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第三章 はた迷惑な居候
07 猫娘の事情
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「な……なんじゃこれは……」
血まみれのドレスを目の前にして、ガックリと膝を落とす姫様。
その様子はまるで大切な人を亡くした物語のヒロインのようだったが、着ているのがスープまみれの男物のジャージ姿なのがシュールすぎた。
まあ、気持ちはわからなくも無いが……。
「何って、姫様の元部下の返り血だけど」
そして、傷心の姫様の傷口に塩を塗りたくったナイフを突っ込んで引っ掻き回すかのようなセリフを投げかける猫耳娘。
いや、もはやあれは投げかけるというよりも投げつけるだな。
現にその言葉を聞いたであろう姫様はさらなるダメージを負ったのか、頭が前方にぐらりと揺れた。
「元部下ってのは中々にえぐいな。あれか。カリスが所属していたっていうプリンセスガードって奴か?」
「うーん。プリンセスガードも王国騎士団だし、実際に混じってたから間違いじゃないけど、襲ってきた連中の殆どは白狼騎士団だったよ」
俺の問いに猫耳娘は首を振るが、固有名詞を出されてもさっぱりわからん。
「そこで白狼騎士団とか言われてもわからないんだよな。ようするにどういう騎士団なんだよ」
「今は亡き侯爵様の直轄騎士団」
「……おおう……」
今は亡きって……。
それって、カリスの奴が任務を遂行したって事と同義なのではないのだろうか。
俺の表情にある程度の考えが読めたのか、それとも、俺に埋め込んだ瞳からある程度の考えがわかるのか、猫耳娘は腕を組んで瞳を閉じると繭を寄せた。
「カリスねぇ……。一番の予想外だったのがあいつが戻るのが早すぎたって所なの。あいつ馬鹿みたいに強いけど救いようがないくらい馬鹿だから、一週間くらい足止めできると思ってたのに」
そして首を振ると瞳を開けて俺を見る。
「まさか、半日もかからず戻った上に、霧の効果で殆ど侯爵邸のすぐ目と鼻の先に戻ったみたいで。まさか、旦那様が転移先を指定したわけじゃないよね?」
「俺に出来るかんな事が。寧ろお前の魔術とやらの設定ミスだろ」
「そうかぁ。やっぱりそうなのかなぁ」
猫娘は「あぁ~」と口にしながらその場に腰を落としたが、腰を落とした猫娘に対して姫様が鋭い視線を向けたのを俺は見逃さなかった。
それを誤魔化すためでは無かったが、俺は話を根本的な部分に戻す。
「で? お前らがここに来た目的は何なんだよ? それから、それぞれの名前と身分を教えて貰いたい所だな」
血だらけのドレスを前にして跪いている姫様は取り敢えず放置して、俺は腰を下ろすとテーブルの対面に座っていた猫耳娘に問いかける。
すると、猫耳娘は待っていましたとばかりに身を乗り出した。
「やっと聞いてきたね。“眼”を渡してから暫く見てきたけど、旦那様って興味がない相手にはとことん興味を示さない性格みたいだったから心配だったけど、ようやく私に興味が沸いてきたんだね」
「えへへ」と口にしながら笑顔を見せる猫耳娘だが、別に興味がわいたわけではないという事は口には出さないでおく。
あくまで、ここまで巻き込まれたのだから最低限の情報は共有しておきたいと思っただけだった。
「私の名前はリリ。平民だから生まれ持っての家名はないよ。魔女になってからは一応名乗ってた家名はあったけど、もう魔女に戻るつもりはないからいいよね? 出身部族はこの場では姫様がいるから辺境の少数部族とだけ。後で二人きりの時に教えたげる」
頭をユラユラ揺らしながら歌うようにそこまで口にした猫娘──リリに対して、俺はまず前提となる事を確認する。
「名前と出身地はわかった。だが、この先を聞く前に確認なんだが、お前は以前俺と会った事のある子供で間違いないのか?」
「そうだよ」
俺の問いにリリは頷く。
「最初の術の行使は色々と上手くいかなくて失敗しちゃって。その結果があの姿。元々異界の穴を潜るには小さな子供じゃないと無理だって事はわかってたんだよ。だから最初に成長逆行の魔術を使用して、異界の穴をこじ開けた。そこまでは良かったんだけど、二つの大魔術の消費魔力量に子供の体に蓄えられていた魔力量じゃ全然足りなくて。通り抜けたはいいけど、魔力枯渇状態に陥ってまともな活動が出来なくなっちゃったのよ」
