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第36話「ローレンス・ブリジラ・レヴィネール」
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マークスリの滞在期間も終わり、シルヴェールに戻る準備をする。
帰りは馬車が1台増える。早朝から大量のサンプルと大量の水晶を積み込んだ。
シルヴェールで無線機器の開発に取り組むからだ。
電子部品一つは小さいが、作れるだけ作ったので結構な量になる。
水晶は無線や電子時計に必要不可欠な物だ。
「ちょっと待ってね」
馬が一頭だったので、さすがに辛そうだと思った
「何の魔法陣なの?」
カーラが聞いてくる
「けいりょう化だよ」
俺は馬車の荷車に軽量化を施した
「エディ、そんな事出来たの?」
パロマが説明してくれる
「知らなかったの?エディは翻訳の作業前まで、近代魔法の勉強してたのよ?」
「へえー、近代魔法ね」
カーラも図書館でエル達が勉強してるのは知ってるが、翻訳の作業もしてるので共用語の勉強だけだと思っていた
御者さんが声をかけてくれる
「すまないね。未来の魔法士さんが居てくれるとは思わなかったよ」
俺は首を振る
「ぼくのまりょくだと1日だよ」
「今日だけで十分だ。こんなに荷物があると聞いてなかったからなあ」
御者さんはそう言いながら振り返る
(俺もこんなになるとは思わなかった)
準備が終わる頃、ジョージ市長とリアーゼが見送りに来た。リアーゼが駆け寄って来る
「エディ、またくるの?」
(・・『タマ』ちゃんでは?)
「うーん、こっちで進展があったらくると思う」
「もうすこしいられないの?」
(『タマ』ちゃんがね?)
「する事いっぱいあるからね」
リアーゼは『タマ』がお気に入りだ。でも残念ながらペットでは無いのだ
「でも何回かくることになると思うから、『タマ』にも会えるよ」
「ほんと?」
「うん」
「なるべくはやくきてね」
「うーん、おしごと次第だけどね」
市長がリアーゼの頭に優しく手を添える
「あんまりエディを困らせちゃダメだよ」
「・・うん」
今のうちにさっさと馬車に乗る。メンバーも市長に声をかけながら馬車に乗る
「お世話になりました」
「ああ。こちらはいつでも受け入れられる。頑張ってくれ」
「もちろん。アオキの後を継ぐ仕事ですからね。楽しいですよ」
そして馬車は岐路に着いた。帰りの護衛もドレイクさんとリミエだ。
リミエはマークスリで仕事をしていた。ドレイクさんは手に職があるので、一度帰宅している。
ちなみにロバルデューは安全その物だが護衛が居ないとなると、悪い連中がやって来るらしい。
他の領地では他国からやってくる盗賊等がおり、特に荷馬車が標的になるそうだ。
ーーーーー
途中休憩を挟みながら、昼前に道の駅に着く。ここで1刻(2時間)休憩になった。
アケロス湖の入り口になる門の所に来る。
(ここで『タマ』に会ったんだよな・・ん?何で『タマ』はここに来たんだろう?)
『タマ』に聞く
(タマ?)
(ナニ?アオキ?)
『タマ』はどう言う訳か、俺と繋がっている。何が繋がってるのか分からないけど・・
(この前、何で門の所に居たの?)
(アオキガイルキガシタカラ?)
そう言えば俺の事をずっとアオキと呼ぶな
(えーと、俺はエディだよ?)
(デモ、アオキダヨネ?)
(前世はそうです)
まあ良いか。他の人は聞こえないし
(アオキハドコカイクノ?)
(帰るんだよ)
(アオキノス?)
巣・・まあドラゴンならその方が分かるか
(そうだよ)
『タマ』から返事が来ないと思ったら、門の所にやって来た
(えーと、来るの?)
(ウン)
(・・別に良いけど)
姉ちゃんは『タマ』を見たらどんな顔するのかな?
