、そうそう今日からはこれを着て接客してね」
「え」
ひらひらのそれを見た時、セドリックは口元を引きつらせた。
「似合うと思うよ?」
「⋯⋯⋯ノーコメントで」
雇い主の意向なので着るけれども、着るけれども!
⋯絶対にゾッファやライさんには見られたくない!
1週間の間、どうか見にきませんように!買いにきませんように!!
他の冒険者の人たちも来ませんように!
セドリックは久々に神に祈った。
けれどこれは神の与えた試練だったのだろう、祈り虚しく初日から最悪な相手が来てしまったのだ。
カランカランカラン♪
ドアの鐘の音が店内に響き、入店者を知らせる。
セドリックは笑顔でお客様をお迎えするはずだった。
「いらっしゃいま⋯せ⋯」
来店されたのは確かにお客様なのだろう。
ただ、ものすっごく噂好きのお喋り冒険者ガトーだったのだ。
ーーー終わった
「セドリック、だったよな?⋯その格好」
ガトーはセドリックを目を見開いて見ていた。
ガン見というやつである。
「に、似合ってるぜ⋯その⋯とても」
なぜかそっぽを向いていて、笑いをこらえてるのか知らないが、顔が赤いような気がする。
そこまで我慢するくらいならいっそのこと正面切って笑ってくれ!!
セドリックはもう自棄糞になった。
「お客様、お買い求めのパンはどちらでしょう?」
セドリックは自身の中の限界突破の笑顔をしてみせた。
「お決まりでないならあちらのパンは如何でしょう?」
セドリックが勧めたのは、この店で一番お高いパンだ。
1日数本限定の最高級小麦と天然水を使用した店主こだわりの逸品である。
よく売れ残るとバートンさんが愚痴っていたものだ。
「⋯じゃ、それを」
「はい、ありがとうございます!」
ここでもセドリック渾身の笑顔をしてみせる。
「他のパンも如何でしょう?」
「⋯ぐっ、じゃあこのパンを1つ」
「ありがとうございます!以上でよろしいでしょうか?」
「ああ」
ささっと袋に詰め会計をさせるとセドリックはガトーを追い立てるように「お買い上げ、ありがとう御座いました」と言って退場を促した。
ガトーが出ていき、セドリックはげんなりとした。
パン屋で働くのはいい、しかしこのひらひらエプロンは戴けない!
男がこんなの着ても気持ち悪いだけだろうに、バートンさんに交渉して変えてもらおう。
「え、駄目」
「えええっ!」
「セドリックは似合ってるから大丈夫!自信を持って接客してくれ!」
その日は高級パンが売れたからかまたもや売上が良かったからなのか、バートンさんは上機嫌であった。
「これ、新作パンの試作品なんだけど持って帰って、できれば感想を聞かせてほしいな」
「あ、はい」
味の批評は苦手だけれど、ゾッファに手伝って貰おうと思いながら宿へと向かう。
連続した依頼を受けるときは、期間終了時まで冒険者ギルドに完了依頼書を出しに行かなくてもいいらしい。
今、冒険者ギルドに行けばきっとガトーが喋って広めた俺のエプロン姿の噂でからかわれるに決まっているのだ。
そんなギルドに行かなくて良いのは有り難い。
あと6日間、平穏に仕事が終わればいいのに、とセドリック思った。
「ありがとうございました!」
顔の筋肉が悲鳴を上げていたけれど、精一杯の笑顔で最後のお客さんを見送る。
店主のバートンさんが店の入口にクローズの板を掛ける。
「お疲れ様セドリック」
「お疲れ様です」
朝あれだけあったパンは売れてほぼ無くなっていた。
「今日はいつもより売れた気がするよ」
「ふふふ、計算が楽しみですね。それじゃあ俺、掃除始めますね」
案外出来た接客に気持ちが高揚してか疲れているけれど体はまだまだ動けた。
「よろしくー」
俺は隅々まで棚や床の掃き掃除を行い、特に汚れている部分は雑巾で水拭きした。
一通り言われた通りの掃除が終わると手を洗ってバートンさんに報告しに行く。
「バートンさん、掃除終わったので後でチェックお願いします」
「はーい。⋯セドリック、やっぱり今日の売上は何時もより良いよ」
「そうなんですか?良かったですねー」
頑張った甲斐がある。
「⋯セドリック、君明日も来てくれない?むしろ暫く、新作パンが出来上がるまでの間だけでもお願い出来ないかな?」
「えっと、構わないといえば構わないのですが⋯他の依頼もあるので確約しにくいです」
「他の依頼って?」
「⋯俺、いつも草むしりの依頼ばかり受けてて、今日はいつも行ってたお屋敷の依頼が無かったからたまたまあったここの依頼を受けたんです」
「そうかー、うーん⋯なら、一週間、一週間だけ来てくれないかな?この通り!」
バートンさんから拝まれてしまい、俺は一週間だけなら、と継続の依頼を受けた。
正式にはバートンさんが俺への指名依頼を発注するという形を取るので明日の朝冒険者ギルドに行けば良い。
「じゃあ、明日からよろしくね!あっこのパン余りだけど持って帰って食べてみて」
「ありがとうございます。頂きます」
俺はバートンさんからパンを受け取ると軽く会釈をして店を出た。
その日の夕食でゾッファにパン屋での事を話、パンのおっそわけをした。
「仕事の幅が広がったのはいいんじゃね。草むしりだけじゃなくて色々すれば経験にもなるしな」
「でも1週間も草むしりをしなかったらと思うと⋯心配だなぁ」
「今日は別の冒険者が行ったんだろ?1週間くらい平気だって、屋敷には庭師もいるとこならそう気にすることねーよ」
「そっかー」
