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捜索

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「エリックらしき人物が馬車の小窓から見えたと言っている人が数名いました」
「幸いエリックは異国人で目立つから印象に残っていたのだろう、さらに情報を集めてくれ」


ライトはすぐにアクションを起こした。グレイ伯爵領から出ることができる橋や道をすべて封鎖し、ライトの戦士たちに捜索をさせ始めた。


「まだ見つからないのか・・・」
「ええ、その馬車はラブスエリアに入ってから、行方が分からなくなったそうです」


ラブスエリアは観光地となっており、馬車が行き交っている。高級ホテルも連なっており、戦後の有識者会議の参加者たちが滞在する場所でもある。


「これは、誰か大物が手引きをしてる可能性がある・・・奴が関わっていた人物は誰だ」
「ルビナス氏やハンゲル氏が、親しくしていたそうですが・・・」


(どちらもマカロ侯爵を支持している者だ)


ライトはマカロ侯爵の娘であるステファニーにアプローチされた日々を思い出した。彼女はライトに執着しており、既成事実を作ろうと媚薬を飲まされそうになったこともあった。


(まさかマカロ侯爵が誘拐に関与している・・・?)


「ハンゲル氏を詰問しよう。あいつの弱みを私は知っている。脅しやすいだろう」


ハンゲルは長年国防の仕事に仕えているのだが、金好きで戦士や娼婦たちに麻薬の売買をしていた。戦時中は見てみぬ振りをしていたが、時期を見て摘発しようと考えていたところである。







「勘弁してくれ・・・私は何も知らない・・・」


(当たりか。こいつ、嘘をついてる・・・)


「麻薬取引の証拠が上がってるんだ。これをすぐに国王に見せようか?それとも今すぐ殺して欲しいか?」


ライトはこの国、いや世界で一番の戦士である。彼が威圧を掛ければ一般人であれば失神してしまう程の怖さがあった。


「や、やめてくれ!!分かった!!全部言うから殺すのだけはやめてくれ。マカロ侯爵だ。彼があいつらを国外に逃がすって・・・」


エリックはマカロ侯爵が手配した馬車に乗り、セナを連れて国外逃亡しようとしたそうだ。しかしグレイ領が封鎖され、ハンゲルの麻薬の取引先の娼館で匿われているそうだ。


「お願いだ、私が告げ口したとは言わないでくれ・・・借金で脅されてるんだ。殺されちまう」


ハンゲルは人目を憚らずライトの目の前で土下座をし始めた。ライトは「殺されたくなかったら牢屋で過ごせ」と言って先を急いだ。






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