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オートモード
12 踊る
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会場の熱狂に包まれて、僕の体温は反比例するようにどんどん下がるようだった。
「せ、先生どうしよう」
「踊るしかないだろうな。大丈夫、ルノン。いつもみたいに踊れば、それだけで君のダンスは充分に魅力的だから」
「それ言うの先生だけだからね」
展望公園にみっちりと人が詰めかけている。三百人はいるんじゃないか。
クラスの発表さえも、緊張して上手くしゃべれなかった。思い出しただけで、ヒュッと身の縮む思いがする。
「落ち着いて、ルノン。ここで踊らなければもっとヒドイことになる」
ヒドイことってどんなことだろう。暴動とか?
「君とも、一緒に暮らせなくなるかもしれない」
「踊る」
僕は顔をあげた。
ミラロゥと暮らせなくなる? それ以上のヒドイことなんてこの世界に存在しないだろ。
決意したならすぐに行動だ。僕はステージの真ん中に立ち、音声ブースに合図を送った。
流れ始めたのは、女性ボーカルのポップソングだ。
こんな大勢の人の前で、ダンスを披露する羽目になるなんて、ほんと人生なにがあるかわからない。けど大丈夫。たった数分間、恥をさらすだけだ。
いざ!
「おい、クイーン真面目に踊れ!」
「なめてんのか!」
「それであんなジャッジしたのか!」
はい。ものの数十秒でブーイングの嵐になりましたとさ。
僕はムッとしながら踊り続けた。正真正銘、手なんて抜いてない。普通に踊ってる。
「はっはっは! 今回のクイーンは冗談がお好きらしい。では気を取り直して、リスタート!」
僕はギョッと司会者を見る。やりなおしなんて嘘だろ。
だが、ハイテンションとは裏腹のマジな顔で頷かれてしまった。
今日は、いつになく遊びまわった。ミラロゥを待つあいだ、色んな所から圧を受けてすごく疲れた。
ミラロゥの顔を見てホッとして、彼のダンスに興奮して、ようやく解放されると思ってたんだ。
ぷしゅんと空気が抜けちゃったんだよ。代わりに砂でも入ったみたいに体が重い。
突っ立ったまま動かない僕に対して、非難の声はさらに高まる。
うるさいなあ。
そもそも、なんでこんなことになったんだっけ。帰るって言ったのに、帰らせてくれなかったのはそっちだろう。
もう帰りたい。これって本当に僕が踊る必要ある?
自動舞踏制御がもっと使える機能だったらな。
恨み節のついでにチラッと考えただけだ。それなのに、誤タップで起動するアプリみたいな軽率さでモードが切り替わった。
嘘だろ。
つぶやく暇もなく、体のコントロールを奪われる。
ガクンと膝が落ちて、すぐに持ち上がる。二度も三度も。太ももの裏に負荷がかかる。首がグギッと音を立てる。この機能やっぱり、僕の体を大事にしてくれない。
会場はすごく盛り上がってる。僕が踊る以上に。
面倒だな、このままなりゆきに身を任せちゃおうか。弱気になったそのときだ。
会場のほうからビィくんの声が聞こえた。
「音を止めて! あれじゃルノンがまた怪我をしちゃう!」
帰ったんじゃなかったのか!
続けて、ミラロゥの声も僕に届いた。
「ルノン! しっかりするんだ。こっちを見ろ!」
くるりと回った一瞬、ミラロゥの顔が見えた。また心配させちゃってる。その瞬間、僕は我に返った。
そうだ。操られてる場合じゃないぞ。これでまた怪我でもしてみろ。先生とイチャイチャできないじゃないか!
僕は必死に抵抗を試みた。相手がアプリと仮定して、音量を下げるように、シンクロ率を下げるんだ。調整バーを最小に持っていくイメージをする。
体にすこしだけ力が入った。いいぞ。抗ってやるんだ。なにがオートモードだ。この体は、僕のものだ!
