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王都
23 露店デビュー
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大道芸コーナーから風に巻かれた紙吹雪が降ってくる。
その浮かれ切った喧騒は旅人用の商品を多く扱うここからは遠い。
多くの露店が雨が降っても続けられるように屋根布をかける中、俺は四角い敷布の四隅に先端に丸い穴の開いた棒を四本立てた一風変わった露店を出していた。
一般的に机を置いていない露店は客を屈ませねばならず、不人気だ。
それを許されるのは例え屈んでもいいほ魅力的な商品を並べられるヤツか口が上手いヤツ。さもなければ露店用の机も買えない貧乏人だ。
多くの露天商は俺が餓鬼と見るや否や露店机どころか屋根布も買えない貧乏人と断じたようで、こちらを冷めた目で見ている。
俺が敷き布の上に座っているだけで敷き布の上に商品を置いていないと分かるとさらに迷惑そうな顔をした。
その中でほんの一握りだけ、俺を見て面白そうな顔をしている商人に目をやって一人ひとりチェックする。彼らは将来有望株として顔を覚えておこう。
しばらくすると王都への乗合馬車の一団がガヤガヤとやってくる。
彼らには大抵馴染みで信頼できる定宿があり、王都につくと宿にまとめて荷物を置いていくために一番最初に旅具など露店で帰りの日持ちする食料などを買っていく。
その一団が俺の露店あたりに着始めたあたりで俺は小脇に置いていた柏木を打ち鳴らした。
ぎょっとして多くの人が振り返るのに構わずに俺は口上を始める。
「東西、とぉ~ざいぃ~いぃい~。さて! このお日柄のよい本日、わたくしが皆様のためにお持ちいたしましたのは、こちら!このズボンのように見えるとても便利な一品!」
すっと立ち上がって自分の腰に手を当てて、あたりを見渡しながら大きな声で口上をあげていく。
「この腰に三つ連なりましたる色鮮やかな腰ひもは、ただのおしゃれじゃございません」
手芸用品店で買った赤、青、黄色のハチマキ状の腰紐を指差して、いかにも何かやらかすぞといった言いまわして声を張り上げると、興味をひかれたのか乗合馬車の一団のみならず多くのお客がこちらへふらふら寄ってくるのが見える。
「こちらの腰布、ズボンに見える下の布とつながっておりまして、一番下のこの赤い腰ひもを外しますと、ほら、デローンとこのようにただの一枚の布になっているのがわかりますね。」
実際にやって見せると、さっきまで普通のズボンに見えていたものがたった一枚の布になったのが不思議だったのか、おーっと小さく歓声が上がった。
「両足首の布と同色の紐を解いてみると、ほら、紐こそついているものの、この通り本当にただの布。でもこれがびっくりするほど便利なんです」
俺が作ったのは時代劇なんかで見た昔の人が履いているズボンにも頭巾にもなる便利布だ。
日本ではパンツ丸見えになるから作っても履けなかったけど、こっちじゃそんなの男だったら気にしないから問題ない。
さっと広げてみせると、本当にびっくりするぐらいただの布だったことに何人かは少し興が覚めたような顔をしている。
ふっふっふ、これめっちゃ便利だからここで早合点して帰ったらもったいないぜ。
「さてこの布、ズボンになるだけじゃないんです。この足首に巻いていた紐を腰布の先端の穴に通して、これを上から毛布みたいに被ります。そしてこの足紐を脇の下からくぐらせて、背中側で結べばこの通り、あっという間に上着に大変身。しかもほら! このとおり!」
