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第11話「魔獣」
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ガルべスが考察を続けている
「そもそもフェルヴが人前で精霊魔法を使う事が珍しいがな。何か使う理由があったのか?」
ロランが手をモジモジとさせている。ちょっと可愛い
「魔獣騒ぎの時の・・」
「あ~森の復活か?」
「植林の前に、フェルヴが地の魔法を使ってるのを見て真似してみたの」
※クレーターが出来てました
「それってフェルヴが居たからじゃねーのか?」
ロランは首を振る
「一人であの場所に行ってた時も地の魔法が使えたよ。それで他にも少し教えてもらった」
ガルべスが驚く。地の魔法が使えた事で無く、ロランが一人で行っていた事にだ。
「割と律儀なとこがあるんだな」
ロランはそっぽを向く
「ちのまほうって?」
「精霊魔法の一つよ。地の精霊達が大地を自在に操って望む形に変えるの」
「それでどうぶつを狩るの?」
パパが突っ込む
「止めろよ。ここは大豆畑だぞ?」
「じゃあ木の魔法」
「きのまほうって?」
「いくつかあるけど、木の精霊に頼んで植物が濃縮している二酸化炭素を分けてもらって霧にするの」
(懐かしい言葉を聞いた)
もちろんエディットやガルべスも酸素等の事は知っている。そして別の重大な事も・・
「使うのは良いが、森には絶対に影響を出すなよ?」
パパが説く
「え~めんどくない?」
「精霊がやってくれるなら苦労は無いだろ?」
ガルべスも続く
「必要な数を取れたら後は放置でも良いんだ。根こそぎ獲る様な真似はするなよ」
とにかく森には影響が及ばない様に念を押す。
(何かあるのかな?)
ーーーーー
ロランは森を見つめる。精霊を感じる事は出来ないので、気づいてもらう為に時間をかける。
すると姉ちゃんがロランの隣に行った
「エル、興味があるの?」
「うん。魔法って色々あるんだね」
「種族の為に用意されたって思ったりする事はあるよ」
「種族?」
「人族の為の魔法陣、現代魔法ね。エルフは精霊と対話ができるでしょ。獣人は魔道具の扱いが上手で、魔族は古代魔法を扱える魔力を持ってる」
(ほうほう)
「魔法国家の魔法使いも、古代魔法使ってたよね?」
「そうだね。だから滅んだんだと思うけど」
「どうして?」
「国では嫉妬の対象になったって研究されてるよ。古代魔法を使えたのは50人居なかったとか」
「ロランさんは使えるの?」
「うん。私はそんな魔法使いの末裔じゃないかってフェルヴに紹介された魔族に言われたよ」
(なるほど)
「・・私にも魔法は使えますか?」
「・・・」
ロランは困った顔をしながらパパを見る。パパは頷く
「生活魔法は使えるよ」
「ママやロランさんみたいにはできないの?」
今度は俺を見るロラン
(?)
「二人とも、代償となる魔力が足りない。エディットぐらいって思っておくと良いよ」
パパを見る
「パパはまほうをつかえないの?」
「使えないと言うか、俺がやっても真似ごとだ。実用は出来ない」
ガルべスを見る
「ん?俺か?俺ら獣人が魔法を使ったらぶっ倒れるぜ」
「まどうぐは上手につかえるって言ってた」
「魔道具は組み込んだ魔石の魔力で動く。切っ掛けになる魔力を流すだけだ」
「そうなの?」
パパが教えてくれる
「魔道具は最初からその道具として作られてるからな。魔石に流す魔力は生活魔法ぐらいで済む。獣人の魔力は相性が良いんだ」
(なるほど。て事は俺には魔法は使えないのか)
姉ちゃんは諦めない
「でも、魔法陣は書けたよ?」
「魔法陣と詠唱は、エルフ以外なら誰でも書けるよ。現象を起す為の魔力が足りないの」
姉ちゃんはガッカリする。泣きそうだ
「冒険者にはなれないの?」
「「!」」
俺とパパが驚く。初めて聞いた
ロランがため息を吐く
「後で近代魔法を見せてあげる。頑張ったらあなたやエディにも使えるわ」
「本当?」
(近代魔法だと?)
