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第二章 見知らぬ土地ですべき事
06 ひょっとして石器時代か何かかな?
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鬱蒼と茂った森林の中にうっすらと続く道……というよりは何度も人が行き来した事で踏みしめられただけの道とも言えない大地を歩く。
いや、そもそも何度も人が行き来した場所であるならばそこはもう道と呼んでもいいのではないのだろうか? 獣道でさえも立派に道と呼ばれている以上それでいいはずだ。たとえ、この道を使っているのがベンズさんだけだったとしても。
そんなどうでもいい事を考えながら俺は歩く。
背負っていた籠を家に残して、腰に布袋を一つ下げただけのスタイルだ。
ベンズさん曰く、オクトレイスは基本的に現地で細かく砕いてから持ち運ぶものらしい。
それというのも、一度細かくなったオクトレイスは探すのが困難な為、大きな原石を見つけて砕いた方が早いから。
石を砕く……と聞くと難しいように思えるが、オクトレイス自体は硬いが打撃に弱いらしく、道具か石で叩くか原石自体を他の石に叩きつけると割る事は出来るらしい。そして、割れるとナイフのような形状の破片が取れるという事だった。
うん、ひょっとして石器時代か何かかな?
俺はスマホを起動すると見本として撮影してきたネヴィーさんの持っていたオクトレイスの画像に目を落とす。
そこに映し出されていたのは、黒っぽく光沢のある丸い石だった。
『……ひょっとしてオクトレイスって、日本で言うところの黒曜石みたいな奴か?』
見せてもらった石が丸かったから、てっきり丸い石かと思っていたが、どうやらあれは既に加工済みだったらしい。
確かに、普通に宝石なんかでも加工するよな。原石を「デンッ!」と目の前に出されてプレゼントとか言われても普通に引いてしまいそうだ。無いな。それは。
『加工かぁ……。それを全然考慮してなかった』
あれからあの件に関しては何も言われていないが、もしもあの日からきっちり20日後が約束であるならば、その期日までは後3日である。
その短い期間で加工する? 手先が不器用で工作なんて殆どやった事のない俺が? 難易度が高すぎる。
ならば、経験者でありその辺が得意そうなベンズさんに教授してもらいながらやるしかないだろうか。
……その前に教えてくれるかが問題だな。
いや、何だかんだで頼めば教えてくれるだろう。あんな筋肉の権化のような見てくれをしているが、基本的には優しい男だ。
きっと、チンピラのような眼力を向けながら指導してくれるに違いない。それはもうビシバシと手とり足とり。
『……最後の手段だな。それは。まずは自分でやってみて、無理だったら頼もう』
俺は出発前のベンズさんの苦虫を噛み潰したような顔を思い出してため息をつきながら、教えたもらった谷までの道を進んでいった。
◇◇◇◇
初めに“谷”と聞いた時にてっきり俺は両側を崖に囲まれた川というイメージをしていたのだけど、たどり着いたのは多少傾斜を降りなくてはならなかったものの、普通の山の中にある清流だった。
ひょっとしたら、今まで俺が“谷”だと思っていた単語は、“沢”だったのかもしれない。
ネヴィーさんが一生懸命説明してくれた結果覚えた言葉だったのだが、ひょっとしたら他の言葉も間違って覚えているものがあるかも知れないから注意が必要だな。
何しろ、正解を教えてくれる人がいないから何もかもが予想だのみなのだから。
周りを見渡すと大きめの石がそこら中に転がっているなんの変哲もない渓流だった。
この中から目的の石を探すとなるとかなり苦労しそうだ。一応、出発前にベンズさんから特徴的な事は聞いてきたから、見つからないという事はないと思うが、当初の写真だよりの探索だと見つからなかった可能性が高い。
ベンズさんマジすごい。今日は何故か恐ろしかったけど。
俺は早速オクトレイス探しに気持ちを切り替える。
オクトレイスに限った事ではないが、原石というのは俺のような素人では中々他の石とは区別が付きにくく、こうして周りを見てもどれも同じような石にしか見えない。
が、オクトレイスは割れた部分が他の石に比べて黒いか黒ずんでいる……らしい。