そう言ってぺろりと舌を出したリリの姿が何となくあの時の幼女の顔と重なったと同時に、納得できる部分もあった。
「魔力枯渇状態……ってのがどういうものかは知らないが、ようはとんでもなく疲れたって事だろ? お前があの時にやたら飯を食ったのも、今朝アホみたいに飯を食ったのもそれが原因か」
「正解! 流石察しがいいね」
指をパチンと鳴らすと、頷きながらリリは続ける。
「いっぱい運動した後にお腹が空くのと同じように、いっぱい魔力を使うとお腹がすくんだよ。それに、沢山食べて魔力を蓄えないとそもそもまともに考える事も出来ないような状況だったから。帰る方法は『お互いの宝物の交換』っていうのはわかってたからね。こっちに人間がいれば【魔女の瞳】を渡せるし、こっちに目印が出来れば今度は確実に異界の穴の魔術を発動させる事が出来る。そういう意味では、旦那様に会えたのはすごく幸運だったんだ」
「成る程。よくわかった」
俺は目を細めるとリリを見る。
「お前の今までの言動を聞いている限り、この背中の“眼”を渡すという行為はお前ら魔女にとっての“婚姻”と同義であるらしい。だが、ここまでの話を素直に解釈するならば、その相手は誰でも良かったようだな。例えば、この家にいたのが俺でなかったとしても、お前は“眼”を渡し、結婚した」
「身も蓋も無い言い方をすればそうだね」
リリは少しだけバツの悪そうな表情で頭を掻いたが、特に言葉に詰まるでもなくあっさりと認めた。
「だから、最初に言ったよね? お互い好きでも何でもない……って。でも、契を交わした以上は私はこれから旦那様を愛する努力はするつもり。そもそも、その宝玉は私の魂の欠片でもあるんだよ。言ってみれば、今の旦那様は私の魔力をその身に宿す代わりに、私の命の一端をその身に宿している」
「ちょっと待て。命の欠片だと? それは一体──」
「言葉通りの意味だよ? 旦那様の寿命がどれくらいかは知らないけど、魔術を知らないって言うんじゃ魔術師じゃないんだよね? 霧の賢者でもないなら、魔力も持っていない。だったら、私の寿命は縮まって、旦那様の寿命は伸びてるね。2人均一になった命は2人の一生を強固に結びつける。どちらかが死ぬ時は相手も一緒。だから、お互いを必死に守る。当然だよね。相手が死んだら自分も死ぬんだから」
「……何だと……」
俺は立ち上がり、リリを見下ろす。
無意識に背中に回された右手の指先に触れた宝玉が、熱を持っているような気がした。
「分かって欲しいのは、私がそれだけの覚悟を持って今回の事を計画したってことなんだよ。結果だけ見れば失敗だったけど、姫様の命が助かった事を考えれば完全に失敗って訳でもないしね。もう元の場所には帰れないけど、それだったらこの世界で目一杯幸せになりたいじゃない。勿論、それには旦那様の協力が不可欠だけど」
「わかった?」とばかりに金色の瞳を向けてくるリリに、俺は首を横に振る。
正直に言って、「はい。そうですか」と、簡単に言える内容ではない。
「悪いけど、すぐに応えられる内容じゃないな。それよりも、肝心な事を聞いてないぞ。お前がそこまで自分を投げ打って姫様の命を守った理由は何だ? それはカリスの任務を邪魔した事と関係しているのか? そして……結局カリスはどうなったんだ?」
「それは──」
「カリスは死んだ」
リリの言葉を遮って、俺の問いに答えたのは金髪紅目の姫様だった。
いつの間にかこちらに振り返り、虚ろな目を俺に向けている。
その様子はさっきまでの生気に満ちていた人物とは思えないほど冷たいものだった。
「“侯爵を殺せ”。妾の命じた任を果たした忠臣であり、“必ず生きて帰れ”と願った妾を裏切った愚か者。己が身を投げ打って妾の命を守った? その魔女が? ふふ……笑えない冗談じゃの。その魔女もカリスと一緒よ。ただ、命じたのが妾であるか、兄様であるかの違いでしかない。“侯爵を殺せ”と妾がカリスに命じたように、“妹を守れ”と兄様に命じられたに過ぎん。その魔女が生き延びて──」
そこまで口にして姫様の瞳に生気が戻る。
両目の紅が真っ赤に燃えて、全てを焼き尽くす炎のようで──。
「何故、妾のカリスが死なねばならんかったのじゃっ!!」