ーーーーー
昼になり、食堂で昼食を食べる。
『タマ』が一緒に居るので、注目の的になってしまった。
(食べてから聞いたら良かった)
パスタが気に入ったので、今回もキノコパスタを食べていた。
そうすると興奮気味の青年が声をかけてくる。
「君!それってドラゴンの幼生だよね?」
「うん」
髪がボサボサでラフな雰囲気の青年?だが、身だしなみはきちんとしていた。
女性陣の方を見ると、みんな唖然としている。
「えーと」
「そ、その写生させてもらって良いだろうか?」
「どらごん?」
「うん!」
「半刻したらかえるけど?」
「十分だ!」
そう言い向かいのカーラの席の隣に座り、スケッチブックを取り出した
(絵描きの人かな?・・あれ?)
カーラが真っ赤になっていた
(・・えーと、有名人?)
隣のパロマに小声で聞く
(知ってる?)
(何でここに・・)
(そうじゃなくて)
(殿下の息子、三男のローレンス様。でも継承権は放棄して、画家を目指してるの)
・・・王族かよ!
ローレンス様をまじまじと見る
(髪をきちんと整えたらイケメンだな。ロバルデューでは見ないタイプだ)
後ろに回り込み、スケッチを見る
(上手い、上手すぎる。この手法は何だっけ?『タマ』がすげえ精悍になってるんだけど)
出会いと名前のせいか、『タマ』を可愛い生き物と思っていた
(他人にはこう見えるのかな?)
『タマ』はじっとしている
(『タマ』ってモデルの経験がある?もしかしてアオキに?)
席に戻って再びパロマに聞く
(そう言えばごえい居ないけど?)
(彼の覚悟よ。一絵描きとして生きる為に国の保護は拒否してるわ)
なるほど。無事に生きれたら大成しそうな人だ
ーーーーー
スケッチが終わりローレンス様はカーラに絵を見せながら何か語っている。
カーラは頷くだけの置物になっていた。
(こんなカーラを見るのは新鮮だな)
まあ画家を目指していても王子・・王子でいいのか?なのは間違い無い。
男性メンバーがやって来る
「そろそろ行く・・・ぞ?」
全員固まったので俺が仕切る事にした
「そろそろしゅっぱつだよ。ろーれんす様もうじかんです」
「ああ、そうか・・残念だな」
(何が残念?)
ローレンス様は『タマ』を見つめる
「・・・しるべーる行く?」
「そうか!そうしよう。一緒させてもらうよ」
一緒は良いけど、まさか馬車に乗って来るとは思わなかった。女性陣は緊張してる。
乗合馬車で旅をしてたそうで、断ってこっちの馬車に乗って来たのだ。
馬車の中でも『タマ』を書くローレンス様。俺は心配していたが、予想通りになった。
半刻(1時間)持たずに乗り物酔いをした。馬車を停め、俺は介抱する。
「だいじょうぶ?」
「あ・・ああ、うぉぷ」
(横になった方が良いな)
落ち着いた所で水を飲ませ、男性陣に詰めてもらう。
1台に5人乗ってもらい、空いた席にローレンス様を寝かせた。念の為、俺も一緒に乗り帰路に着いた。
5刻半(午後5時)に領館に到着。ローレンス様の・・・おかげで少し遅れた。
男性陣は荷物を運び入れる。女性陣はプレッシャーから解放されたおかげか、清々しい笑顔をしている。
代わりに困った顔をするのは領主様だ。
「ローレンス、今日は俺の屋敷に泊まっていきなさい」
「いえ、特別扱いはよしてください。私は野宿でも大丈夫です」
(王族も野宿するのか)
「今宿を探させてるが、見つかるかどうか・・」
「そこいらの森で十分ですよ」
(・・・)
王族ってあまり好きになれないが、この人は好感が持てる。絵描きに関しては前世のオタクその物だからだ
「うちくる?」
「エディ君?良いのかい?」
「ぼく明日やすみだし。薪置き場でもいい?」
「薪置き場か、楽しそうだ」
「・・・」
冗談で言ったつもりだったが・
「じゃありょうしゅ様、そういうことで」
「はあ~・・ローレンスにはその方が良いか・・頼む」
「うん」
そしてロバートさんに家まで送ってもらった
ーーーーー
我が家が見えてくる。こんな柵あったっけ?
