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第三章 魔術都市ランギスト
07 偉人は山を登ったのだよ
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「どうやら、日常生活をする程度には問題の無い言葉は覚えたようだね。おめでとう」
「ありがとうございます」
ソファーに腰を下ろし、にこやかに告げたアルベール教授に俺は頭を下げた。
隣にはフラヴィ。ジッと前方を凝視して動きもしないその姿は、以前この部屋に訪れた時と同様だ。
どうやら、フラヴィはこの部屋に来ると置物になってしまうらしい。
「さて、話も出来るようになったようだし早速話を……と、言いたいところだけど」
そこまで口にすると、アルベール教授は一度右手で顎を撫で、そのまま手の平を机に乗せた。
「その前に、クリタ・ソウマ君。君は僕が渡した手紙から何を考え、何を得てきた? 先ずはそれを聞かせてもらいたいね」
そして、ニッと口の端を上げて問うてくるアルベール教授。
どうやら予想通り出した課題の答え合わせをするつもりのようで、俺は一度大きく息を吸い込んだ。
「はい。私が教授からの手紙を理解できるようになってから感じたのは、アルベール教授は私に3つの力をつけさせたいのだろう、という事です」
「ほう。3つの力……かい?」
「はい。3つの力です」
「なるほどなるほど。ならば、僕が君に身につけさせようとしていた3つの力とやらは何なのか。それを教えてもらおうか」
「はい」
アルベール教授の問いに俺は指を一本上げる。
「1つ目は言語能力です。これに関してはただ単にコミュニケーションがとれるようになるという理由の他に、私自身がこの国……いえ、ここはあえて『この世界』としましょう。この世界で安全に過ごす事が出来るようになるのに最低限必要なものだからです」
「ほーう。安全に……ねぇ……。確かに言葉は知らないよりも知っていたほうが便利だが、それがどうして安全に生活するのに必要なものになるのかね?」
知っているくせにわざとそんな言い方をするアルベール教授。しかし、それも俺にとっては想定していた通りの反応だ。
「この世界には人類とそれ以外……所謂『亜人』と呼ばれる種族が存在します。通常姿かたちで区別されていますが、社会的に人間と亜人が区別して扱われる基準としているの言語だからです。通常亜人は人語が理解できないとされています。その理由は私が使用した辞典では調べる事は出来ませんでしたが、予想するに何かの魔術か、呪いの類があるのではないかと。そのため、知能とは関係なく亜人は人語が理解できない。逆に言えば、どんな姿形をしていようと、人語さえ理解できていれば人間だという事です。そして、この世界での亜人の扱いは非常に悪い。もしも、人語を理解できない状態で人間社会に紛れれば、亜人と同等の扱いをされてしまうでしょう」
「ふふ……。そして、こうして人語を“理解出来た”君は間違いなく人間だという訳だ。よろしい。では2つ目は?」
アルベール教授の声に促された俺は、立てた指を一本追加する。
「2つ目は生活能力です。教授の課題をこなす為にはそれなりの額のお金が必要でした。そのお金をどこから調達するかですが、現状私の頼るべき人間はフラヴィのみです。ですが、支援を受けてこの学校に通っているフラヴィに余分な資金はありません。そうなると、教授の課題をこなす為には私自身がこの世界で一人でも生きていける手段を見につける必要がありました」
「なるほど。そして、こうして課題をクリアしてこの場に君がいるという事は、その為の手段を手に入れたと考えていいわけだね? では聞こう。その手段とは?」
教授の問いに俺は3本目の指をあげた後に腰の袋の中身を開ける。
「その問いの答えは3つ目の力にも関係します。3つ目は自衛手段です。この世界で生きていく為には他人の力を頼るだけでは成し得ない。ならばどうするか? その答えが自らの能力を自覚し、使えるようにする事です」
俺は説明しながら袋の中から赤色に染まったベリスを取り出し1つ摘む。
「ベリスだね」