ロランは頷き森を見る。そして聞いた事が無い言語で精霊魔法の詠唱を唱える
ーーーーー
『草木に宿る霊たちよこの身の魔力を代償に宿した命の糧を雲として使役させよ』
初めて聞く言語だけど内容が分かる・・何だこれ?
姉ちゃん達には分からない
「今のは?」
「エルフの言葉よ」
するとロランからものすごい勢いで風が森に向かって流れる
「何?」
「私の魔力よ。応えてくれたわ」
ガルべスが心配する
「大丈夫なのか?」
「うん、魔力は多いから。エルフの様に寿命を代償に出来ないし、魔力にしたら出来たの」
「「「「!?」」」」
「フェルヴの奴、寿命縮めてやがるのか?」
「あー、エルフは精霊魔法を使って1000年は生きるから。本当はもっと長いのよ」
唖然とするパパとガルべス
しかしロランはエルフの言語も覚えてるのか・・天才だとは聞いてるけど。
ちょっとロランを見る目が変わってきた。そうして森の方から少しずつ霧が出てくる。濃縮した二酸化炭素の霧だ。
ロランは操作する様に指を軽く動かしている。ゆっくりと忍び寄ってくる霧。
精霊魔法を知らなければ、ただ霧が出てきたなと思う程度である。
十分広がった所で、動物達の前でつむじ風の様に動き顔が見えない程に集まっている。
暴れようとする動物達。しかし酸素不足で細胞は思うように動かない。
「バタバタいったな」
ガルべスが関心する
「森は大丈夫なのか?」
パパは森を心配する
「森を抜けてから霧にしてるから大丈夫だよ。って何でそんな気にするの?」
「あ・・いや・無駄に狩ると後々困るかと思ってな」
※実は今回はロランの銅板の試験を特別に行っており、取り逃がした獲物を狩る為に森には冒険者が潜んでいます。
ギルドも100匹からの狩りを一人の冒険者に任せる事は、本来しません。
「さて、あとは回収だな」
ガルべスが商業ギルドのマジックバッグを5つ出しロランに渡す
「えーー」
(めちゃ嫌そうだ)
「それでぜんぶ入るの?」
聞いてみる
「これは商業ギルドがロランに作らせた特別品だ。1つでも楽に入るが軽量化してるとは言え数が多すぎる」
※ロランが商業ギルドから出ていた依頼を失敗(持ち忘れ)した時にペナルティとして作ったカバンです。
(どんだけ魔力あるの?)
パパとガルべスも手伝いながら獲物を仕舞って行く。なんだかんだ言って二人とも優しい
姉ちゃんはロランを気に入ったのか、ついて回る。
すると森から鳥達が一斉に飛び上がった。同時に土煙が上がる
「何だ?」
パパが森を見る
「何か居やがるな」
ガルべスはわずかに目で捉えてる様だ。そして、魔獣が森から飛び出して来た
ーーーーー
ガルべスが叫ぶ
「ハッハー!地龍だぜ!」
パパも驚く
「何でここに魔獣が居るんだ?」
ロランも驚いた
「何であんなに冒険者がいるのよ?」
パパが焦る
「あー・・・あれだ、ほら、薬草採集に来てたんだろう。たぶん」
ーーーーー
地龍。人族が古代魔法を失ってから対抗する手段が無く、その強さから地を這うドラゴンとして名付けられた。
本来のドラゴンは精霊族に分類されており、完全な別種である。
現在は現代魔法と魔石を利用した杖と剣がある為、所有している冒険者には対抗する事が出来る。
ーーーーー
鎧を付けたティラノサウルスが4足歩行になった様な怪獣に、14人の冒険者が群がっていた
「パパ、手伝わなくていいの?」
姉ちゃんが聞く
「魔剣持ちが居るしな、下手に手を出すと後でもめる事になる」
(報酬かな?)