姫様の振り上げた拳がドレスに刺さる。
その位置には嘗ての彼女の部下の返り血が広がっており、まるで姫様の身から血が流れ落ちているようだった。
血まみれのドレスを目の前にして、ガックリと膝を落とす姫様。
その様子はまるで大切な人を亡くした物語のヒロインのようだったが、着ているのがスープまみれの男物のジャージ姿なのがシュールすぎた。
まあ、気持ちはわからなくも無いが……。
「何って、姫様の元部下の返り血だけど」
そして、傷心の姫様の傷口に塩を塗りたくったナイフを突っ込んで引っ掻き回すかのようなセリフを投げかける猫耳娘。
いや、もはやあれは投げかけるというよりも投げつけるだな。
現にその言葉を聞いたであろう姫様はさらなるダメージを負ったのか、頭が前方にぐらりと揺れた。
「元部下ってのは中々にえぐいな。あれか。カリスが所属していたっていうプリンセスガードって奴か?」
「うーん。プリンセスガードも王国騎士団だし、実際に混じってたから間違いじゃないけど、襲ってきた連中の殆どは白狼騎士団だったよ」
俺の問いに猫耳娘は首を振るが、固有名詞を出されてもさっぱりわからん。
「そこで白狼騎士団とか言われてもわからないんだよな。ようするにどういう騎士団なんだよ」
「今は亡き侯爵様の直轄騎士団」
「……おおう……」
今は亡きって……。
それって、カリスの奴が任務を遂行したって事と同義なのではないのだろうか。
俺の表情にある程度の考えが読めたのか、それとも、俺に埋め込んだ瞳からある程度の考えがわかるのか、猫耳娘は腕を組んで瞳を閉じると繭を寄せた。
「カリスねぇ……。一番の予想外だったのがあいつが戻るのが早すぎたって所なの。あいつ馬鹿みたいに強いけど救いようがないくらい馬鹿だから、一週間くらい足止めできると思ってたのに」
そして首を振ると瞳を開けて俺を見る。
「まさか、半日もかからず戻った上に、霧の効果で殆ど侯爵邸のすぐ目と鼻の先に戻ったみたいで。まさか、旦那様が転移先を指定したわけじゃないよね?」
「俺に出来るかんな事が。寧ろお前の魔術とやらの設定ミスだろ」
「そうかぁ。やっぱりそうなのかなぁ」
猫娘は「あぁ~」と口にしながらその場に腰を落としたが、腰を落とした猫娘に対して姫様が鋭い視線を向けたのを俺は見逃さなかった。
それを誤魔化すためでは無かったが、俺は話を根本的な部分に戻す。
「で? お前らがここに来た目的は何なんだよ? それから、それぞれの名前と身分を教えて貰いたい所だな」
血だらけのドレスを前にして跪いている姫様は取り敢えず放置して、俺は腰を下ろすとテーブルの対面に座っていた猫耳娘に問いかける。
すると、猫耳娘は待っていましたとばかりに身を乗り出した。
「やっと聞いてきたね。“眼”を渡してから暫く見てきたけど、旦那様って興味がない相手にはとことん興味を示さない性格みたいだったから心配だったけど、ようやく私に興味が沸いてきたんだね」
「えへへ」と口にしながら笑顔を見せる猫耳娘だが、別に興味がわいたわけではないという事は口には出さないでおく。
あくまで、ここまで巻き込まれたのだから最低限の情報は共有しておきたいと思っただけだった。
「私の名前はリリ。平民だから生まれ持っての家名はないよ。魔女になってからは一応名乗ってた家名はあったけど、もう魔女に戻るつもりはないからいいよね? 出身部族はこの場では姫様がいるから辺境の少数部族とだけ。後で二人きりの時に教えたげる」
頭をユラユラ揺らしながら歌うようにそこまで口にした猫娘──リリに対して、俺はまず前提となる事を確認する。
「名前と出身地はわかった。だが、この先を聞く前に確認なんだが、お前は以前俺と会った事のある子供で間違いないのか?」
「そうだよ」
俺の問いにリリは頷く。
「最初の術の行使は色々と上手くいかなくて失敗しちゃって。その結果があの姿。元々異界の穴を潜るには小さな子供じゃないと無理だって事はわかってたんだよ。だから最初に成長逆行の魔術を使用して、異界の穴をこじ開けた。そこまでは良かったんだけど、二つの大魔術の消費魔力量に子供の体に蓄えられていた魔力量じゃ全然足りなくて。通り抜けたはいいけど、魔力枯渇状態に陥ってまともな活動が出来なくなっちゃったのよ」