(ポルとリックを遊ばせる場所かな?でも2頭は放っておいても戻って来るし)
「来た!」
(ん?)
庭に姉ちゃんとロランが待ってくれていた。姉ちゃんは肩掛けバッグを前にかけている
(姉ちゃん、背伸びた?)
そして家に着く
「ただいま」
「おかえり」「おかえりエディ」
「ほら!」
姉ちゃんがバッグから小動物を出した。そして俺の肩に『タマ』が乗って来る
「「・・・」」
(えっと・・虎?)(トラダネ)
(・・もしかしてドラゴン?)
「「・・・」」
俺と姉ちゃんはロランを見る
「何で!?」
ーーーーー
(えーっと・・この状況どうすれば?)
(サア?)
(てかドラゴンも虎って言うんだ)
(ウン)
どうすれば良いのか迷ってるとローレンス様が来る
「タイガーの子供か!!」
「ひっ」
姉ちゃんから虎を取り上げた
「おお・・子供は初めて見るな」
姉ちゃんに虎を返したと思ったら、そのまま肩を掴んで切り株のとこへ
「ここに座って。虎の子は、そう、そんな感じで」
そしてこっちにきて『タマ』を掴んで持って行く
「『タマ』はこう肩に」
「・・・」
「馬も居たよね!」
馬舎に行ってリックを連れて来る。後ろに立たせ手綱を縛る
「いいねえ!そう、そのまま。動かないでね」
「・・・」
絵を描き始めた
ロランが聞いてくる
「誰?」
「えーと。絵を描く人」
「・・どうしたの?」
「寝るとこ無いんだって」
「家にも無いよ?」
「薪置き場で良いって」
「そう」
姉ちゃんは目線でこちらに助けを求めている
(・・がんばって)
ロランと家に入った
「ただいま」
「おかえり」
ママが迎えてくれた
ーーーーー
ママにお土産を渡す。
「ママはこれ」
ガラスの食器、一式だ
「綺麗だわ。ありがとうエディ」
「これはパパの」
「単眼鏡ね。冒険者の仕事に役立つわね」
「ねえちゃんはこれ」
「望遠鏡・・こんな高いの買ったの?」
「ぼうえんきょう探してたら向こうの職人さんがコネをつかってくれた」
「そう。そう言えばエルは?」
「外でもでるになってる」
「モデル?」
「ああ、そうだ。絵描きの人とめてもいい?薪置き場でいいから」
「薪置き場って・・浮浪者みたいな人?」
「うーん。そうかな?」
間違ってはいない
「大丈夫かしら?見てくるわね」
「うん」
荷物の整理をする。ロランが手伝ってくれた。と言っても着替えぐらいだ。
ウエストバッグひとつで足りる。
「そう言えばロラン、ねえちゃん背のびた?」
「そんなに変わってないと思うけど?」
「おおきくなった気がするよ?」
「あー、それはあれね。ちょっと成長したって所ね」
(成長?背とは違うの?)
