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外務大臣、突然の訪問
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翌日の昼。
別宅の玄関で、サリーが慌てて走ってくる。
サリー「だ、旦那さま!!
外務大臣さまが!!」
タイロン「は!?なんで!?俺なんか呼んだ!?!?」
ジュディはすでに整った姿で客間へ向かう。
「タイロン、あなたも同席して」
タイロン「え、なんで俺……?」
(昨日怒られたばかりで、まだ心の準備できてないのに……!)
客間にて:外務大臣の依頼
外務大臣「いやぁ、急に悪いね、ジュディ君。タイロン卿、
例の商会との交渉資料なのだが……少々厄介でね。
仕訳が複雑で、どこに分類すればいいのか」
分厚い帳簿と書類をテーブルへ置く。
ジュディは一通り目を通しながら言う。
「……外務仕事の仕訳は専門外ですね。
内容は理解できますけれど」
外務大臣「ほう。では……どうしたものか」
しばしの沈黙。
タイロンは隅っこで小さくなっていたが
(……これ、見覚えあるな……)
意を決して手を挙げる。
タイロン、思わず前に出る
「……あ、あの……
わたくし……少々、わかるかもしれません……」
ジュディ「(え?)」
外務大臣「ほう?君が?」
タイロン「はい。
わたくし、シーラン侯爵家で文書仕事をしておりますので……」
ぱらりと書類をめくり、
さらさらと仕訳を書き直していく。
まるで長年やってきた職人のように。
外務大臣の目がみるみる見開かれる。
外務大臣、衝撃
外務大臣「…………君」
タイロン「は、はい……?」
外務大臣「君……
シーラン侯爵家の文書を担当しているのか?」
タイロン「ええ。兄の仕事……
いや、家の仕事ですから。
ほとんど私がやっております」
外務大臣「…………!!」
外務大臣、椅子から半分立ち上がる。
「シーラン侯爵家の文書は——
王都で一番美しい文書として有名だぞ!?
あの整理整頓、あの判読しやすい文字、
あれを君が?」
タイロン「……はい?
兄がやってると思われてたんですか?」
外務大臣「思っていたとも!!
侯爵長男本人が書いたとばかり……!!
まさか次男坊の君が……!!」
タイロン、急に小さくなる。
「……あの、すみません。
むしろ、怒られます……?」
外務大臣「怒らない!!
むしろ、なぜ黙っていたのだ!!」
ジュディ(横でぽかん)
ここでジュディが“気づく”
ジュディ(心の声)
(……タイロン、こんな才能あったの?
本当に……侯爵家の文書を全部?
これは……ただの次男ではないわね)
タイロンはさらに小声でぼそり。
「……兄がやれと言うから……
私は、ただ……」
外務大臣「謙虚か!?奴隷か!?どっちだ!!」
タイロン「どっちでもないです!!」
サリー(扉の外で聞いてて)
「……旦那さま、実はすごい?」
ジュディ(少しだけ表情が変わる)
「……(意外と……有能?)」
外務大臣が帰ったあと:静かな二人
客間の扉が閉まり、
サリーが気を利かせてカレンを庭へ連れ出したあと。
部屋には、タイロンとジュディだけ。
気まずさがゆらゆら漂う。
タイロンは縮こまりながら資料を片づけている。
すると——
ジュディがそっと口を開いた。
ジュディ(静かに)
「……やるじゃない」
タイロン「……は?」
顔を上げると、
ジュディは珍しく真っ直ぐこちらを見ていた。
怒ってもいない。
呆れてもいない。
ただ、淡く驚いている。
本当に“0.5ミリだけ”柔らかく。
ジュディ
「あなた、侯爵家の文書仕事……
本当に全部やってたのね」
タイロン「え、あ……はい。
兄が……苦手で」
ジュディ「兄の仕事を“全部”やって、
侯爵家に置いてもらってる……ってこと?」
タイロン「……まぁ、そう……です」
ジュディは小さく息をつく。
「つまり——」
タイロン「?」
ジュディ(現実を言語化)
「あなた……
“仕事をさせるために”侯爵家に置かれてるのね」
タイロン「……っ」
図星すぎて、何も言えない。
タイロンの胸の奥に刺さっていた痛みを、
ジュディはあまりにもあっさり言葉にした。
だが、その声は攻撃的じゃなかった。
責めてもいない。
ただ“理解した”だけの声だった。
静かで、少しだけ優しい。
ジュディ(ふっと柔らかく)
「……だから、あんなに文書に詳しいのね。
あなたが書いてたとは思わなかったわ」
タイロンは驚く。
(え……これ、褒められてる?