掛け声を上げて、まるで今しがた『アイテムボックス』や『収納(中)』から取り出したように、拠点から『移動』させた背負い籠をすっと背負って見せると、後ろが空いているので背負い籠がすっぽり収まる。布も厚めで丈夫な布なのでたとえ雨が降ってもすぐダメになることがない。それを理解した客からわっと沸いた。雨具がずっと荷物を占領するのは旅人にとってとてもストレスなのだ。
「まだまだ、これで驚いていちゃあいけません」
それからさっと上着を脱いで今度は青い腰ひものズボンを解く。青い腰ひもの便利布はホムセン先生の麻布を解いて作った原価安めの布だ。
「この一番涼し気な麻布のものにはほら、こんな風に中途半端なところに足紐とは別に紐がついているでしょう?」
布の長い辺にそれぞれ片側に寄った変な位置に細い紐がついている。
「この紐を持って、腰に巻いて」
その結んだ紐をくぐすように内側に垂れた足紐を結んで、結び目を背中側に回す。そうして半筒のように出来た部分に、袖のように腕を通す。
「こうして紐を通してやるだけで、全く違う服になる」
インターネットで薄手のスカーフを手順通りに結ぶと女性用のチュニックになる動画にあったこの服が、ちょうど行商人が重ね着する服の形とよく似ていたので混ぜてみた。
「これならズボンを三枚重ねるのに抵抗のある人でも、こうして三枚持ち歩ける。えっ、どうして三枚持ち歩かなくちゃいけないかって? よくぞ聞いてくれました」
そういって最後の黄色の腰ひもに手をかける。黄色の腰ひもに縫い込んだ布こそが、ハインリヒ商会で売り込んできた布製防水シート製の布だ。
「こちら! ハインリヒ商会で本日入荷したばかりの新商品を特別にこちらであつらえました、その名も防水便利布!」
はい、そこ。ネーミングセンスそのまんまかとか言わない。わかりやすさを重視した結果です。
紐を解いた防水シート製の布をバッと広げて、隅々の人まで見えるように左右に揺らして掲げて見せる。
「こちらの商品はなんと! ハインリヒ商会肝いりの! ほとんど水通さない優れもの!」
適当ブッコいてるわけじゃなくて、ちゃんとハインリヒ商会とそういう独占契約を交わしてきたのだ。
オレ ウソツカナイ。
「こちらの商品を、先ほどの雨具のように使う方法で使うのも可能ですが、それだけじゃあもったいない! このように三枚、まとめて、結んでいくと」
そう言いながら三枚とも足紐同士を結んで一枚の布に仕上げるとそのまま、大きい箱を二つ『移動』させてその上に乗って四隅の棒に布をくくりつけた。
すると天井しか覆えない厚みもばらばらの見栄えの悪い屋根布になった。
「この通り、ちょっと見栄えの悪い屋根布にもなる。もちろんこれは子供の俺のサイズの話。これが大人サイズの布なら……」
拠点から全て繋げ済みの大人サイズの布を、丁度屋根布の上に『移動』させる。すると、真ん中が防水布、背中側が厚めの布、客側に麻布がそれぞれ来て、麻布は防塵用の布のようになり、背中側の厚めの布は防犯用の背後布になった。
「御覧の通り、ちょっとくらい雨が降ってもびくともしないような立派な屋根布になる。行商人こんなに便利な布は、他じゃちょっと見つけられないよ」
しばし、お客たちはポカンとした。
俺は続けざまに三つをそれぞれ、麻布は上着よりちょっと安め、厚めの布はズボンよりちょっと安め、防水布はテントよりちょっと安めな値段であることを強調しながら値段を告げると、皆我に返ったように注文し始める。
俺は箱を机代わりにお客の注文通りの枚数を、箱の中に『移動』させながら詰めていく。
「これ! このちっちゃいほうの袋はおまけだから! 中に日持ちするお菓子が入ってるから、もしも気に入ったら袋に書いてある地図の飯屋に行ってみて! そこで売ってる奴だから!」
このおまけはマシュマロ、ミックスナッツ、シリアルを細かく砕いて混ぜて作る自家製お手軽エネルギーバーだ。この世界にも膠(ゼラチンの元)が存在しているし、他の物も実在を確認済み。頑張れば作れるから流通させることにした。安定した場所で飯を食えるかもわからない行商人に、片手で食えて良質な脂質と糖分を含んだエネルギーバーは打ってつけだ。