「はい。この石に属性を付与すること。この仕事はフラヴィが持ってきてくれました。しかし、その理由や手段、使用目的……等々の説明は受けてはいません。これは恐らく推測ですが、きっとそれがフラヴィが手助け出来る最大の譲歩だったからではないでしょうか。誰とは言いませんが、この現象を俺に対して口止めをした人物がいる。理由は……今ならばよくわかりますから特に思うところはありませんが」
俺の視線を受けてアルベール教授はくっくっくっと噛み殺したように笑う。
その様子を目端に捉えながらも俺は続ける。
「“ベリスに属性を付与する”これの正しいやり方は、“ベリスを持った状態で魔獣を殺す事”です。魔獣と獣の違いは体内に魔力を宿しているかどうかという事。魔獣は体内に魔力を宿しているからこそ強力であり、討伐するにはハンターのような力を持たなければ難しい。しかし、モグリのハンター達のように密猟が横行しているには理由がある。その理由がこのベリス。この石は魔獣が死の際に解放する魔力を吸収し、内に貯める性質を持っている。そして、一度魔力を付与されたベリスは、様々な魔道具の核となり、この世界の人々の生活の糧となっている。その為、魔力を付与したベリスはいくらあっても困らないから、高額で取引されてはいるものの、どの魔獣の魔力を付与したかでどのような効果が出るのかわからないから、より多くの魔獣を狩る必要があるのが現状でしょう。そして、その効果をひと目で判断することが出来る材料が付与後の色です」
俺の言葉の後にアルベール教授は机の上に並べていたベリスを1つつまむと指で一度弾いて手のひらに落とした。
「ちなみに、赤い色のベリスの効果を聞いてもいいかい?」
「赤は【再生】。主に治療院で使用する魔道具や、ヒーラーの補助魔装具。それからポーション作成の為の魔道具に使用されるようです。また、色の濃さや──“ピュリデネビル”。通称【女神の涙】のようなベリス以外の【付与魔石】の変化の有無によって効果の高さが変わってくる」
「このベリスは真っ赤だね。君の言が正しいならば、こいつは非常に効果が高い石という事になるけど?」
「レアだそうです。最初にフラヴィに売却してもらった時の売却額が高かったので調べた結果ですが。それから女神の涙。この石は付与するまでの魔力量と質が最高位でないと変化しない特殊な魔石で、通常であれば【龍種】クラスの魔獣の魔力を付与しない限り変色しないとありました」
「……ピュリデネビル……ね。ここでその名を持ち出してくる理由は?」
「それはアルベール教授が一番ご存知なのではないかと思います」
石を手の内に握り、俺の目を真っ直ぐに見つめてきていたアルベール教授だったが、やがて破顔すると大きな声で笑い出す。
その声は非常に大きく、また実に楽しそうだったので、隣のフラヴィでさえ驚いたようにアルベール教授に目を向けた。
「はははははははっ!! ……くっくっくっくっ……! いや、失礼。素晴らしいな。実に素晴らしい。よくもまああの何もない状態でそこまで調べたものだ。合格だよクリタ・ソウマ君。いや【魔力喰らい】とでも呼ぼうか? どうやら君は僕が長らく探していた存在になり得るようだ」
膝を叩き、上機嫌に告げてくるアルベール教授を俺は見る。
「【魔力喰らい】……ですか。それが俺の体質の名称ですか?」
「いや、今付けた。残念ながら君のような体質持ちは遥か昔まで遡らなければならないくらいなのでね。正確な記録は残されていないのだよ。いやはやしかし、ピュリデネビルを女神の涙に変質させてしまう程の存在が目の前にいるというのだから恐れ入る。言ってしまえば君はその小さな体でドラゴン級の力を内包していると同義なのだからね」
「……とてもそのような実感は湧きません」
「それはそうだ。君の体質は周りに漂う魔力を喰らい、変換した魔力を石を通じて放出する。ただそれだけの能力なのだから。だが、もしも君が再生能力以外の魔力の付与ができるようになり、いつでも最高品質の魔石を使用した魔道具を扱うことが出来るようになれば……それは信じられないくらい大きな力になるだろう」
そう言ってアルベール教授はローブの中に手を突っ込んだ後、一本の短剣を机の上に置いて俺の方に押し出す。
それは装飾等はされていない無骨なもの。ただ、特徴があるとすれば鍔元に円形の穴が空いている事だろう。
「さて、では課題を解いた優秀な生徒に新たな課題をだそうと思う」
白髪の教授はテーブルに肘をついて手を組んで、その上に顎を乗せてにこやかに笑う。