ジュディに……?)
ジュディはわずかに目を伏せ、
淡く笑うでもなく、怒るでもない表情で言った。
ジュディ
「悪くないわ。
あなたの字、きれいよ」
タイロン「…………っ!」
真っ赤になる。
ジュディは立ちあがり、いつもの冷静な態度に戻る。
「さ、カレンのお昼の時間ね」
が、歩き出す直前。
ほんの一瞬だけ、振り返った。
ジュディ(本当に少しだけ、柔らかく)
「さっきの、助かったわ。ありがとう」
そして去っていく。
タイロンはその背中を見つめながら、
胸の奥にほのかに灯った何かの正体がわからずに立ち尽くした。
(……ジュディの“ありがとう”って、こんなに破壊力あんの……?
なんだこれ……)
サリーのからかい地獄タイム
昼食のあと。
カレンがお昼寝に入り、屋敷は静かになった。
タイロンは、一人で書類を片づけながら、
ふと、さっきのジュディの言葉を思い出していた。
——「助かったわ。ありがとう」
——「あなたの字、きれいよ」
(……やべぇ……なんだこの胸のムズムズ……
俺、暑い?いや、寒い?いや何これ?)
そんな時。
すぅっと背後から影が差した。
サリー(ニヤニヤ)
「旦那さま……
ま~~んざらでもないお顔ですねぇ?」
タイロン「っ!?!?」
びくっと跳ねる。
サリー(止まらない)
「奥様にちょっと褒められたくらいで、
そんなに照れちゃって~~」
タイロン「照れてない!!」
「ふふふ、そう見えるだけですよ?
ほっぺた赤くなってるだけで?」
「赤くねぇ!!」
「耳まで真っ赤ですよ、旦那さま」
タイロン「……ッ!!」
サリーはほうきを持ったまま、にやにやが止まらない。
サリー(追撃)
「それにしても奥様……本当に有能でいらっしゃいますねぇ。
王都でも噂の“影の助っ人”ですし」
タイロン「……知ってたの?」
サリー「そりゃあ知ってますよ。
奥様はね、“商会が争奪戦するレベル”の実力者ですから」
タイロン「…………」
サリーは、少し優しい声を出した。
サリー(小声で)
「旦那さま、奥様は、有能な方が好きなんですよね?」
タイロン「は!?な、なんでそれ——」
「昔からそうでしょう?
兄君の影で働く時も、
“仕事ができる相手”には素直に敬意を払って……
大事にする方じゃないですか」
タイロン「…………」
図星。
サリーはくすっと笑った。
サリー(核心に触れる)
「だから、奥様に見直してもらえて……
よかったですね」
タイロン「………………!」
サリーの言葉が、胸にぐさりと刺さる。
(……そうだ。
見直してもらえた……
それが、なんか……嬉しかったんだ)
タイロンはごまかすように机の上を整える。
「べ、別に……嬉しいとかじゃ……」
サリーはふわりと頭を下げた。
サリー
「旦那さま。
奥様は、無能も嘘つきも大嫌いですけど……
“働く人”には、ちゃんと目を向ける方ですよ」
「……っ」
「旦那さまの良いところを、
奥様は今日、少しだけ見つけたんです。
次は……もっと見つけてもらえるといいですね」
タイロンは真っ赤になって、声も出せなかった。
(……俺……何してんだ……
なんでこんなドキドキしてんだ……)
サリーは満足げに微笑んだ。
「では、カレンちゃんが起きる前に、台所片づけてきますね~」
ぱたぱたと去っていく。
残されたタイロンは、
静かな客間で一人、胸を押さえていた。
別宅の玄関で、サリーが慌てて走ってくる。
サリー「だ、旦那さま!!