ついでにこのエネルギーバーはアンナちゃんの家の飯屋で委託販売している。前回会った父親のケツをひっぱたいてクランリーダーを書類の不備ということで父親に変更して、そのうえで委託販売の売れ高三割を手数料として支払う契約を交わした。干し肉なんかの客を分捕るわけにはいかないから干し肉袋一杯分とエネルギーバー一本が同じ値段にしてあるから、三割はなかなかの値段だ。さすがに父親の飯がまずかったらそんなことをしても焼け石に水だったけど、口だけじゃなくてちゃんとご飯が美味しくてよかった。
これでとりあえず閑古鳥が鳴くことは無いだろう。
この後も屋台の骨組みは斜め向かいの店のがいいだとか、本格的なテントなら三軒隣の露店がおすすめだとか、いろいろお勧めしていたら“売るのはうまいが人のおすすめばかりしてる変な餓鬼”という実に納得いかない評価を得てしまった。
ちぇ、ちょっとでも楽しく行商したいじゃん。
「本当にあんな子供信じてよかったんですか?」
「やめなさいフランツ。ハインリヒも考えあってのことです」
「お前、あの布。もしも手元にあったら何に使う?」
「そりゃ、テントとか雨具とか?」
「だよなぁ。あの坊主、袋に土詰めて川の氾濫を抑えるのにも使えるとか言いやがってよ」
「えっ、それって……」
「ええ、彼はハインリヒが反戦派・中立派、特に災害などの支援に力を入れている貴族に恩を売って取り入っているのに気づいたうえで交渉を持ちかけてきています」
「それだけじゃなくて『雨を恐れない兵士って怖いと思うから売る先には考えてくれ』だとよ。俺が反戦派の庇護下で勢力伸ばしてなきゃ出来ねぇこと言って帰りやがった」
「……あの子怖いもの知らずですねぇ」
「そこが彼のよいところです」
「……なんかデニスさん、あの子に評価甘くありません?」
「ははっ、そりゃあんだけ泣かせりゃな」
「ハインリヒ!」
その浮かれ切った喧騒は旅人用の商品を多く扱うここからは遠い。
多くの露店が雨が降っても続けられるように屋根布をかける中、俺は四角い敷布の四隅に先端に丸い穴の開いた棒を四本立てた一風変わった露店を出していた。
一般的に机を置いていない露店は客を屈ませねばならず、不人気だ。
それを許されるのは例え屈んでもいいほ魅力的な商品を並べられるヤツか口が上手いヤツ。さもなければ露店用の机も買えない貧乏人だ。
多くの露天商は俺が餓鬼と見るや否や露店机どころか屋根布も買えない貧乏人と断じたようで、こちらを冷めた目で見ている。
俺が敷き布の上に座っているだけで敷き布の上に商品を置いていないと分かるとさらに迷惑そうな顔をした。
その中でほんの一握りだけ、俺を見て面白そうな顔をしている商人に目をやって一人ひとりチェックする。彼らは将来有望株として顔を覚えておこう。
しばらくすると王都への乗合馬車の一団がガヤガヤとやってくる。
彼らには大抵馴染みで信頼できる定宿があり、王都につくと宿にまとめて荷物を置いていくために一番最初に旅具など露店で帰りの日持ちする食料などを買っていく。
その一団が俺の露店あたりに着始めたあたりで俺は小脇に置いていた柏木を打ち鳴らした。
ぎょっとして多くの人が振り返るのに構わずに俺は口上を始める。
「東西、とぉ~ざいぃ~いぃい~。さて! このお日柄のよい本日、わたくしが皆様のためにお持ちいたしましたのは、こちら!このズボンのように見えるとても便利な一品!」
すっと立ち上がって自分の腰に手を当てて、あたりを見渡しながら大きな声で口上をあげていく。
「この腰に三つ連なりましたる色鮮やかな腰ひもは、ただのおしゃれじゃございません」