大人には気づかない、子供だからこそ分かる変化。
成しえた者が持つ雰囲気、自信。地球ならスポーツで活躍したり、優秀な成績を収めた者だ。
それを持つ子供は、他の子供と違って見える。。
休み期間はフレアの一件を含め、7歳のエルにとって冒険の連続であった。
(ママ遅いな)
庭を見に行く
(・・・)
ママがペコペコしながらローレンス様と話している
(日本人みたいだ・・じゃなくて、あの人王族だった)
ママに近づくと、軽く頭を小突かれた
「エディ、名前知ってるならちゃんと言いなさい」
「ごめん」
ーーーーー
ママは夕食の支度をする。お客さんがローレンス様と言う事で張り切ってる様だ。
そしてパパが帰って来た。
「ん、ローレンスじゃないか?」
「久しぶりです、エディット」
二人は握手をしている
「エディ君、エディットの息子だったんだな」
「パパをしってるの?」
「昔、ジャンと一緒に護衛してもらった事があるよ。まだ学園の生徒だった頃だ」
「へえー」
(そう言えば領主様も親しそうだったな)
「二人は無茶苦茶だったからね。とても印象に残ってるんだ」
パパを見ると恥ずかしそうに頭をかいていた
「無茶苦茶?」
「他の国で王家の馬車に乗ってて狙われたんだけど、そいつに依頼者を吐かせて何故か僕たちも一緒に殴り込んだんだよ」
(・・・)
「あの暴れっぷりは、ただの破壊者だったね」
(・・・)
※ジャンとエディットは独身時代、近代魔法と魔剣で暴れ回っていた
俺が狙われた件でパパに黙っていた理由が分かった気がする・・
パパがローレンス様の絵を見る
「昔より上手くなってるな」
「これだけが楽しみだからね」
俺も見る
(これ姉ちゃん?)
確かに似ている。年相応でもある。だが何となく雰囲気が違う
「へえー、よく見てるね」
いつの間にかロランが来ていた
「ロランどう思う?」
「エルザに聞いたけど、王族の人だって?」
「うん」
「人を見る目は確かね」
「どう言うこと?」
「人の本質を見てるのよ」
(・・・)
本質・・『タマ』も『ポチ』の様に精悍に書かれていた。
子虎はどう見ても子供だが、目はいかにも野生であり、手足は大きく太く書かれている。
リックはロバの絵だが、ポルの様に冒険者の馬が持つ雰囲気がある。
(姉ちゃんが冒険者だと、まだ知らないはず)
姉ちゃんの絵をよく見る。前世の物語の登場人物で考えると、分かりやすかった
聖女や賢者とは違う・・・そう、『勇者』その物だった
帰りは馬車が1台増える。早朝から大量のサンプルと大量の水晶を積み込んだ。
シルヴェールで無線機器の開発に取り組むからだ。
電子部品一つは小さいが、作れるだけ作ったので結構な量になる。
水晶は無線や電子時計に必要不可欠な物だ。
「ちょっと待ってね」
馬が一頭だったので、さすがに辛そうだと思った
「何の魔法陣なの?」
カーラが聞いてくる
「けいりょう化だよ」
俺は馬車の荷車に軽量化を施した
「エディ、そんな事出来たの?」
パロマが説明してくれる
「知らなかったの?エディは翻訳の作業前まで、近代魔法の勉強してたのよ?」
「へえー、近代魔法ね」
カーラも図書館でエル達が勉強してるのは知ってるが、翻訳の作業もしてるので共用語の勉強だけだと思っていた
御者さんが声をかけてくれる
「すまないね。未来の魔法士さんが居てくれるとは思わなかったよ」
俺は首を振る
「ぼくのまりょくだと1日だよ」
「今日だけで十分だ。こんなに荷物があると聞いてなかったからなあ」
御者さんはそう言いながら振り返る
(俺もこんなになるとは思わなかった)
準備が終わる頃、ジョージ市長とリアーゼが見送りに来た。リアーゼが駆け寄って来る
「エディ、またくるの?」
(・・『タマ』ちゃんでは?)
「うーん、こっちで進展があったらくると思う」
「もうすこしいられないの?」
(『タマ』ちゃんがね?)