そう言ってぺろりと舌を出したリリの姿が何となくあの時の幼女の顔と重なったと同時に、納得できる部分もあった。
「魔力枯渇状態……ってのがどういうものかは知らないが、ようはとんでもなく疲れたって事だろ? お前があの時にやたら飯を食ったのも、今朝アホみたいに飯を食ったのもそれが原因か」
「正解! 流石察しがいいね」
指をパチンと鳴らすと、頷きながらリリは続ける。
「いっぱい運動した後にお腹が空くのと同じように、いっぱい魔力を使うとお腹がすくんだよ。それに、沢山食べて魔力を蓄えないとそもそもまともに考える事も出来ないような状況だったから。帰る方法は『お互いの宝物の交換』っていうのはわかってたからね。こっちに人間がいれば【魔女の瞳】を渡せるし、こっちに目印が出来れば今度は確実に異界の穴の魔術を発動させる事が出来る。そういう意味では、旦那様に会えたのはすごく幸運だったんだ」
「成る程。よくわかった」
俺は目を細めるとリリを見る。
「お前の今までの言動を聞いている限り、この背中の“眼”を渡すという行為はお前ら魔女にとっての“婚姻”と同義であるらしい。だが、ここまでの話を素直に解釈するならば、その相手は誰でも良かったようだな。例えば、この家にいたのが俺でなかったとしても、お前は“眼”を渡し、結婚した」
「身も蓋も無い言い方をすればそうだね」
リリは少しだけバツの悪そうな表情で頭を掻いたが、特に言葉に詰まるでもなくあっさりと認めた。
「だから、最初に言ったよね? お互い好きでも何でもない……って。でも、契を交わした以上は私はこれから旦那様を愛する努力はするつもり。そもそも、その宝玉は私の魂の欠片でもあるんだよ。言ってみれば、今の旦那様は私の魔力をその身に宿す代わりに、私の命の一端をその身に宿している」
「ちょっと待て。命の欠片だと? それは一体──」
「言葉通りの意味だよ? 旦那様の寿命がどれくらいかは知らないけど、魔術を知らないって言うんじゃ魔術師じゃないんだよね? 霧の賢者でもないなら、魔力も持っていない。だったら、私の寿命は縮まって、旦那様の寿命は伸びてるね。2人均一になった命は2人の一生を強固に結びつける。どちらかが死ぬ時は相手も一緒。だから、お互いを必死に守る。当然だよね。相手が死んだら自分も死ぬんだから」
「……何だと……」
俺は立ち上がり、リリを見下ろす。
無意識に背中に回された右手の指先に触れた宝玉が、熱を持っているような気がした。
「分かって欲しいのは、私がそれだけの覚悟を持って今回の事を計画したってことなんだよ。結果だけ見れば失敗だったけど、姫様の命が助かった事を考えれば完全に失敗って訳でもないしね。もう元の場所には帰れないけど、それだったらこの世界で目一杯幸せになりたいじゃない。勿論、それには旦那様の協力が不可欠だけど」
「わかった?」とばかりに金色の瞳を向けてくるリリに、俺は首を横に振る。
正直に言って、「はい。そうですか」と、簡単に言える内容ではない。
「悪いけど、すぐに応えられる内容じゃないな。それよりも、肝心な事を聞いてないぞ。お前がそこまで自分を投げ打って姫様の命を守った理由は何だ? それはカリスの任務を邪魔した事と関係しているのか? そして……結局カリスはどうなったんだ?」
「それは──」
「カリスは死んだ」
リリの言葉を遮って、俺の問いに答えたのは金髪紅目の姫様だった。
いつの間にかこちらに振り返り、虚ろな目を俺に向けている。
その様子はさっきまでの生気に満ちていた人物とは思えないほど冷たいものだった。
「“侯爵を殺せ”。妾の命じた任を果たした忠臣であり、“必ず生きて帰れ”と願った妾を裏切った愚か者。己が身を投げ打って妾の命を守った? その魔女が? ふふ……笑えない冗談じゃの。その魔女もカリスと一緒よ。ただ、命じたのが妾であるか、兄様であるかの違いでしかない。“侯爵を殺せ”と妾がカリスに命じたように、“妹を守れ”と兄様に命じられたに過ぎん。その魔女が生き延びて──」
そこまで口にして姫様の瞳に生気が戻る。
両目の紅が真っ赤に燃えて、全てを焼き尽くす炎のようで──。
「何故、妾のカリスが死なねばならんかったのじゃっ!!」
姫様の振り上げた拳がドレスに刺さる。
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