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甘い罠(お菓子とマナー)ーー叔父さまとの謁見
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謁見の前、待合室に用意されたのは豪華な菓子の山だった。
一口サイズのマカロン、宝石のようなゼリー、そして煌びやかなサバラン。
「おおっ……これは……!」
グラントが思わず手を伸ばした瞬間、侍従にピシャリと止められる。
「手づかみはご遠慮ください」
「え、え? どうやって食うんだよ」
「フォークで一口ずつ切って、お召し上がりください」
「なにぃ!? このちっこいのを!?」
器用にマカロンを切ろうとして、フォークからすべり落ち、床を転がっていく。
「あぁぁぁ! 俺のマカロンがぁぁ!」
エリオは慎重にサバランを口に運び……
「……ラム強っ! これ、酔うんじゃ……」
目を潤ませてふらふら。
私はそっと笑みをこぼした。
「……サバランのラム増し増し、いいわね」
しっとりした生地と芳醇な香りが舌に広がり、思わず頬がゆるむ。
ヨシュアは幸せそうにマカロンを食べ、
「あまーい! もう一個!」とご満悦。
⸻
叔父との謁見
やがて、重厚な扉が開き、叔父が現れた。
年配だが鋭い目を持つ、威厳ある男。
「よく来たな、ヨシュア」
ヨシュアはきちんと礼をして言う。
「お久しぶりです、伯父上」
「……国は、お前の兄派によって動かされている。
お前が生きていることは、やつらにとって不都合だ。ゆえに刺客が放たれた」
私たちは黙って聞き入る。
「つまり、王家の継承権争いってことですか」
私が口を挟むと、叔父は頷いた。
「正妃の子であるヨシュアと、国王の愛人筋の子供……惻妃の子は、お前の兄だ。
側妃は血筋の年齢順の正統性を盾に争っている。
……だが、お前がここに来たことで、事態は一変する」
⸻
甘さと重さのコントラスト
マカロンの甘さと、ラムの効いたサバランのほろ苦さがまだ口に残っている。
(……お菓子はこんなに甘いのに。話はこんなに苦いのね)
ヨシュアは拳を握りしめていた。
「……僕は、どうすればいいんですか」
叔父は静かに告げた。
「お前を守る。だが、逃げるだけではいずれ行き詰まる。
……覚悟を決めよ。いずれ、お前が“旗”となる時が来る」
叔父の語る真実
「ヨシュア、お前に真実を伝えねばならぬ」
叔父は低く重い声で語り始めた。
「――お前こそが、継承権では、1番の血筋正しき正妃の子だ」
空気が張り詰める。
ヨシュアは目を見開き、私たちは息を呑んだ。
「母君は今も生きている。しかし離宮に閉じ込められ、側妃派の監視下にある。
叔父である私の手の者が密かに王妃を守っているが……いずれは命を奪われるやもしれぬ」
「じゃあ……僕が、助けに行かなくちゃ」
ヨシュアの声が震える。
⸻
王家の腐敗
「父上は?」
ヨシュアの問いに、叔父は顔を曇らせた。
「生きてはおられる。だが……薬を盛られ、正気を失って久しい。
お前の兄が王子として立ってはいるが、――側妃が、実質的に国を操っているのだ。」
グラントが歯噛みした。
「そりゃあ……国が回るわけねぇ」
「税は上がり、治安は荒れる。
騎士団は形骸化し、代わりに“移民傭兵”が力を持ち始めている」
私は胸が痛んだ。
(……期限切れ聖女の私でも、外から国の乱れは感じてた。やっぱり……そういうことだったのね)
⸻
次なる使命
叔父はヨシュアをじっと見据えた。
「――お前が立ち上がらねばならぬ。
母を救い、正統の旗を掲げ、側妃の子を退けるのだ」
ヨシュアは震える拳を握りしめる。
「……僕に、できるだろうか」
私は横から口を出した。
「できるに決まってる。だって、あんたには私たちがいるんだから」
エリオが頷き、ハリスが「俺の爆薬もある!」と胸を張り、グラントが「どんな敵でもぶっ飛ばす!」と笑う。
ヨシュアは少し泣きそうな顔で笑った。