ガルべスが続く
「地龍は美味いぜ。鎧の様な皮膚も高く売れる」
「パパも魔剣持ってるの?」
「ああ。高いからね、滅多に出す事は無い」
冒険者を見る。魔法使いは4人、弓持ちが2人、剣持ちは8人。内2人の剣が魔法陣の様に光っている
「ひかってるのがまけんなの?」
「そうだよ」
魔剣を持たない剣士は足を狙い、魔剣持ちは首や頭部を狙っている。魔剣を振るうと風の刃が出る。
地龍も大暴れし、尻尾を振りまわし、後ろ足立ちになり叩き潰そうとしたり、噛みつこうとする。
「よく死なないね?」
「魔法使いが支援魔法をかけてるからな。あの4人の獣人は良い防具を付けてるから支援も要らない」
(そう言えば獣人は強靭なんだっけ)
※支援魔法。対象の体に直接魔法陣を作り魔力を活性化。疲労軽減・ダメージ軽減になる。
「まほうでたおさないの?」
「あの鎧は簡単に魔法を通さない。魔剣なら急所に命中すれば一撃で倒せる」
掃われても地龍に飛びつく冒険者達。見ていると面白くなってきた
あれを思い出したのだ。そう、あれだ、前世であった自衛隊の名物棒倒し。あんな雰囲気だ。
2人の剣士が尻尾の直撃を食らった。一人は女性だ。落下地点に男性が回り込んで受け止める。
「「あ」」
姉ちゃんも気づいた。冒険者ギルドで会った、新婚冒険者だ
新妻が旦那さんにキスをして再び地龍に向かって行く。そして旦那さんが杖を構えた時、後ろから忍び寄るスキンヘッドの冒険者が居た。
思いっきり回し蹴りを食らわそうとする。旦那さんは間一髪で避けた。
体制を立て直し杖の先に魔法陣を出した瞬間、スキンヘッドが短剣を取り出し魔法陣を切り裂いた。
(魔法陣を切った?光ってるって事は魔剣なの?)
旦那さんの足を払おうとしたが空振り。直後ローリングソバットを繰り出す。旦那さんは回転しながら回避した。
だが、小太りの冒険者が後ろから飛びかかり羽交い絞めにする。スキンヘッドが顎に一発打ち込み旦那さんは気絶した。
「いいの?あれ?」
ガルべスが答える
「あー、よくある事だ」
(それで良いのか?冒険者)
「エディットもやられてたよな?」
「2回ほどな」
パパも新婚の頃にやられたらしい。新妻にロランや姉に限らず、どうもこの世界の女性は積極的な様だ。
※支援魔法は一人に限らず他の魔法使いも掛け持ちます。直撃される時も余裕がある者が優先的に魔力を送り活性化させます。
「まあ心配は要らん。冒険者はヤワじゃないし、分け前も等分で貰える」
いやいや、潰されないか?と思ったが戦いながら離れてた様だ
そうしてると地龍の前足が限界なのか、顎から落ちる様に倒れる。一人の魔剣持ちが首に近づき剣を振りぬいた。
強烈な風の刃と共に、首を断ち切る。勝負はついた
「すごい」
姉ちゃんが目を輝かせている。どう見ても怪獣な地龍を倒したのだ
「ロランだったらどうする?」
ガルべスが聞く
「うーん・・吹き飛ばす?」
「それだとまたタダ働きだぞ?」
「うっ」
ロランがしょんぼりする横で、姉ちゃんが鼻息荒く
「やっぱり冒険者になりたい!」
パパが訊ねる
「ロランの見立てだと魔力が足りないらしいから、剣の練習をするかい?」
「・・魔法使いがいい」
パパは困った感じだが、姉ちゃんがやりたい事を見つけた様なので応援したい。しかし実現するには俺では役に立たない。
ここは俺が犠牲になるべきか。自分を餌に、ロランに姉ちゃんの家庭教師になって貰えれば可能性は・・
ロランはあらゆる魔法を使いこなす天才だ。そして彼女は姉の魔力でも近代魔法なら使えると言っていた
「そもそもフェルヴが人前で精霊魔法を使う事が珍しいがな。何か使う理由があったのか?」