外務大臣さまが!!」
タイロン「は!?なんで!?俺なんか呼んだ!?!?」
ジュディはすでに整った姿で客間へ向かう。
「タイロン、あなたも同席して」
タイロン「え、なんで俺……?」
(昨日怒られたばかりで、まだ心の準備できてないのに……!)
客間にて:外務大臣の依頼
外務大臣「いやぁ、急に悪いね、ジュディ君。タイロン卿、
例の商会との交渉資料なのだが……少々厄介でね。
仕訳が複雑で、どこに分類すればいいのか」
分厚い帳簿と書類をテーブルへ置く。
ジュディは一通り目を通しながら言う。
「……外務仕事の仕訳は専門外ですね。
内容は理解できますけれど」
外務大臣「ほう。では……どうしたものか」
しばしの沈黙。
タイロンは隅っこで小さくなっていたが
(……これ、見覚えあるな……)
意を決して手を挙げる。
タイロン、思わず前に出る
「……あ、あの……
わたくし……少々、わかるかもしれません……」
ジュディ「(え?)」
外務大臣「ほう?君が?」
タイロン「はい。
わたくし、シーラン侯爵家で文書仕事をしておりますので……」
ぱらりと書類をめくり、
さらさらと仕訳を書き直していく。
まるで長年やってきた職人のように。
外務大臣の目がみるみる見開かれる。
外務大臣、衝撃
外務大臣「…………君」
タイロン「は、はい……?」
外務大臣「君……
シーラン侯爵家の文書を担当しているのか?」
タイロン「ええ。兄の仕事……
いや、家の仕事ですから。
ほとんど私がやっております」
外務大臣「…………!!」
外務大臣、椅子から半分立ち上がる。
「シーラン侯爵家の文書は——
王都で一番美しい文書として有名だぞ!?
あの整理整頓、あの判読しやすい文字、
あれを君が?」
タイロン「……はい?
兄がやってると思われてたんですか?」
外務大臣「思っていたとも!!
侯爵長男本人が書いたとばかり……!!
まさか次男坊の君が……!!」
タイロン、急に小さくなる。
「……あの、すみません。
むしろ、怒られます……?」
外務大臣「怒らない!!
むしろ、なぜ黙っていたのだ!!」
ジュディ(横でぽかん)
ここでジュディが“気づく”
ジュディ(心の声)
(……タイロン、こんな才能あったの?
本当に……侯爵家の文書を全部?
これは……ただの次男ではないわね)
タイロンはさらに小声でぼそり。
「……兄がやれと言うから……
私は、ただ……」
外務大臣「謙虚か!?奴隷か!?どっちだ!!」
タイロン「どっちでもないです!!」
サリー(扉の外で聞いてて)
「……旦那さま、実はすごい?」
ジュディ(少しだけ表情が変わる)
「……(意外と……有能?)」
外務大臣が帰ったあと:静かな二人
客間の扉が閉まり、
サリーが気を利かせてカレンを庭へ連れ出したあと。
部屋には、タイロンとジュディだけ。
気まずさがゆらゆら漂う。
タイロンは縮こまりながら資料を片づけている。
すると——
ジュディがそっと口を開いた。
ジュディ(静かに)
「……やるじゃない」
タイロン「……は?」
顔を上げると、
ジュディは珍しく真っ直ぐこちらを見ていた。
怒ってもいない。
呆れてもいない。
ただ、淡く驚いている。
本当に“0.5ミリだけ”柔らかく。
ジュディ
「あなた、侯爵家の文書仕事……
本当に全部やってたのね」
タイロン「え、あ……はい。
兄が……苦手で」
ジュディ「兄の仕事を“全部”やって、
侯爵家に置いてもらってる……ってこと?」
タイロン「……まぁ、そう……です」
ジュディは小さく息をつく。
「つまり——」
タイロン「?」
ジュディ(現実を言語化)
「あなた……
“仕事をさせるために”侯爵家に置かれてるのね」
タイロン「……っ」
図星すぎて、何も言えない。
タイロンの胸の奥に刺さっていた痛みを、
ジュディはあまりにもあっさり言葉にした。
だが、その声は攻撃的じゃなかった。
責めてもいない。
ただ“理解した”だけの声だった。
静かで、少しだけ優しい。
ジュディ(ふっと柔らかく)
「……だから、あんなに文書に詳しいのね。
あなたが書いてたとは思わなかったわ」
タイロンは驚く。
(え……これ、褒められてる?