手芸用品店で買った赤、青、黄色のハチマキ状の腰紐を指差して、いかにも何かやらかすぞといった言いまわして声を張り上げると、興味をひかれたのか乗合馬車の一団のみならず多くのお客がこちらへふらふら寄ってくるのが見える。
「こちらの腰布、ズボンに見える下の布とつながっておりまして、一番下のこの赤い腰ひもを外しますと、ほら、デローンとこのようにただの一枚の布になっているのがわかりますね。」
実際にやって見せると、さっきまで普通のズボンに見えていたものがたった一枚の布になったのが不思議だったのか、おーっと小さく歓声が上がった。
「両足首の布と同色の紐を解いてみると、ほら、紐こそついているものの、この通り本当にただの布。でもこれがびっくりするほど便利なんです」
俺が作ったのは時代劇なんかで見た昔の人が履いているズボンにも頭巾にもなる便利布だ。
日本ではパンツ丸見えになるから作っても履けなかったけど、こっちじゃそんなの男だったら気にしないから問題ない。
さっと広げてみせると、本当にびっくりするぐらいただの布だったことに何人かは少し興が覚めたような顔をしている。
ふっふっふ、これめっちゃ便利だからここで早合点して帰ったらもったいないぜ。
「さてこの布、ズボンになるだけじゃないんです。この足首に巻いていた紐を腰布の先端の穴に通して、これを上から毛布みたいに被ります。そしてこの足紐を脇の下からくぐらせて、背中側で結べばこの通り、あっという間に上着に大変身。しかもほら! このとおり!」
掛け声を上げて、まるで今しがた『アイテムボックス』や『収納(中)』から取り出したように、拠点から『移動』させた背負い籠をすっと背負って見せると、後ろが空いているので背負い籠がすっぽり収まる。布も厚めで丈夫な布なのでたとえ雨が降ってもすぐダメになることがない。それを理解した客からわっと沸いた。雨具がずっと荷物を占領するのは旅人にとってとてもストレスなのだ。
「まだまだ、これで驚いていちゃあいけません」
それからさっと上着を脱いで今度は青い腰ひものズボンを解く。青い腰ひもの便利布はホムセン先生の麻布を解いて作った原価安めの布だ。
「この一番涼し気な麻布のものにはほら、こんな風に中途半端なところに足紐とは別に紐がついているでしょう?」
布の長い辺にそれぞれ片側に寄った変な位置に細い紐がついている。
「この紐を持って、腰に巻いて」
その結んだ紐をくぐすように内側に垂れた足紐を結んで、結び目を背中側に回す。そうして半筒のように出来た部分に、袖のように腕を通す。
「こうして紐を通してやるだけで、全く違う服になる」
インターネットで薄手のスカーフを手順通りに結ぶと女性用のチュニックになる動画にあったこの服が、ちょうど行商人が重ね着する服の形とよく似ていたので混ぜてみた。
「これならズボンを三枚重ねるのに抵抗のある人でも、こうして三枚持ち歩ける。えっ、どうして三枚持ち歩かなくちゃいけないかって? よくぞ聞いてくれました」
そういって最後の黄色の腰ひもに手をかける。黄色の腰ひもに縫い込んだ布こそが、ハインリヒ商会で売り込んできた布製防水シート製の布だ。
「こちら! ハインリヒ商会で本日入荷したばかりの新商品を特別にこちらであつらえました、その名も防水便利布!」
はい、そこ。ネーミングセンスそのまんまかとか言わない。わかりやすさを重視した結果です。
紐を解いた防水シート製の布をバッと広げて、隅々の人まで見えるように左右に揺らして掲げて見せる。
「こちらの商品はなんと! ハインリヒ商会肝いりの! ほとんど水通さない優れもの!」
適当ブッコいてるわけじゃなくて、ちゃんとハインリヒ商会とそういう独占契約を交わしてきたのだ。
オレ ウソツカナイ。
「こちらの商品を、先ほどの雨具のように使う方法で使うのも可能ですが、それだけじゃあもったいない! このように三枚、まとめて、結んでいくと」
