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ご褒美カフェ
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「ねえ、せっかくだから——ご褒美にカフェに行こうよ!」
ハンナが目を輝かせて言った。
「賛成! 甘いもの食べたい!」
サーシャも両手を挙げ、周りの寮生も次々とうなずく。
「えっ……私も?」
思わず問い返すと、みんなが一斉に笑った。
「当たり前じゃない! 九番だよ? すごいんだから!」
その勢いに押されるように、私は頷いていた。
──街のカフェ。
午後の光が差し込む窓際の席に、紅茶とケーキが運ばれてくる。
ハンナはチョコレートケーキを前に「いただきます!」と元気よくフォークを入れ、サーシャはミルフィーユを崩さないように慎重に食べている。
「ねえマリーンは? 何頼んだの?」
「……ベリーのタルト」
皿に置かれた赤い果実がきらきらして、見ているだけで胸が高鳴る。
ひと口食べた瞬間、思わず笑みがこぼれた。
その顔を見て、みんなが声を上げて笑う。
「ほら、やっぱり楽しそう!」
「成績も良かったし、甘いものも美味しいし、最高の日だね!」
私は頬が熱くなるのを感じながら、でも笑うのをやめなかった。
——ここで初めて、“仲間と一緒に過ごす幸せ”を心から感じられたから。
寮での手紙
夜、食堂の灯りが消え、寮が静けさに包まれたころ。
机の上にランプを灯し、私は便箋を広げた。
昼間、友達と笑った声がまだ耳に残っている。
ベリーのタルトの甘酸っぱさも、胸に残っている。
けれど一番思い出すのは——街を案内してくれたグレッグの笑顔だった。
ペンを手に取り、迷いながら書き始める。
『グレッグへ。
寮での生活にも少しずつ慣れてきました。
この前は街に連れて行ってくれて、ありがとう。
とても楽しかったです。
実は、また会いたいと思っています。
近いうちに会えたら嬉しいです。』
ここでペンを止めた。
——「会いたい」なんて、家にいた頃の私なら絶対に言えなかった言葉。
でも今なら、素直に書ける。
封をして、机の上に置いた。
ランプの明かりが便箋の端を優しく照らしている。
私は小さく息をつき、微笑んだ。
「……次に会うのが楽しみ」
グレッグからの返事と練習場
寮に戻ると、机の上に小さな封筒が置かれていた。
差出人はグレッグ。
『マリーンへ
手紙ありがとう。
今度、騎士団の練習場に来ないか?
演習の練習を見せてもらえるんだ。
魔法部隊も参加するから、きっと面白いと思う。
君に見せたい。』
──翌日。
城下の練習場。
広い広場に並んだ騎士たちが剣を振るい、魔法使いたちが呪文を唱える。
火の玉が宙を走り、風の刃が砂を舞い上げる。
「すごい……!」
思わず声が漏れた。
家では見たことのない、本物の戦いの光景。
ただの授業とは違う迫力に、胸が高鳴った。
その時、背後から声がした。
「興味ある?」
振り返ると、練習を終えたらしい男性が立っていた。
鎧の下からのぞく瞳が鋭く私を見ている。
「君、魔力があるよね。しかも、かなり強い」
「へっ? な、なんでわかるんですか?」
思わず言葉がつかえる。
男は口元に笑みを浮かべた。
「見ればわかったよ。魔力を持つ者は、自然と気配ににじみ出るからな」
背筋に冷たいものが走る。
——知られてはいけない、とずっと思っていた秘密。
それを、こんなにあっさり見抜かれるなんて。
隣にいたグレッグが気づき、私の前に立つ。
「彼女は見学に来ただけだ。深入りはしないでくれ」
男は肩をすくめて去っていったが、胸の鼓動はしばらく収まらなかった。
ハンナが目を輝かせて言った。
「賛成! 甘いもの食べたい!」
サーシャも両手を挙げ、周りの寮生も次々とうなずく。
「えっ……私も?」
思わず問い返すと、みんなが一斉に笑った。
「当たり前じゃない! 九番だよ? すごいんだから!」
その勢いに押されるように、私は頷いていた。
──街のカフェ。
午後の光が差し込む窓際の席に、紅茶とケーキが運ばれてくる。
ハンナはチョコレートケーキを前に「いただきます!」と元気よくフォークを入れ、サーシャはミルフィーユを崩さないように慎重に食べている。
「ねえマリーンは? 何頼んだの?」
「……ベリーのタルト」
皿に置かれた赤い果実がきらきらして、見ているだけで胸が高鳴る。
ひと口食べた瞬間、思わず笑みがこぼれた。
その顔を見て、みんなが声を上げて笑う。
「ほら、やっぱり楽しそう!」
「成績も良かったし、甘いものも美味しいし、最高の日だね!」
私は頬が熱くなるのを感じながら、でも笑うのをやめなかった。
——ここで初めて、“仲間と一緒に過ごす幸せ”を心から感じられたから。
寮での手紙
夜、食堂の灯りが消え、寮が静けさに包まれたころ。
机の上にランプを灯し、私は便箋を広げた。
昼間、友達と笑った声がまだ耳に残っている。
ベリーのタルトの甘酸っぱさも、胸に残っている。
けれど一番思い出すのは——街を案内してくれたグレッグの笑顔だった。
ペンを手に取り、迷いながら書き始める。
『グレッグへ。
寮での生活にも少しずつ慣れてきました。
この前は街に連れて行ってくれて、ありがとう。
とても楽しかったです。
実は、また会いたいと思っています。
近いうちに会えたら嬉しいです。』
ここでペンを止めた。
——「会いたい」なんて、家にいた頃の私なら絶対に言えなかった言葉。
でも今なら、素直に書ける。
封をして、机の上に置いた。
ランプの明かりが便箋の端を優しく照らしている。
私は小さく息をつき、微笑んだ。
「……次に会うのが楽しみ」
グレッグからの返事と練習場
寮に戻ると、机の上に小さな封筒が置かれていた。
差出人はグレッグ。
『マリーンへ
手紙ありがとう。
今度、騎士団の練習場に来ないか?
演習の練習を見せてもらえるんだ。
魔法部隊も参加するから、きっと面白いと思う。
君に見せたい。』
──翌日。
城下の練習場。
広い広場に並んだ騎士たちが剣を振るい、魔法使いたちが呪文を唱える。
火の玉が宙を走り、風の刃が砂を舞い上げる。
「すごい……!」
思わず声が漏れた。
家では見たことのない、本物の戦いの光景。
ただの授業とは違う迫力に、胸が高鳴った。
その時、背後から声がした。
「興味ある?」
振り返ると、練習を終えたらしい男性が立っていた。
鎧の下からのぞく瞳が鋭く私を見ている。
「君、魔力があるよね。しかも、かなり強い」
「へっ? な、なんでわかるんですか?」
思わず言葉がつかえる。
男は口元に笑みを浮かべた。
「見ればわかったよ。魔力を持つ者は、自然と気配ににじみ出るからな」
背筋に冷たいものが走る。
——知られてはいけない、とずっと思っていた秘密。
それを、こんなにあっさり見抜かれるなんて。
隣にいたグレッグが気づき、私の前に立つ。
「彼女は見学に来ただけだ。深入りはしないでくれ」
男は肩をすくめて去っていったが、胸の鼓動はしばらく収まらなかった。
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