『恋は、鏡の中のわたしを変えていく』あなたと踊るタンゴ

夢窓(ゆめまど)

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その後「美と筋肉とダンスの余韻──入門希望、殺到中!

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フェアウェルパーティから数日。
学園は、いつになく浮き立っていた。

廊下ではあちこちで──

「ねえ、見た? あの二人のダンス」
「アネット様のドレスの裾がふわって広がった瞬間、息が止まったよ」
「しかもレオン様のあの筋肉で、あの華麗なリフト……っ!」
「実は筋肉レッスン、一般にも門戸開かれたんだって!」
「マジで!? 申し込むしかないでしょ!」

と、まるで芸能人を追うような熱気。

 



昼休み、ふたりが中庭に歩いていくと、どこからともなく人だかりができていた。

「レオン様、アネット様っ!」
「僕たち、入門したいですっ!」
「初心者でも大丈夫ですか!?」

「わ、わっ……落ち着いてくださいっ」
アネットがたじろいだ。

レオンも戸惑いながらも笑う。

「もちろん、誰でも歓迎します。ただ、筋肉レッスンは地味にきついぞ?」

「でもその先に……あんな風に踊れるなら、がんばります!」

「私は体力ないけど、体幹鍛えたら変われますか!?」

アネットがそっと笑みを浮かべる。

「私も最初は、まったく踊れませんでした。でも……“変わりたい”って思ったら、始められます」

「うおおお!入ります!」「俺も!」「わたしも!」

「ようこそ、“筋肉と美の道”へ……ふふっ」
レオンがやや照れながら言うと、また歓声が上がる。

 



「……なんだか、私たち有名人になったみたいね」
部屋に戻ってきて、アネットがぼそりとつぶやく。

「君ががんばったから、みんなも踏み出そうとしてるんだ。お互い誇っていいよ」

「……そうかしら」

アネットは、レオンの顔を見つめながらそっとつぶやく。

「なら、みんなが“続けたい”って思えるように……私たち、もっともっと踊れるようにならなきゃね」

「もちろん。そのためにも、地獄の自主練、今夜も決行だな」

「……さすがに今日は休みたいわ」
ふたりで笑う。

 

そんな、余韻と筋肉痛が続く日々。

だけど、それすら愛おしいと思えるのは――

きっと、そばに並んで歩く相手が、特別だから。

場所は学園のティーラウンジ。午後の陽ざしがカップに反射して、きらきらと美しい。

セラ中尉がストレートティーをひと口飲んで、ふっと笑った。

「そういえば……アネット様とレオン様、ワルツのあの足捌き。まさに“体幹の勝利”だったわね」

アネット(照れ笑い)
「実は……内腿、翌日すごい筋肉痛で。筋肉って、優雅の裏にあるんですね」

レオン(真面目顔)
「恋も筋肉も、一朝一夕では手に入りませんから」

セラ(うなずきながら)
「そのとおり。だから私は、“恋愛・筋トレ・作法”は同時進行で鍛えるべきだと思ってるの」

アネット「“恋愛と筋トレ”はわかりますけど……“作法”まで?」

セラ(涼しい顔で)
「ドレスを着て微笑むのに腹筋が必要。
お茶をこぼさず立ち上がるのに、太腿が必要。
立ち姿で“負けない女”を演出するには背筋が必要。──つまり、筋肉は美の基礎」

レオン「その理論でいくと、僕の“アネットに近づく腕筋”は正しい育成ですね」

アネット「……え?」

セラ(ニヤッと)
「いい返しね、レオン様。恋愛に必要なのは、受け身じゃなくて“攻めの筋力”」

アネット(真っ赤)
「ちょっ、セラ中尉っ!? 攻めとかそういうのじゃなくて!?」

セラ(にっこり)
「可愛い反応ね。で、今夜のレッスンも筋トレで?」

アネット「……うぅ、ストレッチからお願いします」

レオン「僕は、アネットのエスコート用の腕筋を鍛えておきます」

セラ「その調子。愛も筋肉も、裏切らないから」

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