なので、初めから割れている大きめの石を見つけて、破片を頂こうという作戦だった。
俺は川べりや水の中を覗き込んだりしながら石を探すがよくわからない。多分、見落としている可能性もあるだろう。
そして、ちょっと意外だったのが、オクトレイスではなさそうな色付きの石が結構転がっていたことだった。
俺がこの場所に住み着くようになってから既に2ヶ月以上経つが、ネヴィーさんとベンズさん以外の人間を見たことがないから、こういった鉱石が回収されずに残っているのかとも思うし、こういう色付きの石は特に価値がないのかもしれないとも思う。そもそも、本当にその辺の石ころのように転がっているのだから希少価値は無いに等しいのだろうが。
俺は水の中に沈んでいた薄い青色の小石。半透明で小指の先ほどの大きさのそれを拾い上げると陽に翳す。川の流れで削られて丸くなったのだろうか。完全に球状とは言えないまでも綺麗に整った形をしていた。
これだったら加工せずにそのまま渡しても引かれないのでは無いのかとも思ったが、不意にオクトレイスを胸に抱いて嬉しそうな笑顔を見せるネヴィーさんを思い出す。
『……探すか。オクトレイス』
俺はその青い石を布袋に突っ込んで呟くと、川べりを上流に向かって歩く。ベンズさんの話が本当なら、この先にある小さな滝のそばになら確実にあるという事だった。
何となくベンズさんに教わった場所で採取するのは嫌だったが、見つからなかったらどうしようもない。
それまでにどうにか見つかって欲しいと願いながら、俺はそのまま足を進めた。
◇◇◇◇
結果から言うと、ベンズさんお勧めの場所以外でオクトレイスを見つける事は出来なかった。
『……まあ、そうなるよな……』
そこは、2m程の高さから水が落ちる小さな滝の傍だった。
いくつか大きめの石が割られ、一箇所に纏められるように置いてある様子は、完全に『ベンズの作業場』だ。
そもそも、ベンズさんが何で生計を立てているかという事まで考えれば、普通に資源の売買だろう。恐らく、その品目にはオクトレイスも含まれているに違いない。
『オクトレイスを贈る事には何か意味があるみたいだったもんなぁ……。多分、需要があるんだろうな』
俺は砕いた後に綺麗にまとめられているオクトレイスの破片の前で膝を折ると、その中の一つに手に取った。
ネヴィーさんが持っていたのものは丸く研磨したものだったのか、ツルリとした球状だったが、ここにあるものは全て綺麗に割れて陽の光に反射して鋭い光を放っていた。性質としてはガラスに近いのだろうか。確かに割れ目が鋭くてナイフにも使えそうだった。
『せめて新しく割るか』
本当は既に割れているものを持っていくのが手間がなくていいのだろう。
でも、それは何だか違うような気がした。
俺は手にしていたオクトレイスの欠片を元に戻すと、近くにあった石を手にして立ち上がる。
恐らく、滝の傍に半分埋まっている大きな岩。あの中に含まれているのだろう。
しかし、俺は石を手にしながらもその岩には近づかない。いや、正確に言うと近づけなかった。
『……間違いない。持ってるよ。俺──』
その岩よりも高い場所。
ようするに滝が流れ落ちている大元の部分の段差に佇む存在に、俺はしっかりとロックオンされてしまっているようだったから。
『──疫病神的な何かを』
そこにいたのは1頭の獣。
漆黒の毛皮に豚の鼻を持つ狼に似た肉食獣。命名『ブタ狼』が、俺という獲物を見つけて歓喜の咆哮を上げた。
いや、そもそも何度も人が行き来した場所であるならばそこはもう道と呼んでもいいのではないのだろうか? 獣道でさえも立派に道と呼ばれている以上それでいいはずだ。たとえ、この道を使っているのがベンズさんだけだったとしても。
そんなどうでもいい事を考えながら俺は歩く。
背負っていた籠を家に残して、腰に布袋を一つ下げただけのスタイルだ。
ベンズさん曰く、オクトレイスは基本的に現地で細かく砕いてから持ち運ぶものらしい。
それというのも、一度細かくなったオクトレイスは探すのが困難な為、大きな原石を見つけて砕いた方が早いから。
石を砕く……と聞くと難しいように思えるが、オクトレイス自体は硬いが打撃に弱いらしく、道具か石で叩くか原石自体を他の石に叩きつけると割る事は出来るらしい。そして、割れるとナイフのような形状の破片が取れるという事だった。
うん、ひょっとして石器時代か何かかな?