「この街の北方に位置するウェールズ山。霊峰と呼ばれるその山の中腹にある祭壇まで行って、その祭壇にあると言われる石碑の碑文を書き写してきて欲しい。何でも、遥か昔の偉人もその山を登ったそうだよ」
「ありがとうございます」
ソファーに腰を下ろし、にこやかに告げたアルベール教授に俺は頭を下げた。
隣にはフラヴィ。ジッと前方を凝視して動きもしないその姿は、以前この部屋に訪れた時と同様だ。
どうやら、フラヴィはこの部屋に来ると置物になってしまうらしい。
「さて、話も出来るようになったようだし早速話を……と、言いたいところだけど」
そこまで口にすると、アルベール教授は一度右手で顎を撫で、そのまま手の平を机に乗せた。
「その前に、クリタ・ソウマ君。君は僕が渡した手紙から何を考え、何を得てきた? 先ずはそれを聞かせてもらいたいね」
そして、ニッと口の端を上げて問うてくるアルベール教授。
どうやら予想通り出した課題の答え合わせをするつもりのようで、俺は一度大きく息を吸い込んだ。
「はい。私が教授からの手紙を理解できるようになってから感じたのは、アルベール教授は私に3つの力をつけさせたいのだろう、という事です」
「ほう。3つの力……かい?」
「はい。3つの力です」
「なるほどなるほど。ならば、僕が君に身につけさせようとしていた3つの力とやらは何なのか。それを教えてもらおうか」
「はい」
アルベール教授の問いに俺は指を一本上げる。
「1つ目は言語能力です。これに関してはただ単にコミュニケーションがとれるようになるという理由の他に、私自身がこの国……いえ、ここはあえて『この世界』としましょう。この世界で安全に過ごす事が出来るようになるのに最低限必要なものだからです」
「ほーう。安全に……ねぇ……。確かに言葉は知らないよりも知っていたほうが便利だが、それがどうして安全に生活するのに必要なものになるのかね?」
知っているくせにわざとそんな言い方をするアルベール教授。しかし、それも俺にとっては想定していた通りの反応だ。
「この世界には人類とそれ以外……所謂『亜人』と呼ばれる種族が存在します。通常姿かたちで区別されていますが、社会的に人間と亜人が区別して扱われる基準としているの言語だからです。通常亜人は人語が理解できないとされています。その理由は私が使用した辞典では調べる事は出来ませんでしたが、予想するに何かの魔術か、呪いの類があるのではないかと。そのため、知能とは関係なく亜人は人語が理解できない。逆に言えば、どんな姿形をしていようと、人語さえ理解できていれば人間だという事です。そして、この世界での亜人の扱いは非常に悪い。もしも、人語を理解できない状態で人間社会に紛れれば、亜人と同等の扱いをされてしまうでしょう」
「ふふ……。そして、こうして人語を“理解出来た”君は間違いなく人間だという訳だ。よろしい。では2つ目は?」
アルベール教授の声に促された俺は、立てた指を一本追加する。
「2つ目は生活能力です。教授の課題をこなす為にはそれなりの額のお金が必要でした。そのお金をどこから調達するかですが、現状私の頼るべき人間はフラヴィのみです。ですが、支援を受けてこの学校に通っているフラヴィに余分な資金はありません。そうなると、教授の課題をこなす為には私自身がこの世界で一人でも生きていける手段を見につける必要がありました」
「なるほど。そして、こうして課題をクリアしてこの場に君がいるという事は、その為の手段を手に入れたと考えていいわけだね? では聞こう。その手段とは?」
教授の問いに俺は3本目の指をあげた後に腰の袋の中身を開ける。
「その問いの答えは3つ目の力にも関係します。3つ目は自衛手段です。この世界で生きていく為には他人の力を頼るだけでは成し得ない。ならばどうするか? その答えが自らの能力を自覚し、使えるようにする事です」
俺は説明しながら袋の中から赤色に染まったベリスを取り出し1つ摘む。
「ベリスだね」
「はい。この石に属性を付与すること。この仕事はフラヴィが持ってきてくれました。しかし、その理由や手段、使用目的……等々の説明は受けてはいません。これは恐らく推測ですが、きっとそれがフラヴィが手助け出来る最大の譲歩だったからではないでしょうか。誰とは言いませんが、この現象を俺に対して口止めをした人物がいる。理由は……今ならばよくわかりますから特に思うところはありませんが」
