悪役令嬢はゴブリンに愛される

ほのじー

文字の大きさ
20 / 23
メラニーの花嫁修業!!

久々の再会

しおりを挟む
夜、メラニアは今日も濡らしたタオルで汚れを落とす。使用人は時間があまりないので、お風呂には週に一度しか入らないそうだ。


メラニアは髪の毛も水に濡らしてタオルドライをし、寝る準備をしていた。



(今日もウィルに会えなかったわ・・・)



メラニアは布団にもぐりこんだ。この硬いベッドにももう慣れてしまったようだ。しかしウィリアムの温もりがどうしても忘れられない。



ーボーーン



部屋の時計が真夜中の十二時を指した。少しメラニアは目眩がした気がする。




(あれ・・・なんだかベッドが大きくなった?)



メラニアはキョロキョロと辺りを見回す。棚も大きくなってるし、部屋も大きくなってるようだ。



(なにかが変だわ・・・)




メラニアはふっと自分の手を見た。なんとその手は金色の毛で覆われていて、肉球が付いていた。




「みゃーーーーーー!!!(どういうことー!!!)」




メラニアは鏡に飛び乗った。金色のふさふさの長毛に覆われ短い手足の猫の姿が鏡に写っていたのだ。


(ペルシャ猫だわ・・・)



メラニアはしばらくどうしようか考えたが、外に出てみることにした。初めは猫の姿に慣れず、泥に足を取られて転んでしまった。



(うぅ・・・慣れないわ)



ーテクテク



(こんなゆっくり王城を歩くのは初めてね)



メラニアは毎日が忙しく、王城の美しい庭や、池に目を向ける暇はなかった。



(わぁ・・・池の中に猫が映ってる)



池に反射する泥んこになった猫の顔がゆらゆらと水面で揺れていた。肉球で自分の顔をペチペチと叩いてみたが、夢ではなさそうだ。



「みゃぁ・・・(どうしよう)」



メラニアはとぼとぼとさ迷っていた。



(迷子になっちゃった・・・)




「ん?猫か?」



メラニアの前に大きな影ができる。メラニアは前からやってきた大きな足に気づかずぶつかってしまう。


「みゃーーー!!(痛っ!!)」



上を見上げるとゴブリン姿のウィリアムがいたのだ。


「みゃぁお!!(ウィルー!!会いたかった!)」
「ん・・・?こんな醜いゴブリンにお前はなついてくれるのか」


ウィリアムはメラニアをそっと抱き上げる。



「なんだかお前はメラニーのような匂いがするな・・・」


クンクンとウィリアムはメラニアの匂いを嗅ぐ。



「みゃ、みゃぁ~(やだ、最近ちゃんとお風呂入ってないのに)」



恥ずかしがったが、ウィリアムは彼の部屋にメラニアを連れていった。



「ここは俺が夜、体が変化しているのを隠すために出入り禁止にしている北の棟なのに、どうやって入ってきちゃったのかな」
「みゃぁ(そうだったのね)」



ウィリアムの部屋はシンプルだが広く、彼らしい書斎の周りは魔術書で溢れていた。以前と変化しているのは政治的書類も多く含まれているところだ。



「う~ん、猫ちゃんは少し汚れているなぁ。洗ってあげよう」
「みゃぁぁあ(洗わなくていいから!)」



ウィリアムはメラニアの訴えもむなしくメラニアを大きな浴場に連れていき、石鹸を泡立ててメラニアをゴシゴシと擦った。



「みゃぁ~(気持ちいい~)」


しばらく入れなかったお風呂に体が弛緩してくる。


「かわいいなぁ。瞳も仕草もメラニーにそっくりだ」


ウィリアムはお尻や股の間も洗っていた。



「みゃぁ、みゃぁ~(そこはだめ~)」


メラニアは恥ずかしくなりペチペチとウィリアムを殴ったが、ウィリアムにとって、そのパンチはじゃれているのだと感じる程度だ。メラニアは目の前のウィリアムの下半身が目の前に見えたが、その股間は大きく盛り上がっていた。


(な、なんで!?)



「ぐっ・・・メラニーに会えないからって・・・メラニーにそっくりな猫に興奮しちゃうなんて・・・」



ウィリアムは自身の肉棒を取り出し扱き出す。



(ウィル・・・私のこと思ってくれてるのね・・・)


メラニアは台に乗ってウィリアムの股間に近づき、彼の大きくなったソレをペロペロと舐めた。



「はぁ・・・舐めてくれるのか・・・んん・・・舌使いもメラニーにそっくりだ」



ーペロペロペロペロ




「はぁ・・・はぁ・・・メラニー!!」



ウィリアムはメラニアを左手で抱きしめ、ゴブリンの大きな陰茎を自身の手で擦った。


「うぅ・・・出る!」




ウィリアムはメラニアにかからないよう白濁を浴槽に撒き散らした。




「ありがとう、猫ちゃん」


ウィリアムはメラニアの体を拭くと露になったキラキラと輝く毛に驚いた。



「本当にメラニアの髪の毛みたいに綺麗だ・・・そうだ、これを付けてあげよう」



ウィリアムは鈴の付いた赤い紐に魔法を掛けて、メラニアの首に着けた。


「ほら、これで僕のペットの証になるからね。迷子になってもここに届けてくれるだろう」



(私、猫のまま戻らなかったらどうしよう・・・)



「にゃー!(猫のまま一生ウィルのペットとして生きるなんて嫌!!)」



メラニアは部屋を飛び出した。



「猫ちゃん!!」



ウィリアムが追いかけるもメラニアは塀を飛び越え猛ダッシュで走り抜ける。気がつくと元の使用人の棟に戻っており、とぼとぼと自分部屋に戻った。



(ウィリアムが誰かと結婚して幸せになっていくのをペットとして一生見守らないとなんて、絶対嫌よ!!)



メラニアはむせび泣いた。泣きつかれてメラニアは眠ってしまった。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...