「する事いっぱいあるからね」
リアーゼは『タマ』がお気に入りだ。でも残念ながらペットでは無いのだ
「でも何回かくることになると思うから、『タマ』にも会えるよ」
「ほんと?」
「うん」
「なるべくはやくきてね」
「うーん、おしごと次第だけどね」
市長がリアーゼの頭に優しく手を添える
「あんまりエディを困らせちゃダメだよ」
「・・うん」
今のうちにさっさと馬車に乗る。メンバーも市長に声をかけながら馬車に乗る
「お世話になりました」
「ああ。こちらはいつでも受け入れられる。頑張ってくれ」
「もちろん。アオキの後を継ぐ仕事ですからね。楽しいですよ」
そして馬車は岐路に着いた。帰りの護衛もドレイクさんとリミエだ。
リミエはマークスリで仕事をしていた。ドレイクさんは手に職があるので、一度帰宅している。
ちなみにロバルデューは安全その物だが護衛が居ないとなると、悪い連中がやって来るらしい。
他の領地では他国からやってくる盗賊等がおり、特に荷馬車が標的になるそうだ。
ーーーーー
途中休憩を挟みながら、昼前に道の駅に着く。ここで1刻(2時間)休憩になった。
アケロス湖の入り口になる門の所に来る。
(ここで『タマ』に会ったんだよな・・ん?何で『タマ』はここに来たんだろう?)
『タマ』に聞く
(タマ?)
(ナニ?アオキ?)
『タマ』はどう言う訳か、俺と繋がっている。何が繋がってるのか分からないけど・・
(この前、何で門の所に居たの?)
(アオキガイルキガシタカラ?)
そう言えば俺の事をずっとアオキと呼ぶな
(えーと、俺はエディだよ?)
(デモ、アオキダヨネ?)
(前世はそうです)
まあ良いか。他の人は聞こえないし
(アオキハドコカイクノ?)
(帰るんだよ)
(アオキノス?)
巣・・まあドラゴンならその方が分かるか
(そうだよ)
『タマ』から返事が来ないと思ったら、門の所にやって来た
(えーと、来るの?)
(ウン)
(・・別に良いけど)
姉ちゃんは『タマ』を見たらどんな顔するのかな?
ーーーーー
昼になり、食堂で昼食を食べる。
『タマ』が一緒に居るので、注目の的になってしまった。
(食べてから聞いたら良かった)
パスタが気に入ったので、今回もキノコパスタを食べていた。
そうすると興奮気味の青年が声をかけてくる。
「君!それってドラゴンの幼生だよね?」
「うん」
髪がボサボサでラフな雰囲気の青年?だが、身だしなみはきちんとしていた。
女性陣の方を見ると、みんな唖然としている。
「えーと」
「そ、その写生させてもらって良いだろうか?」
「どらごん?」
「うん!」
「半刻したらかえるけど?」
「十分だ!」
そう言い向かいのカーラの席の隣に座り、スケッチブックを取り出した
(絵描きの人かな?・・あれ?)
カーラが真っ赤になっていた
(・・えーと、有名人?)
隣のパロマに小声で聞く
(知ってる?)
(何でここに・・)
(そうじゃなくて)
(殿下の息子、三男のローレンス様。でも継承権は放棄して、画家を目指してるの)
・・・王族かよ!
ローレンス様をまじまじと見る
(髪をきちんと整えたらイケメンだな。ロバルデューでは見ないタイプだ)
後ろに回り込み、スケッチを見る
(上手い、上手すぎる。この手法は何だっけ?『タマ』がすげえ精悍になってるんだけど)
出会いと名前のせいか、『タマ』を可愛い生き物と思っていた
(他人にはこう見えるのかな?)
『タマ』はじっとしている
(『タマ』ってモデルの経験がある?もしかしてアオキに?)
席に戻って再びパロマに聞く
(そう言えばごえい居ないけど?)