ロランが手をモジモジとさせている。ちょっと可愛い
「魔獣騒ぎの時の・・」
「あ~森の復活か?」
「植林の前に、フェルヴが地の魔法を使ってるのを見て真似してみたの」
※クレーターが出来てました
「それってフェルヴが居たからじゃねーのか?」
ロランは首を振る
「一人であの場所に行ってた時も地の魔法が使えたよ。それで他にも少し教えてもらった」
ガルべスが驚く。地の魔法が使えた事で無く、ロランが一人で行っていた事にだ。
「割と律儀なとこがあるんだな」
ロランはそっぽを向く
「ちのまほうって?」
「精霊魔法の一つよ。地の精霊達が大地を自在に操って望む形に変えるの」
「それでどうぶつを狩るの?」
パパが突っ込む
「止めろよ。ここは大豆畑だぞ?」
「じゃあ木の魔法」
「きのまほうって?」
「いくつかあるけど、木の精霊に頼んで植物が濃縮している二酸化炭素を分けてもらって霧にするの」
(懐かしい言葉を聞いた)
もちろんエディットやガルべスも酸素等の事は知っている。そして別の重大な事も・・
「使うのは良いが、森には絶対に影響を出すなよ?」
パパが説く
「え~めんどくない?」
「精霊がやってくれるなら苦労は無いだろ?」
ガルべスも続く
「必要な数を取れたら後は放置でも良いんだ。根こそぎ獲る様な真似はするなよ」
とにかく森には影響が及ばない様に念を押す。
(何かあるのかな?)
ーーーーー
ロランは森を見つめる。精霊を感じる事は出来ないので、気づいてもらう為に時間をかける。
すると姉ちゃんがロランの隣に行った
「エル、興味があるの?」
「うん。魔法って色々あるんだね」
「種族の為に用意されたって思ったりする事はあるよ」
「種族?」
「人族の為の魔法陣、現代魔法ね。エルフは精霊と対話ができるでしょ。獣人は魔道具の扱いが上手で、魔族は古代魔法を扱える魔力を持ってる」
(ほうほう)
「魔法国家の魔法使いも、古代魔法使ってたよね?」
「そうだね。だから滅んだんだと思うけど」
「どうして?」
「国では嫉妬の対象になったって研究されてるよ。古代魔法を使えたのは50人居なかったとか」
「ロランさんは使えるの?」
「うん。私はそんな魔法使いの末裔じゃないかってフェルヴに紹介された魔族に言われたよ」
(なるほど)
「・・私にも魔法は使えますか?」
「・・・」
ロランは困った顔をしながらパパを見る。パパは頷く
「生活魔法は使えるよ」
「ママやロランさんみたいにはできないの?」
今度は俺を見るロラン
(?)
「二人とも、代償となる魔力が足りない。エディットぐらいって思っておくと良いよ」
パパを見る
「パパはまほうをつかえないの?」
「使えないと言うか、俺がやっても真似ごとだ。実用は出来ない」
ガルべスを見る
「ん?俺か?俺ら獣人が魔法を使ったらぶっ倒れるぜ」
「まどうぐは上手につかえるって言ってた」
「魔道具は組み込んだ魔石の魔力で動く。切っ掛けになる魔力を流すだけだ」
「そうなの?」
パパが教えてくれる
「魔道具は最初からその道具として作られてるからな。魔石に流す魔力は生活魔法ぐらいで済む。獣人の魔力は相性が良いんだ」
(なるほど。て事は俺には魔法は使えないのか)
姉ちゃんは諦めない
「でも、魔法陣は書けたよ?」
「魔法陣と詠唱は、エルフ以外なら誰でも書けるよ。現象を起す為の魔力が足りないの」
姉ちゃんはガッカリする。泣きそうだ
「冒険者にはなれないの?」
「「!」」
俺とパパが驚く。初めて聞いた
ロランがため息を吐く
「後で近代魔法を見せてあげる。頑張ったらあなたやエディにも使えるわ」
「本当?」
(近代魔法だと?)