俺は貰ったパンをもそもそ食べながら月の丘亭のシチューを口に入れた。
相性は抜群だった。
「ま、俺はお前が街の仕事をするのは大賛成だからどんどんそういう依頼を引き受けたらいいと思うぜ」
ゾッファは最後の一切れを食べるとコップの水を飲み干した。
翌朝ーーー
いつもより大分早く冒険者ギルドへとやってきた。
まだ冒険者で来ている人はまばらだ。
受けないけれど、気になるのでライさんの依頼をチェックしてみる。
「⋯ないなぁ⋯草むしりの仕事が気に入った冒険者の人がいるのかも⋯」
掲示板の前をウロウロしていたら、ミーナさんに呼ばれた。
「おはようセドリック君」
「おはようございますミーナさん」
「今日はセドリック君へ短期の指名依頼が来てるわよ」
「パン屋のバートンさんですよね。期間は1週間」
「あら、もう知ってたのね。なら話が早いわ、受ける?受けない?」
「受けます、受けるんですけど⋯お屋敷の草むしりも気になってて⋯」
「あー草むしりの方は一度依頼を保留にするそうよ。前受けた冒険者がやらかしてね⋯詳しくは言えないけど。ほとぼりが冷めたらまた再開するんじゃないかしら?」
「そうですか!」
何処となくほっとした。
何故だが分からないけれど。
「じゃ、パン屋の依頼はオーケーって事で。セドリック君みたいに街の依頼を受けてくれる冒険者がいて助かるの。ここの冒険者は大抵はダンジョン攻略の人ばかりだから街でのギルドの評判が良くないの。セドリック君には期待してるから、頑張ってね!」
「⋯は、はい」
用紙を受け取ると俺はパン屋へと向かった。
朝早い時間帯だから職人街にひと気が無いかと思っていたら、どの店も忙しそうに支度していて賑わっていた。
「おはようございます」
「ああ、パン屋の!おはよう。後で買いに行くから!」
「はい、お待ちしてます!」
「あら、パン屋の子じゃないかい。今日もお手伝いかい?買いに行くからねー」
パン屋までの道中、多くの人に声を掛けられた。
なんとなく心がほっこりした気がする。
パン屋に着くとドアを開ける。
「おはようございます、バートンさん」
「ああ!おはようセドリック。今日も頼むね!」
「はい!」
「あ、そうそう今日からはこれを着て接客してね」
「え」
ひらひらのそれを見た時、セドリックは口元を引きつらせた。
「似合うと思うよ?」
「⋯⋯⋯ノーコメントで」
雇い主の意向なので着るけれども、着るけれども!
⋯絶対にゾッファやライさんには見られたくない!
1週間の間、どうか見にきませんように!買いにきませんように!!
他の冒険者の人たちも来ませんように!
セドリックは久々に神に祈った。
けれどこれは神の与えた試練だったのだろう、祈り虚しく初日から最悪な相手が来てしまったのだ。
カランカランカラン♪
ドアの鐘の音が店内に響き、入店者を知らせる。
セドリックは笑顔でお客様をお迎えするはずだった。
「いらっしゃいま⋯せ⋯」
来店されたのは確かにお客様なのだろう。
ただ、ものすっごく噂好きのお喋り冒険者ガトーだったのだ。
ーーー終わった
「セドリック、だったよな?⋯その格好」
ガトーはセドリックを目を見開いて見ていた。
ガン見というやつである。
「に、似合ってるぜ⋯その⋯とても」
なぜかそっぽを向いていて、笑いをこらえてるのか知らないが、顔が赤いような気がする。
そこまで我慢するくらいならいっそのこと正面切って笑ってくれ!!
セドリックはもう自棄糞になった。
「お客様、お買い求めのパンはどちらでしょう?」
セドリックは自身の中の限界突破の笑顔をしてみせた。
「お決まりでないならあちらのパンは如何でしょう?」
セドリックが勧めたのは、この店で一番お高いパンだ。
1日数本限定の最高級小麦と天然水を使用した店主こだわりの逸品である。
よく売れ残るとバートンさんが愚痴っていたものだ。
「⋯じゃ、それを」
「はい、ありがとうございます!」
ここでもセドリック渾身の笑顔をしてみせる。
「他のパンも如何でしょう?」
「⋯ぐっ、じゃあこのパンを1つ」
「ありがとうございます!以上でよろしいでしょうか?」
「ああ」
ささっと袋に詰め会計をさせるとセドリックはガトーを追い立てるように「お買い上げ、ありがとう御座いました」と言って退場を促した。
ガトーが出ていき、セドリックはげんなりとした。
パン屋で働くのはいい、しかしこのひらひらエプロンは戴けない!
男がこんなの着ても気持ち悪いだけだろうに、バートンさんに交渉して変えてもらおう。
「え、駄目」
「えええっ!」
「セドリックは似合ってるから大丈夫!自信を持って接客してくれ!」
その日は高級パンが売れたからかまたもや売上が良かったからなのか、バートンさんは上機嫌であった。
「これ、新作パンの試作品なんだけど持って帰って、できれば感想を聞かせてほしいな」
「あ、はい」
味の批評は苦手だけれど、ゾッファに手伝って貰おうと思いながら宿へと向かう。
連続した依頼を受けるときは、期間終了時まで冒険者ギルドに完了依頼書を出しに行かなくてもいいらしい。
今、冒険者ギルドに行けばきっとガトーが喋って広めた俺のエプロン姿の噂でからかわれるに決まっているのだ。
そんなギルドに行かなくて良いのは有り難い。
あと6日間、平穏に仕事が終わればいいのに、とセドリック思った。
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