(彼の覚悟よ。一絵描きとして生きる為に国の保護は拒否してるわ)
なるほど。無事に生きれたら大成しそうな人だ
ーーーーー
スケッチが終わりローレンス様はカーラに絵を見せながら何か語っている。
カーラは頷くだけの置物になっていた。
(こんなカーラを見るのは新鮮だな)
まあ画家を目指していても王子・・王子でいいのか?なのは間違い無い。
男性メンバーがやって来る
「そろそろ行く・・・ぞ?」
全員固まったので俺が仕切る事にした
「そろそろしゅっぱつだよ。ろーれんす様もうじかんです」
「ああ、そうか・・残念だな」
(何が残念?)
ローレンス様は『タマ』を見つめる
「・・・しるべーる行く?」
「そうか!そうしよう。一緒させてもらうよ」
一緒は良いけど、まさか馬車に乗って来るとは思わなかった。女性陣は緊張してる。
乗合馬車で旅をしてたそうで、断ってこっちの馬車に乗って来たのだ。
馬車の中でも『タマ』を書くローレンス様。俺は心配していたが、予想通りになった。
半刻(1時間)持たずに乗り物酔いをした。馬車を停め、俺は介抱する。
「だいじょうぶ?」
「あ・・ああ、うぉぷ」
(横になった方が良いな)
落ち着いた所で水を飲ませ、男性陣に詰めてもらう。
1台に5人乗ってもらい、空いた席にローレンス様を寝かせた。念の為、俺も一緒に乗り帰路に着いた。
5刻半(午後5時)に領館に到着。ローレンス様の・・・おかげで少し遅れた。
男性陣は荷物を運び入れる。女性陣はプレッシャーから解放されたおかげか、清々しい笑顔をしている。
代わりに困った顔をするのは領主様だ。
「ローレンス、今日は俺の屋敷に泊まっていきなさい」
「いえ、特別扱いはよしてください。私は野宿でも大丈夫です」
(王族も野宿するのか)
「今宿を探させてるが、見つかるかどうか・・」
「そこいらの森で十分ですよ」
(・・・)
王族ってあまり好きになれないが、この人は好感が持てる。絵描きに関しては前世のオタクその物だからだ
「うちくる?」
「エディ君?良いのかい?」
「ぼく明日やすみだし。薪置き場でもいい?」
「薪置き場か、楽しそうだ」
「・・・」
冗談で言ったつもりだったが・
「じゃありょうしゅ様、そういうことで」
「はあ~・・ローレンスにはその方が良いか・・頼む」
「うん」
そしてロバートさんに家まで送ってもらった
ーーーーー
我が家が見えてくる。こんな柵あったっけ?
(ポルとリックを遊ばせる場所かな?でも2頭は放っておいても戻って来るし)
「来た!」
(ん?)
庭に姉ちゃんとロランが待ってくれていた。姉ちゃんは肩掛けバッグを前にかけている
(姉ちゃん、背伸びた?)
そして家に着く
「ただいま」
「おかえり」「おかえりエディ」
「ほら!」
姉ちゃんがバッグから小動物を出した。そして俺の肩に『タマ』が乗って来る
「「・・・」」
(えっと・・虎?)(トラダネ)
(・・もしかしてドラゴン?)
「「・・・」」
俺と姉ちゃんはロランを見る
「何で!?」
ーーーーー
(えーっと・・この状況どうすれば?)
(サア?)
