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【改訂前】うるさい
転校生が来るらしい
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爾来一週間が経った。
どうやら僕の行動は生徒達の顰蹙を買ったらしい。
僕が淫乱とかいう根も葉もない噂が飛び交っている。
すぐに僕の机の上は花瓶や落書きやらでいっぱいになったしロッカーはゴミの山となった。
一度教科書をプールに沈められて以来、私物は毎日持ち帰るようになった。
多分これ続けてたら少しは筋肉つくんじゃないかなんて最近は思ってたりする。
今日は少し早めに登校しよう。
なんとなく、気分で。
あ、そうそう。
今日は僕の従兄が来るんだっけ?
鞄から上履きを出し、履くと外靴を鞄に入れる。
これも習慣化しつつある。
ガラッ
教室に入る。
静かだ。
朝というものほど落ち着く時間は無い。
耳を澄ましてみても聞こえるのは時計の針の音。
心地良いリズムを刻んでいる。
正直、疲れている。
どうしても一人の時間が必要だった。
加奈川くんは僕を生贄、いや、道連れにしたいみたいだ。
なんとも迷惑な話だけど、嫌われる方がいいか。愛を与えられるよりかは全然マシだ。
だけど、僕だって自分の時間は必要なのだ。
ぽけーっと外を眺める。
それに、疲れてる理由はそれだけでない。
あの夢を毎夜のように見てしまうのだ。
そのせいで寝不足だったりする。
いや、時差がそもそもの問題なのか?
くしくしと目を擦る。
「ふぁ~っ」
欠伸をしてぼんやりしてるとパタパタと廊下に足音が聞こえだした。そろそろ生徒が登校する頃なのだろう。
最近僕は棒付きキャンディにハマっている。
適当に取り出して口に入れると今日はミント味だった。
爽やかな香りがツンと鼻に刺さる。
「夜霧くん、おはよぉ。」
隣に目をやると加奈川くんが登校してきたところだった。
「…おはよう、ございます。」
加奈川くんはクンクンと匂いをかいで、ミントの匂い、と呟く。
「キツかったですか?」
チラッと目をやって聞くと別に、とニコニコ笑って返した。
「聞いた?また転校生が来るんだって。」
こくんと頷く。ふと、加奈川くんの斜め前に一つ、席が増えていることに気付いた。
「このクラスだったんだ…」
そう呟くとうぇっ、と小さく呻きを上げる加奈川くん。
「うわ、ほんとだねぇ。何も無いといいけど。」
そこでふと机の中に手を突っ込んで息を呑んだ。
ん?と言うように加奈川くんがこっちを見たけど何も無かったように取り繕う。
まさか机の中に刃物が入ってるなんて誰が思うだろう。
それに転校生兼同室者のことや眠気もあってボーッとしていた。
チラッと見ると真っ赤に染まっててかなりグロテスクだ。でもまぁ、大丈夫だろう。さすがにここで手を出して騒がれても困るし、とりあえず放置しておこう。
このキレ具合からして剃刀だろうな。
最近の高校生とはなんて質の悪く危険ないじめをするんだろう。
後で先生に机のこと謝らないとな…
流石に血だらけの机なんて誰も触りたくないだろう。
しばらく窓の外を眺めていると痛みも引いてきた。
しかし、こんなに痛かったのいつぶりだろうか。
なんて考えて思い出しそうになった記憶を慌ててしまう。
思い出すだけ無駄であり、虚しいものだ。
どうやら僕の行動は生徒達の顰蹙を買ったらしい。
僕が淫乱とかいう根も葉もない噂が飛び交っている。
すぐに僕の机の上は花瓶や落書きやらでいっぱいになったしロッカーはゴミの山となった。
一度教科書をプールに沈められて以来、私物は毎日持ち帰るようになった。
多分これ続けてたら少しは筋肉つくんじゃないかなんて最近は思ってたりする。
今日は少し早めに登校しよう。
なんとなく、気分で。
あ、そうそう。
今日は僕の従兄が来るんだっけ?
鞄から上履きを出し、履くと外靴を鞄に入れる。
これも習慣化しつつある。
ガラッ
教室に入る。
静かだ。
朝というものほど落ち着く時間は無い。
耳を澄ましてみても聞こえるのは時計の針の音。
心地良いリズムを刻んでいる。
正直、疲れている。
どうしても一人の時間が必要だった。
加奈川くんは僕を生贄、いや、道連れにしたいみたいだ。
なんとも迷惑な話だけど、嫌われる方がいいか。愛を与えられるよりかは全然マシだ。
だけど、僕だって自分の時間は必要なのだ。
ぽけーっと外を眺める。
それに、疲れてる理由はそれだけでない。
あの夢を毎夜のように見てしまうのだ。
そのせいで寝不足だったりする。
いや、時差がそもそもの問題なのか?
くしくしと目を擦る。
「ふぁ~っ」
欠伸をしてぼんやりしてるとパタパタと廊下に足音が聞こえだした。そろそろ生徒が登校する頃なのだろう。
最近僕は棒付きキャンディにハマっている。
適当に取り出して口に入れると今日はミント味だった。
爽やかな香りがツンと鼻に刺さる。
「夜霧くん、おはよぉ。」
隣に目をやると加奈川くんが登校してきたところだった。
「…おはよう、ございます。」
加奈川くんはクンクンと匂いをかいで、ミントの匂い、と呟く。
「キツかったですか?」
チラッと目をやって聞くと別に、とニコニコ笑って返した。
「聞いた?また転校生が来るんだって。」
こくんと頷く。ふと、加奈川くんの斜め前に一つ、席が増えていることに気付いた。
「このクラスだったんだ…」
そう呟くとうぇっ、と小さく呻きを上げる加奈川くん。
「うわ、ほんとだねぇ。何も無いといいけど。」
そこでふと机の中に手を突っ込んで息を呑んだ。
ん?と言うように加奈川くんがこっちを見たけど何も無かったように取り繕う。
まさか机の中に刃物が入ってるなんて誰が思うだろう。
それに転校生兼同室者のことや眠気もあってボーッとしていた。
チラッと見ると真っ赤に染まっててかなりグロテスクだ。でもまぁ、大丈夫だろう。さすがにここで手を出して騒がれても困るし、とりあえず放置しておこう。
このキレ具合からして剃刀だろうな。
最近の高校生とはなんて質の悪く危険ないじめをするんだろう。
後で先生に机のこと謝らないとな…
流石に血だらけの机なんて誰も触りたくないだろう。
しばらく窓の外を眺めていると痛みも引いてきた。
しかし、こんなに痛かったのいつぶりだろうか。
なんて考えて思い出しそうになった記憶を慌ててしまう。
思い出すだけ無駄であり、虚しいものだ。
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