「……ありがとう。僕、逃げるのはもうやめる」
一口サイズのマカロン、宝石のようなゼリー、そして煌びやかなサバラン。
「おおっ……これは……!」
グラントが思わず手を伸ばした瞬間、侍従にピシャリと止められる。
「手づかみはご遠慮ください」
「え、え? どうやって食うんだよ」
「フォークで一口ずつ切って、お召し上がりください」
「なにぃ!? このちっこいのを!?」
器用にマカロンを切ろうとして、フォークからすべり落ち、床を転がっていく。
「あぁぁぁ! 俺のマカロンがぁぁ!」
エリオは慎重にサバランを口に運び……
「……ラム強っ! これ、酔うんじゃ……」
目を潤ませてふらふら。
私はそっと笑みをこぼした。
「……サバランのラム増し増し、いいわね」
しっとりした生地と芳醇な香りが舌に広がり、思わず頬がゆるむ。
ヨシュアは幸せそうにマカロンを食べ、
「あまーい! もう一個!」とご満悦。
⸻
叔父との謁見
やがて、重厚な扉が開き、叔父が現れた。
年配だが鋭い目を持つ、威厳ある男。
「よく来たな、ヨシュア」
ヨシュアはきちんと礼をして言う。
「お久しぶりです、伯父上」
「……国は、お前の兄派によって動かされている。
お前が生きていることは、やつらにとって不都合だ。ゆえに刺客が放たれた」
私たちは黙って聞き入る。
「つまり、王家の継承権争いってことですか」
私が口を挟むと、叔父は頷いた。
「正妃の子であるヨシュアと、国王の愛人筋の子供……惻妃の子は、お前の兄だ。
側妃は血筋の年齢順の正統性を盾に争っている。
……だが、お前がここに来たことで、事態は一変する」
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甘さと重さのコントラスト
マカロンの甘さと、ラムの効いたサバランのほろ苦さがまだ口に残っている。
(……お菓子はこんなに甘いのに。話はこんなに苦いのね)
ヨシュアは拳を握りしめていた。
「……僕は、どうすればいいんですか」
叔父は静かに告げた。
「お前を守る。だが、逃げるだけではいずれ行き詰まる。
……覚悟を決めよ。いずれ、お前が“旗”となる時が来る」
叔父の語る真実
「ヨシュア、お前に真実を伝えねばならぬ」
叔父は低く重い声で語り始めた。
「――お前こそが、継承権では、1番の血筋正しき正妃の子だ」
空気が張り詰める。
ヨシュアは目を見開き、私たちは息を呑んだ。
「母君は今も生きている。しかし離宮に閉じ込められ、側妃派の監視下にある。
叔父である私の手の者が密かに王妃を守っているが……いずれは命を奪われるやもしれぬ」
「じゃあ……僕が、助けに行かなくちゃ」
ヨシュアの声が震える。
⸻
王家の腐敗
「父上は?」
ヨシュアの問いに、叔父は顔を曇らせた。
「生きてはおられる。だが……薬を盛られ、正気を失って久しい。
お前の兄が王子として立ってはいるが、――側妃が、実質的に国を操っているのだ。」
グラントが歯噛みした。
「そりゃあ……国が回るわけねぇ」
「税は上がり、治安は荒れる。
騎士団は形骸化し、代わりに“移民傭兵”が力を持ち始めている」
私は胸が痛んだ。
(……期限切れ聖女の私でも、外から国の乱れは感じてた。やっぱり……そういうことだったのね)
⸻
次なる使命
叔父はヨシュアをじっと見据えた。
「――お前が立ち上がらねばならぬ。
母を救い、正統の旗を掲げ、側妃の子を退けるのだ」
ヨシュアは震える拳を握りしめる。
「……僕に、できるだろうか」
私は横から口を出した。
「できるに決まってる。だって、あんたには私たちがいるんだから」
エリオが頷き、ハリスが「俺の爆薬もある!」と胸を張り、グラントが「どんな敵でもぶっ飛ばす!」と笑う。
ヨシュアは少し泣きそうな顔で笑った。
「……ありがとう。僕、逃げるのはもうやめる」
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