病んでる僕は、

蒼紫

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【改訂前】うるさい

転校生と双子

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「「へぇー」」
「由羅くんが気に入るなんて~」
「花瀬君、おもしろ~い!」

ねー、と小さな女の子のようにわざとらしく顔を見合わせニコニコ笑う双子。
行動や言動がいちいち鬱陶しい。

「律歌~、あれやろ~」
「一歌~、やっちゃう~?」
「「やろっか~」」

それを微笑ましそうに見つめる生徒達。
だけどそんなことより、なんか嫌な予感するんだよな…。

「「どっちがどっちでしょうゲーム~!」」
「ん!?なんだ!?ゲームか!?」

何で毬藻っていちいち叫ぶんだろ。
至近距離だと絶対鼓膜破れてたよね。

「こっちが律歌!」
「こっちが一歌!」
急にくるくると回り出した双子にもう一度目を向ける。
「どっちがど~っちだ!」

「こっちが律歌でこっちが一歌だろ!」

「「わー!すごーい!!」」

嬉しそうにキャッキャキャッキャと騒ぐ双子。

「これで~」
「雅くんは~」
「「僕達のお気に入り~!」」

そう言って両腕にそれぞれ抱きつく双子。
なんとも愛愛しい笑顔だ。

そして毬藻のクラスメート二人──僕のクラスメートでもあるのか──が慌てたように毬藻を引っ張って生徒会に威嚇していた。

「「「ぎゃぁぁあああぁぁぁ!!」」」

辺りは阿鼻叫喚の図となった。
一部泣崩れる生徒もいたそう。


あーあ、馬鹿なんじゃないの?

別に人の事好きになるのは勝手だけど、周囲のことなど全く頭に無いと言わんばかりの行動には呆れるばかりだ。

いつの間にいなくなっていたのか会長と副会長の姿が見えない。

「僕達も帰ろっかぁ」
加奈川くんの掛け声に頷いて柳瀬先輩にお礼を言って教室に戻った。
 
その後、───恐らく生徒会室に連行されたのだろう───毬藻の姿は見えず、スムーズに授業が進んだのは言うまでもない。

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