俺はスマホを起動すると見本として撮影してきたネヴィーさんの持っていたオクトレイスの画像に目を落とす。
そこに映し出されていたのは、黒っぽく光沢のある丸い石だった。
『……ひょっとしてオクトレイスって、日本で言うところの黒曜石みたいな奴か?』
見せてもらった石が丸かったから、てっきり丸い石かと思っていたが、どうやらあれは既に加工済みだったらしい。
確かに、普通に宝石なんかでも加工するよな。原石を「デンッ!」と目の前に出されてプレゼントとか言われても普通に引いてしまいそうだ。無いな。それは。
『加工かぁ……。それを全然考慮してなかった』
あれからあの件に関しては何も言われていないが、もしもあの日からきっちり20日後が約束であるならば、その期日までは後3日である。
その短い期間で加工する? 手先が不器用で工作なんて殆どやった事のない俺が? 難易度が高すぎる。
ならば、経験者でありその辺が得意そうなベンズさんに教授してもらいながらやるしかないだろうか。
……その前に教えてくれるかが問題だな。
いや、何だかんだで頼めば教えてくれるだろう。あんな筋肉の権化のような見てくれをしているが、基本的には優しい男だ。
きっと、チンピラのような眼力を向けながら指導してくれるに違いない。それはもうビシバシと手とり足とり。
『……最後の手段だな。それは。まずは自分でやってみて、無理だったら頼もう』
俺は出発前のベンズさんの苦虫を噛み潰したような顔を思い出してため息をつきながら、教えたもらった谷までの道を進んでいった。
◇◇◇◇
初めに“谷”と聞いた時にてっきり俺は両側を崖に囲まれた川というイメージをしていたのだけど、たどり着いたのは多少傾斜を降りなくてはならなかったものの、普通の山の中にある清流だった。
ひょっとしたら、今まで俺が“谷”だと思っていた単語は、“沢”だったのかもしれない。
ネヴィーさんが一生懸命説明してくれた結果覚えた言葉だったのだが、ひょっとしたら他の言葉も間違って覚えているものがあるかも知れないから注意が必要だな。
何しろ、正解を教えてくれる人がいないから何もかもが予想だのみなのだから。
周りを見渡すと大きめの石がそこら中に転がっているなんの変哲もない渓流だった。
この中から目的の石を探すとなるとかなり苦労しそうだ。一応、出発前にベンズさんから特徴的な事は聞いてきたから、見つからないという事はないと思うが、当初の写真だよりの探索だと見つからなかった可能性が高い。
ベンズさんマジすごい。今日は何故か恐ろしかったけど。
俺は早速オクトレイス探しに気持ちを切り替える。
オクトレイスに限った事ではないが、原石というのは俺のような素人では中々他の石とは区別が付きにくく、こうして周りを見てもどれも同じような石にしか見えない。
が、オクトレイスは割れた部分が他の石に比べて黒いか黒ずんでいる……らしい。
なので、初めから割れている大きめの石を見つけて、破片を頂こうという作戦だった。
俺は川べりや水の中を覗き込んだりしながら石を探すがよくわからない。多分、見落としている可能性もあるだろう。
そして、ちょっと意外だったのが、オクトレイスではなさそうな色付きの石が結構転がっていたことだった。
俺がこの場所に住み着くようになってから既に2ヶ月以上経つが、ネヴィーさんとベンズさん以外の人間を見たことがないから、こういった鉱石が回収されずに残っているのかとも思うし、こういう色付きの石は特に価値がないのかもしれないとも思う。そもそも、本当にその辺の石ころのように転がっているのだから希少価値は無いに等しいのだろうが。
俺は水の中に沈んでいた薄い青色の小石。半透明で小指の先ほどの大きさのそれを拾い上げると陽に翳す。川の流れで削られて丸くなったのだろうか。完全に球状とは言えないまでも綺麗に整った形をしていた。
これだったら加工せずにそのまま渡しても引かれないのでは無いのかとも思ったが、不意にオクトレイスを胸に抱いて嬉しそうな笑顔を見せるネヴィーさんを思い出す。
『……探すか。オクトレイス』
俺はその青い石を布袋に突っ込んで呟くと、川べりを上流に向かって歩く。ベンズさんの話が本当なら、この先にある小さな滝のそばになら確実にあるという事だった。
何となくベンズさんに教わった場所で採取するのは嫌だったが、見つからなかったらどうしようもない。
それまでにどうにか見つかって欲しいと願いながら、俺はそのまま足を進めた。
◇◇◇◇
結果から言うと、ベンズさんお勧めの場所以外でオクトレイスを見つける事は出来なかった。
『……まあ、そうなるよな……』
そこは、2m程の高さから水が落ちる小さな滝の傍だった。
いくつか大きめの石が割られ、一箇所に纏められるように置いてある様子は、完全に『ベンズの作業場』だ。
そもそも、ベンズさんが何で生計を立てているかという事まで考えれば、普通に資源の売買だろう。恐らく、その品目にはオクトレイスも含まれているに違いない。
『オクトレイスを贈る事には何か意味があるみたいだったもんなぁ……。多分、需要があるんだろうな』
俺は砕いた後に綺麗にまとめられているオクトレイスの破片の前で膝を折ると、その中の一つに手に取った。
ネヴィーさんが持っていたのものは丸く研磨したものだったのか、ツルリとした球状だったが、ここにあるものは全て綺麗に割れて陽の光に反射して鋭い光を放っていた。性質としてはガラスに近いのだろうか。確かに割れ目が鋭くてナイフにも使えそうだった。
『せめて新しく割るか』
本当は既に割れているものを持っていくのが手間がなくていいのだろう。
でも、それは何だか違うような気がした。
俺は手にしていたオクトレイスの欠片を元に戻すと、近くにあった石を手にして立ち上がる。
恐らく、滝の傍に半分埋まっている大きな岩。あの中に含まれているのだろう。
しかし、俺は石を手にしながらもその岩には近づかない。いや、正確に言うと近づけなかった。
『……間違いない。持ってるよ。俺──』
その岩よりも高い場所。
ようするに滝が流れ落ちている大元の部分の段差に佇む存在に、俺はしっかりとロックオンされてしまっているようだったから。
『──疫病神的な何かを』
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