俺の視線を受けてアルベール教授はくっくっくっと噛み殺したように笑う。
その様子を目端に捉えながらも俺は続ける。
「“ベリスに属性を付与する”これの正しいやり方は、“ベリスを持った状態で魔獣を殺す事”です。魔獣と獣の違いは体内に魔力を宿しているかどうかという事。魔獣は体内に魔力を宿しているからこそ強力であり、討伐するにはハンターのような力を持たなければ難しい。しかし、モグリのハンター達のように密猟が横行しているには理由がある。その理由がこのベリス。この石は魔獣が死の際に解放する魔力を吸収し、内に貯める性質を持っている。そして、一度魔力を付与されたベリスは、様々な魔道具の核となり、この世界の人々の生活の糧となっている。その為、魔力を付与したベリスはいくらあっても困らないから、高額で取引されてはいるものの、どの魔獣の魔力を付与したかでどのような効果が出るのかわからないから、より多くの魔獣を狩る必要があるのが現状でしょう。そして、その効果をひと目で判断することが出来る材料が付与後の色です」
俺の言葉の後にアルベール教授は机の上に並べていたベリスを1つつまむと指で一度弾いて手のひらに落とした。
「ちなみに、赤い色のベリスの効果を聞いてもいいかい?」
「赤は【再生】。主に治療院で使用する魔道具や、ヒーラーの補助魔装具。それからポーション作成の為の魔道具に使用されるようです。また、色の濃さや──“ピュリデネビル”。通称【女神の涙】のようなベリス以外の【付与魔石】の変化の有無によって効果の高さが変わってくる」
「このベリスは真っ赤だね。君の言が正しいならば、こいつは非常に効果が高い石という事になるけど?」
「レアだそうです。最初にフラヴィに売却してもらった時の売却額が高かったので調べた結果ですが。それから女神の涙。この石は付与するまでの魔力量と質が最高位でないと変化しない特殊な魔石で、通常であれば【龍種】クラスの魔獣の魔力を付与しない限り変色しないとありました」
「……ピュリデネビル……ね。ここでその名を持ち出してくる理由は?」
「それはアルベール教授が一番ご存知なのではないかと思います」
石を手の内に握り、俺の目を真っ直ぐに見つめてきていたアルベール教授だったが、やがて破顔すると大きな声で笑い出す。
その声は非常に大きく、また実に楽しそうだったので、隣のフラヴィでさえ驚いたようにアルベール教授に目を向けた。
「はははははははっ!! ……くっくっくっくっ……! いや、失礼。素晴らしいな。実に素晴らしい。よくもまああの何もない状態でそこまで調べたものだ。合格だよクリタ・ソウマ君。いや【魔力喰らい】とでも呼ぼうか? どうやら君は僕が長らく探していた存在になり得るようだ」
膝を叩き、上機嫌に告げてくるアルベール教授を俺は見る。
「【魔力喰らい】……ですか。それが俺の体質の名称ですか?」
「いや、今付けた。残念ながら君のような体質持ちは遥か昔まで遡らなければならないくらいなのでね。正確な記録は残されていないのだよ。いやはやしかし、ピュリデネビルを女神の涙に変質させてしまう程の存在が目の前にいるというのだから恐れ入る。言ってしまえば君はその小さな体でドラゴン級の力を内包していると同義なのだからね」
「……とてもそのような実感は湧きません」
「それはそうだ。君の体質は周りに漂う魔力を喰らい、変換した魔力を石を通じて放出する。ただそれだけの能力なのだから。だが、もしも君が再生能力以外の魔力の付与ができるようになり、いつでも最高品質の魔石を使用した魔道具を扱うことが出来るようになれば……それは信じられないくらい大きな力になるだろう」
そう言ってアルベール教授はローブの中に手を突っ込んだ後、一本の短剣を机の上に置いて俺の方に押し出す。
それは装飾等はされていない無骨なもの。ただ、特徴があるとすれば鍔元に円形の穴が空いている事だろう。
「さて、では課題を解いた優秀な生徒に新たな課題をだそうと思う」
白髪の教授はテーブルに肘をついて手を組んで、その上に顎を乗せてにこやかに笑う。
「この街の北方に位置するウェールズ山。霊峰と呼ばれるその山の中腹にある祭壇まで行って、その祭壇にあると言われる石碑の碑文を書き写してきて欲しい。何でも、遥か昔の偉人もその山を登ったそうだよ」
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