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友人=妃→前世持ちでした
しおりを挟む「レイちゃーん、大丈夫??」
「はっ・・・!!エリカさん・・・や、エリカ妃・・・私・・・気を失って・・・」
レイはソファーの上で、白いタオルを被せられて寝ていた。レオン王子は仕事でジェイクとセルに用事があるらしく、そこにはエリカだけである。ビッグはドアの近く立っており、会話は聞こえない距離だ。
「ごめんね、びっくりさせちゃったよね・・・」
「いえ・・・」
エリカは申し訳なさそうにレイに謝った。彼女は王子の妃であるのに、どこか気さくで、平民に対しても偉ぶった様子はない。そんな彼女を支持する者も多く、市民に愛されている。
「黙ってたこと、許してくれる・・・??」
「も、もちろんです」
「これからも友人として、仲良くしてくれるかしら・・・?」
「っ・・・こんな私で良ければ・・・喜んで!!」
エリカはレイをぎゅっと抱いた。二人は目を合わせて笑いあい、エリカが持参した高級そうなクッキーと共に、お茶を始めた。
「それより、レイちゃんって、前世持ちだったの?」
『ブブ──────ッ!!』
レイは口に含んだお茶を思い切り吹き出した。
「なっ・・・まさかっ・・・エリカ妃っ・・・」
「!!やっぱそうだ!!倒れる前、レイちゃん、契りのピアスって言ってたから!!これ知ってるのって、『BL城ファン』だけだもん」
エリカも前世持ちであると分かれば、ビッグとレオンのゲームとの違いに納得である。ゲーム上ではレオンは第二王子に国王の継承権を譲り、ビッグと駆け落ちするのだ。
(ってことはエリカ妃は白い結婚??でも、彼女、お子さん産んで・・・しかもレオン王子にそっくりだって聞いてるし・・・)
頭の中でぐるぐると駆け巡る。エリカはニヤリと笑い、レイに耳打ちした。
「もちろん息子はレオンの子よ。でもね、愛って色んな形があるの。レイちゃんもいずれ分かるわ」
これ以上聞くと、この国の王子と妃のプライバシー侵害にあたるのでレイはそれ以上は聞かないでおく。
「ちなみにレイちゃんはゲームで誰推しだったの?」
「・・・///」
レイは顔を真っ赤に染めた。エリカはその顔に笑顔となる。
「やだー!!まさかセル×ジェイ!?いや~、ここの仕事紹介するなんて私、グッジョブすぎる!!」
「わわわ、そんな、ゲームと現実とは違いますから!!」
レイは必死にフォローしようとする。しかしエリカに嘘は通じないようだ。
「で、実際の二人はどうなの??」
「・・・最高すぎますぅ・・・毎日鼻血でそうですぅ・・・」
「キャー!!いいないいないいな!!レイちゃん、一緒に見守り隊として、純愛を見守りましょうね!!」
「は、はいっ!!」
エリカは相当なゲームファンらしく、今でも様々なカップリングと覗き見しているそうだ。最近は王妃となりなかなか活動できないそうなのだが、子供を預けれるようになったので、時々遊びにくると約束した。
「で、そろそろ彼ら、乳首攻めイベントよねえ」
「・・・よく覚えてましたね・・・エリカ妃」
「もちろん!!『見守り隊』として当たり前よ」
レイがエリカに、怪我をしているセルの代わりに乳首バイブレータを発注したことをこっそり教えてあげた。エリカは大興奮でギャァァァ!!と叫んでいる。エリカとレイの様子をビッグが見て眉をしかめていた。
「二人の秘書的な役割しながら間近で観れるなんて・・・最高じゃない!!良かったわねえ」
「そ、そうですね・・・仕事大変ですけど・・・確かに私ラッキーですよね」
レイはエリカの言葉を聞いて、確かに今最高のポジションにいるのではないかと思った。せっかくゲームの世界に転生したのだ。見守り隊として頑張ってサポートしようと心に誓う。
「エリカ妃・・・私、二人の愛を守ってみせます!!」
「それでこそ見守り隊よ!!頑張ってね!!」
二人は再び“ヒシッ!!”と抱きしめあい、エリカは帰っていった。
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