ロランは頷き森を見る。そして聞いた事が無い言語で精霊魔法の詠唱を唱える
ーーーーー
『草木に宿る霊たちよこの身の魔力を代償に宿した命の糧を雲として使役させよ』
初めて聞く言語だけど内容が分かる・・何だこれ?
姉ちゃん達には分からない
「今のは?」
「エルフの言葉よ」
するとロランからものすごい勢いで風が森に向かって流れる
「何?」
「私の魔力よ。応えてくれたわ」
ガルべスが心配する
「大丈夫なのか?」
「うん、魔力は多いから。エルフの様に寿命を代償に出来ないし、魔力にしたら出来たの」
「「「「!?」」」」
「フェルヴの奴、寿命縮めてやがるのか?」
「あー、エルフは精霊魔法を使って1000年は生きるから。本当はもっと長いのよ」
唖然とするパパとガルべス
しかしロランはエルフの言語も覚えてるのか・・天才だとは聞いてるけど。
ちょっとロランを見る目が変わってきた。そうして森の方から少しずつ霧が出てくる。濃縮した二酸化炭素の霧だ。
ロランは操作する様に指を軽く動かしている。ゆっくりと忍び寄ってくる霧。
精霊魔法を知らなければ、ただ霧が出てきたなと思う程度である。
十分広がった所で、動物達の前でつむじ風の様に動き顔が見えない程に集まっている。
暴れようとする動物達。しかし酸素不足で細胞は思うように動かない。
「バタバタいったな」
ガルべスが関心する
「森は大丈夫なのか?」
パパは森を心配する
「森を抜けてから霧にしてるから大丈夫だよ。って何でそんな気にするの?」
「あ・・いや・無駄に狩ると後々困るかと思ってな」
※実は今回はロランの銅板の試験を特別に行っており、取り逃がした獲物を狩る為に森には冒険者が潜んでいます。
ギルドも100匹からの狩りを一人の冒険者に任せる事は、本来しません。
「さて、あとは回収だな」
ガルべスが商業ギルドのマジックバッグを5つ出しロランに渡す
「えーー」
(めちゃ嫌そうだ)
「それでぜんぶ入るの?」
聞いてみる
「これは商業ギルドがロランに作らせた特別品だ。1つでも楽に入るが軽量化してるとは言え数が多すぎる」
※ロランが商業ギルドから出ていた依頼を失敗(持ち忘れ)した時にペナルティとして作ったカバンです。
(どんだけ魔力あるの?)
パパとガルべスも手伝いながら獲物を仕舞って行く。なんだかんだ言って二人とも優しい
姉ちゃんはロランを気に入ったのか、ついて回る。
すると森から鳥達が一斉に飛び上がった。同時に土煙が上がる
「何だ?」
パパが森を見る
「何か居やがるな」
ガルべスはわずかに目で捉えてる様だ。そして、魔獣が森から飛び出して来た
ーーーーー
ガルべスが叫ぶ
「ハッハー!地龍だぜ!」
パパも驚く
「何でここに魔獣が居るんだ?」
ロランも驚いた
「何であんなに冒険者がいるのよ?」
パパが焦る
「あー・・・あれだ、ほら、薬草採集に来てたんだろう。たぶん」
ーーーーー
地龍。人族が古代魔法を失ってから対抗する手段が無く、その強さから地を這うドラゴンとして名付けられた。
本来のドラゴンは精霊族に分類されており、完全な別種である。
現在は現代魔法と魔石を利用した杖と剣がある為、所有している冒険者には対抗する事が出来る。
ーーーーー
鎧を付けたティラノサウルスが4足歩行になった様な怪獣に、14人の冒険者が群がっていた
「パパ、手伝わなくていいの?」
姉ちゃんが聞く
「魔剣持ちが居るしな、下手に手を出すと後でもめる事になる」
(報酬かな?)