だけどコレ、すごく苦しい。いつまで抵抗できるだろうか。こめかみがミチミチ痛くなって、全身を汗が伝った。
「いいから止めろって言ったんだよ!」
ビィくんと、あの気の良いにーちゃんたち。彼らが音声ブースに乱入しているのがチラリと見えた。
音楽がブツっと途切れて、僕の体が崩れ落ちる。地面に衝突する前にミラロゥが支えてくれたようだ。
「借りができたな……」
そんなふうに彼はつぶやいていたと思う。そこから先の記憶はない。どうやらまた気を失ってしまったらしい。
僕は熱を出して二日間ほど寝込んだ。ミラロゥはそのあいだ休みを取って、せっせと僕の看病をした。
三日目にはさすがに起きられそうだった。パジャマのまま居間に行き、僕は先生に言ってみた。
「先生、今日は学校に行きたいんだけど」
ミラロゥはあまりいい顔をしなかった。
「無理をしないほうがいい。まだ、様子を見たほうが」
「午後からでもいいから」
「うーん」
「っていうか、先生もそろそろ仕事に行かなきゃじゃないの? こんなに休んで大丈夫なの」
「つがいのために休みを取らないアルファは、社会的に信用されない」
「そ、そういうもん?」
僕はチラッと先生の顔を窺った。無理してでも行きたい理由がちゃんとあるんだ。
「実は今日、ビィくんの最後の登校日なんだよ。授業が終わる時間に合わせて、ちょっとだけでもいいから。あのとき、ビィくんが音楽を止めてくれただろ? お礼を言いたくて」
「……そうだな。借りは返しておかないと後で面倒なことになりそうだ」
「借り?」
「あの場でもっとも適切な行動をとったのは、彼だ」
僕は思わずふきだした。ミラロゥが子供っぽい顔で拗ねたから。
「先生の声も、ちゃんと聞こえてたよ。あれで僕、自分でもどうにかしようってがんばれたんだから」
その結果、負荷がかかって熱暴走を起こしたようだけど。さいわいケガはなかった。
「わかった。時間になったら起こすから、食べたらもうすこし休みなさい。マンガはほどほどに!」
僕はへらっと笑って返事を避けた。
この二日間、スマホを取り上げて寝かしつけたい先生と、マンガで免疫力を高める民間療法を実践したい僕とで、じゃっかん揉めたのでね。
「私はここで待っているから」
ミラロゥは学校の近くに車をとめて、車内で待つと言う。ほかの生徒への配慮だろう。学校側にもここに車をとめますと一報入れていたから。
僕は先生の車と、下校する生徒たちが見える位置に立って、ビィくんが出てくるのを待った。
途中クラスメイトを見つけて、声をかける。
「ビィくんってまだいるかな」
「あ、ルノンだ。ちょっと待ってて呼んでくる。ビィ、ルノンが来たよ!」
あー、大声出して。叱られるぞ。
待つほどもなく、ビィくんが僕を見つけて駆け寄ってきた。いつものように、ほかの子たちを引き連れていた。
「ルノン! 良かった、会えた! 体は? ケガは?」
「すこし熱が出たけど、もう下がった。ケガもないよ」
「ごめん、ルノン。俺が無理やり連れ回したから……。あんなことになって」
「ビィくんのせいじゃないよ! 絡んできた奴らが悪い! それに、あのとき、音楽を止めてくれただろう? あのおかげでケガもなかった。ありがとう。おかげで助かったよ」
「ルノンが、またあの怖い状態になっちゃったんだって、わかったから」
「叱られなかった?」
「ちょっとね。けど、ルノンが無事で本当によかった」
ビィくんはホッとした様子で、顔をクシャッとさせて笑っている。
胸がじんわりと温かくなった。
「ミラロゥに連絡を入れてくれたことも、ありがとう」
「それ、あの人にも言われたんだよな。俺のこと、怒らなかった。ルノンのこと危険な目に合わせたのに」
「怒らないよ。ビィくんは悪くないから」
それでもまだ納得できないらしい。僕と目を合わせづらいようだ。
「ビィくんと一緒に出かけたこと自体は、僕、楽しかったんだよ」
「本当に?」
ビィくんハッと顔をあげた。
「うん。一緒に周って楽しかった」
請け負うと、彼ははにかんだ。
ほんと、いい子だな。頭を撫でてあげたくなったけど、子供扱いすると怒るから、親しみを込めて軽くハグをする。
「もう行かなきゃ。ビィくん。元気でね」
真っ赤になったビィくんに手を振り車に戻ると、ミラロゥにチロリと睨まれてしまった。
「先生、子供だよ?」
「それはわかってる。わかってないのは、君だけだよ」
ミラロゥは深くため息をついた。
「せ、先生どうしよう」
「踊るしかないだろうな。大丈夫、ルノン。いつもみたいに踊れば、それだけで君のダンスは充分に魅力的だから」
「それ言うの先生だけだからね」
展望公園にみっちりと人が詰めかけている。三百人はいるんじゃないか。
クラスの発表さえも、緊張して上手くしゃべれなかった。思い出しただけで、ヒュッと身の縮む思いがする。
「落ち着いて、ルノン。ここで踊らなければもっとヒドイことになる」
ヒドイことってどんなことだろう。暴動とか?
「君とも、一緒に暮らせなくなるかもしれない」
「踊る」
僕は顔をあげた。
ミラロゥと暮らせなくなる? それ以上のヒドイことなんてこの世界に存在しないだろ。
決意したならすぐに行動だ。僕はステージの真ん中に立ち、音声ブースに合図を送った。
流れ始めたのは、女性ボーカルのポップソングだ。
こんな大勢の人の前で、ダンスを披露する羽目になるなんて、ほんと人生なにがあるかわからない。けど大丈夫。たった数分間、恥をさらすだけだ。
いざ!
「おい、クイーン真面目に踊れ!」
「なめてんのか!」
「それであんなジャッジしたのか!」
はい。ものの数十秒でブーイングの嵐になりましたとさ。
僕はムッとしながら踊り続けた。正真正銘、手なんて抜いてない。普通に踊ってる。
「はっはっは! 今回のクイーンは冗談がお好きらしい。では気を取り直して、リスタート!」
僕はギョッと司会者を見る。やりなおしなんて嘘だろ。
だが、ハイテンションとは裏腹のマジな顔で頷かれてしまった。
今日は、いつになく遊びまわった。ミラロゥを待つあいだ、色んな所から圧を受けてすごく疲れた。
ミラロゥの顔を見てホッとして、彼のダンスに興奮して、ようやく解放されると思ってたんだ。
ぷしゅんと空気が抜けちゃったんだよ。代わりに砂でも入ったみたいに体が重い。
突っ立ったまま動かない僕に対して、非難の声はさらに高まる。
うるさいなあ。
そもそも、なんでこんなことになったんだっけ。帰るって言ったのに、帰らせてくれなかったのはそっちだろう。
もう帰りたい。これって本当に僕が踊る必要ある?
自動舞踏制御がもっと使える機能だったらな。
恨み節のついでにチラッと考えただけだ。それなのに、誤タップで起動するアプリみたいな軽率さでモードが切り替わった。
嘘だろ。
つぶやく暇もなく、体のコントロールを奪われる。
ガクンと膝が落ちて、すぐに持ち上がる。二度も三度も。太ももの裏に負荷がかかる。首がグギッと音を立てる。この機能やっぱり、僕の体を大事にしてくれない。
会場はすごく盛り上がってる。僕が踊る以上に。
面倒だな、このままなりゆきに身を任せちゃおうか。弱気になったそのときだ。
会場のほうからビィくんの声が聞こえた。
「音を止めて! あれじゃルノンがまた怪我をしちゃう!」
帰ったんじゃなかったのか!
続けて、ミラロゥの声も僕に届いた。
「ルノン! しっかりするんだ。こっちを見ろ!」
くるりと回った一瞬、ミラロゥの顔が見えた。また心配させちゃってる。その瞬間、僕は我に返った。
そうだ。操られてる場合じゃないぞ。これでまた怪我でもしてみろ。先生とイチャイチャできないじゃないか!
僕は必死に抵抗を試みた。相手がアプリと仮定して、音量を下げるように、シンクロ率を下げるんだ。調整バーを最小に持っていくイメージをする。
体にすこしだけ力が入った。いいぞ。抗ってやるんだ。なにがオートモードだ。この体は、僕のものだ!
だけどコレ、すごく苦しい。いつまで抵抗できるだろうか。こめかみがミチミチ痛くなって、全身を汗が伝った。
「いいから止めろって言ったんだよ!」
ビィくんと、あの気の良いにーちゃんたち。彼らが音声ブースに乱入しているのがチラリと見えた。
音楽がブツっと途切れて、僕の体が崩れ落ちる。地面に衝突する前にミラロゥが支えてくれたようだ。
「借りができたな……」
そんなふうに彼はつぶやいていたと思う。そこから先の記憶はない。どうやらまた気を失ってしまったらしい。
僕は熱を出して二日間ほど寝込んだ。ミラロゥはそのあいだ休みを取って、せっせと僕の看病をした。
三日目にはさすがに起きられそうだった。パジャマのまま居間に行き、僕は先生に言ってみた。
「先生、今日は学校に行きたいんだけど」
ミラロゥはあまりいい顔をしなかった。
「無理をしないほうがいい。まだ、様子を見たほうが」
「午後からでもいいから」
「うーん」
「っていうか、先生もそろそろ仕事に行かなきゃじゃないの? こんなに休んで大丈夫なの」
「つがいのために休みを取らないアルファは、社会的に信用されない」
「そ、そういうもん?」
僕はチラッと先生の顔を窺った。無理してでも行きたい理由がちゃんとあるんだ。
「実は今日、ビィくんの最後の登校日なんだよ。授業が終わる時間に合わせて、ちょっとだけでもいいから。あのとき、ビィくんが音楽を止めてくれただろ? お礼を言いたくて」
「……そうだな。借りは返しておかないと後で面倒なことになりそうだ」
「借り?」
「あの場でもっとも適切な行動をとったのは、彼だ」
僕は思わずふきだした。ミラロゥが子供っぽい顔で拗ねたから。
「先生の声も、ちゃんと聞こえてたよ。あれで僕、自分でもどうにかしようってがんばれたんだから」
その結果、負荷がかかって熱暴走を起こしたようだけど。さいわいケガはなかった。
「わかった。時間になったら起こすから、食べたらもうすこし休みなさい。マンガはほどほどに!」
僕はへらっと笑って返事を避けた。
この二日間、スマホを取り上げて寝かしつけたい先生と、マンガで免疫力を高める民間療法を実践したい僕とで、じゃっかん揉めたのでね。
「私はここで待っているから」
ミラロゥは学校の近くに車をとめて、車内で待つと言う。ほかの生徒への配慮だろう。学校側にもここに車をとめますと一報入れていたから。
僕は先生の車と、下校する生徒たちが見える位置に立って、ビィくんが出てくるのを待った。
途中クラスメイトを見つけて、声をかける。
「ビィくんってまだいるかな」
「あ、ルノンだ。ちょっと待ってて呼んでくる。ビィ、ルノンが来たよ!」
あー、大声出して。叱られるぞ。
待つほどもなく、ビィくんが僕を見つけて駆け寄ってきた。いつものように、ほかの子たちを引き連れていた。
「ルノン! 良かった、会えた! 体は? ケガは?」
「すこし熱が出たけど、もう下がった。ケガもないよ」
「ごめん、ルノン。俺が無理やり連れ回したから……。あんなことになって」
「ビィくんのせいじゃないよ! 絡んできた奴らが悪い! それに、あのとき、音楽を止めてくれただろう? あのおかげでケガもなかった。ありがとう。おかげで助かったよ」
「ルノンが、またあの怖い状態になっちゃったんだって、わかったから」
「叱られなかった?」
「ちょっとね。けど、ルノンが無事で本当によかった」
ビィくんはホッとした様子で、顔をクシャッとさせて笑っている。
胸がじんわりと温かくなった。
「ミラロゥに連絡を入れてくれたことも、ありがとう」
「それ、あの人にも言われたんだよな。俺のこと、怒らなかった。ルノンのこと危険な目に合わせたのに」
「怒らないよ。ビィくんは悪くないから」
それでもまだ納得できないらしい。僕と目を合わせづらいようだ。
「ビィくんと一緒に出かけたこと自体は、僕、楽しかったんだよ」
「本当に?」
ビィくんハッと顔をあげた。
「うん。一緒に周って楽しかった」
請け負うと、彼ははにかんだ。
ほんと、いい子だな。頭を撫でてあげたくなったけど、子供扱いすると怒るから、親しみを込めて軽くハグをする。
「もう行かなきゃ。ビィくん。元気でね」
真っ赤になったビィくんに手を振り車に戻ると、ミラロゥにチロリと睨まれてしまった。
「先生、子供だよ?」
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