そう言いながら三枚とも足紐同士を結んで一枚の布に仕上げるとそのまま、大きい箱を二つ『移動』させてその上に乗って四隅の棒に布をくくりつけた。
すると天井しか覆えない厚みもばらばらの見栄えの悪い屋根布になった。
「この通り、ちょっと見栄えの悪い屋根布にもなる。もちろんこれは子供の俺のサイズの話。これが大人サイズの布なら……」
拠点から全て繋げ済みの大人サイズの布を、丁度屋根布の上に『移動』させる。すると、真ん中が防水布、背中側が厚めの布、客側に麻布がそれぞれ来て、麻布は防塵用の布のようになり、背中側の厚めの布は防犯用の背後布になった。
「御覧の通り、ちょっとくらい雨が降ってもびくともしないような立派な屋根布になる。行商人こんなに便利な布は、他じゃちょっと見つけられないよ」
しばし、お客たちはポカンとした。
俺は続けざまに三つをそれぞれ、麻布は上着よりちょっと安め、厚めの布はズボンよりちょっと安め、防水布はテントよりちょっと安めな値段であることを強調しながら値段を告げると、皆我に返ったように注文し始める。
俺は箱を机代わりにお客の注文通りの枚数を、箱の中に『移動』させながら詰めていく。
「これ! このちっちゃいほうの袋はおまけだから! 中に日持ちするお菓子が入ってるから、もしも気に入ったら袋に書いてある地図の飯屋に行ってみて! そこで売ってる奴だから!」
このおまけはマシュマロ、ミックスナッツ、シリアルを細かく砕いて混ぜて作る自家製お手軽エネルギーバーだ。この世界にも膠(ゼラチンの元)が存在しているし、他の物も実在を確認済み。頑張れば作れるから流通させることにした。安定した場所で飯を食えるかもわからない行商人に、片手で食えて良質な脂質と糖分を含んだエネルギーバーは打ってつけだ。
ついでにこのエネルギーバーはアンナちゃんの家の飯屋で委託販売している。前回会った父親のケツをひっぱたいてクランリーダーを書類の不備ということで父親に変更して、そのうえで委託販売の売れ高三割を手数料として支払う契約を交わした。干し肉なんかの客を分捕るわけにはいかないから干し肉袋一杯分とエネルギーバー一本が同じ値段にしてあるから、三割はなかなかの値段だ。さすがに父親の飯がまずかったらそんなことをしても焼け石に水だったけど、口だけじゃなくてちゃんとご飯が美味しくてよかった。
これでとりあえず閑古鳥が鳴くことは無いだろう。
この後も屋台の骨組みは斜め向かいの店のがいいだとか、本格的なテントなら三軒隣の露店がおすすめだとか、いろいろお勧めしていたら“売るのはうまいが人のおすすめばかりしてる変な餓鬼”という実に納得いかない評価を得てしまった。
ちぇ、ちょっとでも楽しく行商したいじゃん。
「本当にあんな子供信じてよかったんですか?」
「やめなさいフランツ。ハインリヒも考えあってのことです」
「お前、あの布。もしも手元にあったら何に使う?」
「そりゃ、テントとか雨具とか?」
「だよなぁ。あの坊主、袋に土詰めて川の氾濫を抑えるのにも使えるとか言いやがってよ」
「えっ、それって……」
「ええ、彼はハインリヒが反戦派・中立派、特に災害などの支援に力を入れている貴族に恩を売って取り入っているのに気づいたうえで交渉を持ちかけてきています」
「それだけじゃなくて『雨を恐れない兵士って怖いと思うから売る先には考えてくれ』だとよ。俺が反戦派の庇護下で勢力伸ばしてなきゃ出来ねぇこと言って帰りやがった」
「……あの子怖いもの知らずですねぇ」
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「ハインリヒ!」
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