記憶のない彼女と運命の恋

冬花美優

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第1章 帝国編

9話 100年の時を超えた再会

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皇帝ルシアが城内に来訪した事がエリスにも知らされた。エリスは戸惑いを隠せなくなり居ても立ってもいられなかった。

「はぁ……あの夢に出てきた人……ルシア様」

まだ馴染みがないけど、どこか懐かしさと安心さを感じる不思議な感覚になる。

何かを察したメイド長のミヤノが言った。

「エリス様、ルシア様が気になりますよね、良かったら後日、会いに行きます?」

「え、でも彼はすぐ帰るのでしょ?」

「詳しくは分かりませんが数日間は滞在するらしいですよ」

ということは必ずどこかで再会するだろう。


そんな事を考えて、数日が過ぎた。


ある日の夜に窓から、何か気配を感じたエリスだが眠気に負けて気にせず寝ていた。

すると微かな足音が部屋に聞こえる。

「んっ……んんっ…だれぇ?、ミヤノ?」



細目で目の前を見ると、美しい黒髪に赤い瞳の長身の黒のスーツを着た男性が立っていた。

なぜだろうか、自然と無意識にエリスは、こんな言葉がでた。


「……遅いわよ……バカ…何年待たされたと思ってるのよ……」

「……すまない…だが……やっと会えて嬉しいよ、どうだ?変わりないか?」

「……大有りよ……」

自然とエリスは起き上がって彼の胸元に飛びついた。

それを優しく受け止めて抱きしめてくれた。

「そんなに泣くな、私の服が濡れてしまうだろ」

「泣いてないわよ……」

エリスは月夜に光る窓に反射した自分の顔をみると、頬を赤らめて涙が溢れていた。


「おかえり、エリス。私の愛する人よ」

「ただいま……ルシア」


少しの間、私は彼の胸に身を委ねていた。


「落ち着いたか?」

「うん……ごめんなさい」

「大丈夫だ。エリス、雰囲気変わったな」

「そお?100年後だから私がおばさんに見えるのかしら?」

私は頬を膨らまして怒ってみた。

「ふっ……いやそうじゃない、美しさが増したなって事だ」


「……恥ずかしいこと言わないで」

「エリス、私とこちらに帰らないか?」

「嬉しいけど私はまだ、帰れないわ……彼やあなたにケジメをつけないと……」

「そうか……俺はエリスが歩みたい道に行けば良い、だから素直にゆっくり考えるんだ」

「ええ、ありがとうルシア」

「さて、夜中にすまなかったな、私も部屋にもどるとしよう」

ルシアは私に背を向けて帰ろうとした。

私は自然と悲しくなり、手を伸ばして彼に触ろうとした。

すると彼が振り向いて私の伸ばした腕を取り引き寄せた。

「んっ……っ」

その瞬間、私は彼と唇を交わしていた。それは温かく懐かしく安心する……私の最近起きた様々な辛かった記憶が蘇って、その記憶を綺麗に洗い流してくれる感覚だった。

「……っ、すまない。つい……」

今度こそ、彼は帰ろうとした時に私は彼の胸に再び飛びついて言った。

「お願い……行かないでよ…今夜はひとりにしないで……行かないで」

すると何故か私の胸の赤い薔薇の烙印が輝きだした。

「おまえのその烙印はいつ見ても美しいな」

「バカ……恥ずかしいわ…」

そして私は彼を引っ張ってベッドに引き寄せた

「本当に俺がいても大丈夫なのか?」

「いいよ、私が許可するから大丈夫。ミヤノにもあとで、怒られるわ……」

「なら、俺も一緒に怒られよう」

彼は私の手を優しく握ってきた。大きなたくましい手だけど安心する。彼は服を脱いで、私の服も優しく脱がした。

「久しぶりに見たが綺麗だな、昔の傷も消えてるぞ」

「うん、マリンナ様が消してくれたの…」

そう言って彼は優しく私の身体を抱きしめて包み込んでくれる。

「ねぇ、」

「なんだ?」

「嬉しい……やっとひとつになれる……」

「そうだな……」


そして2人は100年の時を超えてひとつになり、エリスの身体には温かく優しい温もりが満たされていた。


そしてエリスの部屋のドア越しには彼女がいた。

「エリス様……良かった…本当によかったですね……私は怒りませんよ…今日は、ゆっくり休んでください。」

そしてミヤノはエリスの部屋を後にして自分の部屋に帰っていくミヤノの後ろ姿が安心したように歩いていく。
また、エリスが今までの出来事に耐えていたのが少しでも報われるのが嬉しくて涙が溢れていた。


翌朝、ベッドの上でルシアの腕の中で安心した顔で寝ているエリスがいた。

そこへメイド長のミヤノがやってきた。

コンコンっ

「失礼します、おはようございます。ミヤノでございます。」

「入れ」

ガチャ


メイド長のミヤノはルシアの顔を見て言った

「久しいなルシア、元気でいたのかしら?」

「あぁ、ミヤノもどうだ?変わりないか?」

「もちろんです」

「エリスの件、助かったぞ。保護してくれて感謝する」

するとミヤノは膝まづいて言った


「我が主様が100年の時を経て再び世界に降臨した事に嬉しく思います」

「俺も同感だ」

「それとルミナスも既に主様と再会を済ませました」

「そうか……なら、女帝の復活も間近だな」

「はい……ですがルシア様」

「なんだ?」

ミヤノは涙を浮かべながら言った

「どうか主様には王位に就いて世界の安寧よりも、彼女自身が幸せになっていただきたいのです……これは私ミヤノとルミナスからの願い」

「……」

「口が過ぎました、申し訳ございません」

「いや、俺もずっと思ってた。だから我々で彼女が幸せになる道を開いてやろう」

「はっ!全ては女帝サキュバス・エリス様……いえ、エリス様のために」

するとルシアは優しく微笑んだ

「そうだな、女帝ではなくエリスとして幸せになってもらおう」


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