7 / 15
7話
しおりを挟む見事に緊急育児クエストを、成功させたベビーケアズは功績を称えられて非戦闘パーティの育児支援専門パーティという新しいパーティ枠から初めてAランクパーティに認定されて、国中でベビーケアズを知らない人はいない存在になった。
それを機に、3人は様々な育児クエストをこなしていく。
そんなある日、いつものようにギルド本部でリナ達が育児クエストを調べていると、珍しく受付嬢のミリアから声がかかる。
「あの、ベビーケアズの皆さんに、お話があるので、こちらの会議室に来てもらえますか?」
3人は、何の話があるのかと考えながら頷く。
会議室に入ると、部屋の窓から景色を見ている後ろ姿の男性が立っていた。
するとソフィアが叫ぶ
「おい……なんで、てめぇがここにいるんだよ」
続いてエレノアも叫ぶ
「あなた…どんな顔をして、わたし達の前に現れてますの!」
リナは下を向いたまま、無言。
そこへ、ミリアが制止する。
「皆さん、落ち着いてください。とりあえず座ってください、私から説明します」
会議室の中にいたのは、初めてギルド本部にリナとエレノアが登録しに来た日に、ベビーケアズを侮辱した新人勇者パーティの勇者だった。
ミリアの説明だと、今日突然に勇者から育児クエストの緊急依頼を受けたという。
勇者の話は、勇者には実姉がいて最近になって子どもを産んで赤ちゃんを育てているが、家庭内の家事から育児まで全てを実姉一人でやっていて、久しぶりに勇者が姉と再会したら、今、国中で話題になっている育児ノイローゼになってたらしい。
しかも実姉の夫は、王族の騎士団の一員で、仕事が忙しいからと、あまり家に帰らなくなったという。
そこで、姉を心配した勇者が姉の身を案じて、緊急育児クエストを、依頼した。
するとエレノアは、立ち上がって勇者に向かって、人差し指を突きつけて叫ぶ
「あんた…図々しいにも程がありますわ!あの時のわたし達が、どれだけ傷ついたか……」
勇者も立ち上がって、エレノアの瞳を見つめた後に、膝を床につけ、頭も床につけて土下座をして、エレノアに対抗するように叫ぶ
「あの時は、あなたたちを軽視しバカにして、ごめんなさい!俺の事は恨んだままでいい…だけど、どうか俺の姉さんを…助けてください…虫が好すぎる話だと理解している…それでも、姉さんだけは幸せになってほしいんです…お願いします…」
静まり返る会議室に、下をむいて無言だったリナが口を開く
「……わかりました、ミリアさん、緊急育児クエストを受けます…」
「ちょっと!リナ!」
「おい!リナ!」
エレノアとソフィアは、納得いかない表情をする。
リナは身体を震わせながらソフィアとエレノアに話す
「2人ともごめんね……私も彼が嫌いだし、許してない…だけど無関係な、お姉さんと赤ちゃんにまで、怒りを向けるのは間違いだと思うの……」
エレノアは、ため息をついたというか深呼吸をしたのか区別がつかない仕草から答えた
「……そうですわね、赤ちゃんには罪はありません、リナの言葉で目が覚めましたわ」
つづけてソフィアが話す
「そうだよな、ベビーケアズは女性の味方だからな!助けよう!」
勇者は、涙を浮かべてベビーケアズに感謝をした。
こうして、ベビーケアズは緊急育児クエストで、勇者の実姉と赤ちゃんを助けるために、動き出す
そして出発前にリナは、ソフィアとエレノアに話す
「……ソフィア、エレノア」
2人は、リナに耳を傾ける
「今回の育児クエストは、最低でも数日から数週間はかかるかもしれない…だから宿に泊まって依頼主の家を行き来するかもしれない…大丈夫?」
「ええ、大丈夫です」
「もちろん大丈夫だ」
リナとエレノアとソフィアは手を伸ばして重ねてリナが気合いをかけた
「いくよ…今回のクエストは難しいかもしれないけど成功させるように、3人で協力し合っていこう!」
「ええ!」
「うん!」
こうして、ベビーケアズは勇者に案内されて、勇者の姉の自宅に向かう
0
あなたにおすすめの小説
追放令嬢と【神の農地】スキル持ちの俺、辺境の痩せ地を世界一の穀倉地帯に変えたら、いつの間にか建国してました。
黒崎隼人
ファンタジー
日本の農学研究者だった俺は、過労死の末、剣と魔法の異世界へ転生した。貧しい農家の三男アキトとして目覚めた俺には、前世の知識と、触れた土地を瞬時に世界一肥沃にするチートスキル【神の農地】が与えられていた!
「この力があれば、家族を、この村を救える!」
俺が奇跡の作物を育て始めた矢先、村に一人の少女がやってくる。彼女は王太子に婚約破棄され、「悪役令嬢」の汚名を着せられて追放された公爵令嬢セレスティーナ。全てを失い、絶望の淵に立つ彼女だったが、その瞳にはまだ気高い光が宿っていた。
「俺が、この土地を生まれ変わらせてみせます。あなたと共に」
孤独な元・悪役令嬢と、最強スキルを持つ転生農民。
二人の出会いが、辺境の痩せた土地を黄金の穀倉地帯へと変え、やがて一つの国を産み落とす奇跡の物語。
優しくて壮大な、逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
【短編】子猫をもふもふしませんか?〜転生したら、子猫でした。私が国を救う!
碧井 汐桜香
ファンタジー
子猫の私は、おかあさんと兄弟たちと“かいぬし”に怯えながら、過ごしている。ところが、「柄が悪い」という理由で捨てられ、絶体絶命の大ピンチ。そんなときに、陛下と呼ばれる人間たちに助けられた。連れていかれた先は、王城だった!?
「伝わって! よく見てこれ! 後ろから攻められたら終わるでしょ!?」前世の知識を使って、私は国を救う。
そんなとき、“かいぬし”が猫グッズを売りにきた。絶対に許さないにゃ!
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【読切短編】転生したら辺境伯家の三男でした ~のんびり暮らしたいのに、なぜか領地が発展していく~
Lihito
ファンタジー
過労死したシステムエンジニアは、異世界の辺境伯家に転生した。
三男。継承権は遠い。期待もされない。
——最高じゃないか。
「今度こそ、のんびり生きよう」
兄たちの継承争いに巻き込まれないよう、誰も欲しがらない荒れ地を引き受けた。
静かに暮らすつもりだった。
だが、彼には「構造把握」という能力があった。
物事の問題点が、図解のように見える力。
井戸が枯れた。見て見ぬふりができなかった。
作物が育たない。見て見ぬふりができなかった。
気づけば——領地が勝手に発展していた。
「俺ののんびりライフ、どこ行った……」
これは、静かに暮らしたかった男が、なぜか成り上がっていく物語。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる