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ゾワゾワ
しおりを挟むイソギンチャクのベッドの上に寝かされ、海藻がひらひら揺れ動く。
一見メルヘンだが、なんで縛られちゃってる時点でなんか違う。
合意のはずの行為が無理やりに見えちゃうよ?
海松人はちょっと微笑むと、俺の腰を掴んだ。そしてぐっと力を込めて彼のものを俺の中に押し込む。
逃げようとする体を、体に巻き付いたわかめがぎゅっと押さえつける。
「……あッ!」
「痛いですか?」
「平気。ちんこのほうが痛てえ」
海松人はふっと笑いをこぼして、さらに身を進めた。
体の中に異物が入る感じはどうしても慣れない。
でも、あのへんなアナゴのオモチャよりもずっといい。
海松人の美しい顔が、苦痛をこらえるようにちょっと歪む。そうかと思えば勝気に微笑んでぺろりと唇を舐める。一瞬一瞬の表情が色っぽくてたまらなかった。
「力を抜いて――?」
「……ん、んんっ……はぁ!」
彼が進むたび、俺は喘いだ。息がうまくできなくて、勝手にそんな声になってしまうのだ。
体に汗が滲み出す。
「あぅっ……」
もう無理だと思えば、彼は俺の体をぐっと折りたたむようにして、無理やり気味に口づけた。唇であやされているみたいだ。
あー。やっぱり海松人、キスがうまい。たぶん、こういうのをキスがうまいって言うんだ。頭の芯がじんわりとしびれて幸せでいっぱいになってしまう。
チュッと音を立て、彼は唇を離し、俺の腹を撫でた。
「ほら、わかりますか。ここに」
海松人のモノが入っているのだと、彼は俺に知らせる。体の中と外から同時にその存在を実感させられて、俺は赤面した。
「うん。俺、海松人さんと繋がっちゃってる」
「いずれは全部、受け入れてくださいね」
「え?」
なんのことだ。あ、俺の中にまだ、全部収まっていないのかー。
「納得していただけて何よりです」
「いや、無理でしょ。これ以上は入らないよ!」
「すぐには難しいでしょうから、この先の楽しみにしておきます」
この先――?
また海松人とセックスできるってこと?
海松人が腰を動かし始めて、疑問は霧散してしまう。
ずぶずぶと彼のものが、俺の中を行ったり来たりする。
最初は違和感しかなかったはずなのに、だんだんおかしな感じになってきた。
かすめると、ものすごくゾワゾワするところがあるのだ。
ゾワゾワ、ゾワゾワ。
ちょっと怖い。
「あ、海松人――」
「大丈夫です。そのまま感じて?」
それはすでに命令で、俺は彼の言葉に抗えない。未知の感覚が唐突に気持ちいいに変換される。
なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ。
ヤバい、脳みそ溶けそう。
こんなの、味わったことがない。
「まっ、ちょっ……アッ、まって……!」
海松人は苦笑いで首を振り、追い立てるように抽挿を速めた。
俺はそれに翻弄された。
「ヒィう、あッ、あ……そこ、ダメッ!」
気持ち良すぎて苦しい。
「や……イッ……ぁくぅっ」
もう本気でダメだ。出る!
「んっ……はぅッ――!」
情けない声とともに白濁が散った。
ソロプレイならここですんと引いてしまうはずだった。だが今は、甘いしびれがいつまでも続き、足がガクガクと震えた。視界が白くかすんでいた。
ちょっと怖くなって海松人を探す。
もちろん、これ以上ないほどそばにいるわけだけど、なんだか混乱したのだ。
彼がくれた短いキスを頼りに焦点を合わせると、海松人も肩で息をしていた。彼も俺の中へすべて出し切ったようだった。
……まさか俺、妊娠したりしないよな。
「さすがにそれはないですよ」
海松人はかすかに笑ったあと、指で口元をぬぐった。色っぽい仕草にドキドキしていたら、海松人が俺の中からイチモツを引き抜いた。
ずりゅんと中をこする感触に、名残惜しく腰が跳ねた。
ヤバ。も、これだけで気持ちいい。
ホッとしたような、物足りないような。
「隼さま、安心するのはまだ早いです。終わっていません。ほら」
「え? ……あ?」
誰か嘘だと言ってほしい。俺、まだ萎えてない。
「続けます」
「ま、待って。無理だよ。いまイッたばっか」
海松人はきれいに微笑んだ。待つ気はないようだ。
でも彼はすぐには進めず、かわりに俺の手足に絡んだ海藻をひとつひとつほどいてくれた。
拘束は痛いものではなかったが、それでもかなりホッとした。
海松人は俺を抱き上げ、膝の上に乗せた。彼にまたがる形だ。ふたりの体が密着して、体温や息遣いを間近に感じられる。
不思議だ。俺は彼のことをほとんど何も知らないのに、どうしてこんなに安心するんだろう。
手を伸ばせば、自由に海松人に触れられる。海松人がそれを、許してくれる。
吸い寄せられるように、自分からキスをしていた。
「隼さま、自分で入れてみますか?」
ささやく声にそそのかされて、俺はうなずいた。
海松人の助けを借りて、腰を上げ、ゆっくりと下ろしていく。海松人のものがまた、俺の中へ入ってくる。先ほどより深く入ったようで、少し怖かった。
これ以上進めば、腹を突き破ってしまうんじゃないかって。
だけどもう一度彼を招いてしまえば、脳が先ほどの快感を寄こせと震える。
「好きに動いていいですよ」
「うん」
言われるまでもなく、自ら腰を振っていた。二度目はあっけないくらい早く出してしまった。
「四つん這いになれますか」
俺は言われるままにその姿勢を取る。
すると海松人は背中側から俺の中に入ってきた。
獣同士の交尾みたいだ。でも全然不快感がない。首筋にあたる海松人の息まで俺の興奮を誘う。彼が俺の耳をなめたので、俺は甲高く喘いだ。
もう俺の腹から白濁がこぼれることはなく、ただ、透明な液体だけがとめどなく零れ落ちるだけだ。
それでもまだ、夢中になって抱き合った。
動けなくなっても彼と繋がったままでいたかった。
次の日と言っていいものか、竜宮では時間の経過がよくわからないのだが、とにかく目覚めるとあちこち痛かった。
うめき声を聞きつけて、海松人がすっ飛んできた。それはいいのだが、彼は申し訳なさそうな顔をしながら流れるように俺をひん剥いた。
「なっ!」
なんなのかと問いたかったのだが、その前に手で口を塞がれる。
(まだ終わってません。あと二回、乙姫を騙し通さなくては)
(まっ……)
マジで、まさか、マダだとぉ。顔面がグニャグニャになってしまった。
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