ガルべスが続く
「地龍は美味いぜ。鎧の様な皮膚も高く売れる」
「パパも魔剣持ってるの?」
「ああ。高いからね、滅多に出す事は無い」
冒険者を見る。魔法使いは4人、弓持ちが2人、剣持ちは8人。内2人の剣が魔法陣の様に光っている
「ひかってるのがまけんなの?」
「そうだよ」
魔剣を持たない剣士は足を狙い、魔剣持ちは首や頭部を狙っている。魔剣を振るうと風の刃が出る。
地龍も大暴れし、尻尾を振りまわし、後ろ足立ちになり叩き潰そうとしたり、噛みつこうとする。
「よく死なないね?」
「魔法使いが支援魔法をかけてるからな。あの4人の獣人は良い防具を付けてるから支援も要らない」
(そう言えば獣人は強靭なんだっけ)
※支援魔法。対象の体に直接魔法陣を作り魔力を活性化。疲労軽減・ダメージ軽減になる。
「まほうでたおさないの?」
「あの鎧は簡単に魔法を通さない。魔剣なら急所に命中すれば一撃で倒せる」
掃われても地龍に飛びつく冒険者達。見ていると面白くなってきた
あれを思い出したのだ。そう、あれだ、前世であった自衛隊の名物棒倒し。あんな雰囲気だ。
2人の剣士が尻尾の直撃を食らった。一人は女性だ。落下地点に男性が回り込んで受け止める。
「「あ」」
姉ちゃんも気づいた。冒険者ギルドで会った、新婚冒険者だ
新妻が旦那さんにキスをして再び地龍に向かって行く。そして旦那さんが杖を構えた時、後ろから忍び寄るスキンヘッドの冒険者が居た。
思いっきり回し蹴りを食らわそうとする。旦那さんは間一髪で避けた。
体制を立て直し杖の先に魔法陣を出した瞬間、スキンヘッドが短剣を取り出し魔法陣を切り裂いた。
(魔法陣を切った?光ってるって事は魔剣なの?)
旦那さんの足を払おうとしたが空振り。直後ローリングソバットを繰り出す。旦那さんは回転しながら回避した。
だが、小太りの冒険者が後ろから飛びかかり羽交い絞めにする。スキンヘッドが顎に一発打ち込み旦那さんは気絶した。
「いいの?あれ?」
ガルべスが答える
「あー、よくある事だ」
(それで良いのか?冒険者)
「エディットもやられてたよな?」
「2回ほどな」
パパも新婚の頃にやられたらしい。新妻にロランや姉に限らず、どうもこの世界の女性は積極的な様だ。
※支援魔法は一人に限らず他の魔法使いも掛け持ちます。直撃される時も余裕がある者が優先的に魔力を送り活性化させます。
「まあ心配は要らん。冒険者はヤワじゃないし、分け前も等分で貰える」
いやいや、潰されないか?と思ったが戦いながら離れてた様だ
そうしてると地龍の前足が限界なのか、顎から落ちる様に倒れる。一人の魔剣持ちが首に近づき剣を振りぬいた。
強烈な風の刃と共に、首を断ち切る。勝負はついた
「すごい」
姉ちゃんが目を輝かせている。どう見ても怪獣な地龍を倒したのだ
「ロランだったらどうする?」
ガルべスが聞く
「うーん・・吹き飛ばす?」
「それだとまたタダ働きだぞ?」
「うっ」
ロランがしょんぼりする横で、姉ちゃんが鼻息荒く
「やっぱり冒険者になりたい!」
パパが訊ねる
「ロランの見立てだと魔力が足りないらしいから、剣の練習をするかい?」
「・・魔法使いがいい」
パパは困った感じだが、姉ちゃんがやりたい事を見つけた様なので応援したい。しかし実現するには俺では役に立たない。
ここは俺が犠牲になるべきか。自分を餌に、ロランに姉ちゃんの家庭教師になって貰えれば可能性は・・
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バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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