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サラ⑧

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(こんな気持ちいい行為、しらないっ)


「はぁん、はああああん」


彼の動きはサラをどうしようもないくらい焦らしていた。奥まで届いたときにはビリビリと電気が走るのだが、その杭はゆっくりと引かれ、次の刺激を待ち望むように中がキュッと締まってしまう。


(何もかも忘れて、ずっとこうしていたい)


ガイルにサラはキスをねだった。恋人同士でするような甘いキスに、サラは勘違いしてしまいそうになる。



(私・・・彼のこと愛してるんだわ)



憎んでいた彼を、サラは愛してしまったのだと気づく。彼と夜を共にした数週間は、サラの人生の中で一番充実していて心が満たされていた。


「はぁ、サラ、もう達しそうだ・・・」
「お願い、ガイル、中にちょうだい・・・」


ガイルはその言葉にピストンを速めた。先ほどより強い刺激に耐えれず爪が彼に食い込む程彼を抱きしめた。


「ぁあああああん、イく、イっちゃう!!」
「俺もイくっ・・・」


──ビュッ──



「はぁ・・・はぁ・・・」
「サラ、お前は俺のものだ・・・」


ガイルはサラに口づけた。ガイルはサラを後ろから抱きしめ、耳の後ろにもキスする。


「サラ、愛してる・・・」


意識がなくなる前に、そう聞こえた気がした。









「ん・・・」


サラが目を覚ますと背中に暖かい温もりを感じる。厚く逞しい胸板にサラはドキリとした。


「・・・ぁあ、起きたのか」
「お、おはようございます。シーガル伯爵っ」
「ガイル、だ」


ガイルはサラの額にキスをして起き上がった。寝癖がついて声が少ししわがれた彼は色気があり、サラはドキドキと鼓動を感じる。


「・・・やだ、使用人たちが出勤する時間だわ。早く戻らないと」
「もう少しいいじゃないか」
「だ、駄目です。家庭教師が主人の部屋にいたなんてバレたらどんなことを言われるか。お互いの名誉に関わります」
「そうか・・・わかった」


サラは服を急いで着替え、髪を留め眼鏡をかけた。ガイルの部屋まで送っていくというオファーを断り、そそくさと部屋に帰っていった。


(首筋にキスマークがついてるじゃない)


サラの首筋に赤い花弁のような模様がついていた。彼のものだという証のようで、サラは赤面する。


(でも・・・これで最後にしましょう)



彼に何度も抱きしめてほしい、しかし彼に抱かれるたびに、彼と離れがたくなってしまう。サラは嘘をついて家庭教師となった。名前も姓は偽名である。嘘で塗り固められた自分は彼の前から消えてしまうのが一番なのだ。


(レイラ様の家庭教師としての役割が終わるまで・・・嘘を突き通せるかしら)



レイラは気を引き閉めて仕事に向かった。

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