(てかドラゴンも虎って言うんだ)
(ウン)
どうすれば良いのか迷ってるとローレンス様が来る
「タイガーの子供か!!」
「ひっ」
姉ちゃんから虎を取り上げた
「おお・・子供は初めて見るな」
姉ちゃんに虎を返したと思ったら、そのまま肩を掴んで切り株のとこへ
「ここに座って。虎の子は、そう、そんな感じで」
そしてこっちにきて『タマ』を掴んで持って行く
「『タマ』はこう肩に」
「・・・」
「馬も居たよね!」
馬舎に行ってリックを連れて来る。後ろに立たせ手綱を縛る
「いいねえ!そう、そのまま。動かないでね」
「・・・」
絵を描き始めた
ロランが聞いてくる
「誰?」
「えーと。絵を描く人」
「・・どうしたの?」
「寝るとこ無いんだって」
「家にも無いよ?」
「薪置き場で良いって」
「そう」
姉ちゃんは目線でこちらに助けを求めている
(・・がんばって)
ロランと家に入った
「ただいま」
「おかえり」
ママが迎えてくれた
ーーーーー
ママにお土産を渡す。
「ママはこれ」
ガラスの食器、一式だ
「綺麗だわ。ありがとうエディ」
「これはパパの」
「単眼鏡ね。冒険者の仕事に役立つわね」
「ねえちゃんはこれ」
「望遠鏡・・こんな高いの買ったの?」
「ぼうえんきょう探してたら向こうの職人さんがコネをつかってくれた」
「そう。そう言えばエルは?」
「外でもでるになってる」
「モデル?」
「ああ、そうだ。絵描きの人とめてもいい?薪置き場でいいから」
「薪置き場って・・浮浪者みたいな人?」
「うーん。そうかな?」
間違ってはいない
「大丈夫かしら?見てくるわね」
「うん」
荷物の整理をする。ロランが手伝ってくれた。と言っても着替えぐらいだ。
ウエストバッグひとつで足りる。
「そう言えばロラン、ねえちゃん背のびた?」
「そんなに変わってないと思うけど?」
「おおきくなった気がするよ?」
「あー、それはあれね。ちょっと成長したって所ね」
(成長?背とは違うの?)
大人には気づかない、子供だからこそ分かる変化。
成しえた者が持つ雰囲気、自信。地球ならスポーツで活躍したり、優秀な成績を収めた者だ。
それを持つ子供は、他の子供と違って見える。。
休み期間はフレアの一件を含め、7歳のエルにとって冒険の連続であった。
(ママ遅いな)
庭を見に行く
(・・・)
ママがペコペコしながらローレンス様と話している
(日本人みたいだ・・じゃなくて、あの人王族だった)
ママに近づくと、軽く頭を小突かれた
「エディ、名前知ってるならちゃんと言いなさい」
「ごめん」
ーーーーー
ママは夕食の支度をする。お客さんがローレンス様と言う事で張り切ってる様だ。
そしてパパが帰って来た。
「ん、ローレンスじゃないか?」
「久しぶりです、エディット」
二人は握手をしている
「エディ君、エディットの息子だったんだな」
「パパをしってるの?」
「昔、ジャンと一緒に護衛してもらった事があるよ。まだ学園の生徒だった頃だ」
「へえー」
(そう言えば領主様も親しそうだったな)
「二人は無茶苦茶だったからね。とても印象に残ってるんだ」
パパを見ると恥ずかしそうに頭をかいていた
「無茶苦茶?」
「他の国で王家の馬車に乗ってて狙われたんだけど、そいつに依頼者を吐かせて何故か僕たちも一緒に殴り込んだんだよ」
(・・・)
「あの暴れっぷりは、ただの破壊者だったね」
(・・・)
※ジャンとエディットは独身時代、近代魔法と魔剣で暴れ回っていた
俺が狙われた件でパパに黙っていた理由が分かった気がする・・
パパがローレンス様の絵を見る
「昔より上手くなってるな」
「これだけが楽しみだからね」
俺も見る
(これ姉ちゃん?)
確かに似ている。年相応でもある。だが何となく雰囲気が違う
「へえー、よく見てるね」
いつの間にかロランが来ていた
「ロランどう思う?」
「エルザに聞いたけど、王族の人だって?」
「うん」
「人を見る目は確かね」
「どう言うこと?」
「人の本質を見てるのよ」
(・・・)
本質・・『タマ』も『ポチ』の様に精悍に書かれていた。
子虎はどう見ても子供だが、目はいかにも野生であり、手足は大きく太く書かれている。
リックはロバの絵だが、ポルの様に冒険者の馬が持つ雰囲気がある。
(姉ちゃんが冒険者だと、まだ知らないはず)
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〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
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初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
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農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
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