やってらんないので、聖女も悪役もヒロインも王太子から逃げました。あとは王家で頑張って

夢窓(ゆめまど)

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森の小さな婚約式─

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王家が崩れゆくなか、静かに交わされた誓いの言葉。



バロン(ひざまずいて)

「この森で、あなたと過ごす日々が、
私にとっての宝です。

王家が沈もうと、世が荒れようと、
私は……あなたとともに生きていたい。

森にいてもいい。
この世の立て直しに公爵家に戻ってもいい。

……すべては、マルグリットさまのお心のままに」



マルグリット(そっと笑って)

「……この森で、泣いて、笑って、石けんを混ぜて、
誰かの役に立てた気がしたの。

あの日、泉に身を投げた私は、ここで生まれ変わったのね」

(バロンの手を取り、ゆっくり立たせて)

「……私の答えは、あなたと一緒に歩くことよ。
行く先は──ふたりで決めていきましょう?」



聖女マロン(泣きながら拍手)

「はああぁ~~! 誓いの言葉、100点!!」



ヒロインジニー(ぶっきらぼうに)

「まあまあね。
でもお幸せに。……パンダ以下の王家とは違う」



森の婚約式

夕暮れの森に、焚き火の灯りが揺れていた。
マルグリットとバロンの婚約を祝うため、仲間たちが集まっている。
木の長卓には、焼いた獣肉、ハーブのシチュー、甘い果実酒。
森で採れたばかりのハーブが飾られ、花の冠が風に揺れていた。



聖女の祝福

マロンが立ち上がった。
かつて神殿に仕えた聖女でありながら、いまは森で自由に生きる彼女。
その両手をゆるやかに掲げると、焚き火の炎がぱちりと弾け、
夜空に七色の光が舞い上がった。

「マルグリット、バロン。
この森で共に笑い、泣き、支え合ってきたあなたたちに……祝福を」

マロンの声に合わせ、虹の花びらがひらひらと降り注ぐ。
まるで森全体が、二人の未来を祝っているかのようだった。

マルグリットは瞳を潤ませ、バロンは静かに頭を垂れる。
「……ありがとう、マロン様」
「俺は、この誓いを決して違えません」



舞姫の舞

続いて、ララが前に出た。
ぽやぽやとした笑顔を浮かべていたが、腰に鈴をつけ、布を翻した瞬間――空気が変わる。

笛と太鼓の音に合わせて、ララは舞い始めた。
風のように軽やかで、水のようにしなやか。
その足が踏み鳴らすたび、花弁が舞い、泉のきらめきが幻のように現れる。

「……美しい」
誰ともなく、つぶやきがこぼれる。

最後に、ララはくるりと舞いおさめ、手を胸にあてて微笑んだ。
「お二人の未来が、光に包まれますように」

観客たちはしばし息を忘れ、やがて大きな拍手が森に響き渡った。



宴は続く

ジニーはぶっきらぼうにグラスを掲げて、
「……ま、悪くないわね。幸せにしなさいよ」と一言。

アデルはハーブ酒を掲げ、
「夫婦喧嘩のときは俺の薬を買いに来いよ」と笑う。

笑い声と音楽に包まれ、森の夜は祝祭に染まった。
その真ん中で、マルグリットとバロンはそっと手を取り合い、静かに頷きあった。



森の婚約式は、派手な宮廷の結婚式よりも小さく、素朴だった。
けれどそこにあったのは、飾らない誓いと、仲間たちの本物の祝福だった。
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