ジュディに……?)
ジュディはわずかに目を伏せ、
淡く笑うでもなく、怒るでもない表情で言った。
ジュディ
「悪くないわ。
あなたの字、きれいよ」
タイロン「…………っ!」
真っ赤になる。
ジュディは立ちあがり、いつもの冷静な態度に戻る。
「さ、カレンのお昼の時間ね」
が、歩き出す直前。
ほんの一瞬だけ、振り返った。
ジュディ(本当に少しだけ、柔らかく)
「さっきの、助かったわ。ありがとう」
そして去っていく。
タイロンはその背中を見つめながら、
胸の奥にほのかに灯った何かの正体がわからずに立ち尽くした。
(……ジュディの“ありがとう”って、こんなに破壊力あんの……?
なんだこれ……)
サリーのからかい地獄タイム
昼食のあと。
カレンがお昼寝に入り、屋敷は静かになった。
タイロンは、一人で書類を片づけながら、
ふと、さっきのジュディの言葉を思い出していた。
——「助かったわ。ありがとう」
——「あなたの字、きれいよ」
(……やべぇ……なんだこの胸のムズムズ……
俺、暑い?いや、寒い?いや何これ?)
そんな時。
すぅっと背後から影が差した。
サリー(ニヤニヤ)
「旦那さま……
ま~~んざらでもないお顔ですねぇ?」
タイロン「っ!?!?」
びくっと跳ねる。
サリー(止まらない)
「奥様にちょっと褒められたくらいで、
そんなに照れちゃって~~」
タイロン「照れてない!!」
「ふふふ、そう見えるだけですよ?
ほっぺた赤くなってるだけで?」
「赤くねぇ!!」
「耳まで真っ赤ですよ、旦那さま」
タイロン「……ッ!!」
サリーはほうきを持ったまま、にやにやが止まらない。
サリー(追撃)
「それにしても奥様……本当に有能でいらっしゃいますねぇ。
王都でも噂の“影の助っ人”ですし」
タイロン「……知ってたの?」
サリー「そりゃあ知ってますよ。
奥様はね、“商会が争奪戦するレベル”の実力者ですから」
タイロン「…………」
サリーは、少し優しい声を出した。
サリー(小声で)
「旦那さま、奥様は、有能な方が好きなんですよね?」
タイロン「は!?な、なんでそれ——」
「昔からそうでしょう?
兄君の影で働く時も、
“仕事ができる相手”には素直に敬意を払って……
大事にする方じゃないですか」
タイロン「…………」
図星。
サリーはくすっと笑った。
サリー(核心に触れる)
「だから、奥様に見直してもらえて……
よかったですね」
タイロン「………………!」
サリーの言葉が、胸にぐさりと刺さる。
(……そうだ。
見直してもらえた……
それが、なんか……嬉しかったんだ)
タイロンはごまかすように机の上を整える。
「べ、別に……嬉しいとかじゃ……」
サリーはふわりと頭を下げた。
サリー
「旦那さま。
奥様は、無能も嘘つきも大嫌いですけど……
“働く人”には、ちゃんと目を向ける方ですよ」
「……っ」
「旦那さまの良いところを、
奥様は今日、少しだけ見つけたんです。
次は……もっと見つけてもらえるといいですね」
タイロンは真っ赤になって、声も出せなかった。
(……俺……何してんだ……
なんでこんなドキドキしてんだ……)
サリーは満足げに微笑んだ。
「では、カレンちゃんが起きる前に、台所片づけてきますね~」
ぱたぱたと去っていく。
残されたタイロンは、
静かな客間で一人、胸を押さえていた。
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