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セルの看病
しおりを挟む「あ~ん」
「美味しいですか?セル副団長」
「うん、美味しいよ、もっとちょうだい?」
レイはセルにチョコレートでくるんであるクッキーを食べさせていた。まだ体調が良くないという理由で、セルがレイに食べさせてほしいと頼んだのだ。セルの両手は不自由ではないのだが、レイはそこに気がつかない。
「んんん・・・」
クッキーを食べさせる度に出るセルの艶かしい声にレイは顔が熱くなる。
(そんな色っぽい声出さないでよぉ~)
「んっ・・・」
時たまセルは、クッキーを摘まんだレイの指も舐める。そのゾクゾクとした感覚にレイは出そうになる声を我慢していた。
「ありがとう・・・レイちゃん、美味しかったよ。ごめんね、仕事増やしちゃって」
「い、いえ・・・」
レイの仕事にセルの看病も含まれるようになった。セルの自分の給金から、レイに少なくないボーナスを出してくれ、レイは多くの仕送りを家族にできるようになった。
(弟には・・・ちゃんといい学校出て欲しいもんね)
弟は今学生で、進学せずに働くと言っていたのだが、彼にはきちんとした教育を受けてから働いて欲しいと思っている。レイが騎士団で働くことにより給金もはね上がったおかげで、きちんと弟を学校に送り出せそうである。
「レイちゃん、ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
内緒話をするかのようにセルは小声となる。レイは耳をセルに近づけた。
「この発注書・・・送っておいてくれるかな」
セルはレイに、“バニーズカンパニー”と書かれている発注書を手渡した。
(っ・・・!!この業者は・・・エッチな玩具で有名なっ・・・)
さすが十八禁ゲームの世界である。このバニーズカンパニーでは、そういった道具をとことん揃えることができるのだ。
「も、も、もちろんです///」
レイの顔が真っ赤になる。発注書には乳首用バイブレーターと書かれていた。
(あぁ・・・これ・・・お仕置き乳首イベントに使うやつっ///)
ゲームの中で、セルがジェイクにお仕置きをしているシーンを思い出した。セル×ジェイは基本セルが攻めで、ジェイクが受けである。しかし時々ジェイクが攻めとなる場合もあり、両方楽しめるのだ。
(そういえば・・・そのスチル、セルが怪我してたかも)
レイは前世の記憶が所々曖昧で、ぼんやりとしか思い出せない。しかし、何かお仕置きと称してジェイクがセルに乳首バイブレータを付けられるのだ。
「あはは、レイちゃん顔が真っ赤。可愛いね。前世とかでこんな道具使ったことないの?」
前世は地味OLだ。仕事ができて、しっかりしているので同年代にはモテなかった。職場の上司と付き合ったことがあるのだが、彼はホテルでヤり終わればすぐに帰ってしまうようなドライな人であった。後日彼が妻子もちと分かり後味悪く終わっている。もう一人付き合った人は年下の無職の男性で、金銭面も尽くしてあげたにも関わらず、お金のある女社長に乗り換えられてしまったのだ。
(現世は男の人と付き合う暇もなかったしね)
「・・・道具は使ったことないです・・・」
「そっか、まあいずれ使うことになったら、癖になるよ」
「は、はぁ・・・」
レイは結婚適齢期までに結婚できればいいなと思ってはいるが、今は仕事が好きなので男と逢い引きなどする予定などない。騎士団の男性にも食事に誘われることがあるが、断っているのだ。そんなレイが道具を使うどころか、性行為を行う予定もないだろう。
「ごめんね、こんなこと頼んじゃって・・・これって、セクハラになっちゃうのかな・・・」
セルは眉毛をヘの字に下げて申し訳なさそうにレイを見た。こんな可愛らしい上司にお願いされれば断る人はいないであろう。
「だ、大丈夫です!!何でもお手伝いしますので、おっしゃって下さいね!!」
「よかった・・・色々頼みたいことがあったんだ・・・」
セルはヘニャリと笑った。その安心しきったような顔にレイは胸が締め付けられた。
──キュキュキュキュキューン
「レイちゃん・・・明日仕事終わったら・・・ジェイクとここに来てくれる?」
「は、はい。分かりました」
それから頼まれていたエッチなグッズの発注もきちんと終わら一段落した。午後の仕事について聞こうとジェイクの事務室をノックしようとするも、少しドアが開いていた。誰かいるのかとレイはちらりと覗く。
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