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多忙の理由
しおりを挟む「ヴォルティス様・・・ごめんなさい。ヴォルティス様・・・あれからエッチしてくれないから・・・」
「ああ・・・俺でオナニーするミサキは可愛くてつい何も言わずにそのまま寝た振りをしてしまった。すまない、俺も仕事に必死だったからミサキの欲求不満にも気づいてやれなかったな。でも昨日ようやく完成した。おいで、見せてあげる」
ヴォルティスは移転魔法を展開する。すると牧場のような場所に豚のような動物が走り回っていた。
「この魔物はビーノと言って、人間に近い細胞をしている。数匹にミサキの血を流し続けたら、このビーノからミサキの血にそっくりな血が流れだした。そしたら野生の悪魔たちもこの牧場に匂いにつられてやって来ていたよ」
「そんなことが・・・」
「ちょっと待ってね」
ヴォルティスはそのビーノから少し血を拝借して、移転でまた部屋に戻ってきた。そしてヴォルティスは複雑な魔術式が書いてある皿の上に乗せる。
「これは血に性欲の高ぶりを錯覚させる魔術式だ」
「そんなことが・・・できるの!?」
ーバンッ!!
ベルマンが部屋に押し入ってきた。
「うひょー!いい匂い!!なんでミサキの血があるの??僕飲んでいい?飲んでいいの??」
「ああ、いいぞベルマン」
ーペロペロ
「ああー!ミサキの血はいつ飲んでも旨いなぁー」
「それは良かった」
(ベルが・・・私の血だと思ってる・・・)
「ご馳走さまぁ、また僕眠くなってきたから、寝るねぇ」
Zzz・・・・
「全然気づいてなかったわね」
「そうだろう。これでミサキは毎週血を渡さなくて済む」
「・・・ヴォルティス様は・・・私の性欲をもう高めたくないんですか・・・?」
美咲は少し落ち込んだ。
(そんなに嫌だったんだ・・・)
「勘違いしないでくれ。俺はミサキの血を飲むベルマンにさえ、嫉妬してしまう嫉妬深い男なんだ」
「え・・・」
「これからも俺が魔術師であるかぎりベルマンに血を与えないといけない。ブラッドドネーターを派遣してもらうのはいいが、いつレディ・ミシェルのように君を貶めようとするか分からないし、だからといって君を犠牲にしたくはない」
ヴォルティスは美咲をぎゅっと抱きしめた。
「本当は・・・毎日でも抱きたいと思ってる。今だってほら」
美咲のお腹にヴォルティスの再び大きくなった部分が当たっていた。
「不安になったらいつでもまた感情を流してあげるから、ミサキもエッチな気分になって黙ってちゃだめだよ」
「っ・・・」
あれから美咲とヴォルティスの感情の交差を封印させた。感情が流れ込む感覚はとても気持ちよいのだが、さすがに普段の生活で支障があるのと、恥ずかしいものがあるので封印してもらったのだ。
(いっつもヴォルティス様のこと考えてるってバレるのも恥ずかしいわ・・・)
「ミサキ、今日は休みだろう?一緒に買い物に行こう」
「はい!」
「その前に・・・もう一回だけ・・・」
ヴォルティスは美咲に優しいキスをした。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「綺麗だ、ミサキ」
先ほどとは違い二人はゆっくりと高め合い、ヴォルティスは美咲の背中や首筋を丁寧に舐めた。
「ミサキ、ミサキ、愛してる・・・」
「ヴォルティス様・・・私も愛してます」
+
+
+
「ほら、ここはどうだ?」
「・・・ええ、とても素敵です。でも、なんで?」
ヴォルティスは買い物だと言って美咲をとある場所に連れていった。そこは森から一時間程の街中にあるお屋敷で、庭には噴水や花壇、畑のある大きな屋敷であった。
「ここを買おうと思うんだ」
「え・・・」
「ここの寝室に俺たちのベッドを置こう」
「ヴォ、ヴォルティス様?」
ヴォルティスは横にいた美咲の頭にキスをした。
「結婚しよう、ミサキ」
「け、結婚!」
「嫌か・・・?」
ヴォルティスは美咲の顔を不安そうに覗きこんだ。
「ぜ、全然嫌じゃないです!・・・本当に、私で良いんですか?」
「もちろん、ミサキじゃないと俺は嫌だ」
美咲は嬉しくて涙がホロリと落ちた。ヴォルティスは美咲の涙を拭い瞼にキスを落とす。
「じゃあ早速ベッドとか色々買わないとな」
「でも、森の家は?」
「薬草作りや実験に便利だからあの家は残しておくが、基本はこっちに住む予定だ」
「嬉しいです・・・私新居、夢だったんです」
庭の上に寝転んだ美咲をヴォルティスは眩しそうに見つめた。
「じゃ、早く家具を買いに行こう。すぐにでも君との新婚生活を楽しみたい」
「はい!!」
美咲とヴォルティスはその後、家具屋で色々と購入した。ヴォルティスはセンスがないからと、ほぼ美咲が決めたのだが。
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